「空き家の補助金って、結局どこに申し込むんだろう」 「うちの市にも制度があるのかな」
空き家の補助金は解体・改修・取得・家財整理という用途ごとに分かれていて、主に市区町村が出しています。国は市区町村の事業へ費用を出す立場ですから、探す先は空き家がある自治体なんです。金額の決まり方、自分の自治体の調べ方、申請の順序までまとめました。
受付時間 10:00〜19:00(水・日曜定休)
空き家の補助金は何に使える?用途で分かれる4つの区分

用途を1つ決めると読む要綱が決まり、残置物の処分費は改修・解体の枠から外れやすい(自治体の制度要綱を基に当社作成)
空き家の補助金は、壊す・直して使う・買って住む・片づけるという使い道ごとに分かれています。ひとつの制度で全部をまかなうのではなく、用途ごとに別の制度・別の窓口になっていますので、探すときは先に自分の用途を決めます(東京都 補助金一覧)。
条件も金額も、自治体が定めた要綱(制度の対象・金額・期間を決めた文書)に書かれています。同じ「空き家の補助金」でも、用途が違えば読む要綱が変わるんです。
1. 壊す|解体・除却の枠
建物を取り壊す費用の一部を補助する枠です。倒壊などの危険があると市区町村が判定した空き家に限る制度が多く、対象建物の判定方法も申請の順序もほかの用途とは別に決められています。金額と支給条件は専用の記事にまとめていますので、解体をお考えの方は空き家の解体補助金の条件と申請の順序へお進みください。
2. 直して使う|改修・活用の枠
住む・貸す・地域の活動に使うために直す費用の枠です。台所や浴室の入れ替え、耐震の工事などが対象です。住宅として再生する型のほかに、こども食堂や高齢者サロンのような地域の拠点へ変える型を持つ自治体もあります(大阪市 空家利活用改修補助制度)。貸して収益を出す方向なら空き家を民泊にする手順と採算ライン、直す場合と持ち続ける場合・売る場合の負担は空き家活用の全体像と費用の内訳で比べられます。
3. 買って住む|取得・移住の枠
空き家バンクを通して買って住む人に向けた枠です。熊本県玉名市は市の空き家バンクで購入して転入・転居した人に取得額の一部を補助し、新潟市は移住定住で使う場合に購入費とリフォーム費の両方を対象にしています。使うのは持ち主ではなく買い手です。⇒ 空き家バンクへ登録しておけば、買い手側の補助が使える物件になります。
4. 片づける|管理・家財整理の枠
家具や家電を運び出して処分する費用の枠です。家に残ったままの家具・家電・衣類・食器を、まとめて残置物と呼びます。残置物とは、前の持ち主や住人が置いていった生活用品のことです。処分費は改修や解体の補助対象から外れることが多く、片づけの枠があるかどうかで持ち出し額が変わります。福岡市は家財道具の撤去費を改修費と合わせて補助し、玉名市は別枠で「空き家家財道具等整理補助事業」を設けています。処分費の目安は残置物とはへ。
補助金を出しているのはどこ?国・都道府県・市区町村の役割

活用は所有者の負担が3分の1、取り壊しは5分の1という別の割合(出典: 国土交通省 空き家対策総合支援事業)
空き家の補助金を交付するのは空き家が建っている市区町村で、国はその事業へ費用を出す側にいます。国が所有者へ直接お金を渡す一般的な窓口はなく、市区町村が実施する空き家の除却・活用の取組を財源で支える形なんです(国土交通省 空き家対策総合支援事業)。
国が出すのは市区町村の事業の一部
所有者が空き家を活用する場合、費用は国が3分の1、地方公共団体が3分の1、所有者が3分の1という割合で分け合う形が示されています。取り壊す場合は所有者の負担が5分の1という別の割合です(国土交通省 空き家再生等推進事業も同じ割合です)。
ただし、全国どこでも国が3分の1を出すわけではありません。国費を使わず自治体が単独の財源で出す制度もあり、実際の補助率と上限額は各自治体の要綱で決まります。⇒ 国の予算資料からは、自分が受け取れる金額は出てきません。
国が直接補助する枠もある(対象は事業者)
例外として、国が民間事業者等へ直接補助する枠もあります。空き家などの既存住宅を、住宅確保要配慮者(高齢者や低額所得者など住まいを見つけにくい人)の専用住宅や居住サポート住宅へ改修する事業がこれにあたり、補助率は3分の1・上限62万円/戸などと決められています(国土交通省 報道発表)。
対象は専用住宅として登録するなどの要件を満たす事業者等で、個人が自宅用に直す枠ではありません。交付申請は令和8年12月11日までで、申請額が予算上限に達した時点で受付は終了します。⇒ 国の名前が付いた補助金を見つけたら、まず誰が申請する枠なのかを確かめてください。
