「市役所に電話したけれど、担当が違うと言われてしまって」
「うちの場合はどこに言えばいいのか、調べても決まらないんです」
ゴミ屋敷の相談先は誰の家かで決まり、親の家なら地域包括支援センター、近隣なら市区町村の環境部局が最初の1件です。立場別の連絡先と、自治体に頼めること・頼めないことをまとめます。
ゴミ屋敷の相談先は、誰の家かと今わかっていることで決まる

ゴミ屋敷の相談先は、誰の家かという立場と、いま自分が答えられる条件で決まります。自分の家なら市区町村のごみの窓口、近隣の家なら環境部局、貸している部屋なら管理会社と大家が最初の1件です。親や親族の家だけは、本人が片付けに同意しているかで連絡先が変わります。
| あなたの立場と今わかっていること | 最初に連絡する1件 | その窓口が動く範囲 |
| 自分の家/片付ける気持ちはある | 市区町村のごみの窓口 | 出し方の案内と粗大ごみの回収予約 |
| 自分の家/生活が回らず手が出ない | 市区町村の福祉の窓口 | 暮らしの相談と使える支援の紹介 |
| 親・親族の家/本人が同意している | 許可を持つ片付け業者 | 見積もりと運び出し |
| 親・親族の家/本人が拒む・判断が難しい | 地域包括支援センター | 訪問と介護・福祉へのつなぎ |
| 近隣の家/臭いや害虫に困っている | 市区町村の環境部局 | 現地確認と本人への指導・助言 |
| 近隣の家/火災のおそれ・道路へのはみ出し | 消防署、道路の担当課や警察 | 火災予防の助言と通行への対応 |
| 貸している部屋/入居中 | 管理会社・大家 | 契約に基づく片付けの申し入れ |
| 貸している部屋/退去後 | 片付け業者と不動産会社 | 家財の撤去と募集・売却の判断 |
データ出典: 環境省「令和6年度『ごみ屋敷』に関する調査報告書」
同意の有無で変わるのは自分の家と親・親族の家だけで、近隣や貸している部屋は実害の種類や入居中かどうかで振り分けます。
自分の家がゴミ屋敷になっているとき
まず市区町村のごみの窓口へ、粗大ごみの出し方と戸別収集が使えるかを聞きます。自分で分別と搬出ができるなら、いちばん費用のかからない入口なんです。量が多いなら許可を持つ片付け業者に見積もりを頼み、生活そのものが回っていないときは、ごみの窓口より先に福祉の窓口へ相談してください。
家を手放すことも考えているなら、片付けの順番を先に確かめてください。家に残ったままの家具・家電・生活用品を残置物と呼びますが、残置物があると売れないわけではなく、残置物を撤去せずに売るという選択肢もあります。
親や親族の家が心配なとき
親が高齢で、片付けを拒んだり話がかみ合わなかったりするなら、地域包括支援センターが入口です。物を減らす話ではなく、暮らしの相談として持ち込めるためです。本人が「片付けたい」と言っているなら、片付け業者に見積もりを頼むだけで進みます。事案を把握している市区町村の21.0%は、原因者の親族などからの相談をきっかけに挙げています(前掲の環境省調査)。
近隣のゴミ屋敷に困っているとき
近隣の家は市区町村の環境部局が窓口です。ゴミ屋敷の事案を把握している市区町村のうち89.6%が、市民からの通報・情報提供をきっかけに挙げています。これが最も多い経路です(前掲の環境省調査)。
ごみが道路にはみ出しているなら道路の担当課や警察、燃えやすい物が多いなら消防署が動ける相手です。本人へ直接クレームを入れたり、勝手に片付けたりするのは避けてください。関係がこじれると、行政が間に入りにくくなります。
貸している部屋がゴミ屋敷化したとき
入居中なら、窓口は管理会社と大家です。部屋の使い方は賃貸借契約の話ですので、契約に基づいて是正を申し入れます。
自治体に相談した場合も、指導や助言の相手は所有者ではなく実際に住んでいる人(原因者)です。事案を把握している市区町村の79.2%が、この原因者への直接の指導・助言を行っています(前掲の環境省調査)。
自治体の窓口でできること・できないこと

