「土地を売るために家を壊したら、解体費用は税金で戻ってくるの?」 「家を壊して更地で売るのと、家付きのまま売るのと、手元に残るお金はどっちが多い?」
土地の売却と家の解体を考えている方は、このような疑問をお持ちではないでしょうか。売るために取り壊した家の解体費用は、売却時の税金の計算で差し引けます。ただし、減る税金は所有5年超なら解体費用の約2割までで、残りは手元から出ていくんです。差し引ける条件と、古家付きで売る場合との手取りの比べ方まで、仮の数字で計算しながらお伝えします。
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土地売却の解体費用は譲渡費用として差し引ける?

解体費用は仲介手数料と同じ譲渡費用の側に入り、入れないときの1,093.8万円から譲渡所得が下がる(出典: 国税庁 No.3202・3255・3261を基に当社計算・仮の数字)
土地を売るために取り壊した家の解体費用は、譲渡費用として売却代金から差し引けます。譲渡費用とは、土地や建物を売るために直接かかった費用のことです。国税庁は、その例に「土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額」を挙げています(国税庁 No.3255)。
売却代金から差し引く計算式と、解体費用が入る場所
土地や建物を売って得た利益を、譲渡所得といいます。譲渡所得とは、「売却代金−(取得費+譲渡費用)」で出す金額のことで、これに税率を掛けて税金が決まります(国税庁 No.3202)。取得費とは、買ったときの代金などのことです。建物の分は、持っていた年数に応じて目減りさせた額を使います。
解体費用は、仲介手数料や契約書の印紙代と同じ譲渡費用の側に入ります。たとえば、更地を1,200万円で売り、取得費60万円・仲介手数料46.2万円・解体費用150万円だったとします(仮の数字)。解体費用を入れないと譲渡所得は1,093.8万円、入れると943.8万円まで下がるんです。
差し引ける解体費用はいくら?解体業者に払った総額が対象
差し引けるのは、解体業者に実際に払った取り壊しの費用です。事業に使っていない自宅や相続した家の敷地を個人が売るときは、消費税を含んだ金額で計算します(国税庁 No.6931)。
総額は家の構造や広さで変わり、控除の前に費用を見込みたいなら、家の解体費用の相場に構造と坪数ごとの目安と内訳がまとまっています。この記事では、解体費用を仮に150万円として計算します。
取り壊した建物の「損失額」も譲渡費用になる
取り壊した建物に残っていた価値(損失額)も、売るための取り壊しが明らかなら譲渡費用になります(所得税基本通達33-8)。
事業に使っていない木造(柱や梁を木で組んだつくり)の家は、「取得価額×0.9×0.031×年数」で目減りを計算します。上限は取得価額の95%で(国税庁 No.3261)、買ってから35年ほどで届くので、残る損失額は建物を買ったときの値段の5%だけ。古い家では、差し引く額の中心は解体費用そのものなんです。
どんな解体なら差し引ける?売るために取り壊したと示せること
差し引けるのは、土地を売るために取り壊したことが、契約や時期の流れから明らかな解体です。国税庁の通達は、土地を「譲渡するため」の取り壊し費用を譲渡費用に挙げています。修繕費や固定資産税など、家を維持するための費用は含まれません(所得税基本通達33-7)。
建て替えや自分で使うための取り壊しはどう扱われる?
たとえば、建て替えるつもりで家を壊したあと、予定を変えて土地を売ったとします。このとき、壊した目的は「売るため」ではなかったので、譲渡費用として差し引くのは難しくなります。
税務大学校の研究論文も、この点を整理しています(税務大学校論叢90号)。自宅を建て替えるための取り壊し費用は、生活のための出費(家事費)とされてきた、という内容です。論文は執筆者の個人的見解として公表されたものです。壊した理由が途中で変わったなど判断に迷うときは、申告の前に税務署か税理士へ相談してください。
解体から売却まで何年以内なら差し引ける?
