ボロ家はどうすればいいのか。出口は解体・売却・活用・保有の4つで、選ぶ基準は建物の傷み具合ではなく、その土地に次の使い道が残っているかどうかです。売却用として持たれている空き家は直近1年間で31.4%が空き家でなくなり、その解消理由は売却が75.8%、除却(解体)は9.1%でした(国土交通省 令和6年空き家所有者実態調査、2026年8月時点)。4つの出口の比べ方と、条件ごとに詳しい解説へ進む入口をまとめます。
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ボロ家とはどんな家?築年数ではなく腐朽・破損の程度で見分ける

ボロ家に法律上の定義はなく、判断に効くのは築年数ではなく腐朽・破損の程度と土地の再建築の可否です。建築物の敷地は道路に接していなければ原則として建て替えができないと定められているため(e-Gov法令検索 建築基準法 第43条。第2項の認定・許可による例外あり、2026年8月時点)、同じような傷み方をした家でも、土地の条件によって残る出口が変わります。
「ボロ家」は不動産の現場で使われる言い方で、築何年からという線引きはありません。全国の空き家は900万戸、空き家率は13.8%で過去最高になっており(総務省 令和5年住宅・土地統計調査、2026年8月時点)、その多くが同じ悩みを抱えています。国が5年ごとに実施している空き家所有者実態調査では、建物の傷み具合を「構造上の不具合あり」「室内外に全体的な腐朽・破損あり」「室内外に部分的な腐朽・破損あり」「構造上の不具合や腐朽・破損なし」の4つに区分しています。同調査が相続で取得された空き家について集計した結果では、最も多いのは部分的な腐朽・破損で47.1%、次いで腐朽・破損なしが28.2%、構造上の不具合ありが21.2%でした(前掲・令和6年空き家所有者実態調査、2026年8月時点)。相続した空き家の7割超が何らかの傷みを抱えている一方で、構造そのものに不具合が出ている家は5軒に1軒ほどにとどまります。
当社が買取の可否を判断するとき、部分的な腐朽・破損は減点の材料になりません。屋根や水回りの傷みは、買った後に手を入れる前提で価格に織り込めるためです。築年数だけを見て「価値がない」と決めつけると、値の付く物件を無償に近い条件で手放すことになりかねません。まずは自分の家がどの区分に当たるのかを確かめてください。
| 傷みの程度 | 相続空き家の構成比 | 残りやすい出口 | 先に確かめること |
| 構造上の不具合あり | 21.2% | 現況買取・解体 | 安全に立ち入れるか |
| 全体的な腐朽・破損あり | 3.5% | 現況買取・土地として売却 | 建て替えができる土地か |
| 部分的な腐朽・破損あり | 47.1% | 現況売却・貸す・自分で使う | 修繕費を回収できるか |
| 腐朽・破損なし | 28.2% | 中古住宅として売却・貸す | 買主が住宅ローンを使えるか |
国土交通省 令和6年空き家所有者実態調査の腐朽・破損の区分(相続空き家の集計)に、当社が買取査定で使っている「残る出口」の判断を対応させた整理(2026年8月時点)
この傷みの内訳は相続空き家の集計ですが、空き家の約6割(57.9%)は相続で取得されたもので、その相続空き家の7割超が1980年以前に建てられた住宅です(前掲・令和6年空き家所有者実態調査、2026年8月時点)。つまり、傷んだ家を持て余す状況は例外的な事故ではありません。多くの所有者が同じ地点に立っています。自分の家の位置づけが決まったら、次の順序で読み進めてください。
| 読む順序 | 決めること | 進み先 |
| 1 | 解体・売却・活用・保有のどれを選ぶか | 次のセクション |
| 2 | 手放す道を具体化する | 「売りにくい家の手放し方」 |
| 3 | 手放さない道が成立するか検証する | 「直して使う・貸す道は現実的か」 |
ボロ家の出口は4つ|解体・売却・活用・保有をどう振り分けるか
左が使用目的のない空き家の所有者の意向、右が同じ区分で直近1年間に空き家でなくなった住宅の解消理由。どちらも使用目的のない空き家の数値で、意向で最多の保有継続に対し、実際の決着は取り壊し(22.7%)が最多(出典: 国土交通省 令和6年空き家所有者実態調査を基に当社作成)
ボロ家の出口は解体・売却・活用・保有の4つで、この4つを分けているのは土地に次の使い道が残るかどうかです。使用目的のない空き家の所有者に今後の意向を聞くと、空き家のまま所有しておくが40.6%で最も多く、除却19.2%、売却18.3%と続きます(国土交通省 令和6年空き家所有者実態調査、2026年8月時点)。
