「式は分かったけど、自分の場合はいくらになるの」 「買ったときの契約書、見当たらないし……」
譲渡所得は収入金額から取得費と譲渡費用、特別控除額を差し引いて計算し、税額は課税譲渡所得に税率をかけて求めます(国税庁 No.1440)。この記事では計算の3ステップ、取得費と譲渡費用の線引き、所有期間5年の数え方、自分の数字での試算までご案内します。
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譲渡所得はどう計算する?式と3つのステップ

ステップ1から3の並びと、先に書き出す4つの数字を1枚に整理(出典: 国税庁 No.1440・No.3208・No.3211を基に当社作成)
譲渡所得は、売却価格(収入金額)から取得費と譲渡費用、特別控除額を差し引いて計算します。税額はそこに所有期間で決まる税率をかけて求めるため、用意する数字は売却価格・取得費・譲渡費用の3つと、買った年月です。
そもそもどの税金がかかるのかがあやふやなら、土地を売ったときの税金の種類を先に確認するほうが早いです。
収入金額 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除額 = 課税譲渡所得金額
ステップ1|売却価格から取得費と譲渡費用を引く
用意するのは売買契約書、買ったときの契約書や領収書、売却時の請求書です。収入金額は売買代金が基本ですが、売った日から年末までの分として受け取った固定資産税・都市計画税の精算金も譲渡価額に算入します(国税庁 No.1440)。
ステップ2|特別控除を引いて課税譲渡所得を出す
特別控除は、取得費と譲渡費用を引いたあとに差し引きます。主なものはマイホームの3,000万円、収用等の5,000万円。使えるかどうかは要件で分かれますので、特別控除が使えるかどうかの判定で確認してください。
ステップ3|所有期間で決まる税率をかける
最後に課税譲渡所得へ税率をかけます。土地や建物のもうけは、他の所得と合計せず単独で計算する「分離課税」なんです。税率は長期譲渡なら20.315%、短期譲渡なら39.63%。所有期間の数え方が一番の落とし穴です。
取得費に入る費用の範囲|分からないときは売却価格の5%
取得費には購入代金のほか、購入時の仲介手数料・登録免許税・不動産取得税・造成費用・取得時の測量費が入ります(国税庁 No.3252)。買った値段が分かる資料が見つからない場合は、売った金額の5%を取得費として計算できます(国税庁 No.3258)。
取得費に入れられる費用
購入代金・建築代金に加えて、設備費・改良費、買ったときの仲介手数料や登録免許税・不動産取得税・印紙税、造成費用、取得時の測量費まで積み上げられます。取得費にも譲渡費用にも入らない費用は、このあとの3分類表で確認できます。
買った値段が分からないときの概算取得費(売却価格の5%)
先祖代々の土地や買った時期が古い土地など、買った値段の資料が残っていない場合に使えます。国税庁も3,000万円で売って取得費が不明なら150万円、と例を示しています(国税庁 No.3258)。実際の取得費が5%を下回るときにも使えます。
つまり2,000万円で売って取得費が分からなければ、取得費は100万円。引ける額が小さいぶん課税される所得はふくらみますので、押し入れの奥の契約書を探す価値があります。
相続した土地・建物が建っている土地の扱い
相続や贈与で受け取った土地は、亡くなった方の取得費と取得日を引き継ぎます(国税庁 No.3270)。親の代の契約書が使えますので相続した土地の取得費の引き継ぎもご覧ください。建物が残っているなら、建物の取得費から減価償却費相当額を差し引きます(空き家を建物ごと売るときの税金の計算)。
譲渡費用として引ける費用・引けない費用の見分け方

国税庁のタックスアンサーを横断して仕分けた図。オレンジの行き先は探す対象から外せます(出典: 国税庁 No.3202・No.3252・No.3255を基に当社作成)
譲渡費用に入れられるのは、売るために直接かかった費用だけです。仲介手数料・売主が負担した印紙税・取壊し費用は引けますが、修繕費や固定資産税のような維持と管理のための費用は引けません(国税庁 No.3255)。
「売るために直接かかったか」で3つに仕分ける
国税庁の解説は取得費と譲渡費用でページが分かれていて、手元の請求書がどちらなのか分かりにくいところ。そこで当社が3つのタックスアンサーを横断し、売主が払う費用を3つに仕分けました。
| 費用項目 | 仕分け | 根拠 |
