不動産買取の基礎知識

任意売却と競売の違いは?競売開始後に任意売却できる期限は開札の前日

「裁判所」と書かれた案内板が立つ神戸地方裁判所尼崎支部の庁舎の外観(競売の手続きを進める裁判所のイメージ)

「競売開始決定の通知が届いた…任意売却と競売って何が違うの?」 「競売が始まってからでも、任意売却はまだ間に合うの?」

通知が届くと、残り時間が気になりますよね。任意売却は債権者(借入先の金融機関や保証会社)の同意を得て市場で売る方法、競売は裁判所が入札で強制的に売る手続きです。競売開始決定(裁判所が競売を始める決定)のあとでも、開札期日の前日までに債権者が取り下げれば、任意売却に切り替えられるんです。違いと競売の流れ、取下げの手順を見ていきます。

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任意売却と競売の違いは?任意売却は価格と引越しの時期を話し合え、競売は裁判所が入札で売る

価格・外から見える情報・引越しの時期の3点で、話し合いで決まる任意売却と裁判所が決める競売の違いを示した図

3つの違いはどれも、値段と日程を話し合いで決めるか裁判所の手続きで決めるかから生まれる(出典: 民事執行法〔e-Gov法令検索〕・BIT 用語集を基に当社作成)

任意売却は所有者と債権者が話し合って売り、競売は裁判所が入札で売るため、価格・近所への知られ方・引越しの時期が違います。違いは、売る価格の決まり方、残るローン、外から見える情報、引越しの時期、所有者の手間の5つに出ます。

比べること任意売却競売
誰がどう売るか所有者が不動産会社を通じて買主を探し、債権者の同意を得て売る債権者の申立てで裁判所が家を差し押さえ(所有者が勝手に売れないようにし)、入札で売る
売る価格の決まり方市場で買主と合意した値段を、債権者が認めて決まる競売向けの減額を入れた売却基準価額をもとに、入札で決まる
残るローン売った代金で払いきれない分は残る同じく残る。売れた値段が低いほど多く残る
外から見える情報裁判所の公告はない。仲介で売ると広告や内覧で知られることがある差押えの登記、開始決定と入札の公告、写真つきの物件資料のインターネット公開
引越しの時期引き渡す日を買主と話し合って決める代金納付で持ち主が変わり、立ち退かなければ引渡命令と強制執行に進む
所有者の手間査定・債権者との話し合い・内覧への対応・契約と決済執行官の調査への対応。価格も日程も所有者は決められない
切り替えられる期限競売が始まっていても、開札期日の前日までに債権者が取り下げれば選べる取り下げられるのは申し立てた債権者だけで、代金納付のあとは取り下げられない

表は民事執行法と裁判所の資料をもとに当社が整理しました。データ出典: 民事執行法(e-Gov法令検索)・BIT 用語集「競売市場修正」・BIT 用語集「三点セット」

1. 売り方:債権者の同意を得て市場で買主を探すか、裁判所が入札で売るか

任意売却は、住宅ローンが残る家を、債権者(お金を貸した金融機関や、ローンを代わりに返した保証会社)の同意を得て、通常の市場で売る方法です。家には抵当権(返済が止まったときに、債権者が家を売って回収できる権利)が付いていて、債権者に外してもらわないと売れません。そこで、売る価格と代金の分け方を債権者と話し合い、同意を得てから買主と契約します。

一方の競売は、抵当権を持つ債権者が裁判所に申し立て、裁判所が家を差し押さえて入札で売る手続きです。東京地方裁判所は、競売で売る不動産は「所有者の意思にかかわらず強制的に売却される」と説明しています(東京地方裁判所「競売不動産の買受手続」)。任意売却ができる条件や費用、相談から引渡しまでをまとめて押さえたいときは、任意売却の流れと費用の全体を先に読むと、競売との位置づけも含めてつかめます。

