再建築不可物件の出口は、保有・活用・売却・解体の4つに整理できます。どれを選ぶかは、建物の傷み具合と現金化の必要性でほぼ決まり、いちばん負担が重いのは決めないまま時間が過ぎることです。4つの比べ方と、放置した場合に起きることを順に見ていきます。再建築不可物件を基礎から確認したい方は再建築不可物件の総合解説へ。
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再建築不可物件はどうする?まず知っておきたい4つの選択肢

再建築不可物件の出口は、保有・活用・売却・解体の4つです。建物を取り壊すと同じ場所に建て直せない土地を指し、建築基準法第43条が定める敷地と道路の関係を満たしていないことが主な原因になります(2026年8月時点)。選ぶ軸は、建物の傷み具合と現金化の必要性の2つです。
隣地の買い取りやセットバックによって再建築できる状態に戻す道もありますが、費用と期間、そして隣地所有者や自治体の判断に左右されます。可否を確かめたい方は再建築可能にする「裏ワザ」の実際をご覧ください。その手が使えない場合に残るのが、次の4つです。
| 選択肢 | 初期費用 | 毎年の負担 | 手離れ | 向いている条件 |
| そのまま保有 | なし | 固定資産税・火災保険・管理の手間 | ✗ | 数年以内に自分か家族が使う予定がある |
| 活用する(貸す・使う) | 修繕・整備費 | 税金+維持管理+空室リスク | ✗ | 建物が使える状態で、運営に手をかけられる |
| 現況のまま売却 | なし(仲介手数料0円の買取なら) | なくなる | ◎ | 使う予定がなく、負担を今年で終わらせたい |
| 解体して更地 | 解体費 | 税金(住宅用地特例が外れる) | ✗ | 建物の倒壊リスクが高く、近隣への影響が差し迫っている |
4つの出口を初期費用・毎年の負担・手離れ・向く条件で整理(当社の買取相談で実際に確認している判断軸に基づく)
そのまま保有し続ける
保有継続は、何も手続きをしなくても選べる唯一の選択肢です。ただし建物の傷みは毎年進み、修繕できる範囲も狭まります。再建築不可でも建て替え以外の工事はできますが、確認申請が必要な規模の工事には制限がある点に注意が必要です。工事の範囲は再建築不可物件のリフォームでできることで扱っています。
保有を選ぶなら、「いつまで保有するか」を先に決めることをおすすめします。期限を置かない保有は、次の選択肢を自動的に狭めていく点が落とし穴です。
貸す・使うなど活用する
駐車場や賃貸、資材置場など、建物を残す形と更地にする形の両方に活用の道があります。ただし活用は「初期投資が回収できるか」と「借り手が付くか」という2つの不確実性を同時に抱える点が難所です。具体的なメニューと採算の考え方は再建築不可物件の活用方法にまとめています。
一般には「まず活用、難しければ売却」の順で語られますが、当社は逆をおすすめしています。先に売却価格を確かめてから、活用で何年かけてその額を上回れるかを比べるほうが、判断を間違えにくくなるはずです。
現況のまま売却する
売却は、毎年の負担と管理責任を同時に手放せる唯一の選択肢です。再建築不可物件は一般の仲介で扱いを断られることがありますが、それは買い手の層が違うためで、売却そのものができないわけではありません。
残置物が残っていても、片付けずに現況のまま買い取れる買取業者もあります。当社の買取くん(株式会社リアテクス)では、家財を残したままの状態でのお引き受けが可能です。ただし買取は仲介での成約と価格の決まり方が異なるため、複数社の査定額と条件を比べたうえで判断してください。
解体して更地にする
建物の倒壊リスクが高い場合は解体が選択肢に入ります。ただし再建築不可の土地は更地にしても建物を建てられないため、更地にすれば買い手が増えるとは限りません。加えて解体費を負担したうえで住宅用地特例が外れ、翌年からの固定資産税が上がります。損得の計算は再建築不可物件を更地にする判断をご覧ください。
決めずに放置すると何が起きる?

