不動産買取の基礎知識

戸建て売却はどう進める?一戸建ての売り方3つと流れ・費用

住宅業界の分析資料

「売ると決めたけれど、何から手を付ければいいんだろう」 「築年数が古い家は、そもそも買い手がつかないんじゃないか」

戸建ての売却は、仲介・買取・買取保証の3つから売り方を決め、査定・媒介契約・引き渡しの順に進めます。どれを選ぶかで、買主を探す期間と、売却価格から差し引かれるお金が変わります。最初に決めるのは業者ではなく、売り方のほうなんです。

このガイドで分かること:

  • 一戸建ての売り方3つと、それぞれ誰が買主になるか
  • 自分の家の売れ行きを分けるのは土地側か建物側か
  • 価格・スピード・手間のどれを優先すると、どの売り方になるか
  • 売ると決めてから引き渡しまでの流れと、先に用意する書類
  • 査定額の見方と、売却価格から差し引かれるお金の順番

気になる章から、個別の記事へ進めます。

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戸建て売却の全体像|一戸建ての売り方は3つ

仲介・買取・買取保証で買主と引き渡し期間がどう変わるかと、読む順番を示したトピックマップ

売り方ごとに買主・向く状況・進む先を整理し、決めたあとに読む5つの章を並べた(当社作成)

一戸建ての売り方は、仲介・買取・買取保証の3つで、誰が買主になるかと買主を探す期間が変わります。

3つを分けているのは、最終的に代金を払う相手です。仲介なら第三者の買主、買取なら不動産会社、買取保証なら期限までは第三者で、売れなければ不動産会社。ここが変われば、待つ時間も内覧の有無も差し引かれるお金も変わります。⇒ 売り方を選ぶというのは、誰に売るかを選ぶことなんです。

売り方向く状況進む先
仲介引き渡しの期限がなく、価格を優先したい下の「売り方の選び方」の章
買取期日が決まっている・片付けや内覧が難しい「家を買取で売るときの価格と条件」
買取保証期日はあるが、市場での価格も狙いたい「買取保証付き仲介の仕組みと条件」

同じ一戸建てを3つの売り方に出したらどうなるか、想像してみてください。仲介では買主が現れるまで売り出しが続き、その間は内覧の日程を空けておきます。買取では査定の時点で相手が決まっているので、話が進めば数日から数週間で引き渡しまで届きます。買取保証は前半が仲介、後半が買取です。

1. 仲介|不動産会社に買主を探してもらう

仲介は、不動産会社に買主を探してもらい、見つかった人と売買契約を結ぶ売り方です。依頼するときに結ぶのが媒介契約で、これは売買の仲介を不動産会社に頼むときに交わす契約のことをいいます(国土交通省)。

仲介は買主を市場から探すため、条件が合う買主が見つかれば3つのなかで最も高い価格になりやすい売り方です。その代わり、買主がいつ現れるかは会社にも売主にも決められません。媒介契約の種類と選び分けは、「売却の準備から引き渡しまで」の章で紹介する売却の流れの記事に譲ります。

2. 買取|不動産会社が直接の買主になる

買取は、不動産会社そのものが買主になって、家を直接買い取る売り方です。現況買取とは、片付けや修繕をしないまま今の状態で買い取ってもらうことです。家財が残っていても話を進められる場合があります。買取という売り方の全体像は不動産買取の仕組みと向く物件の全体像で扱っています。

買い取った家を直して個人へ売り直す会社の場合、提示額の組み立て方はもう少しはっきりしています。再販できる想定価格を先に置き、そこから直すための工事費と、買うときにかかる税と登記の費用を引きます。さらに、売り切るまで持っている間の費用と会社の利益を引いた残りが、売主に示される金額です。⇒ つまり提示額は、感覚で値切られた数字ではなく引き算の結果なんです。だから「どこまで直す想定か」「どのくらいの期間で売り切る想定か」を聞けば、工事費と保有中の費用の見当がつきますし、何をいくら引いたのかを答えられない会社かどうかもその場で分かります。工事後に見込める価格が工事費と経費に届かない家では値が付きにくく、買主の側にも制度上の条件がありますが、詳しくは個別の記事で確かめられます。買取再販業者が家を買う仕組みでは、この逆算の中身を項目ごとに分解しています。何をいくら引いた残りなのかが分かると、提示額を自分で検算できます。

