不動産買取の基礎知識

不動産売却の必要書類一覧|取得先と実費、先に取ると無駄になる書類

家と鍵 1

「何から用意するの?」 「権利証はどこだろう」

建物がある不動産の売却では、本人確認書類・実印と印鑑証明書・権利証・固定資産税の納税通知書・振込先口座の5点が全員に必要です。残りは「あると有利な書類」と「ケース別の書類」に分けると、手元にある物と取りに行く物を一度に仕分けできます。取得先と実費、取る順番、書類がないときの代わりまで扱います。

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不動産売却の必要書類は?全員に必要・あると有利・ケース別の3層

不動産売却の必要書類は?全員に必要・あると有利・ケース別の3層

入れ替わるのは建物と敷地の書類で、共通の5点はどの物件でも同じ(法務省ほか本文で挙げた公的機関の資料と当社の買取実務をもとに当社作成)

建物がある不動産で全員に必要なのは、本人確認書類・実印と印鑑証明書・権利証(登記識別情報)・固定資産税の納税通知書・振込先口座の情報の5点です。土地だけを売る場合と違うのは、この外側に建物の図面や検査の記録が「あると有利な書類」として加わるところ。まずは3層に仕分けてみてください。

一戸建てとマンション、そして更地では、要る書類がごっそり入れ替わります。売却の準備そのものは一戸建て売却の準備から引き渡しまでで扱っているので、ここでは書類だけを物件タイプ別に並べます。

書類戸建てマンション土地のみ
本人確認書類・実印・印鑑証明書要る要る要る
権利証(登記識別情報)要る要る要る
固定資産税の納税通知書要る要る要る
振込先口座の情報要る要る要る
建築確認済証・検査済証あると有利管理組合へ照会要らない
設計図面・工事の記録あると有利管理組合へ照会要らない
設備の保証書・取扱説明書あると有利あると有利要らない
耐震診断・建物状況調査の資料あると有利あると有利要らない
管理規約・使用細則・長期修繕計画書要らない要る要らない
確定測量図・境界確認書求められることがある要らない土地側の主要書類
ローンの残高証明書・返済予定表残債があれば要る残債があれば要る残債があれば要る

データ出典: 本文で挙げた法務省・自治体の各ページと、当社が売主から書類をお預かりする買取実務をもとに当社作成。

上の4行と下の7行を見比べてみてください。上の4行はどの物件でも同じ。物件タイプで入れ替わるのは、建物と敷地に関する書類だけなんです。ここさえ押さえておけば、一覧を丸ごと覚える必要はありません。

全員に必要な5点と、住所が変わっているとき

本人確認書類は運転免許証やマイナンバーカード。実印は市区町村に登録した印鑑で、印鑑証明書とセットで使います。権利証は、いまは登記識別情報という名前の書類のこと——法務局から通知される符号が記載されていて、名義を買主へ移すときに使うものです。固定資産税の納税通知書は毎年春に届くもので、同封の課税明細書には土地と建物が別々に記載されています。納税通知書が見当たらない場合は、市区町村(東京23区は都税事務所)で固定資産評価証明書を取れば代わりになります。振込先口座は、代金を受け取る通帳の写しで足ります。

もうひとつ、見落としやすいのが住民票です。登記した当時の住所のまま引っ越している場合は、住民票で登記上の住所と今の住所のつながりを示すことになります。実家を相続してそのまま持っている方、転勤で住所が何度か動いている方は、権利証を探すついでに登記上の住所も確かめておくと安心です。

建物があると増える「あると有利な書類」

建築確認済証は、着工前に建築計画が建築基準法に適合していると確認されたことを示す書類。検査済証は、完成後の検査に合格したことを示す書類です。設計図面や工事の記録、設備の保証書や取扱説明書、耐震診断や建物状況調査の資料も、同じ「あると有利」の層に入ります。

無くても売れます。ただ、あれば買主が建て替えや増築の見通しを立てやすく、価格の交渉でも不利になりにくいんです。検査済証と図面が残っていれば、買主は再販や建て替えの計画を早く固められます。査定を頼む前に手元にあるかどうかを確かめておくと、話が早く進みますよ。

