家の名義変更には、いくらかかるのか。固定資産税評価額1,000万円の家を相続で移す場合、登録免許税4万円と司法書士報酬7万円台を合わせた12万円前後が目安です。費用の内訳は大きく3つに分かれ、相続・生前贈与・夫婦間では総額の桁も変わるため、ケースごとの違いを内訳から順に整理していきましょう。
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家の名義変更の費用はいくら?総額の目安と3つの内訳

家の名義変更にかかる費用は、登録免許税・司法書士報酬・書類取得費の3つで構成されます。名義変更とは法務局で行う所有権移転登記のことで、固定資産税評価額1,000万円の家を相続で移すなら、登録免許税4万円と司法書士報酬の平均74,888円を合わせて12万円前後が目安です(国税庁「登録免許税の税額表」、日本司法書士会連合会「司法書士の報酬」、2026年8月時点)。
費用は「登録免許税・司法書士報酬・書類取得費」の3つに分かれる
同じ「名義変更の費用」でも、支払う相手も金額の決まり方も異なります。金額が読めないのは、性質の違う3つを1つの数字として考えているからです。
| 何に払うか | 金額の決まり方 | 支払先 |
| 登録免許税 | 固定資産税評価額 × 税率(原因ごとに異なる) | 国(収入印紙で納付) |
| 司法書士報酬 | 事務所ごとの自由料金。物件数・相続人数で変動 | 依頼した司法書士 |
| 書類取得費 | 戸籍謄本・住民票・評価証明書などの証明書代 | 市区町村・法務局 |
このうち金額の幅が最も大きいのが登録免許税で、評価額と名義変更の原因の2つで自動的に決まります。逆に見積もりを比べて下げられる余地があるのは、司法書士報酬だけです。
名義変更の手続きの流れ・必要書類、および2024年4月に始まった相続登記の申請義務化は、費用の話とは別に整理したほうが分かりやすい内容です。土地の名義変更の全体像は名義変更(相続登記)の全体手順で整理していますので、手順から確認したい場合はそちらをご覧ください(義務化の内容は法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」にまとまっています)。
登録免許税は「評価額 × 税率」で決まる
登録免許税の税率は、名義が動く原因によって5倍の開きがあります。相続は1,000分の4(0.4%)、生前贈与や離婚の財産分与は1,000分の20(2%)です(国税庁「登録免許税の税額表」、2026年8月時点)。
| 名義変更の原因 | 土地の税率 | 建物の税率 |
| 相続・法人の合併・共有物の分割 | 0.4% | 0.4% |
| 売買 | 2%(令和11年3月31日までは1.5%に軽減) | 2% |
| その他(贈与・交換・収用等) | 2% | 2% |
ここで使う「評価額」は売買価格ではなく、市区町村の固定資産課税台帳に登録された価格です。毎年届く固定資産税の課税明細書に記載されているため、税額は自分で確認できます。売れそうな値段で計算すると、実際の税額と大きくずれます。
登記費用のほかに出ていくお金がある
登録免許税と司法書士報酬だけを見積もっていると、あとから追加の実費が出てきます。当社が売主に事前にお伝えしている実費は次のとおりです。
- 売買契約書に貼る収入印紙代: 1万〜4万円(契約金額により変動)
- 抵当権などの抹消費用: 約3万円(住宅ローンを完済済みでも抹消登記が済んでいない場合)
- 住所変更登記が必要な場合: 約2万円(登記簿の住所と現住所が違う場合)
収入印紙代は国が定めた印紙税です。不動産の譲渡に関する契約書は、契約金額1千万円超5千万円以下なら本則2万円ですが、令和9年3月31日までに作成される契約書には軽減措置があり1万円になります(国税庁「印紙税額の一覧表」、2026年8月時点)。相続や贈与の名義変更そのものに印紙税はかからず、これは売却する段階で発生する費用です。
登記簿の住所が古いままだと、名義変更の前に住所変更登記が必要になります。親が引っ越したあと登記を直していない家では、これだけで2万円前後が上乗せされます。費用を見積もる前に、登記簿の住所が現住所と一致しているか確認しておいてください。
ケース別に総額を比べるといくら違う?