3. 買取保証|期限まで仲介、売れなければ買い取ってもらう

買取保証は、決めた期間は仲介で買主を探し、その期間で売れなければ、あらかじめ約束した価格で不動産会社が買い取る売り方です。保証される価格がどう決まるかと、使える物件の条件は、後の「売り方の選び方」の章でまとめて扱います。

ここまでの3つは、契約の形から見直すとすっきり整理できます。買取と仲介の違いは、結ぶ契約と代金を払う相手の違いです。仲介では会社と媒介契約を結び、代金を払うのは見つかった買主。買取では会社と売買契約を1本結び、代金を払うのは会社そのもの。手数料がかかるかどうか、広告や物件情報の登録があるかどうかは、この契約の形から決まります。引き渡したあとに見つかった不具合について売主が責任を負わない特約(契約不適合責任の免責)を結ぶ余地があるかどうかも同じです。⇒ だから、売り出す前に分かることと、売り出してみないと分からないことがはっきり分かれるんです。買主がいつ現れるか、最終的にいくらで決まるかは、仲介では事前に決められません。手数料の上限額の計算や引き渡し後の責任の差は、買取と仲介の違いと選び分けの基準で確かめられます。

一戸建ては本当に売りにくいのか|土地と建物で分かれる評価

建物側は築年数・傷み・調査の記録、土地側は道路付け・境界・形で評価が分かれることを示した図

土地側の3点は年数では動かないため、先に確かめる順番を示した(出典: 宅地建物取引業法34条の2第1項4号を基に当社作成)

一戸建ては土地と建物に分けて値が付くため、建物が古くても土地の条件が良ければ買主は見つかります。

「戸建ては売りにくい」と言われる理由は、たいてい建物側の事情に寄っています。当社が買取の査定で見ているかぎり、建物の評価は築年数と傷み方で動きますが、土地側の評価は年数では動きません。

建物側で見られること|築年数・傷み・調査の有無

建物は、築年数・傷みの程度・状態を調べた記録の有無で見られます。ここでいう建物状況調査とは、構造の主要な部分や雨漏りを防ぐ部分の状態を、専門の資格を持つ人が調べることです。

既存の建物を仲介で売るとき、媒介契約の書面には「建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項」を記載することが法律で決まっています(宅地建物取引業法34条の2第1項4号)。調べてもらうかどうかを売主が選べる仕組みが、契約の入口にあるということです。⇒ 建物の状態を数字で示したいときは、媒介契約を結ぶ時点で相談できます。

税の世界では、建物の目減りの出し方が決まっています。事業に使っていなかった建物は「取得価額×0.9×償却率×経過年数」で減価償却費相当額を計算し、木造の償却率は0.031です(国税庁 No.3261)。当社の換算では、木造なら1年あたり取得価額の約2.8%が目減りします。ただしこれは売ったときの税金を計算するときに建物の取得費を扱うための率で、買主が払う価格はこれとは別に、買主との取引で決まります。

建物を残したまま土地として売り出すことを古家付き土地と呼びます。壊すかどうかは買主の候補が見えてから決めて構いません。解体費用の目安は家の解体料金で確かめられます。

土地側で見られること|道路付け・境界・形

土地の評価は年数では減らず、前面道路との接し方・境界の確定・形の整い方で買主の幅が変わります。

とくに道路との接し方は建て替えができるかどうかに直結し、買える人の数を動かします。再建築不可とは、今建っている家を壊すと新しい家を建て直せない土地のことです。判断の仕方は再建築不可物件とはで確かめてください。境界については、隣地との境を測って確定させる確定測量が要る場合があり、費用は後の「費用と手取り」の章で扱います。

築30年の一戸建ての売却では築年の古い家の売り方を、家が売れない理由では反応がないときの切り分け方を扱っています。どちらも、土地側の3点を確かめたあとで読むと判断が早くなります。