都道府県が独自の枠を持つこともある
出しているのは市区町村だけではありません。兵庫県の空き家活用支援事業は県の制度ですが、受付は各市町の窓口です(兵庫県 空き家活用支援事業)。東京都のように区市町村の支援制度を一覧で公開する自治体もあり、市区町村のページで見つからなくても都道府県側に枠が残っていることがあります。
いくら出る?補助率と上限額の決まり方と、対象になる空き家の条件

交付額は対象経費に補助率をかけた額と上限額の低いほうで決まる(出典: 静岡市・福岡市・新潟市・兵庫県の各制度ページを基に当社作成)
受け取れる額は、要綱で対象と決められた工事費(対象経費)にかける割合と、上限額のうち低いほうで決まります。静岡市の改修補助は対象経費の3分の2以内で上限100万円、福岡市の活用補助は対象経費の2分の1で上限100万円と、同じ「改修」でも決め方が違います(静岡市 空き家改修事業補助金/福岡市 空き家活用補助金)。
| 用途区分 | 自治体・制度 | 補助率・上限額 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 改修・活用 | 静岡市 空き家改修事業補助金 | 対象経費の2/3以内・上限100万円 | 空き家情報バンク登録・延床40㎡以上 |
| 改修・活用 | 福岡市 空き家活用補助金 | 対象経費の1/2・上限100万円 | 市街化調整区域・昭和56年6月1日以降の着工 |
| 改修・活用 | 新潟市 空き家活用推進事業 | リフォーム費の1/3・最大100万円 | 福祉活動・地域活動での活用 |
| 取得・移住 | 玉名市 空き家取得補助事業 | 取得額の1割・100万円限度 | 空き家バンク経由の購入と転入・転居 |
| 取得・移住 | 新潟市(移住定住活用) | 購入費の1/2・最大100万円 | 移住定住のための購入 |
| 管理・家財整理 | 福岡市(家財道具の撤去費) | 対象経費の1/2・上限100万円(撤去費を算入できるのは全経費の1/5まで) | 改修とあわせた申請 |
データ出典: 前掲の静岡市・福岡市の各ページ、新潟市 空き家活用推進事業、玉名市 空き家取得補助事業
解体・除却の枠は、対象になる空き家の判定も申請の順序もほかの用途と違いますので、空き家の解体補助金の条件と申請の順序で別に扱っています。
交付額の計算|対象経費に割合をかけた額と上限額の低いほう
たとえば改修費150万円のすべてが対象経費と認められた場合、静岡市の枠(対象経費の3分の2以内・上限100万円)では計算上100万円となり、上限と並びます。見落としやすいのは、業者へ払う金額のすべてが対象経費になるわけではない点です。残置物の処分費のように外れる経費が混ざっていれば、その分だけ土台が小さくなります。
上限額は「ここまで出る」という天井であって、必ず受け取れる金額ではありません。見積書が届いたら、どの行が要綱の対象経費に当たるかを担当課へ確かめてください。
補助率は用途と自治体で3分の1から3分の2まで開く
改修の枠だけを見ても、静岡市は3分の2以内、福岡市は2分の1、新潟市は福祉や地域の活動で使う場合に3分の1と、割合が倍近く違います。上限額は100万円が並ぶ一方、耐震改修を行う場合や購入とリフォームを組み合わせる場合に200万円まで伸びる枠もあります。⇒ 全国共通の金額はありませんので、他県の事例を自分の資金計画に当てはめないでください。
対象になる空き家と、申請できる人の条件
対象の絞り方には共通の型があります。ひとつは空き家である期間です。兵庫県は6か月以上か空き家バンクへの登録、大阪市は3か月以上空家であることを求めています。もうひとつが建築年と耐震性で、福岡市は着工日が昭和56年6月1日以降であること、それ以前の建物なら耐震改修で耐震性を確保することを条件にしています。
申請者は所有者か相続人です。転入・転居が条件になる枠もあり、玉名市のように市税等の滞納がないことを求める自治体もあります。福岡市のように市街化調整区域(建物を建てることを抑えている区域)へ対象を限る制度もありますし、解体の枠は市区町村が危険と判定した空き家(特定空家)に限る制度が多いです。
受付時間 10:00〜19:00(水・日曜定休)
自分の市区町村の制度を調べる3手順
自分の空き家に使える制度は、市区町村の空き家担当課のページで要綱を開くと確認できます。見るのは補助率、上限額、受付期間、事前相談が要るかどうかの4点です。制度名は自治体ごとに違いますので、制度名ではなく市区町村名と用途の言葉で探します。
手順1|市区町村名と用途の言葉で担当課のページを開く