放置すると管理不全空家等の指導・勧告の対象になり、住宅用地特例が外れて固定資産税の負担が上がります。管理不全空家等とは、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれがある空き家を市区町村が指定する仕組みで、改正空家等対策特別措置法により令和5年12月13日から運用されています(2026年8月時点)。
国土交通省の令和6年空き家所有者実態調査(2025年8月公表)では、使用目的のない空き家のうち現在も空き家であるもの(85.2%)について今後の利用意向をみると、空き家として所有しておくが40.6%で最多、除却するが19.2%、売却するが18.3%でした。つまり所有者がいちばん多く選んでいるのは「決めない」という状態です。
そして同じ調査には、意向と結果のギャップがはっきり出ています。
| 空き家の種別 | 直近1年で空き家を解消できた割合 | 今後の意向の1位(現在も空き家であるものの集計) |
| 使用目的のない空き家 | 14.8% | 空き家として所有しておく(40.6%) |
| 貸家用の空き家 | 33.1% | 賃貸する(34.6%) |
| 売却用の空き家 | 31.4% | 売却する(70.4%) |
国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査 結果のポイント」(2025年8月公表)の2指標を当社で突き合わせて作成
出口を先に決めた空き家は3割前後が1年で動いているのに対し、使い道を決めていない空き家は14.8%しか動いていません。空き家が動くかどうかは、物件の条件だけでなく、先に出口を決めているかどうかとも関係しています。再建築不可という条件がある物件では、決めない期間が長引くほど建物の劣化が進み、選べる出口はさらに絞られます。
行政の措置はすでに動き出している
管理不全空家等の制度は運用段階に入っています。国土交通省・総務省が1,741市区町村を対象に行った空家法の施行状況調査(令和7年3月31日時点)では、措置件数が次のように推移しました。
| 措置 | 令和5年度 | 令和6年度 |
| 管理不全空家等への指導 | 666件 | 2,545件 |
| 管理不全空家等への勧告 | 0件 | 378件 |
| 特定空家等への勧告 | 543件 | 600件 |
施行初年度の令和5年度は管理不全空家等への勧告が0件でしたが、令和6年度は378件に達しました。指導も約3.8倍です。「いつか指定されるかもしれない」段階は過ぎ、すでに勧告を受けている物件が全国に数百件あります。勧告を受けると住宅用地特例の対象から外れ、翌年度の固定資産税が上がります。
倒壊や落下物の責任は所有者が負う
建物の倒壊や外壁・屋根材の落下で第三者に損害が生じた場合、民法第717条の土地の工作物等の占有者及び所有者の責任が問題になります。同条では、占有者が損害の発生を防ぐのに必要な注意をしていたときは所有者が賠償する仕組みになっており、所有者の責任は注意を尽くしていたと証明できても免れにくい性質のものです。遠方に住んでいて年に数回しか見に行けない状況でも、この責任は変わりません。
建物が傷むほど選べる出口が減る
前掲の空き家所有者実態調査では、相続で引き継がれた空き家のうち7割超が1980年以前に建てられた住宅で、7割超に腐朽・破損がありました。建物が使える状態なら保有・活用・売却の3つが残りますが、傷みが進むと活用は修繕費が先に立ち、現況での売却も買い手の見極めが厳しくなります。
要点: 出口を決めていない空き家は1年で14.8%しか動かず、その間に管理不全空家等の勧告(令和6年度378件)と建物の劣化という2つのコストが積み上がります。決めないことは、保有継続を毎年選び直しているのと同じです。
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再建築不可物件は本当に売れる?買い手がいる理由

再建築不可物件でも売却はできます。買い手は現金で買える隣地所有者・投資家・専門の買取業者に限られ、住宅ローンを使う一般の購入希望者が対象から外れるだけです。仲介で扱いを断られるのは物件の品質が理由ではなく、仲介会社が抱えている買主層と噛み合わないためです。
金融機関は再建築不可の土地を担保として低く評価します。その結果、住宅ローン前提の買主は融資が下りず、仲介の売買が成立しません。仲介会社から見れば、成約の見込みが立ちにくい物件になります。一方で、現金で買える層にとっては価格が下がっている分だけ検討の対象になります。売れないのではなく、当てる相手が違っただけという構図です。
買い手になり得るのは3種類
| 買い手 | 買う理由 | 打診のしやすさ |
| 隣地の所有者 | 自分の土地と合わせれば接道の条件を満たせる/整形地にできる | 交渉相手が特定できる。ただし相手の資金と意向次第 |
| 投資家・事業者 | 現況のまま賃貸や資材置場として運用し利回りを取る | 個人では接点を持ちにくい |
| 専門の買取業者 | 投資家など次の出口を自社で持っている | 直接依頼できる |
隣地所有者への打診は最初に検討する価値がありますが、相手の資金と意向に左右されるため、断られた時点で行き止まりになりがちです。投資家に直接届ける経路を個人で作るのは難しく、実際には専門の買取業者を通すことになります。
当社が現況のまま買い取れる仕組み