⇒ 任意売却は話し合いで、競売は裁判所の手続きで、値段と日程が決まります。この差が、下の価格・知られ方・引越しの違いのもとになっているんです。

2. 価格と残るローン:競売は市場で売る値段から減額した基準で入札が始まり、ローンが多く残りやすい

競売の値段は、裁判所が選んだ評価人の評価をもとに、裁判所が売却基準価額として決めます。評価人は、競売で売るための評価であることを考えに入れなければなりません(民事執行法 第58条・第60条)。最高裁判所が運営する不動産競売物件情報サイト(BIT)は、この減額を「競売市場修正」と呼んでいます。この減額は、競売ならではの事情を反映したものです。売主の協力が得られないことや、買いたい人が中を直接確かめられないことに加え、引渡しに法定の手続きが要ることもあります(BIT 用語集「競売市場修正」)。

さらに入札は、売却基準価額から2割を引いた買受可能価額以上でなければ受け付けられません(BIT 用語集「買受可能価額」)。たとえば、売却基準価額(市場で売れる値段から競売向けの減額をしたあとの値段)が1,000万円なら、入札は800万円以上から受け付けます。1,000万円の時点で、すでに減額が入っている点に注意してください。実際の落札額は入札で決まります。

任意売却の値段は、市場で買主と合意した額を債権者が認めて決まります。債権者が認めない値段では売れません。どちらの売り方でも、売った代金で払いきれない住宅ローン(残債)は残り、売れた値段が低いほど多く残ります。

⇒ 競売は、市場で売るより低い基準から入札が始まる仕組みです。残るローンを少しでも減らしたいなら、まず任意売却を検討しましょう。

3. 近所への知られ方:競売は裁判所の公告とインターネットで物件の写真まで公開される

競売では、手続きの段階ごとに、家の情報が外から見える形で出ていきます。

  • 差押えの登記: 開始決定のあと、家の登記簿に「差押」と記録されます(BIT 用語集「開始決定・差押え」)。登記事項証明書は、手数料を払えば誰でも請求できます(不動産登記法 第119条)
  • 開始決定の公告: 競売が始まったことが公告されます(民事執行法 第49条)
  • 家の中の写真: 執行官(裁判所で差押えや明渡しを担当する職員)が家に入り、写真を撮ります(同 第57条)
  • インターネット公開: 入札期間が始まる2週間前までに入札の公告が出て(BIT 用語集「期間入札の公告」)、写真つきの3点セット(現況調査報告書・評価書・物件明細書の写し)が BIT で公開されます(BIT 用語集「三点セット」)。3点セットの公開は遅くとも入札期間が始まる1週間前までで(民事執行規則 第31条・第36条)、東京地方裁判所の運用では公告と同じ入札期間の15日前からです
  • 新聞広告: 大多数の地方裁判所が公告の要旨を日刊新聞に載せています(BIT 用語集「新聞等への広告」)。ただし東京地方裁判所は令和3年2月で取り止めていて(東京地方裁判所 民事第21部)、裁判所によって違います

任意売却は通常の売買なので、裁判所の公告はありません。ただし仲介で売るなら、広告や内覧で近所に知られることはあります。競売の手続きが並行している間は、任意売却を進めていても、公告や公開は裁判所の日程どおりに進みます。

4. 引越しの時期:任意売却は買主と話し合い、競売は代金納付のあと引渡命令で明け渡す

任意売却では、家を引き渡す日を買主と話し合って決めます。引越し費用を売った代金から出せるかどうかは、債権者との話し合いしだいです。

競売では、落札した人(買受人)が代金を納めた時点で、家の持ち主が買受人に変わります(民事執行法 第79条)。立ち退かないと、買受人は代金を納めた日から6か月以内に、引渡命令(家を明け渡すよう裁判所が命じること)を申し立てられます(同 第83条)。命令が確定すると、執行官による強制執行に進みます。執行官が明渡しの日を告げる「明渡しの催告」のあと、その日に実際に明け渡させる流れです(BIT 用語集「引渡命令」・「明渡しの催告」)。

