不動産買取の基礎知識

不動産の買取再販とは?再販価格からの逆算で提示額が妥当か見分ける

身分証明書

「提示された金額、思っていたより安い気がする」 「この家、直して高く売られるんじゃないの?」

買取再販業者の買取価格は、再販できる想定価格から工事費・税金・保有コスト・利益を差し引いて決まります。つまり提示額の妥当性は、差し引かれた中身を1つずつ確かめれば見当がつくんです。この記事では価格の決まり方と売主側の利点・注意点、国の特例措置を扱います。

買取再販とは?宅建業者が買って直して売り直すまでの3工程

買う・直す・売り直すの3工程を1社が通しで担い、出口が個人の自己居住用住宅になる買取再販の仕組み図

買う・直す・売り直すの3工程を1社が担い、出口は個人の自己居住用住宅です(出典: 国土交通省の定義を基に当社作成)

買取再販とは、宅地建物取引業者が中古住宅を買い取り、リフォームしたうえで個人へ売り直す事業形態です。買う・直す・売り直すの3工程がひとつの会社で続くため、売主が向き合う相手は1社だけ。仲介と違い、業者自身が買主になります。選び分けの基準は売主から見た買取と仲介の違いで扱っています。

一般の買取と買取再販は、買ったあとの出口が違う

業者が直接買主になる点は一般の買取も同じで、分かれるのは買ったあと。自社で保有して活用するか、直して個人へ売り直すかが、査定の前提を変えます。

現況買取とは、家財や傷んだ設備を片付けずに今ある状態のまま買い取ってもらう売り方のこと。買取再販は工事が前提なので、現況のままでも段取りは崩れません。⇒ 片付けてから相談する順番を踏まずに済みます。戸建てをお持ちなら戸建て売却の出口を一覧にした記事もどうぞ。

国が制度上の買取再販と認める条件

国土交通省は買取再販を「宅地建物取引業者が既存住宅を取得し、一定の質の向上を図るための特定の増改築等を行った後、個人の自己居住用住宅として再販すること」と定義しています(国土交通省)。

見落とされやすいのが「個人の自己居住用住宅として」の部分。業者は買った時点で、個人が住める状態まで仕上げる前提を負います。工事費が原価に乗るのは業者の裁量ではなく、出口が個人向けだからなんです。

買取再販業者の提示額は、再販できる価格から逆算して決まる

再販の想定価格から工事費・取得時の税と登記費用・保有中の費用・利益を順に引いて提示額が残る逆算図

①〜③は制度の側で下限と期限が決まるため、確かめる順は④より先です(出典: 国土交通省 登録免許税・不動産取得税の特例措置を基に当社作成)

提示額は再販の想定価格から、工事費・取得時の税金・保有中の費用・業者の利益を引いた残りとして決まります。仲介で買い手が見つかる家であれば、売主の手取りは仲介のほうが大きくなりやすいです。買取再販の提示額は、その差にあたる原価が売る前に確定した金額だとお考えください。

再販できる価格から引かれる4つの原価

差し引かれるもの中身制度上どこまで決まっているか
①工事費リフォーム・設備交換・残った家財(残置物)の処分特例を使うなら建物価格(税込)の20%以上または300万円(税込)以上が下限
②取得時の税と登記費用不動産取得税・登録免許税・登記手数料税率と控除額は制度で決まる。金額は評価額で変わる
③保有中の費用固定資産税・管理費・借入金の利息特例を使うなら取得から2年以内に売り切る必要あり
④業者の利益売れ残るリスクを引き受ける対価制度の定めなし。業者ごと・物件ごとに変わる

データ出典: 登録免許税の特例措置(国土交通省)不動産取得税の特例措置(同)(当社作成)

右の列を見てください。特例を使う業者なら、①〜③は制度の側から下限や期限が決まっていて、業者の気分では動かせません。⇒ 差額が大きいと感じたら、④より先に①〜③の中身を確かめること。戸建ての見られ方は家を買取に出したときの査定の見られ方にまとめています。

工事費が建物価格の2割以上になる場合がある理由

特例措置を使う買取再販では、工事の総額が建物価格(税込)の20%以上、または300万円(税込)以上であることが要件です(国土交通省)。特例を使う前提なら、建物価格1,000万円の家は工事だけで200万円以上が先に確定します。工事費は「かかった分だけ」ではないんです。

再販価格との差額のうち、業者の利益になるのはどこか

差額がそのまま利益になるわけではありません。工事費、取得時の税と登記費用、保有中の固定資産税や管理費、売り直すときの広告費。これらを引いた残りが利益です。

加えて業者は契約不適合責任も引き受けます。契約不適合責任とは、引き渡した家が契約の内容と違っていたときに売主が負う責任のこと。買主が業者になるため、売主がこの責任を負わない特約を結べる場合があります。手放すのは価格の一部で、代わりに受け取るのは工事とリスクの引き受け、という交換なんです。