売り方の選び方|価格・スピード・手間の3軸で決める

期限・内覧・片付けの3つの質問から仲介・買取・買取保証へ分かれ、価格の傾向と引き渡し目安を並べた判断フロー

質問に順に答えると売り方が決まり、価格の傾向は3つを同じ粒度で比べられる(当社の買取実務での売り方の選び分けに基づく)

引き渡しの期限が決まっているなら買取、期限がなく価格を優先するなら仲介、その中間が買取保証です。

3つを並べると、どこで得をしてどこで差し出すのかが見えます。

比べる軸仲介買取買取保証
価格の傾向買主が見つかれば3つで最も高くなりやすい仲介の成約価格より低い水準に収まるのが一般的保証価格は仲介の成約価格より低い水準で先に決まる
引き渡しまでの目安買主が現れるまで読めない数日から数週間期限まで待ってから確定する
売主の手間内覧と片付けが要る現況のままで進められる期限までは仲介と同じ

⇒ 買取を選ぶというのは、価格の面では一段下がることを受け入れて、期日と手間を確実に握るという選び方です。どの程度下がるかは家の状態と再販先で変わるので、後で紹介する記事で確かめてください。

3つの質問で決める判断フロー

売り方は、3つの質問に順番に答えると絞り込めます。

  1. 引き渡しの期限があるか(転勤・相続の期限・住み替えの決済日など)
  2. 内覧に対応できるか(遠方に住んでいる・空き家・仕事の都合)
  3. 片付けや修繕に手をかけられるか

引き渡しの期限がある方は、①の時点で買取が最有力になります。期限がなく、内覧の日程も片付けも問題ない方は、仲介から当たるほうが手取りは伸びやすくなります。残置物とは、家具や生活用品など引き渡しのときに残っている物のことです。これを自分で処分する時間がないかどうかも、③の判断材料になります。

買取の側の数字の作られ方も見ておきましょう。買取価格は、その家を直して再び売るときに見込める価格から、修繕や解体の費用、売れ残ったときの負担、買い取る会社の利益を引いた額になります。査定で見られるのは、建物側の直せる項目と、土地側の動かせない項目の両方。引き渡しまでにどれくらい時間があるかと、家がどんな状態かで、最初に連絡する先が変わります。⇒ 同じ家でも、そのまま売れる家と直してから売る家では提示額が変わるということです。当社の場合、査定の回答は最短6時間、入金までは最短3日です。査定で何が見られるのかは、家を買取で売るときの価格と条件で項目ごとに確かめられます。

期限はあるが市場価格も狙いたいときの選び方

「期日は決まっているけれど、その日まで市場で売れる可能性も残したい」という方に当たるのが買取保証です。逆に、期日が目前に迫っているなら、最初から買取に出したほうが確実です。

買取保証は、決めた期間は仲介で買主を探し、売れなければ約束した価格で会社が買い取る仕組みです。保証価格は媒介契約の時点で決まり、仲介で成約した場合の金額より低くなります。使えるかどうかは、専任媒介契約を結べるかと、物件が会社の買取条件に合うかで先に決まります。線が引かれるのは、対象エリア・築年・物件の種類・権利関係のどれかです。なお、専任媒介契約の有効期間は法律で3か月までと決まっており、保証の販売期間はそれとは別に会社が決めます。⇒ つまり、買取保証を使えるかどうかは家の魅力ではなく、契約と条件の話なんです。対象になる条件と保証価格の確かめ方は、買取保証付き仲介の仕組みと条件で整理しています。

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売却の準備から引き渡しまで|全体の流れと必要な準備

売却は査定から始まり、媒介契約・売却活動・売買契約を経て、決済の日に代金と鍵と登記が同時に動きます。

この流れは、自分で日付を動かせる工程と、買主が現れるまで待つ工程の2つに分かれます。相場を調べる、査定を受ける、媒介契約を結ぶ、売り出す——ここまでは自分のペースで進められます。売り出したあとの反応だけは、待つしかありません。なお、仲介では売り物件の情報が指定流通機構(レインズ)という国土交通大臣指定のネットワークに登録されます。不動産会社どうしが物件情報を共有する仕組みだと考えてください。