この層は探す書類であって、取りに行く書類ではありません。思い当たる場所を先に当たっておくのが早道です。

ケース別に足す書類

マンションなら管理規約・使用細則・長期修繕計画書・総会議事録が加わります。これらは管理会社や管理組合が持っているため、請求してから手元に届くまでの時間を見込んでおきましょう。住宅ローンの残債があるなら残高証明書と返済予定表も必要で、抵当権を抹消する手続き自体はローンが残る家を売る条件と方法で扱っています。

共有名義の場合は、共有者全員が売主になります。共有持分とは、ひとつの不動産を複数人で持っているときの一人ひとりの持ち分の割合のこと。何分の一であっても全体を売るときは全員が契約に加わるため、本人確認書類・実印・印鑑証明書は人数分そろえます。

次の4つは、この記事では扱いません。それぞれ別の記事にまとめてあります。

ひとつだけ先に。亡くなった方の名義のままでは家は売れません。相続登記——亡くなった方から相続人へ名義を移す登記——は令和6年4月1日から申請が義務化され、取得を知った日から3年以内に申請しないと10万円以下の過料の対象になります(法務省)。名義が親のままの実家を売るなら、書類集めと並行して名義の確認も進めてください。

書類はいつ取る?段階別スケジュールと、先に取ると取り直しになる書類

自宅で探す書類と役所で取る書類を分け、決済9月10日なら印鑑証明書は6月10日以降に取る逆算を示した図

印鑑証明書の3か月は売買契約日ではなく決済・引き渡しの日から逆算する(出典: 不動産登記令16条3項ほか本文で挙げた公的機関の資料をもとに当社作成)

必要書類が要るのは査定・媒介契約・売買契約・決済引き渡しの4段階で、査定の時点で要るのは登記の内容がわかる書類と固定資産税の納税通知書くらいです。印鑑証明書のように、決済の直前に取ったほうがよい書類もあります。段階ごとに「いま取る」「あとで取る」を決めてしまいましょう。

書類が必要になる場面は売却の進み方とセットなので、書類が必要になる各ステップの流れとあわせて見ると順番がつかみやすくなります。売り出す時期そのものを決めかねている方は、書類を揃え始める時期の決め方も参考にしてください。

段階別の必要書類早見表

査定の段階で使うのは、登記事項証明書——法務局が発行する、いまの所有者や抵当権の有無が載った証明書——と、固定資産税の納税通知書くらいです。段階が進むごとに、書類は「探す物」から「取りに行く物」へ移っていきます。

段階用意する書類この段階でやっておくこと
査定登記事項証明書(または権利証の控え)、固定資産税の納税通知書、間取りがわかる図面権利証と検査済証の所在を確認する
媒介契約本人確認書類、登記事項証明書、購入時の売買契約書・重要事項説明書マンションは管理規約・長期修繕計画書を管理会社へ請求する
売買契約実印、印鑑証明書、建築確認済証・検査済証、設備の保証書・取扱説明書、契約書に貼る収入印紙設備表・物件状況等報告書の記入を進める
決済・引き渡し権利証(登記識別情報)、作成後3か月以内の印鑑証明書、振込先口座の情報、抵当権の抹消に関する書類、鍵と保証書類一式印鑑証明書を決済日から逆算して取る

データ出典: 不動産登記令16条3項ほか本文で挙げた公的機関の資料と、当社が売主から書類をお預かりする買取実務をもとに当社作成。

買取で売る場合は、この4段階のうち「媒介契約」がありません。仲介と買取でどの書類が入れ替わるのかは、記事の後半でまとめました。

先に取ると取り直しになる書類

登記に付ける印鑑証明書は、作成後3か月以内のものでなければなりません(不動産登記令16条3項)。ここで効いてくるのが、3か月をどの日から数えるかです。基準になるのは売買契約を結んだ日ではなく、名義を買主へ移す登記を申請する日——つまり決済・引き渡しの日のほう。

数字を入れてみます。決済が9月10日の予定なら、6月10日より前に取った印鑑証明書は登記に使えません。決済日が後ろへずれると、間に合っていたはずの印鑑証明書が取り直しになることもあります。役所に行くついでに全部まとめて取るやり方が、いちばん取り直しになりやすいんです。

