自分の土地が再建築不可かどうかは、どこで何を確認すれば確定するのでしょうか。結論を出せるのは役所の建築指導を担当する窓口で、前面の道の種別と接道の状況を照会すれば判定できます。自分で調べる場合も、法務局で取れる4点の書類と自治体が公開している指定道路図があれば、来庁前に見当はつきます。
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調べた結果が再建築不可でも、現況のまま買い取れる場合があります。
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再建築不可かどうかはどう調べる?確認ルートは4つ

再建築不可かどうかは、役所の建築指導担当の窓口で前面道路の種別と接道の状況を照会すれば確定します。調べる入口は、役所窓口・自治体がインターネットで公開する図面・法務局で取る書類・専門業者への依頼の4つに分かれ、このうち結論を出せるのは役所窓口だけです。残る3つは、窓口へ行く前に当たりをつけ、材料をそろえるための手段です。
判定そのものは、建築基準法の2つの数値条件に集約されます。同法42条1項は道路を原則として幅員4メートル以上のものと定義し、43条1項は「建築物の敷地は、道路に二メートル以上接しなければならない」と定めています(建築基準法(e-Gov法令検索)、2026年8月時点)。前面の道がそもそも建築基準法上の道路に当たるのか、当たるとして敷地が2メートル以上接しているのか。窓口で確かめるのは、突き詰めればこの2点です。
4つのルートは、それぞれ守備範囲が違います。当社が買取査定で実際に踏んでいる順序に沿って整理すると、次のようになります。
| 確認ルート | 分かること | 確定判断 | 費用の目安 | 向いている場面 |
| 役所の建築指導担当窓口 | 道路種別・接道の充足・区域の制限 | できる | 無料(写しの交付は有料の自治体あり) | 売買や建て替えの判断を確定させたいとき |
| 自治体のインターネット公開図 | 前面の道の種別の見当 | できない | 無料 | 来庁前に自宅で当たりをつけたいとき |
| 法務局で取る書類 | 敷地の形・間口の寸法・隣地との関係 | できない | 土地1筆で3点1,600円(書面請求) | 窓口で照会するための材料をそろえるとき |
| 専門業者への依頼 | 上記をまとめた調査結果 | 業者を通じて確認 | 当社を含め無料で対応する会社がある | 平日に動けず、調査そのものを任せたいとき |
データ出典: 当社の買取査定における確認手順に基づく(2026年8月時点)。費用は法務省「登記手数料について」(令和7年4月1日〜)の額を基に当社が合算しました。
順番を間違えると二度手間になります。手ぶらで窓口へ行っても、地番が分からなければ担当者も図面を特定できません。自分で調べるなら、先に法務局で書類をそろえ、自治体の公開図で当たりをつけ、最後に窓口で結論をもらう。この順序が結果的に最短です。書類をそろえる時間が取れない場合は、所在地を伝えるだけで調査を代行する専門業者に任せる選択肢もあります。
なお、再建築不可物件の前提知識は再建築不可物件の総合解説にまとめています。接道の基準そのものの読み方は再建築不可になる条件で、なぜ再建築不可の物件が存在するのかという制度の成り立ちは、それぞれ別記事が扱います。
役所ではどの窓口に何を聞けばよい?