買取再販に売るとき、売主側に残る利点

家財を置いたまま引き渡せ、売ったあとに買主から補修や減額を求められる心配も残りにくくなります。買取の流れ全体は不動産買取の基本で整理しています。

残置物を片付けないまま引き渡せる

残置物とは、家に残されたままの家具・家電・生活用品のこと。買取再販では工事の一環として処分される前提があるので、置いたまま引き渡せる場合があります。遠方に住んでいて処分だけで何往復も必要になる場面では、この差がそのまま負担の差に。当社は残置物を残したままの現況買取に対応しています。

売ったあとの契約不適合責任を負わずに済む場合がある

買主が宅地建物取引業者になることで、引き渡し後に補修や減額を求められる場面は減ります。工事を前提に引き取るプロだからです。ただし免責の範囲は契約ごと。知っている不具合を伝えないまま契約すると免責の対象から外れるので、把握している傷みは先に伝えてください。特約の内容は契約書で確認し、迷うときは提携する司法書士などへご相談ください。

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他社で断られた物件や少額の物件も、全国どこでもご相談いただけます。

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買取再販に向く家と、値が付きにくい家の分かれ目

工事後の想定価格が買取価格と工事費と経費の合計を上回るかで買取再販の対象かが分かれる判定フロー

床面積50㎡以上と新築から10年経過は登記簿で自分でも確かめられます(出典: 国土交通省 登録免許税の特例措置を基に当社作成)

工事をして売り直したときの想定価格が、工事費と経費を足した額に届く家かどうかで分かれます。立地や広さより、直したあとに住みたい人が現れるかが先に見られるんです。

再販の採算が立つ家に共通する条件

採算の話は、工事後の想定価格が買取価格と工事費と経費の合計を上回るかどうかに尽きます。国の特例を使えるかも業者側の税負担を左右し、要件のうち床面積50㎡以上と新築から10年経過の2つは登記簿で自分でも確かめられます(国土交通省)。内見が入らないまま半年が過ぎた家でも、工事後の姿で採算が合えば対象です。

工事費が再販価格に追いつかない家はどう扱われるか

再建築不可(今の法律では建て替えの許可が下りない土地)の家や、傷みが大きく工事費が想定価格を超える家は、買取再販では値が付きにくくなります。直しても個人の買主向けに売り直せないためです。

ただし現況のまま投資家へ渡す前提なら、買い手の見え方は変わるんです。当社は他社で断られた物件や少額の物件も買取の対象。根拠をはぐらかす業者への対処は買取業者の手口と見分け方にまとめました。

提示額を受け取る前に業者へ確かめる4つのこと

相場の何割かという掛け目を探すより、次の4つを聞くほうが早いです:

  • どこまで直す想定か——特例を使うなら、工事費は建物価格の20%以上または300万円以上が下限
  • 取得時の税と登記費用は誰が負担するのか——税率と控除額は制度側で決まっている
  • どのくらいの期間で売り切る想定か——特例を使うなら、取得から2年以内
  • 差額のうち利益はどのくらいを見込むのか——ここだけは制度の定めがない

答えが返ってこない項目があっても、床面積と築年数は登記簿で確認できます。⇒ 制度側で決まっている数字を手元に持ってから聞けば、説明の受け取り方が変わります。

国の特例措置と市場の動きが、提示額に効いてくる

取得から2年以内・工事費は建物価格の20%以上という特例の要件と、登録免許税が0.1%まで下がる3段階の比較図

業者の持ち時間と工事量が制度で決まるため、期間と工事範囲は質問で確かめられます(出典: 国土交通省 登録免許税・不動産取得税の特例措置/矢野経済研究所を基に当社作成)

国の特例措置を使う買取再販では、宅地建物取引業者は取得から2年以内に、建物価格の2割以上の工事をして売り切る必要があります(国土交通省)。買主の減税制度として案内されますが、要件を満たす側は業者。つまり業者の買い方を縛る条件なんです。

制度が定める要件売主が業者へ確認できる質問提示額のどこに効くか
取得から再販まで2年以内どのくらいの期間で売り切る想定か保有中の税・管理費・利息
工事総額が建物価格の20%以上または300万円以上どこまで直す想定か工事費
取得の時点で新築から10年経過この家は特例の対象になるか業者側の税負担
床面積50㎡以上(不動産取得税は240㎡以下)登記簿の床面積は要件に入るか業者側の税負担