| 出口 | 先に出るお金 | やり直し | 向いている条件 |
| 解体する | 解体費(代金より先) | できない | 更地を求める買主がいる土地 |
| 売却する | なし | 契約前なら可能 | 修繕にお金をかけたくない |
| 活用する | 修繕費(回収は数年後) | 費用は戻らない | 借り手が見込める立地 |
| 保有する | 管理費と固定資産税が毎年 | いつでも変更可能 | 使う予定が具体的にある |
国土交通省 令和6年空き家所有者実態調査の利用意向・解消理由と、当社が査定で使っている費用の出る順番を組み合わせた整理(2026年8月時点)。空き家バンクへの登録は「売却する」の補助ルートで、登録できる条件は自治体ごとに異なります
4つのうち後戻りができないのは解体だけです。建物を壊すとその土地は人が住む家の敷地ではなくなるため、固定資産税の課税標準を200平方メートル以下の部分で6分の1、それを超える部分で3分の1に抑える住宅用地の特例から外れます(国土交通省 空き家対策特設サイト、2026年8月時点)。解体費は代金より先に出ていく支出で、更地にした後に買主が見つからなくても建物は戻せません。坪単価の目安は家の解体料金の相場で扱っています。
持ち続ける選択も無料ではありません。管理が行き届かない空き家は「管理不全空家」として市区町村の指導の対象になり、指導に従わないまま勧告を受けると住宅用地の特例が受けられなくなります。管理をやめること自体にコストが発生する仕組みで、特定空家に認定されて命令にも従わない場合は、50万円以下の過料や行政による強制撤去の対象になることもあります(政府広報オンライン、2026年8月時点)。
意向では「所有し続ける」が最多でしたが、実際に動いた住宅の内訳は違います。使用目的のない空き家のうち直近1年間で空き家でなくなったのは14.8%で、その解消理由は除却が22.7%、貸したのが15.5%、所有者や親族が住んだのが15.5%と分かれ、売却は上位に現れません。一方、売却用として持たれている空き家は31.4%が空き家でなくなり、その解消理由の75.8%が売却でした(前掲・令和6年空き家所有者実態調査)。当社はこの差を、売ると決めて動かした家だけが売却で決着し、目的を決めないまま持ち続けた家は取り壊しか放置に向かうためだと見ています。保有継続は「選んだ結果」ではなく「決めなかった結果」として積み上がります。だから、迷っている段階で先に取るべき行動は解体の見積もりではなく、現況のままいくらになるかを確かめることです。
要点: 4つの出口のうち後戻りできないのは解体だけで、使い道を決めないまま持たれた空き家では、実際の解消理由の最多がその解体(22.7%)です。一方、売る前提で動かした空き家は4分の3以上が売却で決着しています。壊す判断より先に現況の価格を確かめる順序なら、選択肢を減らさずに比較できます。
売りにくい家の手放し方

売りにくい家の手放し方は、建物を残して売る・立地の壁を外す・建築のルールを確かめる、の3系統に分かれます。同じ「売れない」でも、詰まっている場所が建物なのか立地なのか法規制なのかで、次に打つ手はまったく別です。
| 詰まっている場所 | 系統 |
| 建物が古く、買主も価格も決まらない | 建物を残したまま売るとき |
| 地方にあり、そもそも問い合わせが来ない | 立地が売却の壁になっているとき |
| 建て替えや用途に行政の制限がある | 建築のルールで制限があるとき |
建物を残したまま売るとき
修繕も解体もしないまま売る道は、実際に成立します。売り方は不動産会社への直接買取、古家付きのまま仲介に出す、空き家バンクへ登録する、の3つに分かれ、建物が使える状態かどうかと、いつ現金化したいかで選び分けます。ここで見落とされやすいのは買い手の顔ぶれです。傷んだ家を買うのは一般の住宅購入者ではなく、再生や転用を前提にする投資家や、敷地を広げたい隣地の所有者になります。そして最終的な手取りを左右するのは提示額の交渉よりも、解体費・残置物の処分費・登記費用を誰が負担するかという条件面です。査定額だけを並べても比較にならないのはこのためです。ボロ家をそのまま売却する方法では、3つの売り方の選び分けと手取りを増やす工夫を整理しています。
