相続した不動産の売却でかかる税金6種類|3つの特例と申告の期限

相続した実家を売っても、購入額より安く売れたのだから税金はかからない——そう考えられがちですが、建物の取得費は所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算するため(国税庁 No.3202)、損に見える売却でも課税されることがあります。この記事では税金6種類と3つの特例、申告の期限を整理します。

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相続した不動産を売ると税金はいくらかかるのか

譲渡所得の計算式と、長期20.315%・短期39.63%という2つの税率の関係を示した図

相続した不動産を売却したときにかかる主役の税金は譲渡所得税で、税率は所有期間によって20.315%または39.63%に分かれます。相続で取得した不動産は被相続人の所有期間を引き継ぐため、多くのケースで低いほうの20.315%が適用されます。

税額は売却価格そのものではなく、そこから取得費と譲渡費用を引いた「譲渡所得」に対して決まります。逆にいえば、売却価格・取得費・譲渡費用・使える特例の4つが分かれば、概算は自分でも出せます。まずは税額がどう決まるのか、その骨格から押さえていきましょう。

売却額が購入額を下回っても課税されることがある

たとえば親が2,200万円で購入したマンションを1,900万円で売却した場合、差額だけを見れば300万円の損です。それでも譲渡所得が発生し、課税されることがあります。理由は、建物は所有期間に応じて減価償却する必要があるという点にあります。

国税庁も、譲渡所得を計算する際の取得費について「建物の取得費は、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します」と明記しています(国税庁 No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税))。つまり2,200万円で買った家であっても、そのうち建物部分の価値は年々目減りしていく前提で計算されるため、差し引ける取得費は2,200万円より小さくなります。名目上は売却損でも、税法上は譲渡所得が発生しているケースがあるのはこのためです。

「売れた額が買った額より低いから申告不要」と自己判断して申告を怠ると、後から加算税が発生する可能性があります。土地と建物の内訳が分かる当時の売買契約書を探すところから始めてください。

譲渡所得の計算式と2つの税率

譲渡所得は、売った金額をそのまま所得とみなすのではなく、次の式で計算します。

譲渡所得 = 譲渡価額(売却代金)−(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額

取得費は購入代金や購入手数料などの合計から建物の減価償却費相当額を差し引いた金額、譲渡費用は仲介手数料・測量費・売買契約書の印紙代・建物を取り壊して土地を売るときの取壊し費用などを指します。

この譲渡所得に、所有期間に応じた税率をかけたものが税額です。

区分 判定基準 所得税 住民税 復興特別所得税 合計税率
長期譲渡所得 譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年超 15% 5% 所得税額の2.1% 20.315%
短期譲渡所得 同じく所有期間が5年以下 30% 9% 所得税額の2.1% 39.63%

データ出典: 国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算国税庁 No.3211 短期譲渡所得の税額の計算(2026年8月時点)。合計税率の20.315%・39.63%は、両ページの所得税率・住民税率と復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)を合算した数値です。

ここで相続不動産に特有の重要な扱いがあります。相続や贈与によって取得した土地建物は、被相続人や贈与者の取得の時期がそのまま引き継がれます(国税庁 No.3270)。所有期間は「相続した日」からではなく「親が買った日」から数えるということです。親が20年前に購入した実家であれば、相続の翌月に売っても長期譲渡所得となり、税率は20.315%になります。

逆にいえば、相続した不動産で39.63%の短期税率が適用されるのは、被相続人自身の所有期間が5年以下だった場合に限られます。「相続してすぐ売ると税率が高い」という理解は、この点で誤りです。

取得費が分からないときは売却額の5%になる

相続不動産の売却で税額が跳ね上がる最大の要因は、税率ではなく取得費です。国税庁は、先祖伝来のものや買い入れた時期が古いなどで取得費が分からない場合、売った金額の5%相当額を取得費とすることができるとしています(国税庁 No.3258 取得費が分からないとき)。同ページには「土地建物を3,000万円で売った場合に取得費が不明のときは、売った金額の5パーセント相当額である150万円を取得費とすることができます」という例が示されています。