制度名は「空き家改修事業補助金」「空き家活用推進事業」「空家利活用改修補助制度」のように、中身が近くても呼び方がそろっていません。制度名で検索しても自分の自治体のページには着きにくいんです。検索窓には「◯◯市」に「空き家」「改修」「補助」と、地名と用途の言葉を足して入れてみてください。担当課の名前も住宅政策課・建築指導課などばらつきがあります。
手順2|要綱で4点を確かめる
開いたページでは、補助率、上限額、受付期間、事前相談や事前協議の要否を順に拾います。静岡市は申請の前に住宅政策課への相談を求めていますし、大阪市の地域まちづくり型は区役所との事前協議が必要です。相談を経ていない申請は受け付けられないことがありますので、見積りを取る前に確かめておきます。
手順3|空き家バンクと窓口に当たる
3つ目は空き家バンクです。兵庫県・静岡市・玉名市のように、バンクへの登録が補助の要件になっている制度があります。市区町村のページで見つからないときは、国土交通省が公開する全国地方公共団体の空き家・空き地情報サイトのリンク集や、都道府県のまとめページから入ると早く着きます(国土交通省 リンク集/東京都 区市町村による空き家に関する支援制度)。
そこまで見ても出てこないときは、その年度の枠がない、あるいは制度そのものがない場合もあります。探し方が悪いのかと迷うより、担当課へ電話で聞くほうが早いです。都道府県別の一覧をこの記事に載せていないのは、受付期間も上限額も毎年度書き換わり、一覧にすると古い数字が残るからです。
申請から入金までの順序と、つまずきやすい3つの落とし穴

予算の残りが実際の締め切りになる(出典: 静岡市・兵庫県・新潟市の各制度ページを基に当社作成)
交付決定の通知を受け取る前に契約したり工事を始めたりすると、その費用は補助の対象から外れます。兵庫県は交付決定前に着工した場合は補助金を交付できないと明記し、新潟市も交付決定前に行った購入やリフォーム工事を対象外としています(兵庫県 空き家活用支援事業/新潟市 空き家活用推進事業)。順序はどの自治体でもおおむね同じで、次の6段階です。
- 事前相談|静岡市は住宅政策課への相談、大阪市の地域まちづくり型は区役所との事前協議が要ります
- 申請|工事の契約を結ぶ前に担当課へ出します
- 交付決定の通知|静岡市は受け付けから通知まで1〜2週間です
- 契約・着工|通知が届いてから業者と契約し、工事を始めます
- 工事の完了と支払|兵庫県の令和8年度は令和9年3月31日が完了期限です
- 完了実績報告・検査のあとに入金|兵庫県は検査に合格してから交付します
| 自治体・制度 | 受付開始 | 受付の終わり方 | 工事・支払の期限 |
|---|---|---|---|
| 静岡市(改修・令和7年度の案内) | 4月下旬 | 12月下旬まで。予算がなくなり次第終了 | 交付決定の通知後に契約・着工 |
| 兵庫県(活用・令和8年度) | 4月13日 | 12月25日まで。予算上限に達し次第終了 | 令和9年3月31日までに工事と支払を完了 |
| 新潟市(活用・令和8年度) | 4月20日 | 8月28日に予算上限へ達して受付終了 | 交付決定前の購入・工事は対象外 |
データ出典: 前掲の静岡市・兵庫県・新潟市の各制度ページ
落とし穴1|交付決定の前に契約・着工してしまう
交付決定とは、自治体が申請の内容を審査して補助を出すと決め、その旨を通知することです。静岡市は工事の契約締結前に申請し、交付決定を受けてから契約・着工するよう案内していて、申請書の受け付けから通知書の発行まで1〜2週間かかります(静岡市 空き家改修事業補助金)。
業者と着工日を先に決めてしまうと、この1〜2週間が入る余地がありません。順序を外すと、ほかの条件をすべて満たしていても補助はゼロになります。いつから契約・着工してよいかは要綱に書かれていますので、申請前に担当課へ確かめてください。
落とし穴2|受付期間が残っていても予算枠で閉まる
受付には期間があります。静岡市は令和7年度の受付期間を4月下旬から12月下旬までと案内し、兵庫県の令和8年度は4月13日から12月25日まで。どちらも予算がなくなり次第終了です。実際に新潟市は令和8年4月20日に受付を始め、8月28日に予算上限へ達して令和8年度分を終了しました。開始から約4か月です。
⇒ 期間の終わりではなく、予算の残りが実際の締め切りになります。要綱が出るのは年度の始めですので、直す予定があるなら年度初めに動くほうが確実です。
落とし穴3|後払いと名義
