雨漏りした家を売る3つの方法|修理してから売るかの判断基準

訳あり物件・再建築不可

瓦屋根のモルタルに苔が生えている様子

「雨漏りしたままの家って、売れるの?」
「先に直したほうがいいのかな…」

雨漏りがある家でも売却はできますが、修理の有無にかかわらず雨漏りの事実は買主へ伝える必要があります。直すか直さないかは、そのあとで決めて大丈夫です。ここでは伝え方の中身、修理するかどうかの決め方、売り先3つの向き不向き、売る前に見ておく箇所までをご案内します。

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雨漏りしている家は売れるのか?

買主が修理費か解体費を差し引いて値段を組み立てる流れと、売主が決める伝え方・売り先の2点を並べた図
値段は修理費か解体費を差し引いて決まるため、次に決めるのは伝え方と売り先です(当社作成)

雨漏りがある家でも売却はでき、買主は修理にかかる費用を織り込んだ価格で判断します。だからこそ結果を分けるのは、雨漏りをどう伝えるかと、どこへ売るかの2点です。買い手の数は減り、価格も下がりやすくなりますが、売る手段そのものが無くなるわけではありません。

中古の家を買う側は、住むために直すなら修理費を、建物を使わないなら解体費を差し引いて値段を組み立てます。つまり雨漏りは「売れない理由」ではなく、価格に反映される条件なんです。

売れるかどうかではなく、いくらで・どこへ売るかという問題に変わります

やっかいなのは、雨漏りが引渡しのあとに表へ出やすい不具合だという点です。晴れた日の内見では分かりませんが、次のまとまった雨で天井にしみが広がり、買主から連絡が来ます。売る前に伝えておいたかどうかで、その後の展開はまるごと変わるんです。

家財が残ったままで手が付けられていない場合は、片付けから売却までの段取りを残置物の撤去が必要な家を売るときの全体像にまとめています。

雨漏りを黙って売るとどうなる?売主に残る責任と伝え方

黙って売った場合に買主が取れる4つの手段と、先に伝えて渡す書面3点を通知期間1年で対比した図
買主が知った時から1年以内が通知の区切りで、伝えていなければこの区切りが外れます(出典: e-Gov法令検索・民法第566条)

雨漏りを伝えずに売ると、引渡しのあとで買主から修理費の負担や代金の減額を求められます。伝えたうえで売れば、価格や責任の範囲を契約の場で決められます。同じ雨漏りでも、先に言うか後で見つかるかで売主の立場は逆になります。

修理済みでも、過去の雨漏りは伝える必要がある

いま雨漏りが止まっていても、過去に雨漏りがあった事実は伝えます。買主は「いま漏れているか」だけでなく、どこから漏れて、どう直したかまで知りたいからです。

同じ箇所は再発することがありますし、木材が濡れた履歴はリフォームの範囲にも響きます。

誰も住んでいない実家を相続したときは、いつから漏れていたのか売主自身が分からないこともありますよね。「分からない」で止めず、点検して分かった範囲を伝えます。

伝えなかったときに買主が取れる手段と、請求できる期間

契約不適合責任とは、引き渡したものが契約の内容に合っていない場合に、売主が修理や代金の減額などで責任を取る仕組みのことです。雨漏りを伝えずに売れば、この責任として買主から請求を受けます。

売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。

出典: e-Gov法令検索 民法 第566条

買主は雨漏りを知った時から1年以内に売主へ通知すれば、修理の請求・代金の減額・損害賠償・契約の解除ができます。売主が雨漏りを知っていて伝えなかった場合は、この1年の区切りが外れ、より長い期間にわたって請求を受けます