この概算取得費は救済措置ですが、実際には不利に働きます。3,000万円で売れた不動産の取得費がわずか150万円しか認められないということは、譲渡所得の大部分が課税対象になることを意味するからです。

金額で見ると影響の大きさが分かります。古い実家が600万円で売れ、取得費の資料が一切残っていない場合、概算取得費は30万円です。譲渡費用を考慮しない単純計算でも課税譲渡所得は570万円となり、長期譲渡所得の20.315%をかけた税額は約116万円(所得税855,000円・復興特別所得税17,955円・住民税285,000円)になります。売却代金の2割近くが税金として出ていく計算です(税率の根拠は国税庁 No.3208。金額は当社試算)。

だからこそ、次に説明する特例が効いてきます。取得費の資料が見つからない相続案件ほど、特例を使えるかどうかで手残りが数百万円単位で変わります。

相続した不動産の売却でかかる税金6種類

相続税・登録免許税・印紙税・譲渡所得税・住民税・復興特別所得税の6税目と発生タイミングを一覧化した図

相続した不動産を売却するまでの過程では、相続税・登録免許税・印紙税・譲渡所得税・住民税・復興特別所得税の6種類の税金が関わります。すべてが必ず発生するわけではなく、相続税は基礎控除の範囲内なら不要、譲渡所得税と住民税は売却益が出た場合のみ発生します。

税額の見当が立たない不安の正体は、多くの場合「何にお金がかかるのかを把握できていない」ことにあります。ここで全体像を一度に押さえておきましょう。

# 税金 発生するタイミング 税率・金額の目安
相続税 相続で財産を取得したとき 課税価格と法定相続人の数により決まる
登録免許税 相続登記(名義変更)のとき 不動産の価額の0.4%
印紙税 売買契約書を作成したとき 契約金額に応じて1千円〜3万円程度
譲渡所得税(所得税) 売却益が出たとき 長期15%/短期30%
住民税 売却の翌年度 長期5%/短期9%
復興特別所得税 譲渡所得税と同時 所得税額の2.1%

①相続税——相続した財産の総額にかかる

相続税は不動産だけでなく、預貯金・有価証券を含めた相続財産の総額に対してかかる税金です。売却とは直接関係しませんが、後述する取得費加算の特例は「その財産を取得した人に相続税が課税されていること」を適用要件としているため(国税庁 No.3267)、相続税を納めたかどうかが売却時の税額にも影響します

相続税の申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月です。この10ヶ月という期間は、後で説明する特例の期限を計算するうえでも起点になります。

②登録免許税——名義変更のときにかかる

相続した不動産を売るには、まず被相続人から相続人へ名義を変える相続登記が必要です。このときにかかるのが登録免許税で、国税庁の税額表では相続による所有権の移転登記は不動産の価額の1,000分の4(0.4%)と定められています(国税庁 No.7191 登録免許税の税額表)。売買による移転登記が1,000分の20であるのに比べれば低い税率です。

固定資産税評価額1,000万円の不動産であれば4万円が目安になります。なお同ページには、令和9年3月31日までに受ける土地の相続による所有権移転登記のうち、課税標準となる不動産の価額が100万円以下のものは登録免許税が課されないという免税措置も記載されています。

③印紙税——売買契約書にかかる

売買契約書には収入印紙を貼付します。不動産の譲渡に関する契約書については、平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成されるものに軽減措置が適用されています(国税庁 No.7108)。

契約金額 軽減後の印紙税額
500万円超 1,000万円以下 5千円
1,000万円超 5,000万円以下 1万円
5,000万円超 1億円以下 3万円

一般的な戸建やマンションの売却であれば、実際の負担は1万円前後に収まることがほとんどです。

④譲渡所得税(所得税)——売却益にかかる主役の税金

6種類のうち、金額が最も大きくなりやすいのが譲渡所得税です。給与所得などとは合算せず分離して計算し、長期譲渡所得なら15%、短期譲渡所得なら30%の税率がかかります。相続不動産では被相続人の所有期間を引き継ぐため、通常は15%が適用されます。

