訳あり物件・再建築不可

旗竿地のデメリットは?通路の幅で変わる6つの不便と確認する4項目

透かしブロックの壁面

「安いのは分かるけれど、実際どこがどれだけ不便なんだろう」 「通路の幅が何メートルあれば足りるのか、調べても書いていない」

旗竿地のデメリットは日当たり・駐車・工事費・防犯・動線・通路の手入れの6つで、重さは通路の幅と長さで変わります。この記事では、6つの不便の中身、安い理由と向き不向き、確認する4項目、和らげる手立てをご案内します。

旗竿地とは?不便が生まれる形の特徴

土地100平方メートルのうち通路30平方メートルは建物に使えず、家を建てられるのは残り70平方メートルになることを示した敷地図

通路部分も敷地面積に算入されるため、家を建てられる面積は土地面積より小さくなります(出典: 大田区の路地状敷地の解説を基に当社作図)

旗竿地の不便は、細長い通路と、道路から離れた奥に敷地があることから生まれます。旗竿地とは、道路に接する部分が細い通路になっていて、その奥に建物を建てる敷地が広がる土地のこと。行政の書類では路地状敷地(通路部分だけで道路に接する敷地)と呼ばれます。

見落とされやすいのが通路部分の扱いです。通路は道路ではなく敷地の一部で、面積にも算入されます(大田区)。土地面積100平方メートルのうち通路が30平方メートルなら、家を建てられるのは残りの70平方メートルです。

道路にどれだけ接していれば建物を建てられるのかという国のルールは、接道義務からみた旗竿地の位置づけにまとめました。

旗竿地で不便を感じやすい6つの場面

日当たり・駐車・工事費・防犯・動線・管理の6場面が、通路の幅2〜3mと長さ5〜20mでどう変わるかを整理した図

6つの不便を、通路の幅が効くものと長さが効くものに分けて整理(当社作成)

旗竿地の不便は、日当たり・駐車・工事費・防犯・毎日の動線・通路の手入れの6つに集まります。どれが重く出るかは、通路の幅と長さ、そして隣の家との距離で決まります。通路が2mか3mかで駐車と工事の話が変わり、5mか20mかで日々の移動と管理の負担が変わります。

1. 昼間でも暗く、風が通りにくい

奥まった敷地は、三方や四方を隣の建物に囲まれやすくなります。隣家との距離が近ければ、低い位置の窓は隣家の壁と向き合うため、南向きでも日中の光が入りにくくなります。風も同じで、抜ける先がないと家の中に流れが生まれません。

見るべきは方角より、隣の建物の高さと窓の位置です。南側に2階建てが接していれば、1階の南向き窓は午前も午後も影の中に入ります。

2. 車の出し入れと停められる台数に制限が出る

通路の幅は、そのまま車の話に直結します。幅が足りなければ、車は置けても人が乗り降りできない、来客用の1台が置けない、といった制限が出ます。長さも効きます。20mの通路を毎回後退で出入りするのと、5mの通路から出るのとでは負担が違いますよね。何メートルで何ができるかは、後半の4項目で数値にしてお見せします。

3. 建築・解体の費用が上がりやすい

通路に重機やトラックが入れないと、工事のやり方が変わります。資材は人の手で運び、解体も大型機械ではなく小型機械と手壊しが混ざります。人手と日数が増えれば、その分が見積もりに乗ります。

割増しの相場を「何割」と示せる公的な根拠はありません。金額は通路の幅と長さ、建物の規模で個別に変わるため、見積もりを取る以外に確かめる方法はありません。

4. 道路から見えない死角ができ、防犯上の弱点になりやすい

行政も旗竿地を死角という観点で見ています。港区は路地状敷地を「道路から敷地を見た際に、死角(道路から見えない部分)が生じる敷地」と説明しています(港区)。通行人や近所の目が届きにくい形だと、行政の側も前提にしているわけです。

一方、警察庁は侵入者が下見で見る点として「庭木など死角になるものがあるか」「通行人が少ないか」を挙げています(警察庁)。玄関と1階の窓が通路の奥にあって道路から見えない配置は、この2つにそのまま当てはまります。