自治体に相談すると現地を見に来て本人に片付けを促してくれますが、本人の同意なしにごみを運び出すことは基本的にありません。相談自体は無料で、お金がかかるのは運び出しの段階からです。行政に頼める範囲が分かれば、業者へ回す部分も決まります。
相談窓口の名前は自治体ごとに違う
自治体のサイトで「ゴミ屋敷」という課を探しても、まず見つかりません。大阪市が公開している全24区の相談窓口を当社で数えたところ、担当課の名前は10通りに分かれ、「ゴミ屋敷担当課」という名称の部署は0区でした。
| 担当課の系統 | 区数 | 実際の課名の例 |
| 福祉・保健系 | 11区 | 福祉課/保健福祉課/保健子育て課 |
| 総務・企画系 | 6区 | 総務課/企画総務課/区政企画課 |
| まちづくり・協働系 | 6区 | 市民協働課/協働まちづくり課 |
| 福祉と総務の併記 | 1区 | 総務課(庶務)と保健福祉課(福祉) |
データ出典: 大阪市「いわゆる『ごみ屋敷』に関する相談窓口」
【調査方法】対象: 大阪市の公式ページに掲載された全24区の相談窓口/N数: 24区/期間: 同ページの更新日(2026年8月17日)現在の掲載内容/集計方法: 担当部署名を課名単位で数え、名称に含まれる語で3系統と併記に分類/データ出典: 上記の大阪市公式ページ
全国でも担当は分かれ、単独でサポートを実施した108市区町村のうち環境担当が75.0%、生活保護担当が41.7%です(環境省 令和6年度調査)。当社はこれを、部署名で探すより用件で取り次いでもらうほうが早いという意味だと見ています。⇒ 代表電話に「住まいに物が積み上がって困っている」と伝えれば、課の名前を知らなくても届きます。環境部局はごみと生活環境、福祉部局は暮らしや介護を担当する部署です。
条例があっても片付けは本人の同意が前提
ゴミ屋敷への対応を定めた条例をゴミ屋敷条例と呼びますが、制定している市区町村は全国で5.2%(90/1,741)です(前掲の環境省調査)。条例があっても、行政が黙って運び出すわけではありません。敷地内のごみを撤去した151市区町村のうち、150市区町村(99.3%)は本人などの同意を得ています。⇒ 本人が納得しない限り、部屋は片付きません。
行政指導や行政代執行までの流れは空き家を放置したときのリスクで詳しく扱っています。
相談は無料でも、撤去の費用は誰が出すのか
相談自体にお金はかかりません。かかるのは運び出しからで、費用は本人負担が50.9%、費用が発生しなかったが28.1%、市区町村が負担したのは20.5%です(前掲の環境省調査)。助成があるかは市区町村ごとに違いますので、電話のときに使える制度があるかを聞いておいてください。
本人が片付けを拒むときは、説得より先に医療・福祉へつなぐ

本人が片付けを拒むときは、説得を続けるより先に介護や福祉の窓口へつないだほうが片付けは進みます。ごみが積み上がった状態は、片付ける気持ちの問題だけでなく、体調や暮らしの困りごとと重なっていることが多いためです。
総務省行政評価局の調査では、181事例のうち約7割(131件)で居住者が要介護・認知症・生活困窮などの課題を抱えていました。環境と福祉の両方の担当で対応した89事例は、一方だけの対応より解消率が高くなっています(総務省行政評価局)。当社はこれを、話を持ちかける相手を本人から支援する側へ広げたほうが動くという意味だと見ています。だから家族が動くなら、環境の窓口と福祉の窓口の両方へ同じ話を伝えてください。
高齢の親なら地域包括支援センターが入口
地域包括支援センターは、市町村が設置する高齢者の総合相談窓口です。介護の相談だけでなく見守りの体制づくりまで扱い、全国に5,487か所、支所を含めると7,374か所あります(厚生労働省)。
親が「まだ使える」と言って何も捨てさせてくれない場合は、説得を続けるより先に、親が住む地域のセンターへ連絡してください。暮らしの様子を伝えて訪問につなげます。介護認定を受けてヘルパーが入れば、部屋の状態を第三者が定期的に見る形ができます。
生活が苦しい・障害があるときに動く担当課