売却益が出なければ課税されません。ただし前述のとおり、建物の減価償却により「売却益が出ていないつもりでも出ている」ケースがあるため、計算は取得費の内訳から行ってください。

⑤住民税——翌年度に課税される

譲渡所得には住民税もかかります。長期譲渡所得で5%、短期譲渡所得で9%です。住民税は所得税と違い、売却した年ではなく翌年度に課税されるため、納税資金を使い切ってしまわないよう注意が必要です。売却代金を相続人間で分けた後に住民税の通知が届き、慌てるケースがあります。

⑥復興特別所得税——2037年まで所得税に上乗せされる

復興特別所得税は、平成25年から令和19年(2037年)までの各年分について、基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付する仕組みです(国税庁 No.3208)。長期譲渡所得の場合、所得税15%に対して2.1%なので0.315%となり、これを所得税15%・住民税5%と合計した20.315%が実質的な負担率になります。

なお不動産を保有している間の固定資産税や、不動産会社に支払う仲介手数料にかかる消費税も実際には出ていくお金ですが、これらは売却そのものに課される国税・地方税とは区分が異なるため、上記6種類とは分けて考えます。

税額を大きく変える3つの特例

取得費加算・空き家3,000万円控除・マイホーム3,000万円控除の対象者と期限を比較した図

相続した不動産の売却で使える主な特例は、相続税の取得費加算の特例、相続空き家の3,000万円特別控除、マイホームの3,000万円特別控除の3つです。このうち取得費加算と空き家特例は併用できず、どちらを選ぶかで税額が変わります。

相続税を納めたうえに売却時にも課税されると、手元に残る金額は想定よりかなり小さくなります。この二重の負担感を制度として和らげるのが、最初に挙げる取得費加算の特例です。

相続税の取得費加算の特例

納めた相続税のうち、売却した不動産に対応する部分を取得費に加算できる制度です。取得費が増えれば譲渡所得が減り、結果として譲渡所得税・住民税が下がります。適用要件は次の3つで、すべてを満たす必要があります(国税庁 No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例)。

  1. 相続や遺贈により財産を取得した者であること
  2. その財産を取得した人に相続税が課税されていること
  3. その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること

相続税の申告期限が相続開始から10ヶ月であることを踏まえると、要件3の期限は実質的に相続開始から約3年10ヶ月ということになります。加算できる金額には上限があり、この特例を適用しないで計算した譲渡益を超える場合はその譲渡益相当額までです。

相続税を納めていない場合はこの特例を使えません。基礎控除の範囲内で相続税がかからなかった方は、次の空き家特例を検討することになります。

相続空き家の3,000万円特別控除

被相続人が一人暮らしをしていた古い家を相続し、空き家のまま売却する場合に、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。正式には「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といい、国税庁 No.3306 に要件が定められています。

対象となる家屋の要件は次の3つすべてです。

  • 昭和56年5月31日以前に建築されたこと
  • 区分所有建物登記がされている建物でないこと(分譲マンションは対象外)
  • 相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと

さらに、売却についても以下の条件が付きます。

  • 相続の時から譲渡の時まで事業の用・貸付けの用・居住の用に供されていたことがないこと
  • 譲渡の時において一定の耐震基準を満たすこと、または家屋の全部を取り壊して敷地を売ること(令和6年1月1日以後の譲渡では、譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに耐震基準を満たすこととなった場合、または取壊しが行われた場合も対象)
  • 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 取得費加算の特例など他の特例の適用を受けていないこと
  • 親子・夫婦など特別の関係がある人に対する売却でないこと

控除額は最高3,000万円ですが、令和6年1月1日以後に行う譲渡で、家屋と敷地を相続または遺贈により取得した相続人の数が3人以上である場合は2,000万円が上限になります。きょうだい3人で実家を相続して売却するようなケースでは、この点を見落とさないでください。