固定資産税評価額2,000万円の家を、原因別に名義変更した場合の概算を並べます。司法書士報酬と書類取得費は別枠です。
| 名義変更のケース | 登録免許税 | 登記後にかかる税金 | 合計の目安 |
| 相続(親から子) | 8万円 | 不動産取得税なし/相続税は基礎控除次第 | 約8万円 |
| 生前贈与(親から18歳以上の子) | 40万円 | 贈与税 約585.5万円+不動産取得税 約60万円 | 約685万円 |
| 夫から妻(婚姻20年以上・居住用) | 40万円 | 贈与税0円(配偶者控除)+不動産取得税 約60万円 | 約100万円 |
| 離婚の財産分与 | 40万円 | 贈与税は原則なし/不動産取得税は要確認 | 約40万円〜 |
データ出典: 前掲の国税庁「登録免許税の税額表」ほかの公式税率を基に当社試算(2026年8月時点)。不動産取得税は土地・住宅の軽減税率3%で計算しており、軽減措置が適用されて税額が下がる場合があります。
総額の差を生んでいるのは登録免許税ではなく、名義を移したあとに課される税金です。 登録免許税の差は32万円ですが、贈与税まで含めると相続と生前贈与では80倍以上の開きが出ます。
相続で家を名義変更するときの費用は?

相続を原因とする名義変更の登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%です。司法書士に依頼した場合の報酬は平均74,888円で、評価額1,000万円の家なら登録免許税4万円と合わせて12万円前後に収まります(日本司法書士会連合会「報酬アンケート結果」2024年3月実施、有効回答1,109件。2026年8月時点)。
登録免許税は4つの原因のなかで最も安い
相続の0.4%は、生前贈与や財産分与の2%に対して5分の1です。評価額別に置き換えると次のようになります。
- 評価額1,000万円 → 登録免許税 4万円
- 評価額2,000万円 → 登録免許税 8万円
- 評価額3,000万円 → 登録免許税 12万円
国税庁の税額表では、この0.4%が土地と建物のどちらにも同じ税率です。当社は、相続が最も費用の軽いルートである一方、その安さが名義変更を先延ばしする理由になりやすいと見ています。相続人が増えるほど遺産分割の合意は取りにくくなり、司法書士報酬も戸籍収集の範囲が広がって上がっていきます。だからこそ、費用の安さを活かせるのは早く動いた場合だけです。
司法書士報酬は平均74,888円、3社に2社が5万〜8万円台
平均値だけでは、受け取った見積もりが高いのか安いのか判断できません。公表されている度数分布を価格帯ごとにまとめ直すと、実際の散らばりが見えます。
| 報酬帯 | 回答件数 | 割合 |
| 5万円未満 | 151件 | 13.6% |
| 5万〜8万円台 | 720件 | 64.9% |
| 9万円台 | 68件 | 6.1% |
| 10万円台以上 | 170件 | 15.3% |
【調査方法】対象: 相続を原因とする所有権移転登記(土地1筆・建物1棟で固定資産評価額の合計1,000万円、法定相続人3名のうち1名が単独相続、戸籍謄本等5通の交付請求と遺産分割協議書・相続関係説明図の作成を含む標準事例)/N数: 有効回答1,109件/期間: 2024年3月実施/集計方法: 公表されている1万円刻みの度数を4つの価格帯へ合算し構成比を算出/データ出典: 日本司法書士会連合会「司法書士の報酬」の公表データを基に当社集計。
「相場は5万〜10万円」という幅表記では、そのどこに自分の見積もりがあるか分かりません。実際は3社に2社が5万〜8万円台で、10万円台以上は15.3%です。標準的な内容で10万円を大きく超える見積もりが出た場合は、内訳の確認が必要です。相続人の数・物件数・戸籍の収集範囲といった加算理由を聞けば、妥当性を自分で判断できます。
この章の要点
標準的な相続登記の報酬は5万〜8万円台が中心で、10万円超は全体の15.3%。提示額がこの帯を外れるときは、加算されている作業の内訳を確認してください。
評価額100万円以下の土地は登録免許税が免税になる
相続で受け継ぐ不動産のなかに評価額の低い土地が混ざっている場合、登録免許税がゼロになる制度があります。令和7年度の税制改正で適用対象が全国の土地に拡大され、不動産の価額が100万円以下であれば令和9年3月31日まで免税です(法務局「相続登記の登録免許税の免税措置について」、2026年8月時点)。
ただし、申請書に「租税特別措置法第84条の2の2第2項により非課税」と記載しないと免税は受けられません。法務局も記載がない場合は適用されないと明示しています。地方の実家を相続して私道の持分や小さな畑まで一緒に引き継ぐ場合、当社はこの制度が効く場面だと判断しています。自分で申請するなら、対象になる土地があるかを評価証明書で確認しておいてください。
名義変更を終えたあと、その家をどうするかまで決まっているなら費用の考え方も変わります。相続した不動産の売り方は相続した不動産を売却する手順をご覧ください。
生前贈与で家を名義変更するときの費用は?