建物が建ったままの土地を売るとき、現況のまま出すか、解体して更地にしてから出すかで迷う場面があります。倒壊寸前という状態でなければ、まず現況のままで査定を取るほうが安全です。解体費を先に払っても、その分だけ高く売れる保証はありません。判断に効くのは建物の傷み具合、想定される買主層、売却の急ぎ度、手元資金の4点で、このうち2つ以上が更地寄りに振れたときにはじめて解体を検討する順序になります。更地渡しは買主の幅が広がる代わりに、解体工事の期限と費用を売主が引き受ける契約になる点も押さえてください。古家付き土地のまま売却する方法で、現況と更地の判断基準から引き渡しまでの流れを解説しています。
古家が残った土地の売買でもめる原因は、建物の古さではありません。境界がどこか、地中に古い基礎や浄化槽が埋まっていないか、引き渡しの範囲に残置物が含まれるか、告知すべき不具合を伝えたか。契約時にこの4点が確定していないことがトラブルの入口になります。契約不適合責任を免責する特約を付けても万能ではなく、売主が知りながら告げなかった事実には免責が効きません。買主が警戒するのは解体費用・境界・再建築の可否・住宅ローンの担保評価の4点で、これはそのまま値引き交渉の材料です。古家付き土地の売買で起きるトラブルで、5つの型と契約前の手当てを扱っています。
立地が売却の壁になっているとき
地方の家が売れないとき、原因を需要不足だけに帰すと打ち手を見失います。売主が挙げる課題として大きいのは建物の傷みと家財の残置で、これは現況のまま買える相手が見つかれば消える課題です。原因は立地の需要・建物の状態・流通経路の3つに切り分けられ、どこで止まっているかによって、値下げが効くのか売り先を変えるべきなのかが変わります。空き家率が高い地域でも二次利用の受け皿が残っている地域はあり、買い手が地元にいないことと、買い手が存在しないことは別の話です。田舎の家が売れない理由と手放し方で、4つの理由と価格を下げずに手放す方法を整理しています。
地方の空き家を手放す現実的な道は、現況買取・仲介・解体後の土地売却・空き家バンクの4つです。選ぶ基準は価格の高さではなく、費用がどの順番で出ていくかにあります。解体費と家財の処分費は代金より先に出る自腹の支出で、売れなければ戻りません。まずはその支出を出さずに済む方法から当たるほうが安全です。解体費の補助金は国から所有者へ直接交付されるものではなく、市区町村が実施する事業を経由して届くため、使えるかどうかは物件のある自治体しだいです。田舎の空き家を処分する現実的な方法で、4つの方法と費用の出どころをまとめています。
建物がなく土地だけが残っている場合は、詰まり方がさらに単純です。地方の土地が売れない原因は価格よりも買い手の母数にあり、値下げの前に売り先の広げ方を確かめる必要があります。業者への直接売却、隣地の所有者への打診、公的なマッチングという3つの出口を先に当たり、そのうえで年間の保有コストから下げ幅を逆算する順序です。自治体への寄付は無条件では受け付けられません。対象は、自治体側に利用計画がある土地だけです。田舎の土地が売れないときの選択肢で、出口の選び方と値付けの線の引き方を解説しています。
建築のルールで制限があるとき
市街化を抑える区域に入っている土地は、売買そのものに行政の許可は要らず、名義変更も通常どおりできます。価格と売りやすさを分けるのは立地よりも、その土地に建物を建てられるかどうかです。線引き前から建っている建物か、自治体の条例で指定された区域に入っているか、地目が農地でないか。選べる売り方は、この3点で決まります。ここで先に建物を解体すると、更地での新築が許可の対象になり、買い手の幅がかえって狭まります。建築に制限がある土地ほど、建物を残したまま条件を確かめることが有効です。市街化調整区域の物件を売却する方法で、売れる条件の見極め方と3つの売り方を扱っています。
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傾きや雨漏りのある家も、再生を前提にする買主へつなぐ形で買い取っています。
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ボロ家を直して使う・貸す道は現実的か

直して使う・貸す道は残りますが、費用が代金より先に出ていく点と建築上の制限を先に確かめる必要があります。全住宅に占める空き家率13.8%のうち、賃貸用・売却用・別荘などを除いた空き家は5.9%で、残りは市場に出ている住宅や別荘です(前掲・令和5年住宅・土地統計調査、2026年8月時点)。使える状態に戻せる家であれば、貸す道も選択肢に入ります。
