「権利証、どの引き出しにしまったんだろう」 「法務局と役所、どっちを先に回ればいいんだろう」
土地売却の必要書類は、媒介契約時・売買契約時・決済時の3段階に分けて準備します。書類のありかは自宅・法務局・市区町村の3系統に分かれ、権利証が見つからなくても売却は進められます。段階別の一覧、取得先と手数料、権利証がない時の進め方をまとめました。
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土地売却の必要書類はいつ要る?媒介契約・売買契約・決済の3段階
媒介契約までに要るのは登記事項証明書と権利証の所在確認で、実印と印鑑証明書は売買契約から決済で使います。段階ごとに使う書類も、用意しておく理由も違うため、最初から全部そろえる必要はありません。
ひとつ線引きを。仲介で売る場合は媒介契約・売買契約・決済の3段階ですが、当社のように買主へ直接売る場合は媒介契約がなく、売買契約と決済の2段階になります。
| 書類 | 使う段階 | いまどこにあるか | 取り直せるか |
|---|---|---|---|
| 登記事項証明書 | 媒介契約 | 法務局 | 取り直せる |
| 権利証(登記識別情報) | 決済 | 自宅 | 取り直せない |
| 固定資産税の納税通知書 | 媒介契約 | 自宅 | 取り直せない |
| 本人確認書類 | 媒介契約〜決済 | 自宅 | 取り直せる |
| 実印・印鑑証明書 | 売買契約・決済 | 自宅・市区町村 | 取り直せる |
| 地積測量図 | 売買契約 | 自宅・法務局 | 備え付けがあれば可 |
| 境界確認書・越境の覚書 | 売買契約 | 自宅 | 取り直せない |
| 固定資産評価証明 | 決済 | 市区町村・都税事務所 | 取り直せる |
| 委任状 | 決済 | 自分で作成 | 作り直せる |
データ出典: 法務局「主な手数料一覧」/東京都主税局「固定資産 証明・閲覧とは」(当社作成。直接買取で売る場合は「媒介契約」の行は不要)
見てほしいのは、右端の「取り直せるか」の列です。書類の名前を並べた一覧だけだと、取りに行けば済むものと、別の手続きが要るものの境目が分かりません。この境目をまたぐのが権利証と、納税通知書に同封されている課税明細書なんです。
各段階の進め方と期間は土地売却の流れ6ステップと期間、費用も含めた準備の全体像は土地売却の流れと必要な準備の全体像で扱っています。売却後の確定申告で使う書類と、古家が建ったまま売る場合の建物側の書類は別記事にまとめました。
媒介契約までに手元で確認する書類
媒介契約は、不動産会社に売却を任せる契約のこと。この段階は書類が全部そろっていなくても結べます。見ておきたいのは4点です。登記事項証明書(所有者・地番・地積・抵当権の有無が分かります)、権利証の所在、毎年春に届く固定資産税の納税通知書、運転免許証などの本人確認書類。
なかでも、権利証の所在確認だけは先に済ませてください。見つからない場合の手続きには法定の待ち期間があり、決済日が決まってから気づくと日程に響きます。中身は記事の後半でまとめました。
売買契約で使う書類
買主と契約を結ぶ段階では、売主の意思を形にする書類が主役になります。実印と印鑑証明書、契約書に貼る収入印紙、そして土地の範囲を示す地積測量図・境界確認書です。後者2つは買主から求められて初めて用意することもあり、その条件は次の項でまとめました。
決済・引渡しで使う書類
代金を受け取り、名義を買主へ移す日です。ここで初めて権利証(登記識別情報)の現物を使います。あわせて用意するのが、作成後3か月以内の印鑑証明書、代金の振込先口座の情報、住宅ローンが残っていれば抵当権抹消に関する書類。本人が行けない場合は委任状も要ります。共有名義や遠方のケースは後半の項でまとめました。
必要書類のありかと手数料|自宅で探すもの・法務局と市区町村で取るもの

2通そろえるなら窓口1,200円に対しオンライン請求・送付は1,040円(出典: 法務局「主な手数料一覧【令和8年4月1日〜】」・J-LIS「コンビニ交付とは」を基に当社作成)
必要書類の多くは法務局と市区町村で取得でき、登記事項証明書は窓口600円・オンライン請求なら520円です(法務局)。書類のありかは自宅・法務局・市区町村の3系統に分かれ、法務局の分は平日の夜間もオンラインで請求できます。
| 書類 | 書面請求 | オンライン請求・送付 | オンライン請求・窓口交付 |
|---|---|---|---|