適用には、市区町村長から交付を受けた被相続人居住用家屋等確認書や耐震基準適合証明書などの添付が必要です。書類の準備に時間がかかるため、期限ぎりぎりの動き出しでは間に合わないことがあります。

なお、この特例が適用できる期間自体にも上限があり、対象となるのは平成28年4月1日から令和9年12月31日までの譲渡です(2026年8月時点)。

マイホームの3,000万円特別控除

相続した家に相続人自身が住んでいた、あるいは相続後に住んでいた場合には、居住用財産としての3,000万円特別控除を検討します。こちらは所有期間の長短に関係なく、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できます(国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例)。

以前に住んでいた家屋の場合は、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが条件です。ただし国税庁は適用除外として「この特例の適用を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋」「一時的な目的で入居したと認められる家屋」を挙げており、短期間だけ住んで控除を狙う形は認められません。相続後にごく短い期間だけ住んだケースは、この適用除外に当たるかどうかで判断が分かれます。居住期間が1年に満たないような場合は、申告前に税理士へ確認してください。

また、売った年の1月1日において家屋と敷地の所有期間がともに10年を超える場合は、軽減税率の特例も併せて使えます。課税長期譲渡所得金額6,000万円以下の部分について所得税が10%になり、3,000万円特別控除と重ねて適用できます国税庁 No.3305)。

3つの特例の使い分けを整理すると次のようになります。

特例 主な対象 期限 注意点
取得費加算の特例 相続税を納めた人 相続開始から約3年10ヶ月 相続税がかかっていないと使えない
相続空き家の3,000万円控除 昭和56年5月31日以前建築・被相続人の一人暮らし 相続開始から3年経過日の属する年の12月31日 売却代金1億円以下/相続人3人以上は2,000万円/取得費加算と併用不可
マイホームの3,000万円控除 相続人自身が住んでいた家 住まなくなってから3年経過日の属する年の12月31日 一時的な入居は適用除外

特例を使えた場合の効果は小さくありません。たとえば売却価格3,000万円、取得費が不明で概算取得費150万円、譲渡費用105万円という条件では、課税譲渡所得は2,745万円となり、20.315%で計算した税額は約557万円になります。ここに空き家の3,000万円特別控除が適用できれば、課税譲渡所得は0円です。同じ物件・同じ売却価格でも、特例が使えるかどうかで手残りが約557万円変わる計算になります。

※この試算は、国税庁が示す税率(No.3208)と控除上限(No.3306)をもとに当社が計算した目安であり、上記の前提条件が成立する場合の数値です。実際の税額は取得費資料の有無、建物の減価償却、耐震基準の充足、相続人の人数などによって変わるため、個別の判断は税理士に確認してください。

特例を使うための申告と期限の守り方

相続開始から相続登記・売却・確定申告までの期限を時系列で示したタイムライン図

特例には期限があり、しかも制度ごとに数え方が異なります。取得費加算は相続開始から約3年10ヶ月、空き家特例とマイホーム特例は「3年を経過する日の属する年の12月31日」までです。そして特例で税額が0円になる場合でも、確定申告をしなければ特例そのものが適用されません。

「まだ3年もある」と考えて動き出しが遅れると、書類の準備や買主探しで期限を使い切ってしまいます。ここでは逆算のしかたを具体的に見ていきましょう。

混同しやすい2つの期限

期限を取り違える原因は、起点と終点の数え方が制度ごとに違うことにあります。

特例 期限の定め方 相続開始が2026年3月10日の場合
取得費加算の特例 相続開始のあった日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで 相続税の申告期限は2027年1月10日、その翌日から3年で2030年1月11日ごろ
空き家の3,000万円特別控除 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで 3年経過日は2029年3月10日、その年の年末で2029年12月31日