工程を1つずつ見ていくと、売却は7つの段階で進みます。相場調べから始まり、査定、媒介契約、売り出し、内見と交渉、売買契約、決済と引き渡しという順番です。契約を結んだ直後に来る期限は先に決まっているので、日付で管理できます。専任媒介契約の有効期間は3か月です。物件情報の登録は7日(専属専任なら5日)、活動の報告は2週間に1回以上という期限です。⇒ 一方で、買主が現れるまでの期間だけは誰にも決められません。ここを織り込まずに引っ越しの日取りを決めると、途中で計画を組み直すことになります。引き渡しが終わったあとにやることは、売却益が出たかどうかで分かれます。各段階で売主が決めることと用意するものまで確かめたい方は、不動産売却の流れを7段階で解説をご覧ください。

書類は、全員に必要なもの・あると有利なもの・ケース別のものという3つの層に仕分けると漏れません。とくに気をつけたいのが印鑑証明書で、有効期限は売買契約日ではなく、決済・引き渡しの日から逆算して用意します。早く取りすぎると取り直しになるんです。権利証や検査済証が見つからない場合も、代わりの手続きで売却は進められますので、見つからないこと自体で止まる必要はありません。買取を選ぶと減るのは売り出しの準備にかかわる書類で、決済の日に要る4点は仲介と同じです。⇒ 先に動くべきは、取得に時間がかかる建物まわりの書類だけ。どの書類をどこで取るか、実費はいくらかは不動産売却で必要な書類の一覧にまとめています。

査定額はどう読む?訪問査定・机上査定・買取査定の違い

同じ査定額でも、訪問査定は現地を見た売出価格、机上査定は周辺データからの推計、買取査定は再販価格からの逆算です。

数字が違うのは、姿勢の差ではなく計算しているものが違うからなんです。しかも宅地建物取引業者は、価額または評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないと定められています(宅地建物取引業法34条の2第2項)。査定額は「意見」であって、その金額で売れる保証ではないということです。⇒ だから「なぜこの額になるのか」は、遠慮せずに聞いて構いません。

査定の種類何を計算しているか現地を見るかどんなときに使うか
訪問査定現地の状態を含めた売り出し価格の想定見る売り出す価格を決めたいとき
机上査定(AI査定)周辺の取引データからの推計見ないまず幅だけ知りたいとき
買取査定再販できる価格からの逆算見る場合が多い期日までに確実に売りたいとき

机上査定は、所在地や面積などの条件だけで出す簡易な査定で、AI査定とも呼ばれます。現地を見ていないぶん、売り出し価格とは開きが出ます。

自分でも取引価格を確かめる手順

査定額を受け取る前に、近隣でどのくらいの価格が動いているかは自分でも確かめられます。国土交通省の不動産情報ライブラリは、不動産の取引価格や地価公示等の価格情報を、地図から、あるいは地域を選んで探せるサイトです。

売主側でも、査定に使われる材料の一部を同じように見られます。⇒ 一度見ておくと、提示された数字が周辺の動きから離れていないかをその場で確かめられます。

査定を受けるときに聞いておく3つのこと

査定の連絡をもらったら、金額より次の3点を聞いてください。

  1. その額は何から計算したものか(周辺の取引事例か、再販価格からの逆算か)
  2. その額で売れなかったときにどうするか
  3. 引き渡しまでにどのくらいかかる見込みか

一般には「複数社に査定を出して、いちばん高いところに頼む」と言われます。ただ、査定額は売れる保証ではなく意見です。当社は、額の高さよりその額の作り方を説明できるかどうかで選ぶほうが、最終の成約価格に近い数字にたどり着きやすいと考えています。判断の基準は単純で、根拠を聞いたときに、周辺の取引事例なのか再販価格からの逆算なのかを答えられるかどうか。答えが返ってこない金額は、比べる土俵に乗っていないということです。

戸建て売却の費用と手取り|差し引かれるお金の順番

査定額から必ず出るお金・物件ごとの費用・譲渡益の税を順に引く流れと、それぞれ分かる時期を示した図

引かれる順番で見ると、売り出す前に読める金額と売れてから決まる金額が分かれる(出典: 国土交通省 報酬告示 第一/国税庁 No.3252)