| 登記事項証明書 | 600円 | 520円 | 490円 |
| 地図等証明書・土地所在図等証明書 | 500円 | 470円 | 440円 |
| 所有不動産記録証明書 | 1,600円 | 1,500円 | 1,470円 |
データ出典: 登記手数料令2条・3条/法務局「主な手数料一覧【令和8年4月1日〜】」(当社作成。地積測量図は「地図等証明書・土地所在図等証明書」に含まれ、所有不動産記録証明書は検索条件1件・1通あたりの額)
同じ紙を受け取るのに、請求のしかたで110円変わります。登記事項証明書を2通取るなら、窓口で1,200円、オンライン請求・送付なら1,040円。⇒ 平日に窓口へ行きにくい方は、法務局の分をオンラインから片付けるのが早いんです。
法務局で取る書類と手数料——オンラインが安い
法務局で取るのは、登記事項証明書と地図等証明書・土地所在図等証明書です。登記識別情報が有効かどうかを確かめる「登記識別情報に関する証明」も1件300円で請求できます(登記手数料令7条)。
オンライン請求の受付は平日の午前8時30分から午後9時までで、午後5時15分以降の請求は翌業務日の受付になります。手数料は電子納付でき、収入印紙を買いに行く必要もありません(法務局)。つまり、仕事が終わったあとの時間帯でも請求は進められるということ。窓口受取を選べば、受け取りだけを日中に回せます。
市区町村で取る書類とコンビニ交付
住民票の写し・印鑑登録証明書・各種税証明書は、マイナンバーカードがあればコンビニのキオスク端末から取れます。利用時間は毎日6時30分から23時まで(市区町村により制限あり)で、窓口の開いている時間に縛られません(J-LIS「コンビニ交付とは」)。交付手数料は市区町村の条例で決まり全国一律ではないため、金額はお住まいの自治体のページでご確認ください。
東京23区は登記申請に評価証明が原則不要
固定資産の評価額を示す書類は、地域によって扱いが変わります。東京23区では「不動産登記の申請を行う際に、固定資産評価証明は原則不要です」とされ、納税通知書に同封の課税明細書を使うよう案内されています(東京都主税局)。
気をつけたいのは、その同じページに納税通知書と課税明細書は再発行できないと明記されている点です。手元になければ都税事務所で評価証明を取り直します。評価証明は今年度分を含め6年度分あり、毎年4月1日から発行されます。23区以外は扱いが違うため、登記を依頼する司法書士か窓口に確認してください。
相続で引き継いだ土地は所有不動産記録証明書で確認
令和8年2月2日から、所有不動産記録証明制度が始まりました。所有権の登記名義人か、その相続人が請求すると、登記官がその人名義の不動産を全国から一覧にして証明書にしてくれる仕組みです(法務省)。
相続した土地で怖いのは、私道の持分や隣接する小さな一筆が漏れたまま話を進めてしまうこと。この証明書なら、抜けの有無を1通で確認できます。交付までの日数は登記所ごとに異なり、制度開始当初は2週間程度かかる場合があると案内されているので、使うなら早めに。ただし対象は所有権の登記がある不動産に限られます。
なお、名義が亡くなった方のままでは土地は売れません。相続登記の手順と費用は土地の名義変更で解説しています。
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地積測量図・境界確認書・越境の覚書が必要になる条件
地積測量図や境界確認書が要るのは、隣地との境界が未確定、塀や樹木が越境している、買主が住宅ローンを使う場合です。法務局に備え付けがあれば図面証明書として取得でき(書面500円・オンライン請求470円)、備え付けがなければ測量の要否を買主との条件で決めます(法務局「主な手数料一覧」)。
測量が必須かどうかは、土地の状態と買主の事情しだい。
地積測量図がある土地とない土地の見分け方
分譲地として区画されたときや、過去に分筆・地積更正の登記をしたときには、地積測量図が法務局に備え付けられています。逆に、何十年も登記の動きがない土地には備え付けがないことがあります。
確かめ方はシンプルで、法務局に図面証明書を請求してみることです。オンライン請求・送付なら470円。⇒ 測量会社に相談する前に、まずここで在庫確認をしましょう。
境界確認書(筆界確認書)・越境の覚書が求められる場面
境界確認書は、隣地の所有者と「ここが境界です」と確認し合った書面のこと。越境の覚書は、塀や樹木、屋根の一部が境界を越えているときに、その扱いを取り決めた書面です。求められやすいのは次の場面です。