同じ相続でも、使う特例によって締切が1年近くずれます。空き家特例のほうが先に切れるため、この特例を使う予定なら「相続から3年目の年末」を最終ラインとして逆算してください。

なお空き家特例は制度自体の適用期間も令和9年12月31日までとされているため(2026年8月時点)、相続の時期によっては個別の3年期限より先に制度の期限が来ることがあります。

税額が0円になる場合こそ確定申告が必要

売却益が出なければ確定申告は不要です。しかし特例を適用した結果として税額が0円になった場合は話が別で、申告しなければ特例は適用されません。国税庁は取得費加算・空き家特例・マイホーム特例のいずれについても「この特例の適用を受けるためには、一定の書類を添えて確定申告をすることが必要です」と明記しています。

必要になる書類は特例ごとに異なります。空き家特例であれば、譲渡所得の内訳書に加えて、売った資産の登記事項証明書等、市区町村長から交付を受けた被相続人居住用家屋等確認書、耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書の写し、売却代金が1億円以下であることを明らかにする売買契約書の写しが求められます。

このうち被相続人居住用家屋等確認書は市区町村への申請が必要で、即日発行されるものではありません。確定申告は売却した翌年の申告期間に行いますが、書類の手配は売却の段階から始めておく必要があります。

売却の前提になる相続登記

被相続人名義のままでは不動産を売却できません。売買の前提として相続登記(名義変更)を済ませておく必要があります。

相続登記は令和6年4月1日から申請が義務化されました。法務省は、相続人は不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をすることが法律上の義務であり、正当な理由がないのに相続登記をしない場合は10万円以下の過料が科される可能性があると説明しています(法務省 相続登記の申請義務化に関するQ&A)。

注意したいのは、義務化より前に相続した不動産も対象になる点です。同Q&Aは、令和6年4月1日より前に相続したことを知った不動産で相続登記がされていないものについては、令和9年3月31日までに相続登記をする必要があるとしています。売却予定の有無にかかわらず、相続した不動産は登記の対象です。遺産分割協議がまとまらないまま何年も放置すると、相続人がさらに亡くなって関係者が増え、手続きが一気に複雑になります。

登記手続きそのものは司法書士へ依頼するのが通例です。当社の買取くんでは提携する司法書士(岩村司法書士事務所の司法書士・岩村広宣)が所有権移転登記を担当する体制をとっており、登記から売却までを一本の流れとして進められます。

期限に間に合わせる売り方——仲介と買取の違い

特例の期限で見落とされやすいのは、「売る」とは買主が実際に現れて決済まで終わることを指す、という点です。売り出したのに買い手が付かないまま年末を迎えれば、控除は使えません。

期間の目安について、東急リバブルは公式サイトで、通常の売却(仲介)の場合は販売活動に1〜3ヶ月、契約から現金化までに2〜4ヶ月を要すると説明しています。これは順調に進んだ場合の期間であり、買い手が見つからなければさらに延びます。

そして、空き家特例を狙える物件ほど仲介では売りにくいという構造的な矛盾があります。空き家特例の要件は「昭和56年5月31日以前に建築」「相続の時から譲渡の時まで事業・貸付け・居住の用に供されていない」ことですから、要件を満たす物件は必然的に築40年超で、人が住んでいない古い家ということになります。一般の買主にとっては買いにくい物件です。

売り方 期間の目安 向いているケース
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ただし買取にも弱点があります。不動産会社が転売を前提に買い取る以上、買取価格は時間をかけて仲介で売れた場合の価格を下回ることがあります。価格を最優先するなら仲介、期限と確実性を優先するなら買取という整理になります。

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公式サイト 公式サイト

2. カチタス

カチタスの公式サイト

カチタスは、中古住宅を買い取って自社でリフォームし再販する事業を全国展開する東証プライム上場企業です(証券コード8919)。売主向けページの冒頭に「遠方にある実家を相続したが、管理が大変だし不要なので売却したい」「手放したい家があるが、家財道具が片付かないので放置している」という悩みを掲げており、相続した実家の売主を明確に対象としています。全国130以上の店舗を持ち、遠方の物件でも売却手続きは売主の住まいの近くの店舗で進められます。