手取りは、売却価格から仲介手数料と登記・印紙の実費を引き、物件ごとに出る実費を引いた残りになります。

費目の一覧より、引かれる順番で見るほうが自分の数字を入れやすくなります。

査定額 →(① 必ず出るお金を引く)→(② 物件ごとに出るお金を引く)→(③ 譲渡益が出た年だけ税を引く)→ 手取り

差し引かれるお金いつ払うか金額の決まり方
仲介手数料契約時と引き渡し時売買価格に応じた上限内
登記の費用(抵当権抹消など)決済・引き渡しの日個数と手続きの種類
印紙税契約を結ぶとき契約書の記載金額
残置物の処分・解体・測量物件しだい量・面積・現地の状況
譲渡所得(売って出た利益)にかかる税売った翌年の申告利益が出たかどうか

⇒ 査定額がそのまま手取りになるわけではありません。

たとえば査定額が出た一戸建てを仲介で売るなら、まず①が売却価格から引かれます。次に②の残置物の処分や測量が物件の事情に応じて乗り、最後に③の税が利益の出た年だけ後から来ます。①は売り出す前に、②は家の状態で見当がつき、③は売れてみないと分かりません。

どの物件でも必ず出るお金

仲介で売る場合、仲介手数料は「依頼者の一方につき」上限が定められています(国土交通省 報酬告示 第一)。売買価格が決まれば上限額は先に読めます。⇒ 手取りの計算では、この上限額を最初に引いておけば足ります。

登記と売買契約書の印紙は、金額こそ物件と契約額で変わりますが、決済の日にまとめて動く費用です。仲介手数料の金額帯ごとの区分と計算の仕方も含め、費用の内訳は不動産売却全体の選び方と費用をまとめた完全ガイドで整理しています。

物件ごとに出るお金と、先に払うと戻らないお金

残置物の処分、解体、確定測量、ハウスクリーニングは、要否が物件と買主で変わります。残置物の費用は残置物とはをご覧ください。

解体もリフォームも、買主が住む人か再販する会社かで要否が変わり、買主が決まる前に払ったお金は戻りません。建物を残したまま買う相手が先に見つかれば、その支出は要りません。動く前に、査定の段階で買主の候補を聞いてみてください。

譲渡所得とは、売った金額から取得費と譲渡費用を引いた残りで、利益が出た年は翌年に申告が要ります(国税庁 No.3252)。税率や特例は事情で変わります。空き家を売ったときの税金をご覧のうえ、個別の判断は税理士にご確認ください。

状況別の進め方|ローン残債・相続・空き家・築古

ローンが残る家は引き渡しの日に完済できるかで進め方が変わり、相続や空き家は名義と管理の状態を先に確かめます。

ご自身の状況に近いところから見てください。

  • 住宅ローンが残っている:残債と査定額を並べるところから始めます
  • 相続した家で名義が親のまま:登記を先に済ませておきます
  • 誰も住んでいない空き家:残置物と管理の状態を先に確かめます
  • 築30年以上:建物を残すか壊すかは、買主の候補が見えてから決めます

ローンが残っていても、引き渡しの日に残債を完済して抵当権を外せる状態を作れるなら売れます。抵当権とは金融機関が土地や建物に付けている担保の権利で、これを外す手続きを抵当権抹消といいます。ここで比べるのは査定額そのものではなく、諸費用を引いたあとの手取りです。手取りが残債に届くなら、決済日に一括返済と抹消登記を同じ日に行う形で通常どおり進みます。届かない場合は、自己資金を足す・住み替えローンを使う・任意売却に切り替える、のいずれかで債権者の同意を得る形になります。⇒ 先にやることは、残高を確かめて査定額と並べることだけ。残債の調べ方や、完済できないときの選び分けはローンが残る家を売る条件と方法にまとめています。

売る時期をどう決めるか|市況とライフイベントの見方

売る時期は、期限が決まっている条件から先に日付を確定させ、相場の先読みは判断材料の後ろに置きます。

時期を決める条件は、自分で動かせるものと動かせないものに分かれます。住み替えや引っ越しの予定は動かせますが、税の特例の期限・転勤の辞令・相続にまつわる期限は動かせません。まず動かせない日付を確定させ、そこから逆算するのが迷わない順番です。