役所では建築指導を担当する窓口で、前面道路の種別と接道の長さの2点を照会します。窓口の名称は建築課・建築指導課など自治体によって異なり、道路の種類によっては別の部署が窓口になることもあります。さらに、電話やメールでの回答を受け付けていない自治体もあるため、来庁を前提に予定を組む必要があります。
照会するのは道路種別と接道の2点
最初に確かめるのは、前面の道が建築基準法上のどの道路に当たるかです。建築基準法42条は道路をいくつかの種別に分けており、自治体が公開する指定道路図もこの区分で色分けされています。
| 道路の種別 | どんな道か |
| 42条1項1号 | 道路法による道路(国道・都道府県道・市区町村道) |
| 42条1項2号 | 都市計画法などの許可によって造られた道路 |
| 42条1項3号 | 法の適用時にすでに存在した幅員4メートル以上の道 |
| 42条1項4号 | 2年以内に事業が執行される予定として指定された道路 |
| 42条1項5号 | 位置の指定を受けて築造された道(位置指定道路) |
| 42条2項 | 幅員4メートル未満だが、建物が立ち並んでいたため道路とみなされた道 |
| 該当なし | 建築基準法上の道路ではない道 |
データ出典: 建築基準法42条の条文をもとに当社作成(2026年8月時点)。
種別が分かったら、次は敷地がその道に何メートル接しているかです。2項道路であれば、道路の中心線から水平距離2メートルの線が境界線とみなされるため、現況の敷地面積のまま建て替えられるとは限りません。この段階で「該当なし」と回答された場合は、43条2項の認定や許可という別の道を検討することになります。
道路の種類によって問い合わせ先が変わる
見落としやすいのが、道路種別ごとに管理している部署が違う点です。港区は道路種別の凡例とあわせて担当部署の一覧を公開しており、国道は東京国道事務所、都道は東京都第一建設事務所、区道は土木管理課、開発によって造られた1項2号道路は開発指導課の開発登録簿、と窓口を分けています(港区「建築基準法の道路種別」、2026年8月時点)。
当社はこの一覧を、来庁の段取りを組むうえで最も実務的な資料だと見ています。幅員や境界の詳細まで確認したい場合、建築指導の窓口だけでは完結しないからです。建築課で道路種別を確認したあと、幅員の実数値が必要なら道路を管理する部署にも回る前提で、半日程度の時間を見ておくと安全です。
電話やメールでは答えてもらえない自治体がある
道路種別は電話で聞けば済む、という前提で動くと空振りします。目黒区は建築基準法上の道路の扱いを「土地に建築可能かどうかを左右する重要な情報」と位置づけ、誤認を防ぐために必ず窓口での照会が必要であり、電話での照会は受け付けていないと明記しています(目黒区「建築基準法の道路種別の調べ方」、2026年8月時点)。
同じ趣旨の案内は北区にもあります。北区は指定道路図の詳細や最新の情報について、電話・ファクス・メール等での問い合わせを受け付けておらず、必ず建築課の窓口で確認するよう求めています(北区「建築基準法の道路種別の閲覧について」、2026年8月時点)。
遠方の物件ほど、この制約が調査の難所になります。相続した実家が離れた土地にある場合、一度の来庁で終えられるかどうかが日程と交通費を左右します。電話で聞けるのは「窓口の場所と受付時間、必要な持ち物」までだと割り切り、判定そのものは来庁して受け取る計画を立てるのが確実です。
役所へ持参する書類は?法務局で取れる4点と費用

窓口へ持参する書類は登記事項証明書・公図・地積測量図・建物図面の4点で、いずれも法務局で取得できます。地番と敷地の形が分かる資料がそろっていれば、担当者が図面上で位置を特定でき、その場で道路種別と接道の状況を照らし合わせられます。書類がないと照会そのものが始まらないため、最初にここから着手します。
4点の書類はそれぞれ何を示すか
4点は役割が重複しません。登記事項証明書で土地の素性を、公図で道との位置関係を、地積測量図で寸法を、建物図面で敷地内の建物の位置を確認します。手数料は請求方法によって変わります。
| 書類 | 何が分かるか | 書面請求 | オンライン請求・窓口交付 |
| 登記事項証明書 | 所有者・地番・地目・地積 | 600円 | 490円 |
| 公図 | 土地の並びと道との位置関係 | 500円 | 440円 |
| 地積測量図 | 各辺の長さ・間口の寸法 | 500円 | 440円 |
| 建物図面 | 敷地内での建物の位置 | 500円 | 440円 |
データ出典: 法務省「登記手数料について」(令和7年4月1日〜、2026年8月時点)。公図・地積測量図・建物図面は「地図等情報」の区分で、手数料の単位は1筆の土地または1個の建物です。
地積測量図と建物図面は、法務局に備え付けられていない土地もあります。古い分譲地や、分筆・測量の履歴がない土地では「該当なし」と回答されることがあり、その場合は公図と現地の状況で補うことになります。
取得費用と所要時間の見積もり
実際に負担するのは1通あたりの額ではなく、一式でいくらかという総額です。土地1筆について登記事項証明書・公図・地積測量図の3点を書面請求でそろえると合計1,600円、建物図面を加えて4点なら2,100円になります。オンラインで請求して窓口で受け取る形なら、3点で1,370円まで下がります(いずれも上記の法務省公表額を基に当社換算、2026年8月時点)。
オンラインでの交付請求は、法務局が手順0から3まででおおむね10分程度としています(法務局「登記事項証明書(土地・建物)、地図・図面証明書を取得したい方」、2026年8月時点)。証明書は指定した住所へ郵送されるほか、指定した登記所での窓口受取も選べます。
費用より、届くまでの日数のほうが調査の日程を左右します。郵送を選ぶと数日かかるため、役所の窓口へ行く日を先に決めているなら、窓口交付を選ぶか書面請求で当日そろえるほうが段取りは崩れません。書類代を心配するより、来庁日から逆算して請求方法を選ぶほうが結果的に効率的です。
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自治体のホームページだけでどこまで分かる?