- 隣地との境界標が見当たらない、または位置が食い違っている
- ブロック塀・生垣・樹木の枝が境界をまたいでいる
- 買主が住宅ローンを使う(金融機関が土地の範囲の確定を求めることがある)
- 買主が購入後に建て替えや分筆を予定している
買主が現況のまま使う予定なら、求められないこともあります。先に測量の見積もりを取るより、買主の事情を確認するほうが先です。
測量が終わらないうちに売却を進めたいとき
一般的な解は「測量を終わらせてから売る」です。境界が確定していれば買主は判断しやすく、価格の交渉でも有利に働きます。ただ、境界確認は隣地の所有者の協力が前提で、相手が遠方にいる、相続で名義が動いていないといった事情があると止まってしまいます。
当社の買取くんは空き家や訳あり物件を現況のまま買い取るため、測量の完了を売却の前提条件にしていません。境界が未確定のまま長く止まっている土地の手放し方は、売れない土地の動かし方で整理しています。
権利証(登記識別情報)が見つからない時の進め方

決済後に2週間以上の申出期間を待てるかが分かれ目で、公証人の認証は11,000円(出典: 不動産登記法・不動産登記規則・公証人手数料令を基に当社作成)
権利証が見つからなくても売却は進められ、事前通知なら通知の発送日から2週間の申出で登記できます(不動産登記規則70条8項)。登記識別情報は、権利証に代わって法務局から通知される12桁の英数字のこと。これを提供できないときは、不動産登記法22条ただし書と23条の手続きで代替します。
| ルート | 根拠となる条文 | 期間 | 費用 |
|---|---|---|---|
| 事前通知 | 不動産登記法23条1項 | 発送日から2週間(国外4週間) | 法令上の定めなし |
| 資格者代理人の本人確認情報 | 不動産登記法23条4項1号 | 法令上の定めなし | 司法書士等への報酬 |
| 公証人の認証 | 不動産登記法23条4項2号 | 法令上の定めなし | 11,000円 |
データ出典: 不動産登記法/不動産登記規則/公証人手数料令(当社作成。公証人の認証は、私署証書が外国語で書かれているときは6,000円が加算されます)
3つのうち決済日に効いてくるのは、いちばん上の事前通知です。権利証が見当たらないと分かった時点で、不動産会社と司法書士に伝えてください。どれを使うかは日程と費用で決まります。
事前通知(不動産登記法23条1項)
登記の申請を受けた登記官が、売主へ「この申請があった」という通知を出します。売主が期間内に「申請の内容は真実です」と申し出ない限り、登記は実行されません。申出の期間は通知を発送した日から2週間で、売主が外国に住所を持つ場合は4週間です(不動産登記規則70条8項)。
順番を整理してみましょう。登記の申請を出すのは、代金を受け取る決済の日。そのあとに登記官から通知が発送され、発送日から2週間の申出期間が走ります。つまり買主の名義に変わるのは、決済から2週間以上あとなんです。この空白を買主が受け入れられないと、事前通知は選べません。決済の日程が動かせないときほど、次の2つの方法を早めに検討することになります。
資格者代理人による本人確認情報(不動産登記法23条4項1号)
登記申請の代理を仕事としてできる代理人が、申請人が本人であることを確認した情報を提供します。登記官がその内容を相当と認めれば、事前通知は要りません(不動産登記規則72条)。待ち期間がないぶん、決済日を動かせない場面で使われる方法です。司法書士等への報酬は別途かかり、金額は依頼先で異なります。
公証人の認証(不動産登記法23条4項2号)
公証人に、申請人が売主本人であることの認証を受ける方法です。私署証書の認証の手数料は11,000円で、書面が外国語で書かれているときは6,000円が加算されます(公証人手数料令34条1項・3項)。費用がはっきりしているのが、この方法の分かりやすさです。
共有名義・遠方・代理人で増える書類と有効期限

売主の印鑑証明書・委任状に添付する印鑑証明書・会社の代表者の資格を証する書面の3点とも作成後3か月以内(出典: 不動産登記令を基に当社作成)
共有名義の土地は共有者全員分の書類が要り、登記に付ける印鑑証明書は作成後3か月以内のものを使います(不動産登記令16条3項)。売主の人数と住んでいる場所によって、集める段取りと期限の管理が変わります。
| 書類 | 期限 | 根拠となる条文 |
|---|---|---|
| 売主(登記義務者)の印鑑証明書 | 作成後3か月以内 | 不動産登記令16条3項 |