補助金は工事が終わってからの後払いです。兵庫県は完了実績報告書の提出後に行う検査へ合格したあとに交付すると定めていて、工事代金はいったん全額を自分で支払うことになります。工事と支払を令和9年3月31日までに終える期限もあります。
見落としやすいのが名義です。工事請負契約の契約者と領収書の宛名は、申請者と同じ人にそろえてください。なお補助金は一時所得として所得税の課税対象になる場合がありますので、個別の判断は所轄の税務署か税理士にご相談ください。
補助金が使えないとき・制度がないときの3つの選択肢
補助が使えないときの選択肢は、翌年度を待つ、別の用途の枠を確かめる、直さずに現況のまま売る、の3つです。要件に当てはまらなかった場合も、自治体に枠がなかった場合も入口は同じです。どれを選ぶかは、待つあいだの固定資産税や管理の費用と、工事費をいったん自分で用意できるかどうかで決まります。
選択肢1|翌年度の受付を待つ
補助を使っても、自己負担は残ります。対象経費の3分の1から3分の2は自分で出す前提ですし、上限額を超えた分も自己負担です。後払いですから工事費はいったん全額が必要です。空き家は誰も住んでいなくても固定資産税がかかり、火災保険料も払い続けます(空き家の火災保険料の相場と決まり方)。1年待って受け取れる補助額と、1年分の維持費を並べてみてください。
選択肢2|同じ自治体の別の用途の枠を確かめる
ひとつの枠で外れても、同じ自治体に別の枠があることがあります。新潟市は福祉活動・地域活動・移住定住・住替え・跡地とタイプごとに枠を分け、玉名市は取得の補助と家財道具等整理の補助を別に設けています。改修では対象外だった空き家が、家財の整理では対象になることもあるんです。担当課へは「この空き家で使える枠はありますか」と聞くほうが候補が出てきます。
選択肢3|直さずに現況のまま手放す
3つ目は、直さないまま手放す道です。現況買取とは、片づけや修繕をせずに今の状態のまま買い取ってもらう売り方をいいます。当社の買取くんはこの形に対応していて、家財が残ったままの空き家も全国で買い取っているんです。要件に当てはまらなかった空き家でも、受付期間に間に合わなかった空き家でも、直して使う場合と手元に残る金額を並べて選べます。
活用・保有・売却のどれが合うのかは、活用・保有・売却を費用で比べる空き家活用ガイドで確かめてください。
空き家の補助金でよくある質問
国の補助金と自治体の補助金は併用できますか
国の事業の多くは市区町村の制度を通して使う形ですので、実際に申請するのは自治体の制度です。重ねられるかどうかは要綱によって違い、兵庫県は補助対象経費が重複しなければ市町の住宅耐震改修等助成制度との併用も可能としています。同じ工事費について二重に受け取ることはできないと考えて、自分の自治体の要綱で確かめてください。
空き家バンクに登録していないと補助金は使えませんか
制度によります。静岡市の改修補助は市の空き家情報バンクに登録された空き家が対象で、兵庫県は空き家の期間が6か月以上か登録のどちらかを求めています。登録が要件でない制度もありますので、まず要綱の対象要件を見てください。バンクの仕組みは空き家バンクの0円物件で説明しています。
申請してから入金までどのくらいかかりますか
交付決定の通知までは、静岡市の場合で1〜2週間です。入金はそこからさらに先で、工事と支払を終えて完了実績報告と検査を通ってから振り込まれます。年度内に終える期限もあるので、年度の後半に申請するほど日程は厳しくなるんです。
買取くんでは、補助金の対象にならなかった空き家でも買い取ってもらえますか
買い取っています。当社の買取くんは、片づけも工事もしていない空き家をそのままの状態で買い取っており、全国からご相談をお受けしています。売却の仲介手数料はいただきません。直して使う場合と売った場合の手取りを並べたい方は、先に査定額を確かめる使い方ができます。
まとめ:探す先は自分の市区町村、まず決めるのは用途
空き家の補助金は用途ごとに分かれた市区町村の制度で、自分の用途を決めて要綱に当たれば使えるかどうかが分かります。補助率も上限額も対象条件も自治体ごとに違い、全国共通の金額はありません。受付は年度ごとで、期間が残っていても予算枠に達すると締め切られます。市区町村の空き家担当課のページで補助率・上限額・受付期間・事前相談の要否を確かめ、業者との契約は交付決定の通知が届いたあとに回してください。
当社の買取くんは、家財が残ったままの空き家を現況のまま全国で買い取っています。要件に当てはまらなかった方や、受付期間に間に合わなかった方が、直す場合と手放す場合を並べる材料になります。
受付時間 10:00〜19:00(水・日曜定休)