その先の判断は、数字で確かめられます。売る時期の判断基準は6つありますが、期限が決まっているものから先に確かめると、残りは毎年の見直しで足ります。確実に分かるのは、納税通知書に書かれた1年分の固定資産税・都市計画税と、引き渡し日で変わる翌年分の負担の2つ。待つ価値があると言えるのは、値上がりの見込み額がこの1年分の負担を上回ると確かめられるときが目安です。⇒ 相場の先読みは確度が低く、指数が動いたという事実も、皆様の家がそう動く保証にはなりません。逆にいえば、査定額と納税通知書を並べれば、1年待つ価値が金額として残るかどうかはその日のうちに確かめられます。6つの判断基準の中身と、待つか今売るかを数字で決める手順は家を売るタイミングの判断基準に載せています。

なお、相続した空き家を売るときに使える3,000万円特別控除には適用の期限があります。期限が近い方は相続空き家の3,000万円特別控除で条件を確かめてください。

戸建て売却でよくある質問

戸建てとマンションで売却の進め方はどう違いますか?

手続きの順番そのものは同じです。違うのは確かめる項目で、戸建ては土地と建物に分けて評価されるぶん、境界・前面道路との接し方・建物の状態の確認が増えます。マンションでは代わりに管理規約や修繕積立金の資料が要ります。

空き家のまま売るのと、住みながら売るのはどちらが進めやすいですか?

内覧の日程を組みやすいのは空き家のほうです。ただし家財が残っている場合は、片付けてから売り出すか、そのまま売るかの判断が先に要ります。片付けずに現況のまま売る選択肢もありますので、時間と費用を比べて決めてください。

売ると決めてから現金化まで、どのくらいの期間がかかりますか?

仲介では買主が現れるまでの期間が読めないため、全体の日数も事前には決まりません。買取は買主を探す期間がないぶん短く、数日から数週間で引き渡しまで進みます。期間の内訳は「売却の準備から引き渡しまで」の章で紹介した記事にあります。

遠方に住んでいても一戸建ての売却手続きはできますか?

できます。書類のやり取りを郵送で進めたり、決済の手続きを委任したりすれば、現地に行く回数を減らせます。当社は全国に対応していますので、遠方にお住まいで内覧に立ち会えない場合もご相談いただけます。必要な書類は同じ章で紹介した記事で確かめられます。

売り方をまだ決めていない段階でも、戸建ての査定だけ先に依頼できますか?

できます。当社の無料査定は最短6時間でご回答しており、片付けや修繕をしないまま現況でお申し込みいただけます。査定額を見てから仲介と比べて決めて構いません。

まとめ:売り方を先に決めると、進む順番とかかるお金が決まる

戸建ての売却は、仲介・買取・買取保証の3つから売り方を決めるところで、そのあとの進む順番とかかるお金がほぼ決まります。手数料の考え方、引き渡しまでの目安、売主に残る手間は売り出す前に分かりますが、買主がいつ現れるかと最終的な成約価格は、仲介では事前に決められません。まずは引き渡しの期限があるかどうかを決めて、査定額は根拠とセットで受け取ってください。

引き渡しの期限がなく価格を最優先できる方には、仲介で時間をかける選び方が向きます。当社の買取くんは残置物を残したままの現況買取と全国対応をとっていますので、遠方にお住まいで内覧に立ち会えない方、期日までに手放したい方に向いています。

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監修

株式会社リアテクス 執行役員 鶴野博之

鶴野 博之

株式会社リアテクス 執行役員

宅地建物取引士(東京)第257503号賃貸経営管理士FP2級

一棟投資物件専門の仲介会社で不動産業界に参入後、前職では「訳あり・瑕疵物件」に特化したコンサルティングプログラム責任者として600名以上の投資家の購入から売却までに携わる。自身も再建築不可物件を中心に訳あり物件へ投資し、転売売買から保有物件まで数々の実績を持つ。