「土地を売りたいけれど、最初にどこへ行けばいいのか分からない」 「まだ売ると決めていないのに、不動産会社に連絡していいのかな」
土地売却の相談は内容で窓口が分かれ、価格の見当がつく不動産会社か買取業者から始めるのが最短です。この記事では目的別の窓口を早見表で整理し、無料で聞ける範囲と費用が発生する境目まで扱います。
受付時間 10:00〜19:00(水・日曜定休)
土地売却の相談先は「価格」「権利」「税」「境界」「制度」の5つに分かれる

困りごとの分類から1本目の連絡先までを一つの流れで整理(出典: 法務局・国税庁・法務省・秋田市・埼玉県・東京都の各公式ページを基に当社作成)
価格と売り方は不動産会社か買取業者、登記は司法書士、税は税理士、境界は土地家屋調査士が窓口です。相談自体は多くの窓口で無料ですが、書類の作成や測量を頼む段階から費用が発生します。まず自分の困りごとが5つのどれに当たるかを決めると、最初に連絡する相手が1つに絞れます。
相談先が多すぎて選べないのは、窓口が10近くあるうえに、どの窓口がどこまで答えてくれるのかが外からは見えないからなんです。実際には、それぞれの窓口が答えられる範囲は法律や制度で決まっています。困りごとを5つに分けると、次に取る行動まで一緒に決まります。
- 価格:いくらで、どう売るか ⇒ 不動産会社か買取業者に査定を依頼する
- 権利:名義・登記・相続人どうしの話し合い ⇒ いま誰の名義になっているかを確認する
- 税:売った後の申告と特例 ⇒ 申告が必要になりそうかを確認する
- 境界:隣地との境目・測量図 ⇒ 測量図の有無と、隣地との食い違いを確認する
- 制度:自治体の空き家バンクや、国に引き取ってもらう制度 ⇒ 使える制度があるかを聞く
相続人どうしの争いは「権利」に含まれます。土地を売る手順そのものから先に押さえたい方は、土地売却の進め方を整理したガイドで全体像を確認できます。
迷ったら価格の相談から始める理由
価格の見当がつくと、他の窓口が必要かどうかまで決まります。測量に費用をかけるか、解体してから売るか、相続登記を急ぐかは、どれも「いくらで売れるか」で答えが変わる問題なんです。先に士業へ相談すると、売れる価格が分からないまま費用と手続きの話だけが進んでしまいます。
ただし名義が亡くなった方のままの土地は例外です。名義人が本人でないと買主へ引き渡せないため、価格の相談と同時に相続登記の段取りも確認してください(進め方は後述します)。
査定は不動産会社でも買取業者でも無料で、依頼したからといって売る義務は生じません。まず価格の幅を知り、それから登記・税・境界のどれに手をつけるかを決める。この順番が、相談の回数をいちばん減らせます。
目的別の相談先早見表|公的な窓口と民間の窓口
公的な窓口は「どこまで無料で、どこから費用が発生するか」が公式ページに書かれています。まずはそちらから整理します。
| 相談したいこと | 窓口 | その相談で決まること | 無料の範囲 | 費用が発生する段階 | 次に進む先 |
|---|---|---|---|---|---|
| 権利:自分で登記できるか | 法務局の登記手続案内 | 登記申請を自分でやるか、頼むか | 1回20分以内・完全予約制で申請書の作り方を案内 | 書類の作成や申請を代理で頼むとき | 司法書士・土地家屋調査士 |
| 税:一般的な質問 | 国税庁の電話相談センター | 申告が必要になりそうかの見当 | 国税局の職員等が電話で回答 | 申告書の作成を代理で頼むとき | 税務署・税理士 |
| 境界:隣地と言い分が違う | 法務局(境界を公的に決めてもらう手続き) | 裁判によらず境界を特定する手続きに進むか | 制度と申請手続の案内 | 申請と測量に進むとき | 土地家屋調査士 |
| 制度:空き家・空き地を登録したい | 市区町村の空き家バンク窓口 | 自治体の制度に登録できるか | 登録の要件と制度の案内 | 宅建業者と媒介契約を結ぶとき | 協力宅建業者 |
| 制度:土地を国に引き取ってほしい | 法務局(要件を満たせば土地を国に引き取ってもらえる制度の相談) | 制度の対象になりそうか | 制度についての相談対応 | 審査の申請に進むとき | 司法書士 |
