「親の土地、正直いらないけど、親には言い出しにくい…」 「親の土地は、きょうだいも誰も要らないって言うし、どうしよう」
親の土地を手放すことを考えている方は、このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。親の土地がいらないなら、親が元気なうちに名義と境界を確かめ、売るかを家族で決めておくと後の手間が減ります。使わなくても固定資産税と草木の管理は毎年続き、親が亡くなると決める人が増えるためです。相続後の方も、確かめる順番は同じですよ。
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親の土地で毎年かかるのは固定資産税と草木の管理、家を壊すと土地の税が上がる
親の土地には、使っていなくても毎年固定資産税がかかり、草木の管理も持ち主の仕事として残ります。家が建っていれば家屋の税が別にかかるため、1年の合計は家の有無だけでは決まりません。ただ、土地の税だけで比べると、家のない更地のほうが重くなるんです。
家の建っていない更地は、固定資産税の軽減が効かない
固定資産税は、毎年1月1日の時点で持っている人にかかります(総務省「固定資産税の概要」)。家が建っている土地には住宅用地特例(住宅の敷地の固定資産税を軽くする仕組み)があります。200㎡以下の部分は、税額を計算するもとになる課税標準額が6分の1になります(総務省「固定資産税」)。更地には、この軽減がありません。
評価額300万円・面積200㎡以下の宅地で、標準税率1.4%を当てて土地分の税だけを計算してみます。家が建っている場合は約7,000円、更地の場合は最大約29,400円です(条件は表の下に記載)。この条件なら、家を壊すと土地の税が年に最大約22,400円増える計算です。
ただし、家が建っている場合は、家屋にも別に固定資産税がかかります。家屋の税額は建物ごとに違うので、納税通知書の家屋の欄で確かめてください。反対に、土地の課税標準額が免税点の30万円を下回れば、土地の税はかかりません。評価額の低い田舎の土地ではこうした例もあり、その場合は税より管理が負担の中心になります。
| かかるもの | 更地の場合 | 家が建っている場合 | 自分で確かめる方法 |
|---|---|---|---|
| 土地分の固定資産税(試算) | 最大 約29,400円 | 約7,000円 | 納税通知書の土地の欄 |
| 家屋の固定資産税 | 建物がないためかからない | 土地とは別にかかる(家屋の課税標準額が免税点未満ならかからない) | 納税通知書の家屋の欄 |
| 草木の管理 | 所有者が業者などに頼む | 庭木を含めて所有者が頼む | 帰省時に伸び具合を見る |
| 見回りの交通費 | 通う回数と距離で決まる | 通う回数と距離で決まる | 1年に何回通っているか |
| 火災保険 | 建物がないため対象外 | 家を残すなら検討する | 手元の保険証券 |
| 近所への責任 | 草木や枝による損害は所有者 | 建物の傷みによる損害も加わる | 枝が隣へはみ出していないか |
この表の作り方:
- 対象:総務省の固定資産税の制度ページと、空き地の管理を公表している本庄市・東金市・矢板市のページ
- 試算条件:土地分の税のみ。評価額300万円・200㎡以下の宅地、標準税率1.4%。家付きは住宅用地特例(6分の1)、更地は負担調整措置のうち商業地等の宅地の上限(評価額×70%)だけを当てた最大値。年度ごとの据置・引下げなどの調整、都市計画税、自治体の減免は含めない
- 集計方法:税以外の行は各市のページにある所有者の管理責任の記述から抜き出し、公的機関の公表情報で金額を確かめられない草刈り・交通費・保険料は金額を書かずに条件だけを示した
⇒ 土地の税だけなら更地が重く、家を残すなら家屋の税と保険が別に乗ります。「家を残せば安く済む」とは言い切れないんです。
家を残していても、管理不全空家(放っておくと倒壊などの危険が高い特定空家になりそうな空き家)として勧告を受けると、住宅用地特例は外れます(国土交通省 改正空家法)。住宅用地特例が外れる条件は、家を残すか決める前に見ておくと安心です。
税金とは別に毎年続く、草木の管理と見回りの手間
本庄市「空き地の適正管理について」は、持ち主に「草木が伸びたり、害虫などが発生したりしていませんか?」と確認を求め、自分で管理できないなら業者やシルバー人材センターへ頼むよう案内しています。東金市も「除草作業などの私有地の管理は市では出来ません」と明記しています。
つまり、市が草刈りを代わってくれるわけではないんですよね。遠方に住んでいても、誰に頼み、年に何回見に行くかを決めて費用を払うのは持ち主です。費用は地域と距離で変わるので、まずは「毎年出ていく項目」として数えておくと、持ち続けるかを考えやすくなります。