当社の買取くんが再建築不可の物件を買い取れるのは、購入意欲の高い不動産投資家を常時300名以上抱えているためです。買い取った物件の出口があらかじめ確保されているため、価格を大きく下げずに相場価格での買い取りができます。収益は投資家からの紹介手数料で成り立っており、売主からの仲介手数料は0円です。
実際の買取実績として、東京都北区の築50年超・傾きのある物件を4,400万円で、富山県富山市の8年空き家を450万円で買い取っています。いずれも当社が2026年8月時点で公開している買取実績のうち、一般の仲介で扱いにくい条件のものを挙げました。訳あり条件の物件では提携弁護士・司法書士・土地家屋調査士が手続きを担当します。
いくらで売れるかの目安
再建築不可物件の売却価格は、接道の状況・土地の形・隣地との関係で大きく変わります。金額の目安は再建築不可物件の売却相場で扱っているため、そちらをご確認ください。
要点: 再建築不可物件が仲介で動かないのは、買主が住宅ローンを組みにくく仲介の主要顧客層から外れるためです。現金で買える隣地所有者・投資家・専門買取業者に直接当たれば、現況のままでも売却は成立します。
住む・貸す・手放すのどれを選ぶ?状況別の決め方

出口は、建物に住める状態か・自分か家族が使う予定があるか・現金化に期限があるか、の3つの質問でほぼ絞り込めます。金額の比較から入ると判断が止まりやすいため、条件の確認から先に進めるほうが早く決まるはずです。
| 質問 | 回答 | 進む先 |
| 自分か家族が3年以内に使う予定があるか | ある | 保有+必要な修繕(範囲は事前に確認) |
| (使う予定なし)建物は貸せる状態か | 貸せる | 活用を検討し、売却額と採算を比較 |
| (貸せない)現金化に期限があるか | ある | 現況のまま売却 |
| (貸せない)倒壊のおそれが差し迫っているか | ある | 解体を含めて自治体・専門業者に相談 |
当社の買取相談で実際に確認している順序に基づく判断フロー
建物を使う予定があるかで最初に分かれる
使う予定がある場合は保有が前提になり、修繕の可否だけを確認すれば足ります。予定がない場合は、そこから先はすべて「手放すか、他人に使ってもらうか」の話です。ここを曖昧にしたまま活用と売却を同時に検討すると、どちらも進まないまま時間だけが過ぎます。
迷ったら「決めない」を選ばない
前掲の空き家所有者実態調査には、先送りの構造が数字で出ています。相続空き家のうち相続前に何の対策もしていなかった世帯は77.0%で、その空き家が「何もせず空き家のまま所有され続けている」割合は45.1%でした。相続前に話し合いなどの対策をしていた空き家では29.4%で、準備の有無で約1.5倍の差が出ています。
つまり、決める場を持たなかった物件ほど、そのまま止まりやすい傾向が出ています。相続の場面で名義の整理から詰まる場合は土地の名義変更(相続登記)の手続きを先に確認してください。判断を先送りした結果どうなるかは再建築不可物件で後悔する典型パターンにまとめています。全体像を整理し直したい方は再建築不可物件の完全ガイドをあらためて確認するのもおすすめです。
よくある質問
建物がなく再建築不可の土地だけを持っている場合はどうすればよいですか?
建物がない分、選択肢は保有と売却の2つに絞られます。現実的な第一手は隣地所有者への打診です。隣地と合わせることで接道の条件を満たせる場合、隣地所有者にとっては土地の価値が上がる取引になります。打診が難しい場合や断られた場合は、専門の買取業者に現況で査定を依頼する流れになります。
再建築不可物件を相続放棄すれば、管理の責任から解放されますか?
相続放棄をしても、その時点でその物件を現に占有していた場合は、次に管理する人(相続人または相続財産の清算人)に引き渡すまで自己の財産と同一の注意をもって保存する義務が残ります(民法第940条、2026年8月時点)。相続放棄をすればその日から一切関与しなくてよい、とはなりません。個別の事情については司法書士・弁護士にご確認ください。
相続土地国庫帰属制度で再建築不可の土地を国に引き取ってもらえますか?
建物がある土地は却下事由に当たり、申請自体ができません(法務省、2026年8月時点)。更地であっても、境界が明らかでない土地や所有権の範囲に争いがある土地は同じく却下事由です。審査手数料は土地一筆当たり14,000円で、却下・不承認になっても返還されません。国に引き取ってもらう前提で先に解体を進めるのは、順序として危険です。
不動産会社に「売れない」と言われた再建築不可物件はどうすればよいですか?
その会社が仲介で扱えないことと、買い手が存在しないことは別の話です。仲介は住宅ローンを使う購入希望者を主な顧客層としているため、再建築不可物件は成約の見込みが立ちにくくなります。現金で買える投資家や専門の買取業者に直接当たる経路を試すと、結果が変わることも珍しくありません。
まとめ
再建築不可物件の出口は保有・活用・売却・解体の4つで、建物に住める状態か・使う予定があるか・現金化に期限があるかの3つで絞り込めます。決めないまま置いた空き家は1年で14.8%しか動かず、その間に管理不全空家等の勧告と建物の劣化という2つの負担が重なります。売却はできないのではなく、現金で買える相手に当てられていないだけです。まずは自分の物件がいくらで手放せるのかを確かめ、そのうえで保有や活用と比べてください。
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物件の状態と接道の状況をお聞かせいただければ、買取の可否をお伝えします。
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