| 権利:業者とのやり取りが不安 | 都道府県の宅建相談・指導窓口 | 契約前に確認しておく点 | 電話・対面での取引相談(埼玉県は原則1時間以内) | この窓口では発生しない | 宅建業法の対象外は別窓口を案内 |
| 権利:相続人や隣地ともめている | 都道府県の無料法律相談 | 弁護士に依頼すべき事案か | 東京都は1回20分・都民(個人)が対象 | 正式に依頼するとき | 弁護士 |
民間の窓口は、費用が事務所や会社ごとに決まります。金額そのものより「どこで確かめられるか」を押さえておくほうが実用的です。
| 相談したいこと | 窓口 | その相談で決まること | 費用の決まり方を確かめる先 |
|---|---|---|---|
| 価格:いくらで売れるか | 不動産会社(仲介) | 売り出し価格と媒介契約の内容 | 媒介契約の前に、上限額の範囲内で手数料を合意する |
| 価格:買主を探さずに手放したい | 買取業者 | 買取価格と引き渡しの時期 | 査定のときに手数料の有無と引き渡し条件を確認する |
| 権利:名義変更や抵当権の抹消 | 司法書士 | 登記を頼む範囲と必要書類 | 各会の名簿で探し、費用は事務所へ直接確認する |
| 境界:測量図がない・境界を確定したい | 土地家屋調査士 | 必要な測量の種類と範囲 | 同じく事務所へ直接確認する |
| 権利:遺産分割がまとまらない | 弁護士 | 法的な主張と進め方 | 同じく事務所へ直接確認する |
| 税:申告と特例の適用 | 税理士 | 申告書の作成を頼むかどうか | 同じく事務所へ直接確認する |
| 価格:公的な評価額が必要 | 不動産鑑定士 | 鑑定評価書が要るかどうか | 同じく事務所へ直接確認する |
| 権利:住宅ローンが残っている | 借入先の金融機関 | 残債の額と抵当権抹消の段取り | 繰上返済や手続きの手数料を金融機関に確認する |
表の使い方はシンプルです。左の列で自分の困りごとを探し、その行の窓口へ最初の1本を入れてください。公的な窓口は「案内」まで、民間の窓口は「代行と実行」まで、と役割が分かれているところがポイントです。
データ出典: 法務局 登記手続案内・国税庁 税についての相談窓口・法務省 筆界特定制度・法務省 相続土地国庫帰属制度(要件を満たせば相続した土地を国に引き取ってもらえる制度)・秋田市 空き家バンクQ&A・埼玉県 不動産取引に関する相談窓口・東京都住宅政策本部 不動産相談・国土交通省 不動産取引に関するお知らせ。無料の範囲と費用が発生する段階は、当社で各公式ページを一本ずつ確認して整理しました。
価格と売り方の相談先は不動産会社と買取業者

売り方2つの違いと、費用が発生する段階の上限額を対応させて読む図(出典: 国土交通省 不動産取引に関するお知らせ)
売れる価格と売り方の相談は、買主を探す不動産会社(仲介)と、自社で買い取る買取業者の2つが窓口です。どちらも査定と相談は無料で受けられるのが一般的で、費用が発生するのは契約に進んでからです。同じ土地でも、この2つでは提示される金額と引き渡しまでの期間が変わります。
不動産会社(仲介)に相談してできること
仲介は、不動産会社が買主を探して売買を成立させる売り方です。相談の場で決まるのは、売り出し価格の目安、広告や販売活動の進め方、そして媒介契約の種類の3つ。相場より高く売れる可能性がある一方で、買主がいつ現れるかは読めません。
土地の場合、住宅を建てられる立地かどうかで反応がはっきり分かれます。⇒買主が現れやすい土地なら、まず仲介で様子を見るのが素直な選択です。
買取業者に相談してできること
買取は、業者自身が買主になる売り方です。査定から価格提示、引き渡し日の調整まで一本の線でつながるため、決済日を先に決めたい方に向いています。相談の場で決まるのは買取価格と引き渡しの時期で、買主を探す期間は発生しません。
買取の相談では、現況買取が選択肢になります。現況買取とは、家財や古家を残したままの状態で買い取ることです。片付けや解体を売主が先に済ませなくてよいので、遠方に住んでいて現地に通えない方でも話を進められます。再建築不可の土地、つまり道路への接し方などの条件を満たさず、いまの法律では建て替えができない土地も、買取なら候補に入ります。
一方で、買主を探す期間がない代わりに、提示額が仲介での成約価格を下回ることもあります。だからこそ、仲介の見立てと買取の提示額を並べて比べる意味があるんです。