自社リフォームが前提のため、築年数が古く他社で取り扱いを断られた家や、家財道具が片付いていない家もそのままの状態で売却できます。依頼から査定価格提示まで最短3日、現金決済まで最短3週間。売却後に発生した境界問題・シロアリ・雨漏りなどの売主責任は基本的に同社が引き受けます。販売のための広告を行わず内覧は最少1回のみのため、売却の事実を近隣に知られにくい点も相続案件では利点になります。ただし公式の注記として、高額物件・土地のみ・工場など非居住物件および同社の非営業エリアでは査定額自体を提示できない場合があるとされています。

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公式サイト 公式サイト

3. アルバリンク

アルバリンクの公式サイト

アルバリンクは、空き家の買取再販と利活用を専門とする東証グロース市場上場の不動産IT企業です。「空き家ゼロ」を掲げ、空き家・事故物件・共有持分・再建築不可物件・借地底地・土地の6分野をそれぞれ独立した事業として展開しています。相続した不動産が再建築不可だったり、きょうだいとの共有名義になっていたりする場合の相談先として選択肢に入ります。

公式サイトで公開されている実績は、年間空き家相談件数が約20,000件(2025年12月時点)、累計買取件数が4,500件以上(同時点)、行政・自治体との連携が27自治体(2026年1月時点)です。長崎県松浦市や佐賀県佐賀市からは「空家等管理活用支援法人」に指定されており、自治体と連携した空き家の流通促進に取り組んでいます。テレビ東京「ガイアの夜明け」やNHK「おはよう日本」などのメディア掲載実績もあります。一方で、査定から現金化までの日数は公式サイトに時間単位の明示がないため、期限が迫っている場合は問い合わせ時に確認が必要です。

項目 内容
特徴・強み 東証グロース上場/空き家と訳あり物件に特化した6事業体制
対応エリア 全国(支店を各地に展開)
査定・現金化スピード 公式サイトに時間単位の明示なし(無料査定フォームあり)
買取対象 空き家・事故物件・共有持分・再建築不可物件・借地底地・土地
費用負担 直接買取(無料査定)
実績・対応事例 年間空き家相談 約20,000件/累計買取 4,500件以上(いずれも2025年12月時点)/自治体連携27(2026年1月時点)
公式サイト 公式サイト

4. スター・マイカ

スター・マイカの公式サイト

スター・マイカは中古マンションの買取に特化した会社で、スター・マイカ・ホールディングス(東証プライム上場・証券コード2975)のグループ企業です。相続した不動産が分譲マンションの場合、空き家特例は区分所有建物登記がされている建物を対象外としているため使えませんが、その分だけ売却スピードと確実性が判断軸になります。

公式サイトによれば、中古マンションの買取は累計約19,000件、約28万件の査定実績に基づく独自データベースを活用しており、約9割の顧客が簡易査定より高い金額で契約しているとしています。リフォームを前提とするため契約不適合責任は免責で、売却後に設備や建物の不具合が新たに見つかっても売主が損害賠償・代金減額の請求を受けません。相続人が物件の状態を把握しきれていないケースでは、この免責は実務的な安心材料になります。金融機関との連携により査定から最短1週間での現金化が可能で、買取物件のうち約88%が築20年超(2021〜2025年の実績)です。公式の事例には「相続で取得した物件の売却を不動産仲介会社に相談したが、家財道具が残ったままだと難しいと言われた」という声も掲載されています。対応は全国主要都市6拠点が中心です。

項目 内容
特徴・強み 中古マンション専門・買取累計約19,000件/契約不適合責任が免責
対応エリア 全国主要都市6拠点(札幌・仙台・首都圏・関西・中国・九州の主要都市)
査定・現金化スピード 査定から最短1週間で現金化
買取対象 中古マンション専門(戸建・土地は非対応)
費用負担 仲介手数料不要(売却金額×3%+6万円相当が不要)・契約不適合責任免責
実績・対応事例 買取累計 約19,000件/査定実績 約28万件/買取物件の約88%が築20年超(2021〜2025年)
公式サイト 公式サイト

