「半年も売り出しているのに、内見の連絡すら来ない」 「値下げしろと言われたけれど、本当に価格のせいなのかな」
土地が売れない原因は、土地の条件・価格・売り方の3つに分かれます。どれに当たるかを決めてから、直すか、下げるか、売り方を変えるかを選びます。売却全体の流れは土地売却の全体像をまとめたガイドにまとめています。
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土地が売れないのはなぜ?原因は3つに分かれる

症状から確認の順番を決め、売り出しから3か月を最初の見直し時点にします(出典: 宅地建物取引業法、国土交通省・法務省・総務省の公表資料を基に当社作成)
買い手がつかない土地は、土地の条件・価格・売り方のどれかで止まっているので、そこを先に見分けます。売り出しから3か月動きがなければ、不動産会社に売却を任せる専任媒介契約の更新時期が、最初の見直し時点になります。専任媒介契約の有効期間は3か月を超えられないと法律で決まっているためです(e-Gov 宅地建物取引業法)。
地価公示は全国の全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇し、土地の取引件数はここ10年ほどほぼ横ばいで推移しています(国土交通省 令和8年版土地白書)。全国平均で見れば地価は上がり続けていますので、景気の回復を待つより、3つのどれに当たるかを先に確かめるほうが早く動けます。
| 原因の層 | 自分で確認する手段 | 是正できるか | 次にやること |
|---|---|---|---|
| 土地の条件 | 公図と現地/地区の取引件数 | 境界は直せる・立地は直せない | 直す、または買主層を変える |
| 価格 | 公開中かを確認し成約価格と比較 | 下げれば調整できる | 反響ゼロなら公開の確認が先 |
| 売り方 | 媒介契約書の種類欄と登録証明書 | 契約も買主層も変えられる | 媒介の種類か買主層を変える |
データ出典: 宅地建物取引業法、国土交通省・法務省・総務省の公表資料(本文中にリンク)。3層に確認手段と次の行動を対応させた整理は当社作成。
田舎や需要の薄い地域の事情は田舎の土地が売れない場合の記事、市街化調整区域の土地は市街化調整区域の売却の記事で扱っています。地目が農地なら手続きが別ですので、農地が売れないときの対処法へ。
1. 接道や形など、土地の条件で止まっている
土地そのものの条件で止まっているパターンです。代表例は、道路への接し方が足りない、形がいびつ、斜面、境界が未確定といった土地の形や状態です。地中にがれきや古い基礎が埋まっている、高圧線が通っている、建てられる用途が法律で絞られているケースも同じ層に入ります。なかでも再建築不可の土地は、買える人がぐっと限られます。再建築不可とは、いまの建物を壊すと新しい建物を建てられない土地のことです。調べ方は再建築不可物件の記事にまとめています。
この層には「周辺に買主層が少ない」も入ります。こちらも直せませんので、価格か買主層で受けます。古家の解体の判断は古家付き土地の記事、建物が売れない場合は空き家が売れない場合の記事へ。
2. 価格が相場とずれている
固定資産税の評価額や、自分が買ったときの価格を基準にすると、いまの市場価格とはずれます。ここで気をつけたいのが、問い合わせがゼロに近いときの見方です。価格を疑う前に、まず自分の土地が市場に公開されているかを確かめてください(手順は媒介契約の章で扱います)。公開されているのに反応が続かない場合に、はじめて価格の疑いが濃くなります。
3. 売り方と買主層が合っていない
見るところは3つです:媒介契約の種類、販売活動の中身、想定している買主層。とくに買主層は見落としやすく、家を建てる個人だけを相手にしていると、土地の形や法規制によっては候補がほとんど残りません。資材置き場として使いたい人や隣の土地の所有者まで広げると、見え方が変わります。
要点: 3つのどれに当たるかが決まるまで、値下げの判断は保留にしてください。
土地の条件は、直せるものと直せないものに分かれる

申請人と隣の土地の価格の合計が4,000万円である場合、申請手数料は8,000円です(出典: 法務省 筆界特定制度)