相談が無料になる仕組みと、費用が発生する境目
仲介の相談が無料なのは、報酬が成約時の仲介手数料という成功報酬だからです。その上限は国が定めていて、国土交通省は「物件価格1,000万円(税別)」の場合の計算例として上限39.6万円(税込)を示しています(国土交通省)。売れて初めて費用が出る仕組みなので、査定や相談の段階でお金を求められることはありません。
ここで気をつけたいのが、価格の低い土地です。令和6年7月1日以降、物件価格800万円以下の宅地建物は「低廉な空家等」として、原則の上限を超えて「30万円×1.1倍の金額」(=33万円)まで受け取れる特例が設けられました。使用の状態は問われないため、建物のない更地の土地も対象です(同上)。安い土地ほど、原則で計算した金額より手数料が高くなる場合があるということですね。
国土交通省自身も、トラブルの未然防止のために媒介契約の締結に際して上限額の範囲内であらかじめ合意しておくことが重要だと案内しています(同上)。⇒媒介契約を結ぶ前に、「成約したらいくらですか」と金額で聞いてしまうのがいちばん確実です。
士業への相談は、無料の枠がある一方で、書類の作成や申請を依頼した段階から費用が発生します。金額は事務所ごとに決め方が違うので、依頼前の見積で確認してください。
なお当社は買取業者なので、仲介とは費用の出どころが違います。当社は購入意欲の高い不動産投資家を常時300名以上抱えており、投資家からの紹介手数料で運営しているため、売主のお客様から仲介手数料をいただきません。
売れない土地・条件の悪い土地の相談先
仲介に出したのに問い合わせが入らない土地は、価格の問題ではなく売り方の問題になっている場合があります。仲介の期間をいつまで続けるかの判断も含めて、土地が売れないときの相談と出口で整理しています。買取業者ごとの得意分野や選び方は、不動産買取業者の比較記事をご覧ください。
権利と登記の相談先は司法書士、手続の確認だけなら法務局

左が無料で聞ける範囲、右が費用をかけて依頼する範囲(出典: 法務局 登記手続案内)
登記の代行は司法書士、自分で手続きするときの進め方は法務局の登記手続案内で無料で聞けます。ただし法務局が案内するのは登記申請書の作成等に必要な情報までで、代わりに申請してくれるわけではありません。名義が売主本人のものになっていない土地は、そのままでは買主へ引き渡せません。
司法書士に相談する場面は登記が動くとき
司法書士に相談するのは、名義を移す・抵当権を消すといった登記そのものが動く場面です。売買では、買主への所有権移転登記、住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消、そして決済当日の立ち会いを担当します。
費用は依頼する登記の種類と件数で変わるため、相場を覚えるより見積で確かめるほうが早いです。⇒決済日が決まる前に、売主側で必要な登記を洗い出しておくと当日の段取りが崩れません。
法務局の登記手続案内で聞けること、聞けないこと
法務局は、登記手続の専門的な知識がない方に向けて「登記手続案内」を行っています。利用時間は1回20分以内で完全予約制、方法は電話・窓口での対面・ウェブ会議サービスから選べます(法務局)。提供されるのは登記申請書の作成等に必要な情報で、申請そのものの代理は含まれません。
同じページで法務局は、自分で登記手続をすることが難しい場合には司法書士または土地家屋調査士に依頼することを勧めています(同上)。つまりこの窓口は、依頼するかどうかを自分で判断するための場所なんです。⇒20分という枠を活かすなら、聞きたいことを3つに絞ってから予約を取ってください。
名義が親のままの土地は先に相続登記
相続登記の義務化とは、相続した不動産の名義を相続人へ変える手続きを、法律で期限つきの義務にした制度のことです。名義が亡くなった方のままでは買主へ引き渡せないため、売却の相談と並行して進める必要があります。山口県周南市も、相続した空き家を売却するには名義を変更する必要があると案内しています(周南市)。
買主が決まってから登記の不備に気づくと、決済日を動かすことになります。依頼先と費用の目安は土地の名義変更の進め方、売却の期限そのものは相続した土地の売却期限で扱っています。