|---|---|---|
| 買ったときの購入代金・仲介手数料・登録免許税・不動産取得税・印紙税 | 取得費 | No.3252 |
| 造成費用、取得時の測量費、買った土地の建物をおおむね1年以内に取り壊した費用 | 取得費 | No.3252 |
| 売ったときの仲介手数料、売主負担の印紙税、売却のための測量費 | 譲渡費用 | No.3255・No.3202 |
| 土地を売るための建物取壊し費用と損失額、立退料、名義書換料 | 譲渡費用 | No.3255 |
| 修繕費(維持のための費用)、固定資産税 | どちらにも入らない | No.3255 |
| 売った代金の取立てのための費用 | どちらにも入らない | No.3255 |
データ出典: 国税庁 No.3202・No.3252・No.3255
いちばん下の「どちらにも入らない」は、探しても税額が1円も減らない費用です。固定資産税と、雨漏り直しのような維持のための修繕費の領収書は引けません。ただし増築や設備の入れ替えのように価値を上げる工事の費用は、取得費(改良費)に入る場合があります(この記事のよくある質問で説明しています)。
同じ費用でも買ったとき・売ったときで入る欄が変わる
測量費は、取得のために払えば取得費、売るために払えば譲渡費用です。印紙税も購入時は取得費、売買契約書で売主が負担した分は譲渡費用。領収書は金額より先に日付を見て、買った年に近ければ取得費、売った年なら譲渡費用と分けると迷いません。仲介手数料は譲渡費用に入るため、仲介で売るか買取で売るかでも計上できる額は変わります。
\ 仲介手数料0円 /
仲介手数料は譲渡費用として引けますが、払わずに済めば手元に残る額はそのぶん大きくなります。買い手がつかなかった土地も、300名以上の投資家がいる当社なら価格を出せます。
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長期譲渡と短期譲渡の税率|5年は売った年の1月1日で数える

課税譲渡所得1,000万円で試算すると、判定日の違いで193万1,500円動きます(出典: 国税庁 No.3208・No.3211を基に当社試算)
税率は所有期間で分かれます。売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば合計20.315%、5年以下なら合計39.63%が課税譲渡所得にかかります(国税庁 No.3208・No.3211)。
長期・短期の税率と内訳
中身は所得税・復興特別所得税・住民税の3つです。復興特別所得税とは、基準となる所得税額に2.1%をかけて、所得税と併せて申告・納付する税金です。対象は平成25年分から令和29年分(2047年分)までの各年分です(国税庁 No.3208)。
| 区分 | 所得税・復興特別所得税 | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 長期(1月1日時点で5年超) | 15.315% | 5% | 20.315% |
| 短期(1月1日時点で5年以下) | 30.63% | 9% | 39.63% |
データ出典: 国税庁 No.3208・No.3211、東京都主税局「個人住民税」
長期と短期で税率は倍近く違いますので、判定を先に済ませましょう。
5年の数え方を間違えると税額はどれだけ変わるか
基準日は引き渡した日ではなく、売った年の1月1日です。たとえば2021年3月に取得して2026年5月に売った土地。取得日から数えれば5年2か月ですが、2026年1月1日時点では4年10か月なので判定は短期です。金額に置き換えると、こうなります。
| 数え方(課税譲渡所得1,000万円・当社試算) | 税額 |
|---|---|
| 取得日から数えて「5年超」と誤判定した場合(長期20.315%) | 203万1,500円 |
| 売った年の1月1日基準で「5年以下」=正しい判定(短期39.63%) | 396万3,000円 |
| 誤判定との差(足りなくなる納税額) | 193万1,500円 |
同じ土地・同じもうけでも、数え方ひとつで193万1,500円変わります。所有期間が5年前後なら、引き渡しを年内に済ませるか年明けまで待つかで結果が変わります。まずは買ったときの契約書で取得日を確認してみてください。
所得税と住民税で納める時期がずれる