建物がある不動産だと、この順番にもうひと工夫が要ります。建築確認済証や検査済証が見当たらない場合、代わりの証明を取りに行く先は役所の建築指導の窓口で、受付時間は市区町村の窓口より短いことがあります(東京都は午前9時〜11時45分と午後1時〜4時30分)。建築関係の調べ物は早い段階で片付け、印鑑証明書は決済日が決まってから。この前後関係を守ると、役所へ行く回数が減ります。

住民票と登記事項証明書には、印鑑証明書のような3か月の定めが政令にありません。ただ買主や金融機関から発行の時期を求められる場合はあるため、こちらも必要になる時期に合わせて取るのが確実です。

逆に、早く取りかかってよいのは探すのに時間がかかる書類です。

  • 購入時の売買契約書・重要事項説明書
  • 建築確認済証・検査済証・設計図面
  • 設備の保証書・取扱説明書
  • マンションの管理規約・長期修繕計画書(管理会社への請求が要るもの)

⇒ 取りに行く書類は決済日から逆算、探す書類は今日から。この2つを分けるだけで、段取りはほぼ決まります。

各書類はどこで取れる?法務局・市区町村・金融機関の窓口別の実費と取り方

コンビニ交付・法務局オンライン請求・建築指導窓口の受付時間帯と1通あたりの実費を並べた比較図

受付が実質6時間と最も短い建築指導の窓口を起点に1日の予定を組む(出典: 法務省「登記手数料について」・法務局・堺市・東京都都市整備局をもとに当社作成)

建物がある不動産の書類は、法務局・市区町村・役所の建築指導の窓口・金融機関や管理会社の4か所に分かれます。住民票と印鑑登録証明書はマイナンバーカードがあれば全国のコンビニのマルチコピー機から1通150円で取れるため(堺市の例)、平日に窓口へ行けない方でも間に合います。なお下の表には、買主や司法書士から求められたときだけ取る書類も、実費の比較のために載せています。

書類取得先実費(1通・1件)取れる手段と受付時間
登記事項証明書法務局書面請求600円/オンライン請求・送付520円/オンライン請求・窓口交付490円窓口は平日8:30〜17:15、オンライン請求は平日8:30〜21:00
地図等情報(公図・地積測量図など。土地側の書類で、求められた場合のみ)法務局書面請求500円窓口は平日8:30〜17:15、オンライン請求は平日8:30〜21:00
登記識別情報に関する証明(求められた場合のみ)法務局300円窓口とオンライン請求
住民票の写し市区町村窓口300円/コンビニ交付150円(堺市の例)窓口は平日9:00〜17:15、コンビニ交付は6:30〜23:00
印鑑登録証明書市区町村窓口300円/コンビニ交付150円(堺市の例)窓口とコンビニ交付のみ。郵送請求はできない(堺市・富山市)
固定資産評価証明書市区町村(東京23区は都税事務所)1件目400円・2件目以降100円(東京23区の例)窓口と郵送
台帳記載事項証明書役所の建築指導の窓口1枚400円(東京都の例)窓口は9:00〜11:45と13:00〜16:30

データ出典: 法務省「登記手数料について」法務局「登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です」堺市富山市東京都主税局東京都都市整備局をもとに当社作成。手数料と郵送の可否は自治体の条例で決まるため、金額は挙げた自治体での例です。郵送で請求する場合は日数がかかり、堺市は発行・返送まで10日間程度かかる場合があると案内しています(堺市)。

4つの窓口を横に並べてみると、受付時間がいちばん短いのは表のいちばん下、建築指導の窓口です。法務局はオンラインで夜9時まで、コンビニ交付は朝6時半から夜11時まで動いているのに対して、台帳記載事項証明書の窓口は昼休みを挟んで実質6時間ほど。建物の書類を役所で取る予定があるなら、そこを基準に1日の動きを組み立てるのが現実的です。

法務局で取る書類

登記事項証明書と、公図や地積測量図などの地図等情報は法務局です。オンライン請求なら平日の夜9時まで受け付けていて、手数料はインターネットバンキングやPay-easyで納められるため収入印紙を買いに行く必要もありません(法務局)。仕事帰りに請求だけ済ませ、受け取りを郵送にすれば窓口へ行かずに完結します。