税金の相談先は国税庁の電話相談センターと税理士
税の一般的な質問は国税庁の電話相談センターで無料、自分の申告内容についての相談は税務署か税理士です。国税に関する相談には各国税局の電話相談センターで国税局の職員等が回答しています(国税庁)。電話番号は国税相談専用ダイヤルの0570-00-5901です。
税理士に相談する場面は申告と特例の判断
土地を売って利益が出ると、譲渡所得として所得税・住民税の対象になります。譲渡所得とは、売った金額から取得費と譲渡費用を引いた利益のことです。税理士に相談するのは、申告書の作成を代理で頼む場合と、自分のケースで特例が使えるかを判断してもらう場合の2つになります。
たとえば売った翌年の申告で特例が使えるかを確かめたいとき。制度の一般的な説明までは電話相談センターで聞けますが、自分の土地に当てはまるかどうかの判断は税務署か税理士の領域です。
電話相談センターで聞けること、聞けないこと
国税庁は、電話相談センターで回答できない質問を次の4つと明示しています(同上)。
- 申告書の提出状況や還付金の処理状況の確認
- 期限内に納税が困難な場合の相談
- 業務センターや税務署から送付した文書に関する問い合わせ
- 地方税に関する問い合わせ
地方税が外れている点は見落としやすいところです。固定資産税は地方税ですから、その計算や納付の相談先は市区町村になります。⇒「制度の一般論は国税庁、自分の数字は税務署か税理士、固定資産税は市区町村」と覚えておくと、たらい回しを避けられます。税額の計算や確定申告の手順そのものは、相続した不動産の売却でかかる税金の記事で扱っています。
境界と測量は土地家屋調査士、隣地と食い違うなら法務局の筆界特定制度
境界の測量は土地家屋調査士、隣地と主張が食い違うときは法務局へ筆界特定の申請ができます。境界があいまいなままでも相談は進められますが、買主から確定測量を求められると引き渡しまでの期間が延びます。まず測量図が手元にあるかどうかの確認から始めてください。
土地家屋調査士に相談する場面は測量図がないとき
土地家屋調査士は、土地の測量と表示に関する登記の専門家です。相談の場で決まるのは、いまある資料で足りるのか、改めて測量が必要なのか、必要ならどの範囲までやるのかという点になります。
境界の杭が見当たらず、隣地の方と塀の位置で言い分が違う。こういう状態では、買主候補が現れても確定測量を求められ、契約の直前で日程を組み直すことがあります。費用は土地の広さ・形・隣地の数で変わるため、現地を見てもらったうえでの見積で確かめてください。
筆界特定制度は裁判によらず境界を特定する手続き
筆界特定制度とは、土地の所有者として登記されている人などの申請に基づいて、土地の筆界の位置を特定する制度です。特定を担うのは筆界特定登記官で、外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて現地の筆界を判断します。法務省は、この制度を活用することで公的な判断として筆界を明らかにできるため、隣人同士で裁判をしなくても筆界をめぐる問題の解決を図れると説明しています(法務省)。
ただし期待しすぎは禁物です。法務省は同じページで、筆界特定制度は土地の所有権がどこまであるのかを特定するものではないこと、結果に納得できないときは後から裁判で争えることも明記しています(同上)。⇒境界線そのものの公的な整理には効きますが、「どこまでが自分の土地か」という所有権の争いをここで終わらせる制度ではない、という理解が正確です。話し合いが感情的にこじれている場合は、次に挙げる弁護士への相談と並べて考えてください。
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相続人どうしでもめている土地の相談先は弁護士と自治体の無料相談
相続人や隣地との争いは弁護士、費用が気になるなら自治体が設けている無料の法律相談から始められます。話し合いがまとまらないうちは売却手続きそのものが進まないため、価格の相談と並行して動かすのが現実的です。無料相談は時間と回数に枠があるので、争点を絞ってから臨んでください。
弁護士に相談する場面は話し合いが止まったとき