自治体の指定道路図はインターネットでも閲覧できますが、内容を証明するものではなく、窓口での照会が別途必要です。指定道路図とは、建築基準法上の道路種別を地形図の上に色分けして示した図面で、建築基準法施行規則にもとづいて作成されます。在宅でできるのは「当たりをつける」ところまでだと考えておくと、判断を誤りません。
指定道路図で分かること・分からないこと
指定道路図が示すのは道路種別だけです。北区は利用上の注意として、本図は道路種別のみを表したものであり、表示している内容を証明するものではないこと、道路の幅員・境界・終端位置などの形状を示すものではないことを明記しています。あわせて、暫定表示を行っている道路や画面に表示していない道路があり、今後の調査により取り扱いが変わることがあるとも案内しています(北区「建築基準法の道路種別の閲覧について」、2026年8月時点)。
つまり図の上で色がついていても、接道の長さが足りるかどうかまでは分かりません。接道が2メートルに届くかどうかは、地積測量図の寸法と現地の状況を突き合わせて初めて見えてきます。図で分かるのは「前面の道が道路として扱われているか」という一段階目までです。
建築計画概要書をインターネットで閲覧できる自治体もある
もうひとつ、在宅で確認できる資料が建築計画概要書です。建築基準法93条の2は、特定行政庁に対して確認その他の処分に関する書類のうち国土交通省令で定めるものを閲覧させなければならないと定めており、これが概要書を閲覧できる根拠になっています。
横浜市はこれをインターネットで提供しています。利用登録をすれば自宅や勤務先から建築計画概要書等の閲覧と印刷ができ、閲覧件数は一人あたり1日50件まで、稼働時間は7時から24時までと案内されています(横浜市「インターネットでの建築計画概要書等の閲覧方法について」、2026年8月時点)。
概要書には過去の建築確認の内容が残るため、その建物が確認を受けて建てられたのかどうかの手がかりになります。この仕組みがある自治体なら先に概要書を見ておくと、窓口では「今の基準で建て替えられるか」の一点に質問を絞れます。
公開の方法は自治体ごとに違う
同じ「指定道路図の公開」でも、運用は自治体でかなり違います。当社が主要な自治体の公式案内を確認して並べたものが次の表です。
| 自治体 | 道路種別(指定道路図)の閲覧方法 | 電話・メール等での照会 |
| 東京都北区 | 建築課の窓口、または区ホームページのPDF | 受け付けていない |
| 東京都港区 | 建築課の道路種別閲覧コーナー、またはWebのPDF | 受け付けていない |
| 東京都目黒区 | 区の地図情報サービス | 受け付けていない(窓口照会が必要) |
| 大阪府枚方市 | 不動産調査コーナー、または市の地図情報システム | 担当課の直通電話を公開 |
データ出典: 各自治体の公式ページを確認して当社整理(2026年8月時点。北区・港区・目黒区の案内は本文中にリンク)。
枚方市は、指定道路図と指定道路調書を不動産調査コーナーまたはインターネットの地図情報システムで閲覧できるとしたうえで、写しの交付を指定道路図100円、指定道路調書200円(いずれも税込・1件あたり)で行っています(枚方市「指定道路図および指定道路調書の閲覧等」、2026年8月時点)。同市はインターネット版を「あくまで参考図」と位置づけており、最新情報は窓口で確認するよう案内しています。
要点: インターネットで確認できる範囲も、電話で聞けるかどうかも、自治体ごとに違います。他県で調べた経験をそのまま持ち込まず、物件の所在地の案内ページを最初に開くところから始めてください。
調べた結果が再建築不可だったらどうする?