市区町村・都税事務所で取る書類

住民票と印鑑登録証明書は、マイナンバーカードがあればコンビニのマルチコピー機から取れます。堺市の場合は窓口300円のところコンビニ交付は150円、使える時間は午前6時30分から午後11時まで(堺市)。ただしカードの申請から交付までは概ね1か月程度かかるため、手元にない方は窓口かコンビニかを考える前に、まずカードの有無を確かめてください。

気をつけたいのが郵送です。印鑑登録証明書は郵送で請求できない自治体があり、堺市も富山市も郵送による請求はできないと明記しています(堺市富山市)。遠方の共有者に取ってもらう段取りを組むとき、ここが引っかかりやすいところです。

納税通知書の代わりに固定資産評価証明書を取る場合、建物があると証明書の「件数」も増えます。東京23区の固定資産評価証明書は1件目400円・2件目以降100円で、公式の計算例では土地2筆と家屋1棟で400+100+100=600円(東京都主税局)。更地なら土地の分だけで済むところに、家屋の1件が乗る計算です。しかも23区では固定資産税など不動産関係の税証明を都税事務所が発行しているため(東京都北区)、住民票と同じ窓口では取れません。

金融機関・管理会社・自宅にある書類

住宅ローンの残高証明書と返済予定表は借入先の金融機関、マンションの管理規約・使用細則・長期修繕計画書・総会議事録は管理会社や管理組合です。管理会社からの取り寄せだけは自分の手を離れた待ち時間になるため、売ると決めた日に請求しておくのが確実です。

購入時の売買契約書・重要事項説明書・設計図面・設備の保証書は、どこかの窓口で取れる書類ではありません。自宅のどこかにあるか、無いかのどちらかです。無い場合の進め方は、次の章にまとめました。

⇒ 法務局はオンライン、市区町村はコンビニ交付、建物と管理組合の書類は早めの請求。この3つに割り振ると、窓口へ出向く回数を減らせます。

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権利証や検査済証が見つからないときは?書類がない場合の代わり

権利証(登記識別情報)は再発行されませんが、事前通知・資格者代理人による本人確認情報・公証人の認証のいずれかで売却手続きは進められます(不動産登記法23条)。建築確認済証や検査済証が残っていない場合も、役所の台帳記載事項証明書で確認や検査の年月日と番号を証明できます。

権利証(登記識別情報)が見つからないとき

再発行はされません。ただし、提供できないことに正当な理由がある場合の手続きが法律に用意されています(不動産登記法22条ただし書)。代わりになるのは次の3つです。

  • 事前通知制度:登記官が売主へ「この申請がありました」と通知し、売主が期間内に申し出ることで登記が進む方法(同法23条1項)
  • 資格者代理人による本人確認情報:司法書士などが本人であることを確認した情報を提供し、登記官がその内容を相当と認める方法(同法23条4項1号)
  • 公証人の認証:申請の書面について公証人の認証を受ける方法(同法23条4項2号)

どれを選ぶかは、ほとんど日程で決まります。事前通知には申し出の期間があるため、決済日が先に決まっているほど選びにくくなり、日程を動かせない場面では司法書士の本人確認情報が使われます。どの方法を選べるかは案件ごとに違うため、登記を担当する司法書士に確認してください。当社の買取くんでは、提携する司法書士が所有権移転登記まで担当します。

3つの手続きの条文・期間・費用を並べた比較は、土地売却の必要書類と取得先の一覧にまとめてあります。建物がある場合も手続きの中身は同じなので、選び方の細かいところはそちらをご覧ください。

建築確認済証・検査済証が残っていないとき

検査済証とは、完成した建物が建築基準法に適合していると検査で確認されたことを示す書類です。当社へ買取のご相談をいただく築古の一戸建てでも、この2枚が見当たらない状態から始まることがあります。けれど、売れないわけではありません。

代わりになるのが台帳記載事項証明書です。役所が保管している建築確認の台帳に載っている情報——交付の年月日や番号など——を証明してくれるもので、東京都の場合は1枚400円。窓口の受付は午前9時から11時45分と、午後1時から4時30分までです(東京都都市整備局)。