たとえば引渡しから半年後、買主が2階の天井にしみを見つけたとします。ここで「聞いていない」となれば、修理費の負担や代金の減額の話が始まります。

告知が必要な事項の範囲や期間は告知事項ありとは、免責の特約を含む売却全般の注意点は空き家売却の注意点で扱っています。

伝え方は口頭で終わらせず、書面に残して渡す

伝え方は口頭ではなく書面にします。不動産会社が用意する告知書や付帯設備表に雨漏りの箇所と時期を書き、あわせて次の3点の写しを買主へ渡します。

  • 修理履歴:いつ・どこを・どの業者が直したか
  • 修理の見積書と請求書:どこまでの工事をいくらで行ったか
  • 保証書:工事に保証が付いていれば、その期間と範囲

原因が特定できていないなら、そのまま「原因は特定できていない」と書きます。推測で「たぶん屋根から」と書いてしまうと、その記載自体が後の争点になります。

雨漏りのある家を現況のまま買い取っている当社の立場から見ると、書面がそろっている家ほど価格と引渡し条件を早く詰められます。買い手にとって怖いのは雨漏りそのものより、範囲が分からないことなんです。

修理してから売る?現況のまま売る?判断の基準

原因の特定・二次被害・修理見積と査定額の差の3段階で、進む先が4つの出口に分かれる判断フロー図
費用より先に原因と二次被害を確かめる順序で見ると、進む先が決まります(当社の買取実務に基づく整理)

修理の見積額が、修理後の査定額と現況のままの査定額の差より大きいなら、直さずに売るほうが手元に多く残ります。この2つは、不動産会社に「現況のまま」と「修理した場合」の2通りで出してもらえば比べられます。

直さず・片付けずに、いまの状態のまま不動産会社へ売る方法を現況買取といいます。修理して仲介に出すか、現況買取や解体を選ぶかは、次の3つをこの順番で見れば決まります。

  1. 雨漏りの原因が特定できているか
  2. カビ・腐食・シロアリなどの二次被害が出ていないか
  3. 修理の見積が、2通りの査定額の差より小さいか

順番が大事なんです。費用から入ると、原因が分からないまま部分補修に進み、直らないうえに出費だけが残ります。

いまの状態 次に取る行動
原因が特定できていない 部分補修に進まず、現況のままの査定額を先に取る
原因は特定済み・二次被害なし・修理見積が査定額の差より小さい 修理してから仲介に出す
原因は特定済み・二次被害あり 現況買取と解体して土地の2つを並べて比べる
建物の傷みが大きい 解体して土地として売る方向で費用を確認する

データ出典: 3条件の順序と行動の対応は、当社の買取実務に基づく整理です。

修理費はどこまで売値に反映されるのか

修理費は、そのまま売値へ上乗せされるわけではありません。買主は直っている状態を前提に価格を見るので、かけた分だけ高く売れるとは限らないんです。

比べる手順は3つです。

  1. 修理業者に、原因の特定を含めた見積を出してもらう
  2. 不動産会社に「現況のまま」と「修理した場合」の2通りの査定額を出してもらう
  3. 2つの査定額の差と、修理の見積額を並べる

たとえば修理の見積が80万円、2通りの査定額の差が50万円だったとします(どちらも仮の数字です)。この場合は直してから売ると30万円ぶん手元が減るので、現況のまま売る側に傾きます。差のほうが大きければ、直して仲介に出します。

空き家買取の相場では、不具合がある家の価格がどう決まるかを整理してあります。

カビ・腐食・シロアリが出ているときの進め方

二次被害が出ている場合は、修理の範囲が読めません。天井や壁を開けてみるまで、どこまで濡れているか分からないからです。着工後に柱まで腐っていたと分かれば、見積は上振れします。

そうなると、修理費と査定額の差を比べる計算が立ちません。直す前提を一度外し、現況買取と解体して土地として売る方向を並べたほうが早く決まります。

放置期間が長く傷みが進んだ家の扱いは、ぼろ家の売却ガイドにまとめました。

雨漏りがある家の売却先は3つ|仲介・買取・解体して土地

仲介・現況買取・解体して土地の3つを、先に出ていく費用と引渡し後に残る責任の2軸に配置した図
費用が先に出ず責任も契約で整理しやすいのは現況買取の位置です(出典: 民法第566条/当社の買取実務に基づく整理)