⇒ 旗竿地の防犯は気持ちの問題ではなく、家の置かれ方の問題です。だから対策も、鍵を増やすより先に見通し・光・足場から打つほうが効きます。

5. 買い物・ゴミ出し・来客で毎日の動線が長くなる

通路の長さは、そのまま毎日の往復距離になります。買い物袋を提げて20mの通路を歩く、ゴミ袋を持って集積所まで出る、自転車を押して奥まで入れる。宅配も同じで、置き場所を決めておかないと荷物が通路に置かれます。ベビーカーや車椅子を使う予定があるなら、幅だけでなく段差や勾配も見ておいてください。

6. 通路の手入れと使い方に費用と気づかいがかかる

通路は自分の敷地ですから、舗装のひび割れも、照明も、雨水の流れも自分で面倒を見ます。夜に足元が見えない、雨のたびに水がたまるといった不具合も、放っておけば毎日の使いにくさになります。

隣の家と通路を共有している場合は、気づかいがもう一段増えます。物を置く、車を停める、足場を組む。どれも自分だけでは決められません。話がこじれたときの動き方は旗竿地の隣人トラブルと初動対応にまとめました。

⇒ どれが自分に重く出るかは、通路の幅と長さを測れば切り分けられます。

旗竿地はなぜ安い?価格差と引き換えになるもの

通路に家を建てられない分と日当たり・駐車の不利が価格差になり、静けさとプライバシーが見返りになる関係を天秤で示した図

価格差で引き受けるものと得られるものを対にし、向き不向きの3条件まで並べた整理(当社作成)

旗竿地が安いのは、通路部分に建物を建てられず、日当たりと駐車で不利になる分が価格に反映されるためです。同じ面積・同じ地域でも整形地より低い価格で出てきます。その差額は、6つの不便と引き換えに得ているものです。

価格が安い仕組み

理由はシンプルで、面積のうち家に使えない部分があるからなんです。通路は敷地面積に数えられますが、その上に建物は建ちません。加えて日当たりと駐車の条件が落ちるため、買い手が付く価格帯が下がります。

税金の評価にも同じ方向の補正があります。相続税の評価では、不整形地(四角形から外れた形の土地)や間口が狭い土地に補正率をかける定めがあります(国税庁 財産評価基本通達)。実際の計算手順は旗竿地の相続税評価の計算方法でご説明しています。

静けさとプライバシーという実利

奥まっているとは、裏を返せば道路から離れているということです。車の走行音や話し声が届きにくく、通行人と視線が合うこともありません。小さなお子さんが道路へ飛び出す心配も小さくなります。デメリットの原因である「奥まった位置」が、そのまま住み心地の利点にもなるわけです。静かさを優先する方には、価格の安さと落ち着きが同時に手に入ります。

向いている人/避けたほうがいい人

条件で切り分けられます。車の使用頻度が低く、在宅時間が長く、当面は建て替えを考えていない方には、価格の安さが素直に効きます。逆に車を2台使う、将来的に二世帯へ建て替える、いずれ手放す可能性がある。どれかに当てはまるなら、慎重に見たい土地です。

とくに出口は先に見ておいてください。買い手が住宅ローンや建て替えの可否を気にするため、条件の弱い旗竿地は検討者が絞られます。売りにくさの中身は旗竿地が売れない原因と売り方に、購入後の後悔の型は建て替えできない土地を買って後悔した例にまとめています。

\ 他社で断られた物件も買取可能 /

通路が狭く重機が入らない土地も、家財を置いたままの状態で査定をお受けします。

フォームで無料査定を依頼する

電話で無料相談する 0120-985-623

受付時間 10:00〜19:00(水・日曜定休)

買う前・持ち続ける前に確認する4項目

通路幅2.0m・2.5m・3.0mで車の乗り降り可否が変わり、長さ20m超では幅3m以上が要ることを示した確認図

測った幅がものさしのどの位置に当たるかで、車でできることが決まります(出典: 東京都建築安全条例3条・横浜市建築基準条例4条/道路運送車両法施行規則の別表第一より当社換算)

確認するのは通路の幅と長さ、上下水道の引き込み、重機が入れるか、通路の所有形態の4点です。どれもメジャー1本と役所の窓口で確かめられます。数字が分かれば、6つの不便のうち自分に効くものがはっきりします。