⇒ 競売では、引越しの日を所有者が決められないんです。

5. 手間と自分で決められること:任意売却は内覧と債権者の同意、競売は現況調査への対応がある

任意売却では、査定、債権者への申し出と同意、販売活動(仲介なら内覧への対応)、売買契約と決済と、所有者が動く場面が多くあります。その分、価格と日程に所有者が関われます。

競売では、執行官の調査に応じます。執行官は家に立ち入って質問し、必要なら閉じた戸を開けることもできます(民事執行法 第57条)。差し押さえた債権者が申し立てれば、買いたい人が執行官と一緒に家の中を見に来る内覧もあります(同 第64条の2)。価格は入札で、日程は裁判所の期日で決まり、所有者は選べません。手間が少ないのは競売のほうですが、その代わりに価格・時期・公開のどれも自分では選べなくなります。

競売はどう進む?申立てから開札・代金納付・明渡しまで裁判所の日程で進む

申立てから強制執行までの6段階と、公告・売却決定期日・引渡命令の日程、代金納付まで住み続けられる期間を示した図

差押えのあとも代金納付までは住み続けられ、各段階の日程は裁判所が決める(出典: 民事執行法〔e-Gov法令検索〕・BIT「不動産執行手続の流れ」・BIT 用語集を基に当社作成)

競売は、申立て、開始決定、現況調査と評価、期間入札の公告、開札、売却許可決定、代金納付の順に、裁判所の日程で進みます。開札までの日程は段階ごとに決まっていて、期間入札の公告は入札期間が始まる2週間前までに出ます(BIT 用語集「期間入札の公告」)。開始決定の通知が届いた時点では開札までまだ段階が残っていますが、日程は裁判所が決めるため、所有者の都合では延ばせません。

段階何が起きるか外から見える情報日程の目安任意売却への切り替え
申立て・開始決定債権者が申し立て、裁判所が開始決定をして家を差し押さえる。所有者に開始決定の書面が届く差押えの登記(誰でも登記事項証明書で確かめられる)、開始決定の公告ほかの債権者が配当を求められる締切(配当要求の終期)が決まり、公告されるできる(申し立てた債権者が取り下げれば止まる)
現況調査と評価執行官が家に入って写真を撮り、評価をもとに売却基準価額が決まる写真つきの現況調査報告書が作られる裁判所の命令で執行官が調査するできる
期間入札の公告入札期間・開札期日・売却基準価額などが公告される写真つきの3点セットが BIT でインターネット公開される。新聞広告を出す裁判所もある入札期間が始まる2週間前まで(東京地裁の運用では通常15日前)できる。ただし公開はもう始まっている
入札期間・開札入札を受け付け、開札期日にいちばん高い値を付けた人が決まる3点セットは入札期間の終わりまで閲覧できる(東京地裁の運用)入札期間は通常8日間(東京地裁の運用)開札期日の前日までに取り下げてもらう必要がある
売却許可決定・代金納付売却が許可され、買受人が代金を納めると持ち主が変わる売却許可決定が裁判所の掲示場に公告される売却決定期日は通常、開札から1週間以内。代金納付は確定から約1か月以内(東京地裁の運用)開札のあとは入札者などの同意が要り、代金納付のあとはできない
引渡命令・強制執行立ち退かなければ、買受人の申立てで引渡命令が出て強制執行になる執行官が明渡しの日を告げる(明渡しの催告)引渡命令の申立ては代金納付から6か月以内できない

※ 表は横にスクロールできます。「東京地裁の運用」と書いた日数は全国一律ではありません。

データ出典: 民事執行法(e-Gov法令検索)・不動産登記法・BIT「不動産執行手続の流れ」・BIT 用語集「売却決定期日」・東京地方裁判所「競売不動産の買受手続」