生前贈与の登録免許税は評価額の2%で、相続の5倍になります。一方で司法書士報酬は平均53,902円と相続より約2万円安く、登記費用そのものの差は思ったほど広がりません。総額を大きく押し上げるのは、登記後に課される贈与税です。
登録免許税は5倍でも、司法書士報酬は相続より安い
登録免許税と司法書士報酬では、高い安いの向きが逆になります。
- 登録免許税: 相続0.4% < 贈与2%(贈与が5倍高い)
- 司法書士報酬: 相続 平均74,888円 > 贈与 平均53,902円(相続が約2万円高い)
贈与の報酬が安いのは、標準事例に含まれる作業が贈与契約書の作成と登記申請の代理だけで済むためです。相続では戸籍謄本等5通の交付請求に加え、遺産分割協議書と相続関係説明図の作成が入ります(日本司法書士会連合会「報酬アンケート結果」2024年3月実施、贈与は有効回答1,062件)。
当社はこの差を、価格設定の違いではなく作業量の違いと見ています。相続の見積もりが贈与より高いこと自体は不自然ではありません。確認すべきなのは金額そのものではなく、その報酬に戸籍収集と協議書作成が含まれているかどうかです。
総額を決めるのは贈与税と不動産取得税
評価額2,000万円の家を親から18歳以上の子へ生前贈与した場合、贈与税は特例税率で計算します。基礎控除110万円を引いた1,890万円に45%を掛け、控除額265万円を引くと585.5万円です(国税庁「贈与税の計算と税率(暦年課税)」、2026年8月時点)。
さらに、相続と違って不動産取得税がかかります。不動産取得税は土地や家屋の購入・贈与などで不動産を取得した人に課される都道府県税で、相続などの場合は対象外です。税率は4%ですが、土地と住宅には軽減税率3%が適用されます(総務省「不動産取得税」、2026年8月時点)。
登記費用45万円のつもりが、贈与税と不動産取得税で650万円近く追加される計算になります。当社は、生前贈与を「早めに手を打つ方法」として費用面だけで選ぶと逆効果になりやすいと判断しています。先にすべきなのは、課税明細書で評価額を確認し、贈与税を試算することです。なお、条件によっては相続時精算課税という別の課税方式を選べます。適用の可否は資産全体の構成で変わるため、個別の判断は税理士にご確認ください。
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夫から妻へ家を名義変更するときの費用は?