近所に迷惑が出たときの責任は所有者に向く
矢板市「空き地の適正管理」は「空き地の管理責任は、所有者にあります。空き地を原因として損害などが生じた場合においても、責任は所有者にあります」と書いています。
越境した枝の扱いも変わりました。本庄市のページによると、2023年4月1日に民法が変わりました。枝がはみ出された側は、催告しても切ってもらえない場合などに自分で切り取れるようになったんです(民法第233条)。その費用も、基本的に木の所有者に請求できると考えられるそうです。親の土地の木が隣へ伸びていれば、請求は親か、相続した人に届くわけです。
親が元気なうちなら親本人が売れる、亡くなった後は遺産分割と相続登記が先

同じ「売る」でも、売主になれる人と決める人は時点で変わり、最初の一歩は親との話し合いです(出典: 裁判所・法務省・国土交通省「空き家所有者実態調査」を基に当社作成)
親が元気なうちなら、親本人が売主になって土地を売れます。亡くなった後は、相続人全員で誰が引き継ぐかを決め、名義を変えてからでないと売れません。時間がたつほど、決める人数も手続きも増えるんです。
親が元気なうちなら、親本人が売主になれる
親名義の土地は、親本人が「売る」と決めれば、親が売主として契約できます。相続人どうしの話し合いも、名義の変更も要りません。
ほかにも、遺言(亡くなった後の財産の行き先を本人が決めておく書面)で土地を誰に渡すかを決めたり、法務局で親名義の不動産の一覧を取ったりできます。どちらも、親本人が動ける今のうちに頼めることです。一覧の取り方は、後半の名義の確かめ方で説明します。
判断能力が落ちたあとは、家庭裁判所の許可が要る場面がある
認知症などで判断能力が落ちると、成年後見(家庭裁判所が選んだ後見人が、本人に代わって財産を管理する仕組み)を使う場面が出てきます。裁判所によると、後見人が本人の居住用不動産を売るには家庭裁判所の許可が必要で、「家庭裁判所の許可を得ないで処分をした場合、その処分は無効」です。
住まいではない土地はこの許可の対象外ですが、本人が契約できないなら、まず後見人を立てる手続きが要ります。先送りすると、話し合いの相手が家庭裁判所の手続きに変わることがあるんです。個別の事情は司法書士や弁護士に確かめてください。
相続後は、遺産分割と相続登記を済ませてから売る
親が亡くなった後は、相続人全員で誰が土地を引き継ぐかを決め(遺産分割)、その人の名義に変えて(相続登記)から売る順になります。相続登記の義務化(相続で不動産を取得した人に名義変更の申請を義務づけた制度)で、取得を知った日から3年以内の申請が必要です。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります(法務省「相続登記の申請義務化について」)。書類の集め方など相続登記の手続きと費用は、名義を変える段階で確かめれば間に合います。
「いらないなら相続放棄すればいい」と考える方もいるかもしれません。ただ、相続放棄は土地だけを選んではできず、預金なども含めて相続人の立場ごと手放す手続きです。期限もあるので、相続放棄の期限や放棄後の管理を先に確かめてください。
| やりたいこと | 親が元気なうち | 親の判断能力が落ちた後 | 親が亡くなった後 |
|---|---|---|---|
| 土地を売る | 親本人が売主として契約できる | 後見人が代わりに契約する(居住用不動産は家庭裁判所の許可が要る) | 遺産分割と相続登記の後、引き継いだ人が売る |
| 行き先を決める | 親本人が遺言で決められる | 本人の判断能力しだいで難しくなる | 相続人全員の遺産分割で決める |
| 土地を一覧にする | 親本人が所有不動産記録証明書を請求できる | 代理人による請求もできる | 相続人が請求できる |
| 決める人 | 親本人 | 成年後見人 | 相続人全員 |
出典:裁判所・法務省「相続登記の申請義務化について」・法務省「所有不動産記録証明制度について」をもとに当社で整理
同じ「売る」でも、誰が売主になれるかは時点で変わります。自分の家が今どの列にいるかを見てみてください。
国の調査に見る、相続前に動いた家と動かなかった家の差
国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」では、空き家の取得経緯の57.9%が相続で、相続前に何か対策をしていた世帯は23.0%でした。対策をしなかった相続空き家は45.1%が「空き家のまま所有」で、対策をした場合の29.4%の約1.5倍です(結果のポイント)。