国税庁の案内と通達には、取り壊してから売るまでの期間の決まりはありません。売るための取り壊しと示せるかで決まり、間が空くほど示しにくくなります。
「取り壊してから1年以内に売る契約」という条件は、マイホームを売ったときの3,000万円特別控除の要件です(国税庁 No.3320)。相続した空き家の特例には、別の期限があります(国税庁 No.3306)。自分の家が特例に当てはまるかは、3000万円特別控除の適用条件を住んでいた家と相続した空き家に分けて読むと判断できます。
解体費用を差し引くと税金はいくら減る?所有5年超なら解体費の約2割

所有5年超なら解体費用のうち約120万円は手元から出ていくため、減る税金は「解体費用×税率」で見積もる(出典: 国税庁 No.3202・3208・3211・3258の計算式と税率を基に当社計算・仮の数字)
解体費用を差し引いて減る税金は「解体費用×税率」までで、所有5年超なら解体費用の約2割です。売った年の1月1日に所有5年以下なら約4割になります。税率は、5年を超えて持っていたなら復興特別所得税を含めて20.315%(国税庁 No.3208)、5年以下なら39.63%です(国税庁 No.3211)。
たとえば解体費用150万円なら、減る税金は約30.5万円。経費になるから壊したほうが得、とは言い切れないんです。
取得費が分からない相続した家は、売却代金の5%を取得費にできる
親から相続した家と土地は、親が買ったときの代金と時期を引き継いで計算します(国税庁 No.3270)。親が買った日から数えて、売った年の1月1日に5年を超えていれば、相続してすぐ売っても所有5年超の税率です。
買ったときの代金が分からないときは、売った金額の5%を取得費にできます。概算取得費とは、この「売った金額の5%」で決める取得費のことです(国税庁 No.3258)。実際の代金が5%より少ないときも5%を使えるので、契約書などで代金が分かるなら、その金額と5%の大きいほうで計算しましょう。
差し引く前と後で税額を比べる(計算例)
次の表は、更地を1,200万円で売ったときの税額です。取得費60万円・仲介手数料46.2万円(上限)・解体費用150万円・特別控除なしの仮の数字で、端数を処理しない概算です。
| 所有期間と税率 | 差し引かない場合の税額 | 差し引いた場合の税額 | 減る税金 |
|---|---|---|---|
| 5年超(20.315%) | 約222.2万円 | 約191.7万円 | 約30.5万円 |
| 5年以下(39.63%) | 約433.5万円 | 約374.0万円 | 約59.4万円 |
データ出典: 国税庁 No.3202・3208・3211・3258 の計算式と税率を基に当社計算(仮の数字)
減る税金は、どちらの行も「150万円×税率」と同じ額です。所有5年超なら、解体費用のうち約120万円は戻ってきません。土地を売ったときの税金全体は、土地売却の税金で税率と納める時期まで押さえられます。
特別控除で税金が0円になる場合は、差し引いても税額は0円のまま
マイホームの3,000万円特別控除などは、「売却代金から取得費と譲渡費用を引いた金額」が上限です(国税庁 譲渡所得の申告のしかた)。特別控除で利益が0円になるなら、解体費用を差し引いても税金は0円のままです。
解体して更地で売るか古家付きで売るか、手取りはどちらが多い?