婚姻期間が20年以上の夫婦が居住用の不動産を贈与する場合、基礎控除110万円に加えて最高2,000万円まで控除できます(国税庁「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」、2026年8月時点)。評価額2,000万円の家でも贈与税が0円になる一方、条件を1つ外せば結果は数百万円の課税です。
婚姻20年以上なら贈与税が0円になる場合がある
配偶者控除を使うには、3つの要件をすべて満たす必要があります。
- 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
- 贈与された財産が居住用不動産、または居住用不動産を取得するための金銭であること
- 贈与を受けた翌年3月15日までにその不動産に現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること
同じ評価額2,000万円でも、条件を満たすかどうかで結果は次のように変わります。婚姻期間が20年に1日でも足りなければ、この控除は使えません。
| 夫から妻へ移す理由 | 贈与税 | 登録免許税 |
| 婚姻20年以上・居住用(配偶者控除あり) | 0円 | 40万円 |
| 婚姻20年未満(一般税率) | 約695万円 | 40万円 |
| 離婚による財産分与 | 原則0円 | 40万円 |
データ出典: 国税庁「贈与税の計算と税率(暦年課税)」の一般贈与財産用の速算表を基に当社試算(2026年8月時点)。一般税率では基礎控除後1,890万円に50%を掛け、控除額250万円を差し引いた金額です。
「夫婦間なら税金はかからない」という理解のまま名義を移すと、婚姻20年未満では約695万円の贈与税が発生します。当社は、夫婦間の名義変更でつまずくのは金額の見積もりではなく、この条件確認の段階だと見ています。まず確認すべきは、婚姻期間が20年を超えているかどうかです。なお、この控除は同じ配偶者からの贈与について一生に一度しか使えず、適用には贈与税の申告が必要です。あわせて注意したいのは、贈与税が0円でも登録免許税40万円と不動産取得税約60万円は残る点で、同じ家を相続で移した場合の約8万円より総額は高くなります。相続税の配偶者控除だけで課税が生じないケースもあり、どちらが有利かは資産全体の構成で変わるため、実行前に税理士へご確認ください。
離婚の財産分与なら贈与税は原則かからない
離婚で相手方から財産をもらった場合、通常は贈与税がかかりません。贈与ではなく、夫婦の財産関係の清算や離婚後の生活保障のための財産分与請求権に基づく給付とみなされるためです(国税庁「離婚して財産をもらったとき」、2026年8月時点)。
ただし例外があります。分与された財産の額が夫婦の協力で得た財産の額などを考慮してもなお多過ぎる場合は、その多過ぎる部分に贈与税がかかります。贈与税や相続税を免れるための離婚と認められた場合は、もらった財産すべてが課税対象です。
登録免許税は贈与と同じ2%のままで、不動産取得税は課税対象になる場合があります。取り扱いは物件の所在地を管轄する都道府県税事務所で確認してください。同じ「夫から妻へ」でも、理由が離婚か生前対策かで総額は大きく変わるため、先に理由を確定させてから見積もる順序が安全です。
押さえるポイント
夫婦間の名義変更で費用を分けるのは、婚姻期間20年と居住用という2つの条件です。この2つを満たさない生前贈与は、離婚の財産分与より数百万円高くつきます。
家の名義変更の費用は誰が払う?
登録免許税と司法書士報酬は、原則として新しく名義人になる側、つまり不動産を取得する人が負担します。当事者の合意で変更でき、実務での取り決めはケースごとに分かれるのが実情です。
| 名義変更のケース | 原則の負担者 | 実務でよくある取り決め |
| 相続 | 不動産を取得する相続人 | 遺産全体から支出し、相続人全員で分担する |
| 生前贈与 | 贈与を受ける側(受贈者) | 贈与する親が登記費用まで負担する |
| 売買 | 買主 | 契約の特約で買主負担と定めるのが一般的 |
| 離婚の財産分与 | 分与を受ける側 | 離婚協議書で負担者を明記する |
相続の場合、法律上の納税義務者は名義人になる相続人ですが、遺産分割協議のなかで「登記費用は遺産から出す」と決めておけば、特定の相続人だけが持ち出しになる事態を避けられます。費用の負担者は、金額よりも先に合意しておくほうがもめません。
売買契約書に貼る収入印紙については、契約書を作成した当事者が連帯して負担するのが原則です。契約書を2通作成して売主・買主が1通ずつ保管する場合は、それぞれが自分の分の印紙代を負担する形が一般的です。
家の名義変更の費用を抑える方法は?