1. 申立てと開始決定:差押えの登記がされ、開始決定の通知が届く

住宅ローンの返済が止まり、残りを一括で返すよう求められても払えないと、抵当権を持つ債権者が裁判所に競売を申し立てます。申し立てるのは、借入先の金融機関か、保証会社(ローンを保証し、返せなくなったときに代わりに返済する会社)です。まだ開始決定の通知が届いていないなら、滞納から競売までの時間軸で、これから何が届くかを先に確かめておくと慌てずに済みます。

申立てを受けた裁判所は競売開始決定をし、家を差し押さえます。差し押さえは、所有者が家を自由に売ったり担保に入れたりできないよう、裁判所が押さえることです。裁判所書記官が法務局に差押えの登記を頼み、所有者には開始決定の書面が届きます(民事執行法 第45条・BIT 用語集「開始決定・差押え」)。

差押えのあとも、ふだんどおりに住み続けることはできます(同 第46条)。あわせて、開始決定がされたことと、配当要求の終期(ほかの債権者が売却代金の配分を求められる締切)が公告されます(同 第49条)。

2. 現況調査と評価:執行官が家を訪れて写真を撮り、売却基準価額が決まる

開始決定のあと、裁判所の命令で執行官が家に立ち入り、形や住んでいる人の状況を調べて、現況調査報告書を作ります(BIT 用語集「現況調査」)。調べるときは所有者に質問することもでき(民事執行法 第57条)、東京地方裁判所は、現況調査報告書には不動産の写真なども添付されると説明しています。

続いて評価人が家を評価し、その評価をもとに裁判所が売却基準価額を決めます。物件明細書も作られます(民事執行法 第58条・第60条・第62条)。ここで撮られた家の中の写真が、のちにインターネットで公開される3点セットに入ります。

3. 期間入札の公告と開札:入札期間の2週間前までに公告され、開札で買い受ける人が決まる

売却基準価額が決まると、裁判所は期間入札(決めた期間に入札を受け付け、後日まとめて開ける方法)で売ります。入札期間が始まる日の2週間前までに、裁判所の掲示場などに公告が出ます。公告には、入札期間・開札期日・売却基準価額・買受可能価額が書かれます(BIT 用語集「期間入札の公告」)。

3点セットも裁判所に備え置かれ、BIT でも内容が公開されます。公開は、遅くとも入札期間が始まる日の1週間前までと決まっています(民事執行規則 第31条・第36条)。東京地方裁判所の運用では、公告と3点セットの備え置きは通常、入札期間が始まる日の15日前で、入札期間は通常8日間です(東京地方裁判所「競売不動産の買受手続」)。

開札期日には入札書を開け、いちばん高い値を付けた人(最高価買受申出人)が決まります(BIT 用語集「開札」)。入札が1件もなければ、先着順で買い手を決める特別売却に進むことがあります(BIT 用語集「特別売却」)。

4. 売却許可決定から明渡し:代金納付で所有権が移り、立ち退かなければ強制執行になる

開札のあと、裁判所は売却を許可するかどうかを決めます。この売却決定期日は、ふつう開札期日から1週間以内の日に決まります(BIT 用語集「売却決定期日」)。売却許可決定が確定すると代金を納める期限が決まり、東京地方裁判所の運用では通常、確定の日から約1か月以内です。

買受人が代金を納めると家の持ち主が買受人に変わり、裁判所が所有権移転の登記を頼みます(BIT 用語集「代金納付」)。そのあとも立ち退かなければ、引渡命令と強制執行に進みます。なお、裁判所データブック2026「民事執行事件」によると、不動産の競売などの事件が申立てから終わるまでの期間は、令和7年の平均で9.1か月でした。事件が終わるまでの平均なので、開札までの日数とは別の数字です。