弁護士に相談するのは、遺産分割の話し合いがまとまらない場合や、共有者の一部が売却に同意しない場合です。共有持分とは、1つの土地を複数人で共有しているときの、それぞれが持つ権利の割合のことをいいます。土地全体を売るには共有者全員の合意が必要なので、1人でも同意しないと売却の手続きはそこで止まります。
自分の持分だけを動かす方法もありますが、価格や税の扱いが全体売却とは変わります。持分そのものの扱いは共有持分の解説記事で詳しく扱っています。
自治体が設けている無料の法律相談枠(東京都の例)
弁護士に相談したいけれど費用が気になる、という段階では公的な無料相談が使えます。東京都は不動産取引紛争等の民事上の無料法律相談として、弁護士相談と司法書士相談を実施しています。対象は都民(個人)で、宅地建物取引業者および法人は対象外。相談回数は1回、時間は1人あたり20分間で、窓口相談は事前予約制です(東京都住宅政策本部)。
注意したいのは、調停や裁判で係争中の相談は受け付けられない点です(同上)。⇒争いが法的手続きに入る前の、方針を決める段階で使う窓口だと考えてください。なお同じ東京都のページによると、相続登記義務化に伴い令和4年4月から毎月第3水曜日に司法書士相談も実施されています。実施の有無や条件は自治体ごとに違うため、お住まいの都道府県の公式ページで確認してください。
市役所に相談してできること、できないこと
市役所では空き家バンクへの登録や制度の案内を受けられますが、市が土地を買い取ってくれるわけではありません。自治体の窓口は民間の不動産会社の代わりではなく、民間とセットで動く仕組みになっています。できることの範囲を先に知っておくと、遠回りを防げます。
空き家バンクの登録には宅建業者との契約が必要(秋田市の例)
秋田市は、空き家バンクへ登録できる物件の条件として、所有者等が宅地建物取引業者に売買または賃貸借の媒介を依頼する契約を締結していることを挙げています。事前に媒介契約を結ばないと登録できないのかという質問にも、必ず契約が必要だと回答しています(秋田市)。
同じQ&Aでは、協力宅建業者名簿から所有者自身が業者を決めるため、市が業者を選ぶことはできないとも示されています。さらに、業者へ情報提供しても仲介や買取の引受けを希望する業者が現れない物件は、空き家バンク登録もできない物件と判断されるとしています(同上)。民間で引き受け手が見つからない土地は、自治体の制度でも受け皿にならないということです。⇒空き家バンクは「民間の次」ではなく「民間と並行」で考える窓口なんです。全国の自治体を横断して探すなら、全国版空き家・空き地バンク(国土交通省)が入口になります。
土地の寄附は原則として受け付けていない
市が土地を引き取ってくれるかどうかは、自治体の方針で分かれます。山口県周南市は、市では現在のところ空家等の不動産の寄附は原則受け付けていないと公表し、建築条件が悪い場合の市場価格等については不動産業者へ相談することを勧めています(周南市)。
とはいえ全国一律ではありません。茨城県笠間市は、道路や事業用地目的以外は原則受け付けていなかった土地の寄附について、寄附受入の基準を明確にしたガイドラインを策定したと公表しています(笠間市)。⇒お住まいの自治体の公式ページで「土地 寄附」を確認するのが確実です。
もう1つの選択肢が、相続土地国庫帰属制度です。相続した土地について、要件を満たせば国に引き取ってもらえる制度で、令和5年4月27日から開始しています。この制度の相談は法務局が窓口です(法務省)。要件や負担金の詳細は制度専用の記事で扱いますので、ここでは相談先が法務局であることだけ押さえてください。
業者とのやり取りが不安なときの都道府県の窓口
市役所とは別に、都道府県にも宅地建物取引業法に基づく相談窓口があります。埼玉県の建築安全課にある宅建相談・指導担当は、不動産取引に関する相談を電話や対面で受け付けており、契約前の取引の相談も受けると明記しています(埼玉県)。
来庁時は重要事項説明書や売買契約書などの関係資料の持参が求められ、資料がない場合は適切な回答ができないことがあるとされています。相談時間は原則として1時間以内です(同上)。なお宅地建物取引業法の規制対象外にあたるもの、たとえば宅建業者が関係しない個人間の不動産取引などは、この窓口ではなく別の相談窓口を案内されます(同上)。⇒担当課の名称は都道府県ごとに違うので、「◯◯県 宅建 相談」で公式ページを探してみてください。