古家付きで売ったときの価格を1つ手に入れ、手取りが並ぶ価格と見比べてから壊すかを決める(出典: 国税庁 No.3202・3208・3258の計算式と税率、国土交通省の報酬告示の上限を基に当社計算・仮の数字)
古家付きで売る価格の下がり幅が解体費用とほぼ同じ額までなら、解体しないほうが手取りは同じか多くなります。価格が下がると、その分の税金と仲介手数料も下がるためです。更地1,200万円・解体費用150万円・所有5年超の仮定では、古家付きが約153万円安い約1,047万円で手取りが並びます。
手取りは「売却代金−解体費−仲介手数料−税金」で比べる
古家付き土地とは、古い家が建ったまま売る土地のことです。建物を残したまま売り出す流れは、古家付き土地の売却の手順で進められます。手取りは「売却代金−解体費用−仲介手数料−税金」で比べます。売り方には、「更地渡し」(売主が家を壊して更地で引き渡すこと)と、「現況渡し」(建物や設備を今の状態のまま引き渡すこと)があります。
解体費用をどちらが払うかは、売買契約の条件で決まります。更地渡しにするときの取り決めは、家を更地にして売るときの解体費の負担で確認できます。買主が引き渡しのあとに壊す約束なら、売主は払わない代わりに、その分が売却価格に表れます。
仲介手数料の上限は、400万円を超える物件なら「売買価格の3%+6万円」に消費税を足した額です(国土交通省の報酬告示から求めた式)。
古家付きの価格がいくらなら手取りが並ぶか(計算例)
次の表は、手取りが同じになる古家付きの価格を逆算したものです。条件は、更地1,200万円・解体費用150万円・取得費は売った金額の5%・所有5年超・特別控除なしです。印紙代と固定資産税の精算金は省きました。150万円は、解体費用を坪単価で見積もる方法で出した自分の家の概算に置き換えられます。坪単価とは、1坪あたりの解体費用のことです。当社の買取価格や相場を示すものではありません。
| 売り方 | 売却代金 | 解体費用 | 仲介手数料(上限) | 税金(所有5年超) | 手取り |
|---|---|---|---|---|---|
| 更地で売る(仲介) | 1,200万円 | 150万円 | 約46.2万円 | 約191.7万円 | 約812.1万円 |
| 古家付きで売る(仲介) | 約1,047万円 | 0円 | 約41.1万円 | 約193.7万円 | 約812.1万円 |
| 古家付きで売る(仲介手数料なし) | 約1,006万円 | 0円 | 0円 | 約194.2万円 | 約812.1万円 |
※ 表は横にスクロールできます。
データ出典: 国税庁 No.3202・3208・3258 の計算式と税率、国土交通省の報酬告示の上限を基に当社計算(仮の数字)
仲介手数料がかからない売り方なら、手数料の分だけ下がり幅が広がり、更地より約194万円安くても手取りは並びます。
当社は、壊すかどうかを決める前に、古家付きで売ったときの価格を1つ手に入れておくのがよいと考えています。手取りが並ぶ価格と見比べれば、壊すかどうかを数字で決められるからです。
先に解体すると、売れるまでの固定資産税と期間も負担になる
解体費用は売れる前に払い、差し引けるのは売った翌年の確定申告のときです。さらに更地になると、住宅用地の特例(家が建つ土地の税を軽くする制度)が外れます。
小規模住宅用地(住宅1戸につき200㎡までの部分)では、税率を掛ける元の金額(課税標準)が価格の6分の1になります(東京都主税局)。売れるまでが長いほど、上がった土地の税を払う年が出てきます。更地にしてからの税が気になるなら、売るまでの間の更地の固定資産税で上がる時期と金額の目安を確かめましょう。
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確定申告では解体費用をどこに書く?譲渡所得の内訳書の譲渡費用欄
解体費用は、確定申告で使う「譲渡所得の内訳書」3面の「譲渡(売却)するために支払った費用」欄に書きます。記入するのは費用の種類・支払先・支払年月日・支払金額の4つです(国税庁 記載例)。金額は、解体業者に払った消費税込みの額を書きます。
内訳書3面「譲渡(売却)するために支払った費用」の書き方
譲渡所得の内訳書とは、確定申告書に付ける、売った土地や建物の明細書のことです。国税庁の記載例では、この欄に仲介手数料・収入印紙代・測量費を1行ずつ書いています。解体費用も同じ欄に、次のように書き足します。
- 費用の種類:取壊し費用
- 支払先:解体業者の住所と名称
- 支払年月日:解体費用を払った日
- 支払金額:消費税を含んだ金額
書ききれないときは、別の用紙に書いて添付します。きょうだいなどと共有で売ったときは、記載例と同じく自分の持分に応じた金額を書きます(国税庁 記載例)。
売るために壊したと説明できるよう残しておく書類
売るための取り壊しだったことは、書類の日付の流れで説明します。解体の前に不動産会社へ売却を頼んでいれば、その順番が書類に残るんです。
- 解体業者の見積書・請求書・領収書(振込なら振込の記録)
- 解体工事の契約書
- 不動産会社と結んだ媒介契約書(売却を頼んだ日が分かる)
- 売買契約書(更地渡しの条件が書かれたもの)
土地売却の解体費用についてよくある質問
土地を売るときの解体費用は、売主と買主のどちらが払う?