当社の買取くんへ査定をご依頼いただくときも、この4点をそのままお聞かせください。

1. 通路の幅と長さ

通路に必要な幅は、全国どこでも2mというわけではありません。路地状部分の長さが20mを超えると3m以上を求める条例があり、しかも基準は自治体ごとに違います。

地域通路(路地状部分)の長さ必要な幅
東京都20m以下2m以上
東京都20m超3m以上
横浜市15m超25m以下3m以上
横浜市25m超4m以上

データ出典: 東京都建築安全条例3条横浜市建築基準条例4条

上乗せもあります。東京都では木造(準耐火建築物を除く)で延べ面積200平方メートル超の建物なら、上の幅にさらに1m加わります(前掲・大田区)。港区のように「路地の幅×1.5が奥の幅以上なら路地状敷地として扱わない」と独自の判定を置く区もあります(前掲・港区)。

その幅で車がどうなるかも見ます。軽自動車は幅1.48m以下、小型自動車は1.70m以下と規格で決まっているので、通路の幅から差し引けば左右の余裕が出ます。

通路の幅軽(幅1.48m)の左右合計小型(幅1.70m)の左右合計できること
2.0m52cm30cm通り抜けのみ
2.5m102cm80cm片側から乗り降り
3.0m152cm130cm乗り降りと、人・自転車とのすれ違い

道路運送車両法施行規則 別表第一の規格上限をもとに当社換算

左右の余裕は、車を1台置いた残りの幅です。ドアミラーや門柱、塀の実寸で余裕は変わります。上の表は規格上限どうしの目安ですので、最後はご自分の通路を測ってください。測るのはいちばん狭いところです。

自分の土地の基準は、市区町村の建築指導課で確認してください。幅が足りずに建て替えができない場合もあります。

2. 上下水道・ガスの引き込み

前面道路の本管から自分の敷地まで管が来ているかを確認します。引き込み管(本管から敷地内へ水を引く管)が入っていなければ、通路を掘って引く工事が必要になります。

通路を複数の家で共有していて私道(個人が所有している道)になっている場合は、話がもう一段複雑です。東京都では、私道に配水管を布設する工事は私道を所有する全員の承諾が前提で、給水管の口径を変える場合は利用者の費用負担になります(東京都水道局)。これは東京都の取扱いです。お住まいの地域の窓口でも同じ点を確かめてください。

3. 工事車両と重機が入れるか

見るのは通路の幅だけではありません。前面道路の広さ、電線や庇の高さ、曲がり角で車体を振れるかまで含めて、入れるかどうかが決まります。通路が3mあっても、前面道路が狭くて曲がりきれなければ大型車は入れません。建て替えや解体を考えているなら、購入前に施工会社へ通路の写真と寸法を見てもらうのが確実です。

4. 通路の所有形態

通路が誰のものかは、3つの形に分かれます。自分の敷地の一部か、隣の家と共有しているか、通行地役権(他人の土地を通る権利を登記で定めたもの)で通らせてもらっているか。法務局で登記事項証明書と公図を取れば、どれに当たるかが分かります。共有や地役権なら、舗装のやり直しや掘削は自分だけでは決められず、ほかの所有者の合意が要ります。この所有形態だけは、あとから自分の判断で変えられません

⇒ 4点のうち上下水道と工事車両は費用で解決できますが、通路の幅と所有形態は土地そのものの条件です。

旗竿地の不便はどこまで和らげられる?間取り・設備・通路の使い方

日当たり・防犯・通路の使い勝手は、間取りと設備の工夫であとからでも改善できます。一方で通路の幅と所有形態は、隣の土地を買い足すなど土地そのものに手を入れないと変わりません。どこまでが工夫の範囲かを先に分けておくと、費用のかけどころが決まります。

光と風は上から取り込む

横から光が入らないなら、上から取ります。吹き抜け、高い位置の窓、天窓、中庭、2階にリビングを置く間取り。順番として、先に隣家の高さと窓の位置を確かめてください。南側の建物が2階建てなら、光が抜けるのは地上のどのあたりからか。それが分かってから、窓の高さを決めます。