相談前に用意しておく情報と、初回に聞く3つの質問

左から順に準備・質問・次の道筋(当社の査定受付でお伺いしている内容を整理)
登記事項証明書・公図・固定資産税の納税通知書・測量図・現況写真があれば、初回の相談で価格の話まで進みます。逆にこれらが揃っていないと、物件の特定と権利関係の確認だけで1回目が終わってしまいます。手元にある分だけでも持っていくと、話の進み方が変わります。
相談前に手元へ用意する5点
当社の査定受付では、まず次の5点をお伺いしています。どれか1つでも分からないと、物件の特定や名義の確認で初回のやり取りが止まってしまうからです。
| 用意するもの | これが無いと止まること |
|---|---|
| 登記事項証明書 | 名義と抵当権が分からず、いま売れる状態かどうかを判断できない |
| 公図 | 土地の形と道路への接し方が分からず、価格の幅が大きくなる |
| 固定資産税の納税通知書 | 地番・地積・評価額が確認できず、物件の特定に時間がかかる |
| 測量図(あれば) | 面積の根拠がなく、境界の確認からやり直しになる |
| 現況写真(建物・庭・室内) | 残置物 の量が分からず、片付けの手間を織り込んだ価格を出せない |
この5点は、当社の査定受付でお伺いしている項目を整理したものです。残置物とは、家財や生活用品が建物の中に残ったままの状態を指します。写真はスマートフォンで撮ったもので十分で、玄関まわり・部屋の中・庭の様子の3方向があると判断しやすくなります。⇒測量図だけは「無い」という答えも立派な情報ですので、探して見つからなければそのまま伝えてください。
なお売買契約から引き渡しまでに必要になる書類の一覧と取り方は、それだけで1本の記事になる分量です。相談の段階では上の5点で足ります。
初回に必ず聞く3つの質問
相談する側から聞くことを決めておくと、複数の窓口を回ったときに比べやすくなります。次の3つで十分です。
- 価格の根拠:どの取引事例や公的な価格を参考にした金額か
- 売却完了までの期間:買主を探す期間を含めて、現金化までどれくらいか
- 費用の内訳:仲介手数料・登記費用・測量費・解体費のうち、どれが誰の負担になるか
この3つを同じ順番で聞くと、金額の高さだけでは見えない差が出てきます。⇒答えが曖昧な項目があったら、その場で「概算でいいので教えてください」と重ねて聞いてみてください。
相談したあとに進む道筋
相談で価格と期間の見当がついたら、次は媒介契約か買取の条件提示に進みます。売り方を決めてから引き渡しまでの工程は、相談したあとの売却の流れで順を追って整理しています。
複数の会社に相談するときは査定額の高さだけで選ばない
査定額は根拠とセットで聞き、公的な取引価格の情報と免許・処分歴を自分で確かめてから決めます。媒介契約を結ぶ前であれば、複数の会社に同時に相談しても問題ありません。数字の大きさだけで選ぶと、売れないまま値下げを繰り返すことになりかねません。
査定額は根拠とセットで聞き、公的な価格情報で照合する
査定額は「売れる保証のある金額」ではなく、その会社の見立てです。だからこそ根拠を聞く価値があります。近隣の成約事例なのか、公的な価格指標なのか、自社で買い取る前提の金額なのかで、数字の意味はまったく違ってきます。
聞いた根拠は、自分でも確かめられるんです。国土交通省の不動産情報ライブラリでは、不動産の取引価格や地価公示等の価格情報、防災情報、都市計画情報などを閲覧できます。⇒同じ地域の取引価格を自分の目で見てから査定額を並べると、突出して高い数字の意味を冷静に判断できます。
免許と監督処分の履歴を公的サイトで確かめる
相談先が宅地建物取引業の免許を持っているかは、国土交通省の宅地建物取引業者検索で商号・免許番号・免許行政庁から確認できます。過去の監督処分の履歴は、同じく国土交通省のネガティブ情報等検索サイトで事業分野から辿れます。
当社の免許は東京都知事免許(1)第107888号ですので、同じ方法で照合していただけます。士業の場合、確認先は各会の名簿です。司法書士会・土地家屋調査士会・税理士会・弁護士会の名簿で、登録の有無を調べられます。⇒会社の看板やサイトの見栄えではなく、この2つの公的サイトで足元を確認するのが、いちばん手早い自衛策です。