環境の担当だけでは動きにくい状況でも、生活保護の担当や障害の担当が入ると支援の幅が広がります。関係部署が連携して対応した289市区町村では、生活保護担当が46.7%、障害者担当が37.7%でサポートに入っています(前掲の環境省調査)。
現場では、民生委員が地域包括支援センターへ情報を伝え、地域ケア会議で環境部局と共有してから医療機関につなぐ流れも取られます(環境省ほか4省庁)。民生委員は、地域の身近な相談役として厚生労働大臣から委嘱されるボランティアです。「本人の暮らしが心配で、ごみも積み上がっている」と両方を伝えれば、担当は行政の側でつないでくれます。
判断そのものが難しいときの成年後見という手段
認知症などで本人が物事を決めること自体が難しい場合には、成年後見という制度があります。成年後見とは、判断能力が十分でない人に代わって、家庭裁判所が選んだ人が財産の管理や契約を行う仕組みです。判断能力の程度に応じて後見・保佐・補助の3つに分かれ、申立てができるのは本人・配偶者・四親等内の親族・市町村長などです(法務省)。
相談の入口は、市区町村の中核機関・地域包括支援センター・社会福祉協議会です(厚生労働省「成年後見はやわかり」)。費用や必要書類は事情で変わりますので、個別の事情は司法書士や弁護士にご相談ください。
民間の片付け業者に相談する前に確認する4つのこと
片付け業者に頼むときは、家庭のごみを運べる許可を持っているかを最初に確かめます。家庭から出る廃棄物の回収には市区町村の一般廃棄物処理業の許可か委託が必要で、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では回収できません(環境省)。
どの許可を持っているか
一般廃棄物処理業の許可とは、家庭から出るごみを集めて運ぶために市区町村から受ける許可です。古物商の許可は中古品の売買のためのもので、ごみの回収はできません。広告を大きく出している業者が許可業者とは限りません(国民生活センター)。許可業者は市区町村のホームページから探せますので、依頼先が一覧にあるか先に見てください。
見積の内訳と追加料金の有無
作業内容と料金を書面で出してもらい、追加料金が出る条件も先に聞きます。当日に金額が変わる形を避けるためです。家財の処分にかかる費用の考え方は残置物とは何かが参考になります。
立ち会いの要否と当日の進み方
遠方に住んでいて毎回は行けないなら、立ち会いなしで進められるかを確認します。写真や動画で概算を出す業者もありますが、金額は現地を見てから決まります。通帳や写真など残したい物がある家では、貴重品が出てきたときの扱いも先に決めます。
キャンセル料と断り方
契約の前にキャンセル料の有無と金額を確かめます。依頼後に無許可業者だと分かった場合は、その場で作業を断って構いません(前掲の国民生活センター)。亡くなった方の家財を整理する遺品整理と、生活している家の片付けでは進め方が変わります。売却の前にどこまで片付けるべきかは空き家売却前の片付けにまとめました。
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家財が残ったままの家でも、当社が直接の買主として値段をお伝えします。
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相談から片付け、その後の家の扱いまでの流れ

相談してから片付けが終わるまでの山場は、現地を見てもらう日と、誰が費用を出すかを決める日の2つです。行政に相談した場合と業者に依頼した場合で、そのあとの進み方は変わります。最初の連絡で伝える内容がそろえば、日程は早く決まります。
連絡したあとの進み方
行政に相談した場合は、現地の確認から始まります。ゴミ屋敷の事案を認知している672市区町村のうち、88.7%が現地確認を、79.2%が本人への直接の指導・助言を行っています。関係部署と連携したサポートまで進むのは43.5%、敷地内のごみの撤去まで至るのは22.5%です(前掲の環境省調査)。民間の業者に頼む場合は、電話や写真での相談、現地での見積もり、作業日の決定、という順に進みます。最初の連絡で次を伝えると話が早くなります。