競売開始決定のあとでも任意売却できる?開札期日の前日までに債権者が競売を取り下げれば切り替えられる

公告で写真つきの公開が始まり、開札期日の前日が取下げの期限になる2つの期限と、それまでに済ませる3つの手順を示した図

債権者の同意・買主・決済を開札期日の前日から逆算してそろえ、公告より前に動くと知られにくい(出典: 民事執行法 第76条〔e-Gov法令検索〕・BIT 用語集「競売申立ての取下げ」「期間入札の公告」を基に当社作成)

競売開始決定のあとでも、開札期日の前日までに申し立てた債権者が取下書を出せば、任意売却に切り替えられます。そのため前日までに、債権者の同意・買主の決定・決済をそろえます。期限が前日になるのは、入札のあとに競売を取り下げると、いちばん高い値を付けた入札者などの同意が要るからです。

1. 期限が開札期日の前日になるのは、入札のあとは取下げに買い受ける人の同意が要るから

民事執行法は、入札があったあとに競売の申立てを取り下げるには、入札者の同意が要ると定めています。同意をもらう相手は、いちばん高い値を付けた入札者(決定後は買受人)と、次の順位の入札者です(民事執行法 第76条)。BIT も、確実に取り下げるには、申し立てた債権者が開札期日の前日までに裁判所へ取下書を出す必要があると説明しています。代金が納められたあとは、取り下げられません(BIT 用語集「競売申立ての取下げ」)。

競売を止める最後の期限は開札期日の前日ですが、写真つきの物件情報はそれより前、入札の公告のころから公開されます。公告は入札期間が始まる2週間前までに出て、3点セットの公開も遅くとも1週間前までに始まります(民事執行規則 第31条・第36条)。近所に知られにくく売りたいなら、公告より前に買主と債権者の同意を決めておくのが目安です。

2. 期限までに済ませること:債権者の同意・買主の決定・決済の段取り

開札期日の前日までに取下書を出してもらうには、その前に次の3つを終えておく必要があるんです。

  1. 債権者の同意を得る:申し立てた債権者を含め、抵当権などを持つ債権者に任意売却を申し出て、売る価格と代金の分け方(配分)の同意を得ます
  2. 買主を決める:買主を決め、売買契約を結びます
  3. 決済して取り下げてもらう:決済で代金を返済に充て、申し立てた債権者に取下書を出してもらう流れです

任意売却に切り替えても、取下書が出るまで競売の手続きは止まらずに進みます。決済までには査定や債権者との話し合い、買主探しが入るため、任意売却の手順を段階ごとに見て、開札期日から逆算しておくと安心です。かかる日数は家や債権者によって変わるので、早めに動き出すほど選べる手が残ります。

3. 間に合わなければ競売はそのまま進む

開札期日を迎えると、いちばん高い値を付けた入札者が決まり、売却許可決定と代金納付へ進みます。買主が見つからない、債権者が価格や配分に同意しない、といった理由で期限までに売れないと、家は競売で売られます。

開札期日は入札の公告に書かれますが、公告は入札期間の2週間前までに出るものなので、それを待ってから動くと時間が足りなくなりがちです。開始決定の通知が届いた家なら、その時点で債権者への連絡と査定を始め、公告で開札期日が分かったら、そこから逆算して債権者の同意・買主・決済を並べていきます。任意売却で売れずに競売になるのが心配な方は、任意売却ができないケースで、売れない原因と対処を先に確かめておくと備えられます。

競売を取り下げてもらうには?取り下げるのは競売を申し立てた債権者

競売を取り下げられるのは、競売を申し立てた債権者です。任意売却で取り下げてもらうには、その債権者と売る価格と代金の分け方を合意し、決済で返済したうえで取下書を出してもらいます。入札のあとは取下げに入札者などの同意が要るため、確実に取り下げてもらうには開札期日の前日までに終えることが条件です。

1. 任意売却の代金で返済すると決まれば、申し立てた債権者が取下書を出す

BIT は、競売申立ての取下げを「申立債権者がその申立てを撤回する行為」と説明しています。開始決定のあとでも、代金が納められるまでは取り下げられます。取り下げるときは、申し立てた債権者が裁判所に取下書を出します。取下書には事件番号・当事者・不動産を書き、取り下げることをはっきり書きます(BIT 用語集「競売申立ての取下げ」)。