申請の前に、次の3点を調べておきます。

  • 建築当時の地名地番(いまの住居表示ではありません)
  • 建築当時の建築主名(現在の所有者と同じとは限りません)
  • 建築確認済証や検査済証の年月日と番号

先にお伝えしておきたいことが2つあります。ひとつは、これは確認済証・検査済証を再発行するものではないという点。もうひとつは、台帳が現存していないため証明書を発行できない場合や、検査済証の交付年月日が台帳に記載されていない場合があるという点です(いずれも同ページの注意事項)。発行の範囲も、東京都が確認した建築物に限られ、区や市が確認したものはそれぞれの窓口が担当します。まずは、その建物をどこの役所が確認したのかを調べるところからです。

台帳でも確認が取れなかったときは、建築士による調査という道があります。検査済証のない建築物の調査は、令和7年4月1日に旧ガイドラインが「既存建築物の現況調査ガイドライン」へ統合・一本化されました(国土交通省)。買主が増築や大規模な修繕を予定している場合に使われるもので、売主が売却のために用意しなければならない書類ではありません。

設計図面・設備の保証書・管理規約がないとき

設計図面は施工会社、管理規約や長期修繕計画書は管理会社や管理組合に、再発行や写しの交付を頼めることがあります。ひととおり当たってみて、それでも揃わない場合は、揃わないまま売る道を選びます。

そのときに効いてくるのが、物件状況等報告書と設備表です。雨漏りやシロアリ、給湯器の不具合など、わかっていることを正確に書いて買主へ伝えておく。これが契約不適合責任、つまり引き渡した物件が契約の内容と違っていた場合に売主が負う責任を、あとから争いにしないための備えになります。考え方の詳細は不動産売却の完全ガイドをご覧ください。

買取で売るときの必要書類は仲介とどう違う?

買取で外れる3つの準備と、買取でも決済の日に必要な権利証など4点を対比した図解

買取で減るのは売り出しの準備で、決済の日に要る4点は仲介と同じ(当社が売主から書類をお預かりする買取実務と本文で挙げた公的機関の資料をもとに当社作成)

買取では不動産会社が直接の買主になるため、内見に向けた室内の片付けや、写真映えのために室内を整える準備が要りません。そのかわり契約から決済までが短いぶん、権利証・印鑑証明書・振込先口座・抵当権の抹消に関する書類を短い期間で揃えることになります。

書類・準備仲介で売る場合買取で売る場合用意する時期
媒介契約に使う本人確認書類・登記事項証明書要る媒介契約の段階がないため不要(売買契約と決済では要る)仲介は売却を依頼するとき
内見・広告写真のための室内の片付け・見せ方の準備要る不要仲介は販売活動の前
建築確認済証・検査済証・設計図面あると有利あると有利査定のとき
設備の保証書・取扱説明書あると有利残っている分だけ売買契約のとき
権利証(登記識別情報)要る要る決済のとき
作成後3か月以内の印鑑証明書要る要る決済日から逆算して
抵当権の抹消に関する書類残債があれば要る残債があれば要る決済のとき
振込先口座の情報要る要る決済のとき

データ出典: 当社が売主から書類をお預かりする買取実務と、本文で挙げた公的機関の資料をもとに当社作成。

買取で不要になる書類・準備

現況買取とは、室内を片付けたり修繕したりせず、いまの状態のまま買い取ること。家具や家電、衣類といった残置物がそのままでも査定できます。当社の買取くんは残置物が残ったままの現況で買い取るため、内見に向けた片付けも、写真映えのための準備も要りません。

遠方に住んでいて実家に通えない、片付けの日程がどうしても取れない。そうした事情で売却が止まっている場合、片付けの手間と、内見に向けて室内を整える手間が同時に消えるのは、かなり大きい違いです。ただし権利証など決済の日に使う書類は仲介と同じですから、そちらは先に探しておいてくださいね。

買取で急ぎになる書類

短くなるのは日程のほうです。仲介のような販売活動の期間がないぶん、権利証・印鑑証明書・振込先口座・抵当権の抹消に関する書類を、短い期間で揃えることになります。

ここで効いてくるのが、先ほどの3か月の逆算です。決済が早いということは、印鑑証明書を取るタイミングも自然と後ろに寄るということ。買取では「先に取っておいて期限切れ」という失敗が起きにくい——これは地味ですが、実務ではありがたい違いなんです。

買取そのものの仕組みや、向く物件・価格の考え方——仲介とは値段の付き方が違う点も含めて——は家を買取で売るときの価格と条件にまとめています。ローンが残っている場合の抵当権抹消の進め方はローンが残る家を売る条件と方法へ。

不動産売却の必要書類でよくある質問

権利証(登記識別情報)が見つからないときはどうすればよいですか?