- 誰の家か(自分/親・親族/近隣/貸している部屋)
- 本人が片付けに同意しているか
- ごみが室内だけか、敷地の外にも出ているか
- 本人の年齢や暮らしぶり
- 立ち会える人と、都合のつく日
遠方に住む子が親の家について相談するなら、行ける日を2つ決めてから電話すると、現地確認の日程がその場で決まります。
片付けが終わったあとの再発防止
片付けたあとに同じ状態へ戻るかどうかは、暮らしの支えが続くかで変わります。総務省行政評価局の調査では、解消した62事例のうち約7割(45件)で、福祉的な支援の継続が再発防止に役立っていると評価されました(前掲の総務省調査)。
ごみ出し支援や見守りが続けば、家族が毎週通わなくても状態を保てます。敷地の外側も見ておいてください。草木が伸びたままだと、それ自体が近隣からの苦情の種になります(空き地の雑草を放置したときのリスクと対策)。
片付けと同時に決めておきたい家の出口
片付けの相談と同時に、その家をどうするかも決めておくと総額で損をしにくくなります。当社は空き家や訳あり物件を直接買い取っており、家財を残したままの現況買取にも対応しています。現況買取とは、片付けや修繕をせず今の状態のまま買い取る形です。
先に撤去へお金をかけても、その費用が売却価格に上乗せされて戻るとは限りません。片付けずに売る方法はゴミ屋敷を片付けずに売る3つの方法に、退去後の残置物を含めた状態ごとの判断は状態別に見る残置物撤去と売却の出口に整理しています。
ゴミ屋敷の相談窓口に関するよくある質問
近所のゴミ屋敷について、匿名で相談することはできますか
匿名の情報提供を受け付けるかは自治体の運用によって異なりますので、電話のときに「名前が相手に伝わることはありますか」と先に確認してください。近隣からの連絡を前提に対応が組まれているため、相談すること自体に問題はありません。
本人に知られずに家族が相談することはできますか
相談だけなら、本人に知らせずに行えます。事案を把握している市区町村の21.0%が親族などからの相談をきっかけに挙げており、珍しい入口ではありません。ただし現地の確認や支援に進む段階では、本人と会って話すのが前提です。
相談から実際に片付くまでどのくらいかかりますか
一律の期間はありません。排出について指導などを行った113事例のうち、解消したのは約3割の37事例でした(前掲の総務省調査)。期限があるなら、行政への相談と並行して業者の見積もりも取っておくと動きやすくなります。
買取くん(株式会社リアテクス)では、ゴミ屋敷のように物が残ったままの家でも査定できますか
できます。当社は残置物を残したままの現況買取に対応しており、大阪府堺市では生活用品が残った相続実家を1,200万円で買い取りました。全国対応で、査定は無料・最短6時間です。片付けを始める前でも、家の状態をそのままお聞かせください。
まとめ
ゴミ屋敷の相談先は、誰の家かと、本人が片付けに同意しているかで決まります。自治体がしてくれるのは現地の確認と本人への働きかけまでで、運び出しは本人の同意と費用の当てがそろってから動きます。高齢の親の家なら地域包括支援センター、近隣の家なら市区町村の環境部局へ、誰の家か・状態・立ち会える人の3つを伝えてください。
当社の買取くんは、家財を残したままの現況買取に対応し、全国で直接買い取っています。片付けの費用を先に出せない方や遠方で通えない方には、片付けと売却をまとめて相談する進め方が向いています。
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この記事の監修者

鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)
宅地建物取引士/賃貸経営管理士/FP2級
一棟投資物件専門の仲介会社で不動産業界に参入後、前職では「訳あり・瑕疵物件」に特化したコンサルティングプログラム責任者として600名以上の投資家の購入から売却までに携わる。自身も再建築不可物件を中心に訳あり物件へ投資し、転売売買から保有物件まで数々の実績を持つ。