5. 東急リバブル

東急リバブルの公式サイト

東急リバブルは大手仲介会社ですが、同社自身が買主となって不動産を直接購入する「リバブル不動産買取」も提供しています。年間の売買仲介取扱件数は33,922件(2025年度実績)で、取引した顧客の94.9%が「また当社を利用したい」と回答しています(2025年4月1日〜2026年3月31日に首都圏・関西の売買仲介店舗で取引しアンケートに回答した顧客の割合)。

同社は買取ページで、通常の売却では販売活動に1〜3ヶ月、契約から現金化まで2〜4ヶ月を要するのに対し、直接購入なら希望の期日に合わせた現金化が可能だと説明しており、税金等の支払のため定められた期日までに現金化する必要がある売主を明示的に想定しています。相続税の納税資金を売却代金で用意したいケースに合致します。クリーニング・リフォームは不要で、建物・庭木・庭石の撤去も必要ありません。買取査定の申込みは60秒入力のフォームから行えます。ただし買取可能エリアは東京・神奈川・千葉・埼玉および札幌・仙台・名古屋・福岡・関西圏のうち同社が日常的に営業できる範囲に限られ、直接買取には「リバブル売却保証」の利益還元制度が適用されない点は公式に明記されています。

項目 内容
特徴・強み 大手仲介による直接買取/希望の期日に合わせた現金化
対応エリア 首都圏・関西圏・札幌・仙台・名古屋・福岡(同社営業エリア内)
査定・現金化スピード 買取査定申込みは60秒入力/現金化時期は売主の希望日程に合わせ調整
買取対象 土地・一戸建・マンション(その他物件も相談可)
費用負担 仲介手数料不要
実績・対応事例 年間売買仲介取扱件数 33,922件(2025年度)/94.9%が「また利用したい」と回答
公式サイト 公式サイト

査定スピードの確認方法

問い合わせページの「最短◯日」という表記が、査定額の提示までなのか、現金の入金までなのかを確認してください。両者は別物で、査定3日・決済3週間という会社もあれば、査定6時間・買取成立3日という会社もあります。特例の期限から逆算する場合に効くのは決済(引き渡し)までの日数です。

買取実績の確認方法

見るべきは件数の多さより、自分の物件条件と一致する事例が公開されているかどうかです。相続した実家であれば、築古・空き家・家財が残ったままといった条件で、エリアと金額が具体的に示されている事例を探します。金額を伏せた「多数の実績」という表記だけの場合は、問い合わせ時に類似事例を尋ねてください。

費用負担の確認方法

買取では仲介手数料が発生しないのが一般的ですが、残置物の処理費用、解体費用、測量費用を売主負担とするかどうかは会社によって異なります。査定額の高さだけで比較せず、差し引かれる費用を含めた手取り額で比べることが必要です。相続案件では家財の処分費が数十万円規模になることもあります。

選定基準まとめ

評価軸 チェックすべきポイント 買取くんの実績
査定スピード 査定額提示までの時間と、決済までの日数を分けて確認する 無料査定 最短6時間以内/買取成立 最短3日
買取実績 自分の物件条件に近い事例が実額で公開されているか 堺市 相続実家1,200万円・富山市 8年空き家450万円・北区 築50年超4,400万円
対応エリア 地方・郊外の物件でも査定対象になるか 全国対応
費用負担 仲介手数料に加え、残置物処理・解体費の扱いを確認する 仲介手数料0円・残置物そのまま現況買取
契約不適合責任 売却後に不具合が見つかった場合の売主責任の範囲 提携弁護士・司法書士・土地家屋調査士によるサポート体制