雨漏りがある家の売り先は、仲介・買取・解体して土地の3つに分かれます。原因が特定できていないなら、修理を前提にしない現況買取が向きます。違いは価格やスピードだけでなく、引渡しのあとに売主へ残る責任にも出ます。

比べる点 仲介 現況買取 解体して土地
雨漏りの修理 求められることあり 不要 建物ごと撤去
引渡し後の責任 残る(通知は1年以内) 契約で整理しやすい 建物分は対象外
買い手が決まるまで 読みにくい 短い 解体のぶん後ろ倒し
先に出ていく費用 修理費・維持費 なし 解体費
向いている状態 原因が特定済みで軽い 原因不明・遠方 傷みが大きい

データ出典: 責任の行は民法第566条に基づき、売主が雨漏りを知っていて伝えなかった場合はこの1年の期間制限が外れます。他の行は当社の買取実務に基づく整理です。

価格とスピードだけで選ぶと、引渡し後にどれだけ責任が残るかの差が抜け落ちます

建物の状態を第三者に見てもらう建物状況調査(インスペクション)は、媒介契約や重要事項説明の枠組みの中で扱われます(国土交通省 既存住宅流通について)。自分で調査会社を探す前に、媒介契約書のあっせん欄を見てみてください。

隣の家と壁を共有する建物では、雨漏りの原因も売り先の選択肢も変わります。長屋が売れにくい理由と売却先の選び方もあわせてご覧ください。

1. 仲介で買主を探す

不動産会社に買主を探してもらう方法です。市場価格に近い金額を狙える一方、雨漏りを告知したうえで買い手を待つため、いつ決まるかは読みにくくなります。

引渡し後の契約不適合責任も売主に残ります。雨漏りが軽く、原因も特定できていて、時間に余裕があるなら第一候補です。

2. 現況のまま買取に出す

不動産会社が直接の買主になる方法です。前の住人が残していった家具や生活用品を残置物といいますが、これが残ったままでも話は進みます。修理の持ち出しがなく、引渡し後の責任も契約で整理しやすくなります。

当社の買取くんは、雨漏りがある家を修理せず現況のまま買い取っています。家財を残したままで構いません。

価格が仲介より下がりやすい点は、はっきりお伝えしておきます。立地がよく時間にも余裕があるなら、仲介のほうが手元に残ります。買取の仕組みや依頼先の選び方は、さきほどの残置物の記事で扱っています。

3. 解体して土地として売る

建物を壊し、土地だけにして売る方法です。建物の不具合を切り離せる代わりに、解体費が先に出ていきます。

気をつけたいのが土地の税金です。建物を壊すと、翌年度から土地の固定資産税を軽くしている住宅用地特例が使えなくなります。空き家の税負担の考え方は空き家の固定資産税、解体費用の内訳や補助金は家の解体料金で扱っています。

解体費と、更地で持つ間の税負担を先に見積もっておいてください。

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雨漏り箇所別に、売る前に確認しておくこと

屋根・外壁・窓まわり・ベランダ・雨水の排水管の5か所を、写真と日付を残しながら見ておきます。買主へ伝える内容は、この5か所のどこで・いつから・どんな症状が出たかで決まります。

  • 屋根:天井や2階の壁のしみ、瓦やスレートのずれ、板金の浮き
  • 外壁:ひび割れ、窓の上下の壁に出るしみ、コーキングの切れ
  • 窓まわり(サッシ):枠の内側にたまる水滴、まわりの壁紙のカビ
  • ベランダ:床の防水層のひびや膨れ、階下の天井のしみ
  • 雨水の排水管:詰まり、継ぎ目の外れ、雨のあとに残る水たまり