土地の条件は、費用をかけて直せる境界の未確定と、直せない立地・形・法規制に分かれます。直せるものは法務局の手順が決まっていますので先に片づけ、直せないものは価格か買主層で受けます。
境界が確定していない土地の直し方
境界がはっきりしていない土地は、法務局へ申請して筆界の位置を特定してもらえます。筆界特定とは、筆界特定登記官が外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて、現地の筆界の位置を特定する制度のことです(法務省 筆界特定制度)。裁判をしなくても公的な判断として筆界を明らかにできますが、所有権がどこまであるかを特定する制度ではありません。
手数料は土地の価格で決まります。申請人の土地と隣の土地の価格の合計が4,000万円である場合、申請手数料は8,000円です。ただし測量が必要になれば、測量費用は別にかかります。境界の不安は買主が避けたがる要素ですので、当社としては費用をかける価値がある場所だと見ています。⇒見積りを取る前に、まずは法務局の相談窓口を確認してください。
直せない条件は、価格と買主層で受ける
立地・形・法規制は、お金をかけても変えられません。法規制を外す、周辺に買主層を増やす——どれも売主にできることではないんです。直せない条件がはっきりした時点で、打ち手は価格で調整するか、買主層を変えるかの2つに絞られます。
値下げする前に何を確かめる?
値下げの前に、近くで実際に成立した価格と自分の売り出し価格を見比べます。成約価格とは、実際に売買が成立した価格のことで、広告に出ている売り出し価格とは別物です。国が公開するデータベースで、誰でも地図から確認できます。
国が公開する成約価格で、売り出し価格を確かめる
国土交通省の不動産情報ライブラリでは、不動産の取引価格・成約価格情報や地価公示を地図から確認できます(国土交通省 不動産情報ライブラリ)。自分の市区町村を開き、同じ地区で面積の近い土地がいくらで成立しているかを見てください。
ここが大事なところで、価格の妥当性を仲介会社の説明だけに頼らず、売主が自分で確かめられます。⇒近隣の取引が数えるほどしかない地区だと分かることもあります。その場合は価格を下げるより、買主層を変えるほうが早い判断です。
問い合わせの数から、価格か見せ方かを判別する
反応の出方でも、原因の所在はある程度分かれます。問い合わせがほとんど来ないなら、公開の状態か価格のどちらかです。内見までは来るのに申込みに至らないなら、現地で分かる条件か条件面の見せ方です。
下げ幅について、少しずつ何度も下げるやり方を当社はおすすめしていません。小刻みな値下げが続くと、買主側から様子見に回られやすいと当社は見ているためです。下げるなら成約価格との差を一度で埋める幅に決めるほうが動きは出ますが、どこまで下げるかは土地ごとの事情に左右されます。
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売り方を変えるなら、媒介契約と買主層のどこを見直す?

契約書の種類欄、登録証明書、買主層の順に見直します(出典: 宅地建物取引業法 第34条の2・同施行規則 第15条の10、国土交通省の消費者向け案内)
媒介契約の種類によって不動産会社に課される義務が違いますので、契約書の種類欄と登録証明書の有無から見直します。一般・専任・専属専任の3種類があり、レインズへの登録義務と報告の頻度が違うためです。レインズ(指定流通機構)とは、国土交通大臣が指定した、不動産会社どうしが物件情報をやりとりするネットワークのことです。
媒介契約3種類の違いを、契約書で確認する
| 項目 | 一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 |
|---|---|---|---|
| 契約の有効期間 | 法律上の上限なし | 3か月以内 | 3か月以内 |
| レインズへの登録 | 法律上の義務なし | 7日以内 | 5日以内 |
| 業務の処理状況の報告 | 法律上の義務なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
| 登録を証する書面 | 法律上の交付義務なし | 交付あり | 交付あり |
| 売れないとき確認できること | 各社に登録の有無を聞く | 証明書で公開中かを見る | 証明書で公開中かを見る |