所得税と復興特別所得税は売った翌年の確定申告で納めますが、住民税は前年の所得に応じて課税されるため、負担が増えるのは翌年度分からです(東京都主税局「個人住民税」)。確定申告の必要書類と手順では、そろえる書類と提出の流れをご案内しています。売却代金を使い切ったあとに住民税の請求が来る順番になりがちですので、納税分は手元に残しておくと安心です。
⇒ 税率は1月1日で決まり、支払いは所得税→住民税の2段階
自分の数字で税額を試算する手順

売却2,000万円・譲渡費用80万円の仮の数字で試算した差は182万8,350円(出典: 国税庁 No.3252・No.3258・No.3208を基に当社試算)
売却価格と譲渡費用、買った年月が分かれば、取得費の資料が見つからなくても税額は試算できます。取得費が不明なら売却価格の5%を当てはめ、埋める順番はステップ1から3の並びどおりです。
取得費が分かる場合の試算
買ったときの契約書が見つかったケースです。
| 項目(仮の数字で計算した例) | 金額・前提 |
|---|---|
| 取得年月 | 2015年4月(売る年の1月1日時点で5年超=長期譲渡) |
| 売却価格(収入金額) | 2,000万円 |
| 取得費 | 1,000万円 |
| 譲渡費用 | 80万円(特別控除なし) |
| 課税譲渡所得 | 920万円 |
| 税額合計(20.315%) | 186万8,980円 |
税率と5%のルールは国税庁の定めどおりですが、3つの金額は説明のために置いた仮の数字です。ご自分の契約書の金額に置き換えてみてください。
取得費が分からない場合の試算と、その差額
同じ土地で契約書だけが見つからないと、取得費は概算の100万円に変わります。
| 変わるところ(同じ前提・仮の数字) | 金額 |
|---|---|
| 概算取得費(2,000万円×5%) | 100万円 |
| 課税譲渡所得 | 1,820万円 |
| 税額合計(20.315%) | 369万7,330円 |
| ケース1との差 | 182万8,350円 |
書類が1枚あるかないかで、これだけ動きます。税金がかからないケースの判定にまとめたとおり、試算がマイナスになれば納める税金は出ません。入口の売却価格を想像で置くと、結論ごとずれます。査定で実額を出してから式に入れるほうが確実です。当社が大阪府堺市で買い取った相続実家は、家財を残したままで1,200万円でしたので、片付け前でも実額は出せます。
⇒ 取得費の資料が見つかるかどうかで、税額は180万円単位で変わる
譲渡所得の計算についてよくある質問
リフォーム費用や相続登記の費用は取得費に入りますか?
設備費・改良費は取得費に含まれますので、リフォームの内容によっては入れられます。相続時に相続人が払った登記費用や不動産取得税も含められます。ただし概算取得費(売却価格の5%)を使う場合は、これらを重ねて含められません(国税庁 No.3252・No.3270)。
登記や司法書士に支払った費用は譲渡費用として引けますか?
国税庁が譲渡費用の例として挙げている中に、登記費用や司法書士への報酬は入っていません。挙げられているのは、仲介手数料・売主負担の印紙税・立退料・取壊し費用と建物の損失額・違約金・名義書換料です。維持や管理のための費用も含まれません。列挙にない費用は個別の判断になりますので、税務署か税理士にご確認ください。
譲渡所得の計算に使う売却価格を、買取くんで査定してもらえますか?
はい、全国どこでも無料で査定します。査定は最短6時間、買取が決まれば最短3日で現金化できます。家財が残ったままの現況買取(片付けや修繕をしないまま、今の状態で買い取ること)にも対応しています。まずは物件の状態をそのままお伝えください。
土地を売ったときの税金は譲渡所得だけではありません。全体の流れは土地売却の税金と申告の流れをまとめた記事へ進むと一度に確認できます。
まとめ:譲渡所得は3つの金額と買った年月で決まる
譲渡所得は売却価格から取得費と譲渡費用を引いて計算し、税額は所有期間に応じて20.315%か39.63%に分かれます。取得費の資料が見つからなくても、売った金額の5%を取得費にすれば試算は進められます。ただし特例を使えるかどうかの判定と申告書の作成は、この計算とは別の手続きですので、個別の事情は税理士にご確認ください。まずは売却価格・取得費・譲渡費用の3つの金額と、買った年月を書き出してください。
当社の買取くんは、家財が残ったままの実家や、買った値段の分からない相続土地も現況のまま買い取っています。売却価格の見込みが立たず、試算そのものが始められない方に向いています。
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