任意売却のほか、滞納分を含めて一括で返済できる場合も、債権者が取り下げることがあります。どちらにしても取下書を出すのは債権者で、所有者が出すものではありません。取り下げてもらえるかどうかは、債権者との話し合いで決まります。

2. 税金の差押えなど別の申立てがあると、そちらも外す必要がある

同じ家にほかの債権者からも競売の申立てがあると、先の申立てが取り下げられても、あとの開始決定にもとづいて手続きが続きます(民事執行法 第47条)。税金の滞納による差押えが付いている場合も、売る前に外してもらう必要があります。

たとえば、住宅ローンの抵当権のほかに、固定資産税の滞納で市区町村の差押えが付いている家を考えてみましょう。住宅ローンの債権者が競売を取り下げても、税金の差押えが残ったままでは、差押えのない状態で買主に引き渡せません。売る前に、税金の差押えをどう外すかも決めておく必要があるんです。

3. 個人再生で家を残す場合は、裁判所が競売の中止を命じることもある

任意売却のほかに、裁判所の手続きで競売が止まる場合もあります。個人再生(裁判所の手続きで借金を減らし、残りを分けて返す方法)で、住宅ローンは払い続けながらほかの借金を減らして家を残す「住宅資金特別条項」を使う見込みがあるときです。この場合、本人の申立てにより、裁判所が期間を決めて抵当権の実行(競売)の中止を命じられます(民事再生法 第197条)。

自己破産(裁判所の手続きで借金の支払いを免除してもらう方法)や個人再生で家がどうなるかは、収入や財産、ローンの状況で変わります。家を手放すか残すかを決める前に、弁護士に自分の場合の見通しを確かめてください。

開札までの残り時間で買い手探しを待てない人に、買取くんの買取は合うか

開札までに、一般の買い手探しと内覧、買主のローン審査を待つのが難しいなら、買取くんが直接買い取る売り方が合います。ただし任意売却では、買取でも債権者の同意が別に要るため、開札に間に合うかは債権者との話し合いしだいです。

売り方を選ぶ基準は、開札期日の前日という期限までの残り時間です。仲介で一般の買い手を探し、内覧と買主のローン審査を経て、債権者の同意と決済まで間に合いそうなら仲介、間に合いそうにないなら買い手探しを待たない売り方を考えます。

仲介は、時間をかけられれば買取より高く売れる見込みがあります。一方の弱みは、広告・内覧・買主のローン審査という工程があり、審査に通らなければ契約が流れることもある点です。買取は不動産会社などが自ら買主になる売り方で、買取の仕組みと仲介との違いを知っておくと、査定額の見方がつかめます。正直にお伝えすると、当社の買取価格は、仲介で時間をかけて売る場合の相場より低くなることがあります。

比べること仲介で一般の買い手に売る買取くんに売る
買い手を探す期間広告やポータル掲載で、買い手が見つかるまで待つ買取を希望する投資家が常時20,000名超いて、買い手を探す期間がかからない
内覧と買主のローン審査内覧に対応し、審査が通らなければ契約が流れることがある買取くんが直接購入するため、内覧やローン審査待ちの工程がない
価格時間をかけられれば、買取より高く売れる見込みがある仲介で時間をかけて売る場合の相場より低くなることがある
債権者の同意必要必要(任意売却では買取でも別に要る)

買取くんには、資金力のある投資家が常時20,000名超いて、物件の買取を希望しています。そのため、広告で一般の買い手を探す期間がかかりません。買取くんが直接購入するので、買主の融資審査で契約が流れることもありません。査定は無料なので、開札期日の前日から逆算して動き出す前に、いくらで売れそうかを先に確かめられます。当社は、住宅ローンが残る家や返済が苦しい家の任意売却の相談も受け付けています。対象は戸建て・マンション(1室)・土地などです。

向いているのは、開始決定の通知が届き、開札期日の前日までに一般の買い手を待てそうにない方です。広告やポータルに載せずに、近所に知られる前に売り方を決めたい方にも合います。反対に、公告まで時間に余裕があり、仲介で買い手が見つかりそうな家なら、仲介で高く売ることを先に考えてもよいでしょう。

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開札までの残り時間で、一般の買い手を待たずに売れるかを査定額から確かめられます。

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任意売却と競売についてよくある質問

競売の開札日はどこで確かめられる?