建物を含む空き家の調査で、土地だけの統計ではありません。それでも、相続前の準備の有無で、相続後に手をつけずに置かれた割合に差が出ていることは読み取れます。しかも最も多い対策は「被相続人との話し合い」の16.7%で、遺言の作成支援(1.8%)を大きく上回りました。最初の一歩は、お金のかかる手続きより親と話すことなんです。
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「いらない」と思ったら最初に確かめる、名義・地目・境界

名義と地目は登記事項証明書、境界は公図と地積測量図で確かめ始められます(出典: 法務局「主な手数料一覧」・法務省・農地法を基に当社作成)
最初に確かめるのは、名義・地目・境界の3つです。名義と地目は登記事項証明書、境界は地積測量図があるかどうかで確かめます。境界は書類だけで決まらないこともあるので、まずは図面の有無を見てください。
名義は登記事項証明書で、今の持ち主を確かめる
登記事項証明書は、土地の持ち主・面積・地目が載っている法務局の書類です。祖父母の名義のまま残っている土地もあるので、まず今の名義人を見てください。手数料は書面請求で1通600円、オンラインで請求して郵送で受け取るなら1通520円です(法務局「主な手数料一覧」)。
親がどこに土地を持っているか分からないときは、所有不動産記録証明制度(名義人として登記されている不動産を一覧にして証明してもらう制度)が令和8年2月2日から使えます。請求できるのは名義人本人や相続人などで、書面請求なら検索条件1件・1通で1,600円です(法務省)。親が元気なうちなら、親本人に請求してもらえます。
地目が田や畑なら、売る前に農地の手続きが要る
地目は、登記上の土地の用途の区分(宅地・田・畑・山林など)で、登記事項証明書に載っています。田や畑なら要注意です。
農地の持ち主を変えるには、当事者が農業委員会の許可を受けなければなりません(農地法第3条)。宅地などにして売るなら、農林水産省の農地転用許可制度も関わります。買い手が限られやすいので、農地を手放すときの許可が取れそうかを先に確かめると遠回りになりません。
境界は地積測量図があるかどうかで、隣との線が決まっているかを見る
地積測量図(土地の形と面積を測量して示した図面)があれば、隣との線が測量で決まっているかの目安になります。公図(土地の位置と形のおおよそを示す図)とあわせ、どちらも法務局で書面請求1件500円です。登記事項証明書と公図なら、1筆の土地で合計1,100円から確認を始められます。
図面がない土地や古い土地は境界がはっきりせず、売るときに測量や隣の方との立会いが要ることがあります。境界が明らかでない土地は、国に返す制度でも申請を受け付けてもらえません(法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」)。境界を決めるのは土地家屋調査士、名義を変えるのは司法書士の仕事です。
きょうだいの誰も要らないときは、共有名義で残さず窓口役を立てる
きょうだいの誰も要らないときは、共有名義のまま残さず、窓口になる代表者と、売るかどうかを決める期限を先に決めます。共有で登記すると、売るにも全員の同意が要るからです。
共有名義のままだと、売るにも全員の同意が要る
共有持分(1つの土地を複数人で持つときの各自の持ち分)で登記すると、動かすたびに全員の足並みが必要です。民法は、他の共有者の同意がなければ共有物に変更を加えられないと定めています(民法第251条)。法務省の資料も、共有物の「変更又は処分」には全員の同意が要ると説明しています(法務省)。
たとえば、きょうだい3人とも実家から離れて暮らし、誰も土地を使う予定がない場合。3人の共有で登記すると売るにも3人の同意が要り、次の代では持ち主がさらに増えます。「とりあえず3人で」は、決めるのを先送りしているのと同じなんです。
窓口役と期限の目安は、相続登記と遺産分割の区切り
期限には法律の区切りが使えます。相続登記は取得を知った日から3年以内が義務です。遺産分割がまとまらないときは、相続人申告登記(自分が相続人だと法務局に申し出る簡単な登記)でひとまず義務を果たせます(法務省)。また、相続開始から10年を過ぎると、遺産分割は原則として法定相続分を基準に行います(法務省「遺産分割の時的限界」)。
窓口役を決めた最初の話し合いで、次の2つも決めておくと進みやすくなります。
- 名義:3年以内に誰の名義にするか
- 売るかどうか:いつまでに査定を取って決めるか
話し合いが止まったときの相談先