データ出典: 宅地建物取引業法 第34条の2、同施行規則 第15条の10、国土交通省の消費者向け案内(本文中にリンク)。最終行は当社の実務判断による整理。
有効期間は更新するときも更新の時から3か月が上限で、レインズの登録期限は休業日数を除いて数えます(前掲のe-Gov 宅地建物取引業法 第34条の2/同施行規則 第15条の10)。表の期間と頻度はいずれも法律で決まっていて、これに反する特約は無効です。つまり、報告が何か月も来ていない専任媒介契約は、契約どおりに動いていない状態ということです。
レインズの登録証明書で「公開中」かを見る
レインズに登録した不動産会社は、登録を証する書面を遅滞なく依頼者へ引き渡す義務があります(宅地建物取引業法 第34条の2 第6項)。売主はこの登録証明書のURL・ID・パスワードで売主専用画面に入り、自分の物件を「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時停止中」の3区分で確認できます(国土交通省 消費者の皆様向け 不動産取引に関するお知らせ)。
ここが、売主が自分でできる確認のなかでいちばん効きます。売れないのではなく、まだ市場に出ていないだけ、という切り分けがつくためです。専任媒介なのに登録証明書を受け取っていない場合は、担当者に登録の有無を確認してみてください。⇒会社を変える前に、まず公開中かどうかを見る。こちらが先です。
隣地や事業者など、買主層そのものを変える
買主層を変える出口は4つあります。まず、隣の土地の所有者へ打診する方法です(隣接地と合わせれば使い道や接道の条件が変わります)。ほかに、資材置き場や事業用地など住宅以外の用途で探す、空き家・空き地バンクや自治体の窓口を使う、現況のままの買取に切り替えるという3つがあります。現況買取とは、片づけやリフォームをせず、いまの状態のまま買い取る方法のことです。
価格の安い土地ほど仲介では動きにくい、という事情もあります。物件価格が800万円以下の「低廉な空家等」の仲介では、通常の上限を超える手数料を受け取れる特例があり、上限額は30万円×1.1倍(税込)以内です(前掲の国土交通省 消費者向けページ)。安い土地の仲介は手間に見合いにくい前提がある、ということです。
相談先は売れない土地の相談先の選び方、買取会社の比べ方は不動産買取業者のランキング記事で扱っています。
要点: 会社を変えるかの判断材料は、契約書の種類欄・登録証明書・報告の頻度の3点です。
持ち続けるほど増える負担と、手放す期限の決め方

毎年の税と管理の実態を確かめてから、手放す期限を決めます(出典: 総務省 固定資産税の概要、国土交通省 令和7年版土地白書)
売れない間も固定資産税と管理の手間は毎年かかりますので、あと何年持つかという期限を先に決めてから動きます。売れたら考える、という順番だと、持ち続ける費用がいくらまで積み上がるのかが最後まで見えないままになります。
毎年かかる固定資産税と、管理の手間
建物がない土地には住宅用地の軽減が使えないため、売れない間も毎年の固定資産税がそのままかかります。住宅用地特例とは、居住できる建物の敷地について課税標準額を軽減する仕組みです(総務省 固定資産税)。建物を解体して更地にしている場合は、この軽減が使えない状態にあります。
固定資産税は1月1日時点の所有者に課され、標準税率は1.4%、土地の免税点は30万円です(総務省 固定資産税の概要)。手間のほうも見落とせません。日常的に利用されていない土地では、「管理が行き届いていない」が41.8%、「管理は行き届いている」が41.5%でした(N=5,000/国土交通省 令和7年版土地白書)。遠方の土地ほど管理は後回しになりやすく、当社にも、草木や不法投棄で近隣との関係がこじれてからご相談をいただくことがあります。⇒持ち続ける前提の費用と手間を、先に出しておいてください。
手放す期限を先に決める
あと何年、いくらまで払い続けるかを先に決めてください。材料は2つです。ひとつは、納税通知書に同封される課税明細書で分かる年間の固定資産税。もうひとつは、草刈りなど管理の手配に毎年かかる金額です。この合計を何年分まで払えるかが、そのまま期限になります。あとは、専任媒介なら契約の更新時期(3か月)ごとに反応を見て、動きがないまま期限が近づいたら売り方を切り替える、と決めておくと判断が遅れません。