再建築不可と分かった後の選択肢は、再建築できる状態を目指す・現況のまま持ち続ける・現況のまま手放す、の3方向です。どれを選ぶかは、手続きにかけられる時間と、維持費や相続手続きの事情で決まります。調査の結果そのものは、価値がゼロだと宣告されたことを意味しません。
セットバックや隣地の取得によって接道要件を満たしにいく方法は再建築可能にする正攻法で、建て替えずに改修して住み続ける場合の範囲は再建築不可物件でできるリフォームの範囲で扱っています。保有・活用・売却を横並びで比べたい場合は再建築不可物件をどうするかの総合判断が対応します。相続で取得したばかりで名義がまだ被相続人のままなら、先に相続した土地の名義変更を済ませないと売買にも進めません。
当社の見解
一般には「再建築不可と分かった時点で売却は難しい」と説明されがちですが、当社の実感は違います。建て替えができない土地でも、現況のまま収益物件として持ちたい買い手は実在します。当社の買取くんが購入意欲の高い不動産投資家と常時300名以上つながっているのは、この出口があるからです。東京都北区では、築50年を超えて建物に傾きがあった住宅を4,400万円で買い取った実績もあります。
ただし、再建築不可の土地は金融機関の融資が付きにくく、買い手は現金で購入できる層に絞られます。一般の仲介市場に出したときに期間が読みにくいのは、この構造によるものです。だからこそ、調査の結果が出た段階で、可能化の手続きに数か月を投じる道と、現況のまま手放す道を並べて比べておくほうが損失は小さくなります。他社で断られた経験があることは、その土地の市場価値がゼロであることを意味しません。
なお、個別の物件について建て替えの可否を判断する権限は特定行政庁にあります。この記事は一般的な調べ方の説明であり、実際の可否と手続きは物件所在地の建築指導担当窓口へ、権利関係や税金の個別事情は司法書士・税理士へご相談ください。物件種別ごとの前提を横断して確認したい場合は、再建築不可物件の基礎に立ち返って整理するところから始めるのが近道です。
再建築不可の調べ方に関するよくある質問
インターネットだけで再建築不可かどうか判断できますか?
判断はできません。自治体が公開する指定道路図で前面の道の種別に見当をつけることはできますが、公開図は道路種別のみを表したもので、内容を証明するものではないと各自治体が注意書きを添えています。接道の長さが足りるかどうかも図では読み取れません。売買や建て替えの判断材料にするなら、書類をそろえたうえで建築指導担当の窓口へ照会してください。
接道の幅員と長さはどうやって確認しますか?
前面道路の幅員は、道路を管理する部署が持つ道路台帳などで確認します。港区のように、国道・都道・区道で問い合わせ先が分かれている自治体もあります。敷地が道に接している長さは、地積測量図の各辺の寸法と現地の状況を突き合わせて確認します。幅員4メートル・間口2メートルという基準そのものの意味は再建築不可になる条件で詳しく扱っています。
公図はオンラインで取得できますか?費用はいくらですか?
取得できます。公図は登記手数料の区分では「地図等情報」にあたり、オンライン請求で郵送を選ぶと470円、指定した登記所の窓口で受け取る場合は440円です。書面請求の場合は500円になります(いずれも令和7年4月1日改定後の額、2026年8月時点)。オンラインでの交付請求は手順0から3までで所要10分程度と案内されており、登記事項証明書や地積測量図も同じ画面からまとめて請求できます。
建築計画概要書と台帳記載事項証明書は何が違いますか?
建築計画概要書は、建築確認を申請したときの計画内容(建築主・敷地の面積・接道の状況など)が記載された書類で、閲覧を目的としたものです。台帳記載事項証明書は、確認済証や検査済証が交付された事実を自治体が証明する書類にあたります。過去にどう建てられたかを知りたいなら概要書、交付の事実を証明したいなら証明書、と目的で使い分けます。名称も交付の手続きも自治体によって異なるため、所在地の建築部署の案内で確認してください。
まとめ
再建築不可かどうかを確定できるのは、役所の建築指導担当の窓口だけです。法務局で登記事項証明書・公図・地積測量図・建物図面をそろえ、自治体の指定道路図で前面の道に当たりをつけ、最後に窓口で道路種別と接道を照会する。この順番で進めれば、一度の来庁で結論にたどり着けます。
電話やメールでの照会を受け付けない自治体がある点と、公開図はあくまで参考であって証明ではない点は、遠方の物件ほど日程に響きます。本記事で確認した4自治体のうち、直通電話を公開していたのは枚方市の1件だけでした。まずは物件所在地の自治体の案内ページを開き、窓口の場所と必要な持ち物を確かめるところから始めてください。
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調査がこれからの土地でも、前面道路の状況をお聞かせいただければ確かめられます。
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