防犯は死角を減らす方向で

前半で見たとおり、旗竿地の弱点は死角と人目の少なさでした。対策も、その2つを減らすところから選びます。警察庁は住宅の防犯として、センサー付きライトの設置と、見通しがよくなるような植栽の剪定を挙げています。侵入の足場になる物を置かないことも、同じ対策のひとつです。

一戸建てで狙われやすい侵入口は窓が1位、次が表の出入口です(前掲・警察庁)。奥の敷地は外から見えないぶん、裏側や側面の窓の対策が後回しになりがちです。

通路は「通るだけの場所」にしない

通路が長いこと自体は変えられませんが、使い道を足せば負担の感じ方は変わります。自転車置き場、宅配ボックス、屋外物置、作業スペース。舗装をやり直して足元を平らにし、人感センサーの照明を付ければ、夜間の出入りも楽になります。奥まで運ぶ手前に荷物を置ける場所があれば、往復は軽くなります。

ここまでが、いま持っている土地の中でできることです。通路の幅や接道そのものが足りない場合は、間取りや設備では届きません。土地側の条件をどう見るかは接道義務と再建築の可否の関係でご説明しています。

旗竿地のデメリットでよくある質問

旗竿地の通路の幅は自分でどう調べればいいですか

まず通路のいちばん狭いところをメジャーで測り、次に道路から敷地が広がる位置までの長さを測ります。この2つの数字を持って市区町村の建築指導課へ行けば、必要な幅を教えてもらえます。

旗竿地でも新築や建て替えはできますか

できる場合とできない場合があります。判断は通路の幅と長さ、道路にどれだけ接しているかで決まり、条例の基準を満たしていれば新築も建て替えもできます。満たさない場合は再建築不可(いまの建物を壊すと新しい建物を建てられない状態)になり、その条件は旗竿地が再建築不可になる条件にまとめています。

旗竿地は資産価値が下がりやすいですか

相続税の評価では、不整形地や間口の狭い土地として補正がかかる仕組みがあります。売買でも車や建て替えの条件から買い手が絞られるため、整形地より時間がかかりやすい土地です。評価額の計算は旗竿地の相続税評価の計算方法、売りにくさの中身は旗竿地が売れない原因と売り方でご説明しています(税額の判断は税理士へご相談ください)。

買取くんでは通路が狭い旗竿地でも査定を依頼できますか

依頼できます。当社の買取くんは、接道が弱い土地や再建築不可の物件を仲介ではなく直接買い取っており、通路が狭くて重機が入らない土地、ほかで断られた物件も対象です。家財が残ったままの状態でもお受けし、仲介手数料はかかりません。まずは通路のいちばん狭い箇所の幅と、道路から敷地までの長さをお聞かせください。

まとめ

旗竿地のデメリットは、日当たり・駐車・工事費・防犯・動線・通路の手入れの6つに集まり、重さは通路の幅と長さで決まります。日当たりと防犯、通路の使い勝手は間取りと設備で変えられますが、通路の幅と所有形態は土地そのものに手を入れないと変わりません。まずは通路のいちばん狭い箇所の幅と長さを測り、市区町村の建築指導課で自分の土地の基準を確かめてください。数字が分かれば、住み続けるのか手放すのかを、人の評判ではなく自分の条件で決められます。

当社の買取くんは、接道や通路の条件が弱い土地を仲介ではなく直接買い取っています。売却の話が止まったまま動かせずにいる方に向いています。

\ 査定最短6時間・仲介手数料0円 /

旗竿地を使い続けるか手放すか迷ったら、現況のままの価格を確かめてみてください。

フォームで無料査定を依頼する

電話で無料相談する 0120-985-623

受付時間 10:00〜19:00(水・日曜定休)

監修

株式会社リアテクス 執行役員 鶴野博之

鶴野 博之

株式会社リアテクス 執行役員

宅地建物取引士(東京)第257503号賃貸経営管理士FP2級

一棟投資物件専門の仲介会社で不動産業界に参入後、前職では「訳あり・瑕疵物件」に特化したコンサルティングプログラム責任者として600名以上の投資家の購入から売却までに携わる。自身も再建築不可物件を中心に訳あり物件へ投資し、転売売買から保有物件まで数々の実績を持つ。