手放し方には売却以外の道もあります。相続した土地なら、相続土地国庫帰属制度(相続した土地を国に引き取ってもらう制度)を使える場合があります。相続放棄では土地だけを選んで放棄することはできません(手続きは空き家の相続放棄の記事へ)。都市計画区域内にある低未利用の土地を500万円以下(一定の場合は800万円以下)で売る場合は、一定の要件を満たすと譲渡所得から100万円を控除できる特例もあります(国税庁 No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除)。税額の計算は土地売却の税金の記事、相続で期限が絡む場合は相続した土地の売却期限の考え方へ。
売らずに貸して持ち続ける選択肢まで含めて比べたい方は、土地を売るか貸すかの判断基準で全体像を確認できます。
買い手がつかない土地を、当社の買取くんが現況のまま買い取れる理由
売り方を切り替えるかどうかは、3つの点で決まります:買主をすでに自分で抱えているか、片づけや解体を先に求められないか、価格と引渡し時期を先に確定できるか。仲介は買主が現れるまでの期間が読めませんし、値下げも、買いたい層が薄い土地では効きにくい打ち手です。
当社の買取くんは、空き家や訳あり物件(古家付き土地・再建築不可の土地など)を直接買い取り、購入意欲の高い不動産投資家のネットワークへつなぎます。買主を探す期間を挟みませんので、価格と引渡し時期を先に決められます。家財が残ったままの現況買取に対応し、他社で断られた物件や少額の物件も全国で承ります。所有権移転登記まで、提携する弁護士・司法書士・土地家屋調査士を含むチームで担当します。条件の悪い土地こそ、買主を探す相手のほうを変えるべきだと考えているためです。
向いているのは、売り出して半年以上たっても内見が入らず、固定資産税と草刈りの手配だけが毎年続いている土地です。逆に、まだ使うかもしれない土地や、時間をかけてでも高く売りたい土地なら、仲介で買主を探してもらうほうが向いています。
土地が売れないときのよくある質問
隣の土地の所有者に買ってもらうことはできますか
可能性はあります。隣接地と合わせると使い道や接道の条件が変わるため、ほかの買主より高く評価されることがあるためです。声のかけ方は不動産会社を経由するほうが無難です。価格は不動産情報ライブラリで近隣の成約価格を見てから提示してください。
境界が確定していない土地は売れませんか
売れないわけではありません。ただ、買主にとっては引き渡し後のトラブルの種ですので、値引きの材料にされやすくなります。時間や費用をかけたくなければ、未確定のまま現況で買い取ってもらう道もあります。急がない土地なら、先に筆界を確定させてから売り出すほうが条件は整います。
売れない土地でも固定資産税は毎年かかりますか
かかります。賦課期日は当該年度の初日の属する年の1月1日で、その時点の所有者に課税され、売り出し中かどうかは関係ありません。ただし土地の評価額が30万円未満なら、免税点により課税されません(前掲の総務省 固定資産税の概要)。評価額は納税通知書に同封される課税明細書で確認できます。
買取くんでは、他社で断られて売れない土地でも査定してもらえますか
承っています。当社は空き家や訳あり物件の直接買取に対応しており、家財が残ったままの現況買取も承ります。他社で断られた物件や少額の物件も対象で、全国どこの土地でもご相談いただけます。土地を直す前の段階で構いませんので、いまの様子をそのままお伝えください。
まとめ:土地が売れない原因は3つに切り分ける
土地が売れない原因は、土地の条件・価格・売り方のどれかに行き着き、そこを決めてから手を打つと動き出します。境界の未確定は費用をかけて直せますが、立地・形・法規制は直せませんので、価格か買主層で受けることになります。まずは契約書で媒介契約の種類を確かめ、登録証明書で公開中かを見て、近くの成約価格と売り出し価格を比べてみてください。
当社の買取くんは、提携する司法書士・土地家屋調査士と組んで所有権移転登記まで引き受けます。境界や書類の段取りで手が止まっている方に向いています。
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