再生して使う判断で最初に確認するのは、その家が建て替えや増改築のできる土地に建っているかどうかです。道路に接していない敷地では建て替えができず、手を入れられる範囲も限られます。相続空き家の7割超が1980年以前に建てられた住宅であることを踏まえると(前掲・令和6年空き家所有者実態調査)、耐震性の確認も避けて通れません。修繕費は代金より先に出ていくお金なので、想定家賃で何年かけて回収できるかを工事の前に計算してください。回収に10年以上かかる見込みなら、その間の管理と修繕もあわせて引き受ける覚悟が要ります。
一方で、自分では直さずに渡す道も残っています。傷んだ家を買うのは住むための購入者だけではなく、再生や転用を前提にする買い手がいるためです。工事費を自分で負担して再生するか、再生を引き受ける相手へ現況のまま渡すか、という比較になります。
当社は、解体を最初に決める判断にはしていません。次に持ち主になる相手がその土地で何をするのかが見えないまま壊すと、費用だけが確定して選べる道が減るためです。買取くんでは、東京都北区で築50年を超え建物に傾きのある家を、現況のまま4,400万円で買い取りました。建物の傷みは価格を削る理由ではなく、こちらが引き受ける範囲です。購入意欲の高い投資家を常時300名以上抱えているため、住むための買主が見つかりにくい物件でも、再生や転用を前提にする買主へつなぐ形で出口を探せます。一方で、買取は買主を探す時間をこちらが引き受ける分、仲介で時間をかけて売る場合より価格が下がることもあります。現況の査定額を先に確かめ、仲介や解体後の売却と比べたうえで決めてください。
要点: 直して使う判断が成立するのは、回収年数と建築上の制限がそろったときです。どちらかが欠けるなら、工事費を自分で負担するより、再生を前提にする買い手へ現況のまま渡すほうが手元に残るお金は多くなります。
ボロ家についてよくある質問
Q. 住めないほど傷んだ家でも、買い手はつくのですか。
つく場合があります。買い手が見ているのは建物の状態ではなく、その土地で何ができるかだからです。再生して貸す、隣地と合わせて使う、更地にして建て直すといった使い道が残っていれば、住めない状態でも金額が付きます。まずは手を加えない状態で査定を取り、値が付くかどうかを確かめてください。
Q. 解体してから売るのと、現況のまま売るのはどちらを先に検討すべきですか。
現況のままの査定を先に取ってください。解体は費用が代金より先に出ていくうえ、更地にすると住宅用地の特例から外れて土地の固定資産税が上がります。壊した後に買主が見つからなくても建物は戻せません。現況の価格がわかってから、解体でどれだけ上乗せできるかを差額で比べる順序が安全です。
Q. 相続したボロ家は、名義を親のままにしていても手放せますか。
売買契約を結ぶ前に、相続による名義変更(相続登記)を済ませる必要があります。登記名義人でなければ所有権を買主へ移せないためです。手続きの進め方や必要書類は、司法書士にご相談ください。なお一定の要件を満たす相続空き家の売却では、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があり、令和9年12月31日までの譲渡が対象になります(国税庁 No.3306、2026年8月時点)。適用の可否は個別の事情で変わるため、税理士にご確認ください。
Q. ボロ家を空き家のまま持ち続けると、税金の負担はどうなりますか。
通常は住宅用地の特例で土地の固定資産税が抑えられていますが、管理が行き届かず市区町村の指導に従わないまま勧告を受けると、この特例が受けられなくなります。管理費と固定資産税は毎年出ていく支出です。使う予定がないのであれば、5年持ち続けたときの合計額を一度計算してみてください。
まとめ
ボロ家の出口は解体・売却・活用・保有の4つで、選択を分けるのは建物の傷み具合ではなく、土地に次の使い道が残るかどうかです。4つのうち後戻りができないのは解体だけで、実際に空き家が解消された住宅の多くは売却で決着しています。立地や建築のルールで止まっている場合は、田舎の家が売れない理由と手放し方やボロ家をそのまま売却する方法から、自分の状況に近いところを確かめてください。最初の一歩は、手を加える前の状態でいくらになるかを知ることです。
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