データ出典: 国土交通省「登録免許税の特例措置」「不動産取得税の特例措置」(当社作成)

国土交通省のリーフレットにも「要件を満たしているかどうかについては、住宅を販売する宅地建物取引業者にご確認ください」と明記されています(国土交通省)。⇒ 条件を聞くのは、制度が想定している行動そのものです。

登録免許税と不動産取得税の両方が軽くなる

登録免許税とは、不動産の名義を登記するときにかかる税金のこと。買取再販で扱われた住宅を買う人の税率は、3段階の一番下になります。

所有権の移転登記にかかる登録免許税税率
本則2%
一般の中古住宅の特例0.3%
買取再販で扱われる住宅0.1%

データ出典: 国土交通省「登録免許税の特例措置」(当社作成)

業者の側にも軽減があります。取得時の不動産取得税(不動産を取得した人に課される都道府県の税金)は、住宅が新築された時期に応じて1,200万円から100万円までの控除額を差し引いた額で計算されます(国土交通省)。適用期限はどちらの特例も令和9年3月31日です。

逆に言えば、軽減を受けられない家では業者側の原価が上がります。床面積が50㎡に届かない、新築から10年経っていない、工事費が要件に届かない。こうした条件が重なるほど提示額に響きます。

買取再販の成約戸数は増加が続いている

中古住宅買取再販の成約戸数は、2024年が52,800戸(前年比13.3%増)。2025年は62,700戸(同18.8%増)と見込まれ、2030年には75,600戸に達すると予測されています(矢野経済研究所)。

成約が伸びる局面は、業者が仕入れを必要としている局面でもあるんです。当社は購入意欲の高い不動産投資家を常時300名以上抱えているため、再販先が見えた状態で逆算に入れます。⇒ 売れるまでの期間の見込みが違えば前提も変わるので、根拠は複数社に聞いて比べてみてください。

買取再販についてよくある質問

買取再販業者と一般の買取業者は何が違いますか?

買主が業者本人である点は同じで、買ったあとに直して個人へ売り直すか、自社で保有・活用するかが違います。出口が変われば査定の前提も変わります。

買い取られた家がすぐ高値で売られていたら、安く売りすぎたということですか?

仲介で売れる見込みのある家なら、手取りは仲介のほうが大きくなりやすいのは確かです。ただし差額には工事費・取得時の税と登記費用・保有中の費用・販売時の費用が含まれるため、そのまま損失額になるわけではありません。

リフォームできないほど傷んだ家でも買取再販の対象になりますか?

工事費が再販できる価格に追いつかない家は、値が付きにくくなります。ただし現況のまま投資家へ渡す売り方は別。買取そのものが無理というわけではないんです。

再販前提だと、残置物や家財はどう扱われますか?

買取再販では工事が前提のため、家財を置いたまま引き渡せる場合があります。処分費が査定にどう反映されるかは業者ごとに違うので、見積りの内訳として確認してください。

買取くん(株式会社リアテクス)は、家財が残ったままの家でも買い取れますか?

はい、残置物・生活用品を残したままの現況買取に対応しています。査定は最短6時間、仲介手数料は0円で、全国どこでもご相談いただけます。

戸建てをお持ちの方は、戸建て売却の全体像と判断の順番もあわせてご覧ください。

まとめ:買取再販の提示額は、再販価格からの逆算で決まる

買取再販業者の提示額は、再販できる想定価格から工事費・取得時の税と登記費用・保有中の費用・利益を差し引いた残りとして決まります。工事費の下限も再販までの期限も制度で決まっており、差額の内訳は業者に聞けば確かめられるんです。一方、工事後の想定価格が工事費と経費に届かない家では値が付きにくくなります。どこまで直す想定かと、どのくらいの期間で売り切る想定か。提示額を受け取る前に、この2つを聞いてみてください。

当社は再販先となる投資家と直接つながっているため、売れるまでの期間を短く見込んで価格を組み立てられます。仲介で買い手が付かなかった家、家財の片付けが進んでいない家に向くサービスです。

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再販前提でいくらになるか、まずは家の状態をそのままお聞かせください。買取なら最短3日での現金化にも対応しています。

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監修

株式会社リアテクス 執行役員 鶴野博之

鶴野 博之

株式会社リアテクス 執行役員

宅地建物取引士(東京)第257503号賃貸経営管理士FP2級

一棟投資物件専門の仲介会社で不動産業界に参入後、前職では「訳あり・瑕疵物件」に特化したコンサルティングプログラム責任者として600名以上の投資家の購入から売却までに携わる。自身も再建築不可物件を中心に訳あり物件へ投資し、転売売買から保有物件まで数々の実績を持つ。