相続した不動産の売却先に買取くんという選択肢

当社の買取くんは、投資家ネットワークを収益基盤に据えることで、買い叩かずに相場価格での買取を可能にしている点が強みです。査定は最短6時間以内、買取成立は最短3日で、仲介手数料は0円。特例の期限が迫っている相続案件でも、残り時間から逆算した売却計画を立てられます。

買取くんが選ばれる理由:

  • 無料査定が最短6時間以内: 特例の期限まで残り何ヶ月かが分かっている状況で、査定額を同日中に把握できるため、売却の可否判断を先送りにせずに済みます
  • 購入意欲の高い不動産投資家を常時300名以上: 収益源が投資家からの紹介手数料であるため、売主から仲介手数料を取らず、相場価格での買取が成立する構造を公式に開示しています
  • 他社で断られた物件・少額物件も全国対応: 築50年超で傾きのある物件が4,400万円、8年空き家が450万円といった実額の買取実績があり、仲介で買い手が付かなかった物件でも査定の対象になります

相続した実家が遠方にあり、家財も片付いていない状態で、特例の期限だけが近づいている——そうした状況では、片付けや修繕を済ませてから売却活動を始める余裕はありません。当社は残置物を残したままの現況買取に対応しており、空き家特例が求める未利用の状態を保ったまま引き渡すことができます。

\ 査定は最短6時間 /

投資家300名以上への紹介を前提に、相場価格での買取額をご提示します。

受付時間 10:00〜19:00(水・日曜定休)

よくある質問

Q. 相続した不動産を売ったら確定申告は必要ですか?

譲渡所得が出なければ原則として不要です。ただし取得費加算・空き家特例・マイホーム特例のいずれかを使う場合は、特例で税額が0円になるときでも確定申告が欠かせません。国税庁は各特例について「一定の書類を添えて確定申告をすることが必要」と明記しています。

Q. 相続してから何年以内に売却すればよいですか?

使う特例によって異なります。取得費加算の特例は相続開始から約3年10ヶ月、空き家の3,000万円特別控除は相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。先に期限が来るのは空き家特例なので、こちらを使う予定ならその日付を最終ラインとして逆算してください。

Q. 取得費が分かる書類が見つからない場合はどうなりますか?

売った金額の5%を取得費にできます(国税庁 No.3258)。3,000万円で売れた場合の取得費は150万円となり、譲渡所得の大部分が課税対象になります。まずは被相続人が保管していた売買契約書や領収書を探し、それでも見つからない場合に概算取得費を検討してください。

Q. 相続登記をしないまま売却できますか?

できません。被相続人名義のままでは売買契約を進められないため、先に相続登記が必要です。相続登記は取得を知った日から3年以内の申請が義務で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になり得ます。売却予定の有無にかかわらず手続きの対象です。登記費用として不動産の価額の0.4%の登録免許税がかかります。

Q. 家財道具が残ったままでも売却できますか?

買取であれば対応する会社があります。当社の買取くんは残置物・生活用品を残したままの現況買取に対応しており、生活用品が残った状態の相続実家を1,200万円で買い取った実績を公開しています。片付けを待たずに売却できることは、特例の期限から逆算するうえでも実務的な意味があります。

まとめ

相続した不動産の売却では6種類の税金が関わり、金額の中心になるのは譲渡所得税です。相続不動産は被相続人の所有期間を引き継ぐため税率は20.315%になることが多い一方、取得費が不明だと売却額の5%しか差し引けず、課税対象が膨らみます。判断の分かれ目は3つの特例を使えるかどうか、そしてその期限から逆算して売り切れるかどうかの2点です。取得費加算は相続開始から約3年10ヶ月、空き家特例は相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日が締切で、特例で税額が0円になる場合も確定申告は欠かせません。個別の適用可否は税理士に確認したうえで、売却手段は期限から逆算して選んでください。

\ 仲介手数料0円 /

期限からの逆算は、査定額が分かったところから始められます。

受付時間 10:00〜19:00(水・日曜定休)

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