遠方の相続人が名義そのままの古家付き土地を相談する順序
相談の順序を1つの例で並べてみます。地方にある実家の土地を相続したものの、名義は親のまま、建物は古家として残り、家財もそのまま。本人は遠方に住んでいて現地に通えない、というケースです。
- 登記名義の確認:登記事項証明書で名義と抵当権の有無を確認する(不明点は法務局の登記手続案内へ)
- 価格の相談:現況のままの金額を不動産会社と買取業者の双方に聞く
- 残置物と解体の要否:片付けや解体を自分でやる前に、そのままの状態で売れるかを確認する
- 税の確認:売却で利益が出そうなら、申告の要否を国税庁の電話相談センターか税理士へ
順番を入れ替えて、先に解体や片付けにお金をかけてしまうと、その費用が価格に乗らないことがあります。公式サイト掲載の利用者の声にも、大阪府堺市の土地について「他社様に相談したところ希望の金額を提示いただけませんでした」という状態から、当社の査定で1,200万円の提示になった事例があります(買取くん)。金額は土地ごとに異なりますが、1社の回答で結論を出さないことの意味は伝わるはずです。
土地売却の相談でよくある質問
土地売却の相談は無料でできますか
不動産会社や買取業者の査定相談、法務局の登記手続案内、国税庁の電話相談センター、自治体の窓口は、いずれも無料で利用できます。費用が発生するのは、書類の作成・登記申請・測量・申告といった実務を代理で依頼した段階からです。仲介の場合は成約時に仲介手数料がかかりますので、媒介契約の前に金額を合意しておいてください。
売るかどうか決めていない段階でも相談してよいですか
問題ありません。埼玉県の宅建相談・指導担当も、契約前の取引の相談を受け付けると明記しています(前掲の埼玉県のページ)。査定を受けたからといって売却の義務が生じることはなく、金額を知ってから考える流れで構いません。当社にも、売ると決める前の段階でのご相談をいただいています。
複数の会社に同時に相談しても問題ありませんか
媒介契約を結ぶ前なら、何社に相談しても問題ありません。むしろ査定額とその根拠を並べて比べたほうが、相場の幅が見えてきます。ただし専属専任媒介契約や専任媒介契約を結ぶと、その後は他社へ重ねて依頼できなくなります。契約の種類と期間は、署名の前に必ず確認してください。
遠方に住んでいても相談や売却はできますか
できます。法務局の登記手続案内はウェブ会議サービスでも利用でき、都道府県の窓口も電話相談に対応しています。不動産会社や買取業者への査定依頼も、登記事項証明書と写真があれば遠方から進められます。現地に何度も通わずに話を進めたい場合は、その旨を最初に伝えておいてください。
買取くんでは、遠方にある土地の売却相談にも対応できますか
対応しています。当社は全国の土地を対象に、無料査定を最短6時間以内でお返しし(水・日曜は翌営業日の対応です)、条件が合えば最短3日での現金化まで進めます。仲介手数料はいただかず、家財や古家が残ったままの現況買取にも対応していますので、現地の片付けを済ませる前の状態でご相談いただけます。土地の場所と登記名義の状況をお知らせいただければ、そこから見立てを始めます。
売る前に確認しておく項目や、売り方ごとの違いをまとめて見直したい方は、土地を売る前に確認すべきことから順に辿ってください。
まとめ:土地売却の相談先は内容で分かれ、価格の相談から始めるのが最短
土地売却の相談先は、価格・権利・税・境界・制度という相談内容で分かれ、最初に連絡するなら価格が分かる不動産会社か買取業者です。無料で聞けるのは、公的な窓口なら制度と手続きの案内まで、民間なら査定と方針の相談まで。代理を頼んだ段階から費用が発生します。市役所は制度案内と空き家バンクの窓口で、買い手にはなりません。まずは登記事項証明書・公図・納税通知書・測量図・現況写真の5点を集めて、価格が分かる窓口へ連絡してください。
当社の買取くんは、購入意欲の高い投資家へつなぐ出口があるため、仲介では買主が見つかりにくい土地も検討できます。境界があいまい、名義が親のまま、家財が残ったままでもご相談いただけます。
\ 査定最短6時間・仲介手数料0円 /
相談先に迷う前に、土地の場所と登記名義の状況だけお聞かせいただければ全国どこでも査定します。
受付時間 10:00〜19:00(水・日曜定休)