開札期日は、裁判所が出す期間入札の公告に書かれます。公告は入札期間が始まる2週間前までに裁判所の掲示場などに出され(BIT 用語集「期間入札の公告」)、BIT の売却スケジュールや物件情報でも確かめられます。東京地方裁判所も、期間入札の実施予定表を BIT で確かめるよう案内しています(東京地方裁判所 民事第21部)。

競売と任意売却ではどちらが高く売れる?

任意売却は市場で買主と合意した値段で、競売は減額した基準をもとに入札で決まった値段で売れます。競売では、競売向けの減額を入れた売却基準価額の8割以上から入札を受け付けます(BIT 用語集「買受可能価額」)。入札が多ければ、基準を上回る値で落札されることもあります。仕組みのうえでは任意売却のほうが市場の値段に近くなりますが、何割違うかは家や入札の状況で変わり、裁判所の手続きの案内にも割合の目安は載っていません。

競売で落札されたあと、いつまで家に住める?

差押えのあとも、代金が納められるまでは、所有者としてふだんどおり住めます(民事執行法 第46条)。代金納付で持ち主が買受人に変わると、買受人は代金納付から6か月以内に引渡命令を申し立てられ、確定すると強制執行で明け渡すことになります(同 第83条)。賃借人向けの6か月の明渡猶予は、所有者には当たりません(BIT 用語集「明渡猶予制度」)。

買取くんでは、競売開始決定の通知が届いた家の任意売却を相談できる?

相談できます。当社は、住宅ローンが残る家や返済が苦しい家の任意売却の相談を受け付けています。売るか決めていない段階でも、査定と相談は無料です。受付は10:00〜19:00(水・日曜定休)で、電話は0120-985-623です。届いた通知書と家の状況を、そのままお伝えください。

まとめ

任意売却と競売の違いは、値段と日程を所有者と債権者の話し合いで決めるか、裁判所の手続きで決めるかの違いです。競売開始決定のあとでも、開札期日の前日までに申し立てた債権者が競売を取り下げれば、任意売却に切り替えられます。取り下げられるのは申し立てた債権者で、前日までに債権者の同意・買主・決済をそろえる必要があり、写真つきの公開はその前に始まります。通知が届いたら、その時点で債権者への連絡と売り方の相談を始め、公告で開札期日が分かったら逆算して進めましょう。

開札までに一般の買い手を待てそうにない方には、買取くんが合います。買取を希望する投資家が常時20,000名超いるため、一般の買い手を探す期間がかかりません。買取くんは当社が直接買い取るので、買主のローン審査を待たずに契約へ進めます。価格は仲介で時間をかけて売るより低くなることがあります。査定は無料なので、まず査定額を出し、仲介の見込みと並べて決めてください。

\ 競売になる前に売れるか確かめる /

通知書に書かれた日付と今の状況を伝えていただければ、そこから相談を始められます。

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監修

株式会社リアテクス 執行役員 鶴野博之

鶴野 博之

株式会社リアテクス 執行役員

宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸経営管理士/FP2級

一棟投資物件専門の仲介会社で不動産業界に参入後、前職では「訳あり・瑕疵物件」に特化したコンサルティングプログラム責任者として600名以上の投資家の購入から売却までに携わる。自身も再建築不可物件を中心に訳あり物件へ投資し、転売売買から保有物件まで数々の実績を持つ。