| 委任状に添付する印鑑証明書 | 作成後3か月以内 | 不動産登記令18条3項 |
| 会社の代表者の資格を証する書面 | 作成後3か月以内 | 不動産登記令17条1項 |
データ出典: 不動産登記令(当社作成)
共有名義の土地で必要になる書類
土地を複数人で持っているとき、一人ひとりに所有権の割合があります。共有持分とは、この一人ひとりの持ち分の割合のこと。何分の一であっても土地全体を売るときは全員が売主になるため、書類も人数分そろえます。
必要になるのは、共有者全員の印鑑証明書・本人確認書類・登記識別情報です。一人でも欠けると決済の日に登記ができません。誰がいつまでに何を取るのかを、早い段階で分担しておくと安全です。
遠方に住んでいる・代理人が売る場合
決済の日に全員が集まれない場合は、委任状を作ります。この委任状に添付する印鑑証明書も、作成後3か月以内でなければなりません(不動産登記令18条3項)。
気をつけたいのが期限切れです。共有者が県外にいるので早めに印鑑証明書を送ってもらった、けれど決済日が後ろにずれた——当日には作成から3か月を超えていた、というケース。印鑑証明書は「先に取る」のではなく「決済日から逆算して取る」書類だと考えてください。当社では、提携の弁護士・司法書士・土地家屋調査士が所有権移転登記まで担当します。
名義が親のままの土地
亡くなった方の名義のままでは、土地は売れません。先に相続登記で名義を相続人へ移します。相続登記は令和6年4月1日から申請が義務化され、取得を知った日から3年以内に申請しないと10万円以下の過料の対象になります(法務省)。
手順と費用は土地の名義変更に、相続してから売るまでの期間で使える特例と必要書類は相続した土地を3年以内に売る判断基準が詳しいです。
土地売却の必要書類でよくある質問
登記済権利証や登記識別情報を紛失した場合はどうすればよいですか?
事前通知・資格者代理人による本人確認情報・公証人の認証の3つで代替できます。大切なのは、紛失に気づいた時点で不動産会社と司法書士に伝えること。事前通知には通知の発送日から2週間の申出期間があるため(不動産登記規則70条8項)、決済から買主の名義に変わるまで2週間以上の空白が生じます。買主がその空白を受け入れられない場合は、残る2つの方法を使います。
印鑑証明書や住民票に有効期限はありますか?
登記に添付する印鑑証明書は、作成後3か月以内のものでなければなりません(不動産登記令16条3項)。住民票は法令上の一律の期限を確認できないため、求められる時期に合わせて取るのが確実です。早すぎる取得は、かえって取り直しにつながります。
土地の測量図が見つからない場合は取得できますか?
法務局に備え付けがあれば、図面証明書として取得できます。オンライン請求・送付なら470円です(法務局「主な手数料一覧」)。備え付けがない土地もあり、その場合は測量の要否を買主との条件で判断します。まず法務局で有無を確かめてください。
共有名義の土地は共有者全員の書類が必要ですか?
必要です。共有者全員の印鑑証明書・本人確認書類・登記識別情報がそろって、はじめて登記ができます。遠方の共有者がいる場合は委任状を作り、添付する印鑑証明書も作成後3か月以内で管理します(不動産登記令18条3項)。
買取くんでは、必要書類が揃っていない空き家や古家付きの土地でも査定を依頼できますか?
依頼できます。当社は空き家や訳あり物件の場所と状態をうかがうところから始めるため、権利証が見つからない、測量が終わっていない段階でも査定に進めます。無料査定は最短6時間、仲介手数料は0円。全国どこの物件でも対応しています。
売却にかかる費用と手元に残る金額の考え方は、土地売却でかかる費用と手取りの考え方をご覧ください。
まとめ:取りに行く分と代替手続きが要る分を先に仕分ける
土地売却の必要書類は3段階に分けて準備し、法務局の分は先にオンラインで取ってしまうのが早道です。権利証が見つからなくても代替手続きで売却は進められますが、課税明細書のように再発行されない書類は評価証明で取り直すことになります。まずは手元の書類を「取りに行けば済む分」と「代替手続きが要る分」に仕分けてください。
当社の買取くんは現況のまま買い取るため、測量が終わっていない空き家や、古家・家財が残ったままの土地でも査定できます。書類を全部そろえてから動くのが難しい方に向く選択肢です。
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