司法書士に頼まず自分で申請すれば、相続で平均74,888円の報酬がまるごと不要になります。評価額100万円以下の土地であれば登録免許税も免税になるため、条件次第では登記費用をほぼゼロに近づけられます。
自分で申請する・免税措置を使う
節約できる金額と引き換えに発生するのは手間です。報酬アンケートの標準事例には、戸籍謄本等5通の交付請求、遺産分割協議書と相続関係説明図の作成、登記申請の代理が含まれています。7万円台の報酬は、この一式の作業に対する価格です。
- 自分で申請する: 司法書士報酬がまるごと不要。相続人が少なく、戸籍の収集範囲が狭いほど現実的
- 一部だけ依頼する: 戸籍収集は自分で行い、登記申請だけ任せる
- 免税措置を使う: 評価額100万円以下の土地は登録免許税が免税(申請書への条項記載が必須)
相続人が全国に散っている場合や、被相続人の戸籍が複数の市区町村にまたがる場合は、収集だけで数か月かかります。申請の具体的な手順は本記事の範囲外のため、そちらは全体手順の解説を参照してください。
費用を削るより、名義を移した先を決めるほうが総額に効く
当社は、名義変更の費用を数万円削ることより、名義を移したあとにその家をどうするかを先に決めるほうが、支出の総額に効くと考えています。相続した家を持ち続ける限り、固定資産税と管理の費用は毎年かかる支出です。名義変更費用を7万円節約しても、住まない家を数年持ち続ければその差は簡単に埋まります。
当社の買取くんでは、大阪府堺市の相続実家を、家財を残置したまま1,200万円で買い取った実績があります。家財の片付けや修繕を先に済ませる必要がなかったため、名義変更の手続きと並行して売却の準備を進められた事例です。売る可能性があるなら、名義変更の見積もりと売却の査定を同じ時期に取っておくと、登記費用をかける前に手取りの見通しが立ちます。売却までの段取りは実家を売却する流れと注意点をご覧ください。
なお、相続した家を売る場合は譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があり、適用条件は3,000万円特別控除の適用条件で扱っています。
家の名義変更の費用に関するよくある質問
家と土地をまとめて名義変更すると、費用はどう変わりますか?
登録免許税は、土地と建物それぞれの固定資産税評価額に税率を掛けて合算します。相続で土地1,200万円・建物800万円なら、合計2,000万円の0.4%で8万円です。司法書士報酬は物件の数に応じて加算する事務所が多いため、見積もりの段階で物件数を伝えてください。
兄弟のあいだで家の名義を移すとき、費用はいくらかかりますか?
遺産分割の話し合いで兄弟の1人が家を取得するなら、原因は相続になり登録免許税は0.4%です。一方、いったん共有で相続した後に兄から弟へ持分を移す場合は贈与扱いとなり、税率は2%に上がるうえ、贈与税は一般税率で計算します。同じ兄弟間でも、遺産分割の段階で決めるか後から移すかで費用が変わります。
家の名義変更をすると相続税はかかりますか?
名義変更そのものに相続税はかかりません。相続税は遺産の総額が基礎控除を超えた場合に課される税で、基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数です(国税庁「相続税の計算」、2026年8月時点)。法定相続人が3名なら4,800万円までは相続税がかかりません。名義変更後に売却したときの税金は実家を売却したときの税金で扱っています。
名義を渡す側が認知症の場合、費用は変わりますか?
登記そのものにかかる費用は変わりません。ただし、贈与のように本人の意思表示が前提となる名義変更では、判断能力の状況によって成年後見人の選任などの手続きが必要になり、その分の費用が別に発生します。相続による名義変更は本人の意思表示を必要としないため、この論点は生じません。個別の判断は司法書士や弁護士にご相談ください。
土地全般の名義変更については、土地の名義変更の全体解説に戻ると手続きの流れから確認できます。
まとめ
家の名義変更の費用は、登録免許税・司法書士報酬・書類取得費の3つに分かれます。総額を左右するのは登記費用そのものではなく、名義を移したあとに課される贈与税と不動産取得税で、評価額2,000万円の家なら相続の約8万円に対し、生前贈与は約685万円です。夫から妻へ移す場合は、婚姻20年以上で居住用という条件を満たすかどうかが分岐点です。自分のケースがどの税率に当たるかを確認したうえで、名義を移した先で家をどうするかまで一度に決めておくと、支出全体のむだを減らせるでしょう。
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