売買契約で決めた条件しだいです。売主が壊して更地で引き渡すなら、売主が払って譲渡費用として差し引けます。買主があとで壊すなら、売主は払わず、その分が売却価格に表れます。
解体してから何年以内に売れば、解体費用を差し引ける?
決まった期限はありません。売るために取り壊したと示せるかどうかで判断されます。「1年以内に売る契約」は、マイホームを売ったときの3,000万円特別控除の要件です。
家の解体費用に消費税はかかる?
解体工事の代金には、標準税率10%の消費税がかかります(国税庁 No.6303)。事業に使っていない自宅などを個人が売るときは、消費税を含んだ額を譲渡費用にします。土地の売却代金そのものに消費税はかかりません(国税庁 No.6201)。
解体が必要なほど古い家でも、買取くんで解体せずに査定してもらえますか?
対応しています。建物が傾いた家や老朽が進んだ家も、買取くんは取り壊す前の状態のまま査定・買取の対象にしています。アスベスト(石綿。古い建材に混ぜて使われていた鉱物の繊維)が使われているか分からない家も同じです。解体が必要な家は、解体費を見込んで買取価格を決めます。フォームか電話で、家の場所と築年数を伝えてください。
解体費を先に払わずに建物付きのまま売るなら、買取くんの現況買取は合う?
解体費を先に用意したくない方や、家財が残ったまま手放したい方に、買取くんの現況買取は合います。現況買取とは、家を今の状態のまま業者が買い取ることです。壊す前に建物付きの価格を知り、手取りを比べられます。
比べるのは次の3つです。
- 手取り:売り方によって、税金と仲介手数料を引いたあとに残る額が変わるため
- 先に出ていくお金:解体費は売れる前に払うため
- 家財の片付け:運び出しと処分にも費用と手間がかかるため
更地にして仲介で売る方法は、解体費を先に用意できることが前提です。手元で用意できないなら、解体費用を先に払えないときに、売却代金で精算する方法も含めた選択肢がそろっています。
当社は、解体が必要な家を買い取るとき、解体費を見込んで買取価格を決めます。解体費が消えるわけではありませんが、売る前に立て替える必要はありません。買取くんは、家財や生活用品が残ったままの家の買取にも対応しています。公式サイト掲載の利用者の声には「思い入れのある家具だけ回収して、残りの生活用品含めてそのまま買い取ってもらいました」とあります(買取くん)。仲介手数料は0円です。査定額は、表の「古家付きで売る(仲介手数料なし)」の行と同じ計算で手取りに直せます。
向いているのは、次のような方です。
- 解体の見積もりは取ったが、払う前に古家付きの価格と手取りを並べたい
- 親の家具や衣類が残っていて、片付けと解体の両方に先にお金を出したくない
- 売った翌年の申告まで、解体費を立て替えたままにしたくない
買取の価格は、仲介で時間をかけて買い手を探すより低くなる場合があります。手取りで比べて仲介のほうが多く、売れるまで待てるなら、仲介が向いています。
まとめ
土地を売るために取り壊した家の解体費用は、譲渡費用として差し引けます。ただ、減る税金は解体費用×税率までで、所有5年超なら約2割です。差し引けるのは売るための取り壊しと示せる解体で、1年以内という条件はマイホームの特例の要件です。壊す前に古家付きの価格を確かめ、下がり幅が解体費用とほぼ同じ額までなら壊さずに売る、と覚えておきましょう。
買取くんを運営する当社は、東京都知事(1)第107888号の免許を受けた宅地建物取引業者です。解体する前の家を建物付きのまま無料で査定するので、壊すか迷っていて古家付きの価格を先に知りたい方に向いています。
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