まず探す順番を決めてください。購入時に不動産会社から渡された書類一式のファイル、登記を頼んだ司法書士事務所の封筒、金庫や貸金庫。この3か所で見つからなければ、代わりの手続きへ切り替えます。わかっていればよい時期は査定や媒介契約の段階で、決済日が決まる前です。見つからないまま決済日を先に決めてしまうと、選べる手続きが狭まります。

建築確認済証が残っていない古い一戸建てでも売れますか?

売れます。役所の建築指導の窓口で台帳記載事項証明書を取れば、確認や検査の年月日と番号を示せます。台帳が残っていない場合でも、現況のまま買い取る買取なら書類の有無を売却の前提条件にしていません。建て替えや増築を前提に買う相手を探す場合にだけ、建築士による調査が必要になることがあります。

書類を揃えるのにどれくらいの日数がかかりますか?

窓口とコンビニ交付なら当日です。郵送で請求する場合は日数がかかり、堺市は発行・返送まで10日間程度かかる場合があると案内しています(堺市)。管理会社へ取り寄せる管理規約や長期修繕計画書も待ち時間が読みにくいため、この2つを先に動かしておくと全体が短くなります。

共有名義の場合、共有者全員分の書類が必要ですか?

人ごとに要る書類と、物件ごとに1つでよい書類に分かれます。本人確認書類・実印・印鑑証明書・権利証は共有者の人数分。一方で建築確認済証や検査済証、管理規約といった建物の書類は1軒ぶんあれば足ります。遠方の共有者がいる場合は、印鑑登録証明書を郵送で請求できない自治体がある点に気をつけてください。

買取くんでは、必要書類が一部そろっていない状態でも不動産売却の査定を依頼できますか?

依頼できます。当社は空き家や訳あり物件を直接買い取っているため、建物の場所と状態をうかがうところから査定を始められます。残置物が残ったままの現況で買い取り、当社が直接の買主になるので内見用の準備も要りません。全国どこの物件でも対応していますので、権利証や検査済証が見つからない段階でも、そのままの状況をお聞かせいただければ査定に進めます。

書類の目処が立ったら、次は売り出す時期と売り方の判断です。査定から引き渡しまでに何が起きるのかは戸建て売却の流れと必要な準備で全体像をまとめています。

まとめ:3層に仕分けて、取りに行く書類は決済日から逆算する

建物がある不動産の必要書類は、全員に必要・あると有利・ケース別の3層に仕分ければ漏れずに揃います。権利証や検査済証が見当たらなくても、代わりの手続きや台帳記載事項証明書で売却は進められます。ただし台帳が残っていないケースもあり、すべてを書類で埋められるとは限りません。印鑑証明書は決済日から逆算し、探すのに時間がかかる建物の書類だけを今日から当たってみてください。

当社の買取くんは空き家や訳あり物件を現況のまま買い取るため、残置物が残っていても、建物の書類が揃いきっていなくても査定できます。書類を全部そろえてから動くのが難しい方に向いています。

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手元の書類で足りるかどうかも、査定のご相談と一緒にお答えします。

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監修

株式会社リアテクス 執行役員 鶴野博之

鶴野 博之

株式会社リアテクス 執行役員

宅地建物取引士(東京)第257503号賃貸経営管理士FP2級

一棟投資物件専門の仲介会社で不動産業界に参入後、前職では「訳あり・瑕疵物件」に特化したコンサルティングプログラム責任者として600名以上の投資家の購入から売却までに携わる。自身も再建築不可物件を中心に訳あり物件へ投資し、転売売買から保有物件まで数々の実績を持つ。