このうち屋根・外壁・その開口部の建具・雨水の排水管の4つは、住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令5条2項が「雨水の浸入を防止する部分」として挙げている箇所です(e-Gov法令検索 住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令)。この条文は新築住宅の売主が10年間責任を負う範囲を定めたものですが、国が雨水の経路として線を引いた箇所なので、中古の家でも目安になります。ベランダは条文の区分外なので、戸建てでは自分で見ておきたい箇所です。

写真はスマホで構いません。撮影日が残るので、いつ時点の状態かを買主へ示せます。⇒ 見た日・場所・症状の3つがそろっていれば、告知書はそのまま書けます

築年数によって建物の評価の考え方も変わります。築30年の一戸建てに残る価値と売り方もあわせてどうぞ。

雨漏りした家の売却でよくある質問

火災保険を使って修理してから売ることはできますか?

保険金の対象になるかどうかで変わります。時間が経って古くなった(経年劣化)部分の修理は原則として保険金支払いの対象にならず、支払われる可能性があるのは自然災害などの事故による損傷の場合です(国民生活センター 消費者トラブルFAQ)。対応は保険会社や契約時期で異なるため、契約中の約款を確認してください。経年劣化と知りながら事故による損傷として請求すると、保険金の返還請求や契約の解除、詐欺罪に問われるおそれもあります。

契約不適合責任を免責にして売ることはできますか?

免責の特約を設けること自体はあります。ただし前掲の民法566条ただし書のとおり、売主が雨漏りを知っていて伝えなかった場合は、買主が知った時から1年という期間の制限が外れます。免責にしたから何を伏せてもよい、とはなりません。特約がどこまで効くかは契約の内容と事情で変わるため、空き家売却の注意点を確認したうえで、個別の条件は司法書士や弁護士へご相談ください。

空き家で雨漏りに気づいていなかった場合も責任を負いますか?

気づいていなかったこと自体で責任がなくなるわけではありません。買主は雨漏りを知った時から1年以内に通知すれば、修理や代金の減額などを求められます(前掲の民法566条)。誰も住んでいない家ほど発見は遅れるので、売りに出す前に屋根と天井を見てもらい、分かった範囲を書面で伝えておくと安全です。相続した実家をこれからどう動かすかは、相続した家の売却に進め方を書いています。

買取くんでは、雨漏りしたままの家でも査定してもらえますか?

できます。当社の買取くんは現況のまま買い取るため、雨漏りの修理も家財の片付けも必要ありません。全国に対応しており、仲介手数料もかかりません。無料査定は最短6時間でお返しし、条件が合えば最短3日で現金化できます。まずは物件の所在地と、雨漏りの場所・気づいた時期をお知らせください。

家財が残ったままの家をまとめて手放したい場合は、残置物撤去の進め方と依頼先の選び方もあわせてご覧ください。

まとめ

雨漏りがある家は、直さないままでも売れます。できるのは現況のまま売ることと、修理費と2通りの査定額の差を比べて決めることで、できないのは雨漏りを伏せたまま引き渡すことです。まずは修理の見積と、現況・修理後の2通りの査定額を並べるところから始めてください。

当社の買取くんは、原因が特定できていない雨漏りでも修理を前提にせず、そのままの状態で買い取っています。遠方で点検に通えない方や、引渡しの期限が決まっている方に向いています。

\ 査定最短6時間・仲介手数料0円 /

雨漏りを直す前に、現況のままの買取価格をお聞きください。

受付時間 10:00〜19:00(水・日曜定休)

この記事の監修者

株式会社リアテクス 執行役員 鶴野博之

鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)

宅地建物取引士/賃貸経営管理士/FP2級

一棟投資物件専門の仲介会社で不動産業界に参入後、前職では「訳あり・瑕疵物件」に特化したコンサルティングプログラム責任者として600名以上の投資家の購入から売却までに携わる。自身も再建築不可物件を中心に訳あり物件へ投資し、転売売買から保有物件まで数々の実績を持つ。

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