まとまらないときは、家庭裁判所の遺産分割調停を使えます。相続人の1人または何人かがほかの相続人全員を相手方として申し立て、費用は被相続人1人につき収入印紙1,200円分と郵便切手です(裁判所「遺産分割調停」)。名義の変更は司法書士、交渉の代理は弁護士が相談先になります。
家が建つ土地は建物ごと手放せる先へ、更地で買い手がない土地は国への返還や買取へ

家が建ったままなら解体を決める前に建物ごと手放せる先を探し、更地なら国に返す制度と買取を比べます(出典: 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」を基に当社作成)
家が建ったままの土地は国に返す制度の対象外なので、建物ごと買い取る業者か、建物のある土地の処分方法へ進みます。更地で買い手がつかない土地は、国に返す制度や買取を比べる段階へ進みます。
| 土地の状況 | 進む先 | 最初に連絡する相手 |
|---|---|---|
| 古い家が建ったまま(家財も残っている) | 建物ごと手放す(現況買取など) | 買取業者・不動産会社 |
| 更地で、売りに出しても反応がない | 国に返す制度・買取・譲るを比べる | 法務局・買取業者 |
| 地目が田・畑 | 農地の許可を確かめてから選ぶ | 農業委員会 |
| きょうだいで決まらない | 話し合い、まとまらなければ調停 | 司法書士・弁護士・家庭裁判所 |
田舎の家がいらないときは、建物ごと手放せるかを先に確かめる
相続土地国庫帰属制度(相続した土地を、一定の要件を満たせば国に引き渡せる制度)は、建物がある土地の申請を受け付けていません(法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」)。国に返すなら解体が前提ですが、家を壊すと住宅用地の軽減が外れ、土地の税が上がります。
だから、解体を先に決めず、建物ごと手放せる先を先に探すのがおすすめです。建物が建った田舎の土地を処分する方法には、現況買取(片付けや解体をせず今の状態のまま買い取ってもらう形)のように建物ごと引き渡せる道もあります。家財が残っていても応じる業者があり、当社も対応しています。
田舎にあって買い手がつかない土地
更地でも、田舎だと売りに出して問い合わせがないことがあります。立地や道路との接し方など、田舎の土地が売れない理由には値下げで変わらないものもあります。
国に返す制度の相談は全国の法務局・地方法務局が受け付けていて、土地が遠方でも近くの法務局で相談できます(法務省)。売る・貸す・譲るのどれが残るかは、固定資産税の額や通える距離から田舎の売れない土地の手の打ち方として順に絞れます。
手放す経路を費用と期間で比べたいとき
手放す経路は売る・譲る・国に返す・買い取ってもらうなどに分かれ、使えるかどうかは土地の状態で決まります。受け取れる金額・払う費用・かかる期間は経路ごとに違うので、1つの経路の金額だけでは安い高いを判断できません。
たとえば国に返す道では、申請の入口で審査手数料が土地一筆あたり14,000円かかり、却下・不承認でも返ってきません(法務省)。これは審査を受けるための費用で、手放すまでにかかる費用の全部ではありません。手放す方向に決めたらいらない土地を手放す方法ごとの費用と期間で経路ごとに並べて比べるのが近道です。当社の買取くんは地方の物件を含めて全国対応で、他社で断られた物件も買取の対象にしています。
親の土地がいらないときによくある質問
親の土地だけを相続放棄することはできますか?
できません。相続放棄は土地だけを選んではできず、預金なども含めて相続人の立場ごと手放す手続きです。期限もあるため、早めに判断してください。
遠方に住んでいても親の土地を手放せますか?
手放せます。登記事項証明書や公図は郵送やオンラインでも請求でき(法務局「各種証明書請求手続」)、現地へ行かずに確認を始められます。売却の相談も、全国対応の買取業者なら遠方から進められます。
亡くなった親の名義のままにしておくと、どうなりますか?
相続登記は取得を知った日から3年以内の義務で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。令和6年4月1日より前の相続もふくまれ、令和9年3月31日までに登記を済ませることになります(法務省)。
古い家が残ったままの親の土地でも査定してもらえますか?
査定できます。当社の買取くんは、家財や生活用品を残したままの現況買取に対応しており、他社で断られた物件も査定しています。無料査定は最短6時間以内にお返しします。
まとめ
親の土地がいらないなら、毎年かかるものを数字で確かめ、親が元気なうちに名義と境界を見て、売るかどうかを家族で決めておくのが近道です。土地だけを選んで相続放棄することはできず、相続後は遺産分割と相続登記を済ませるまで売れません。
まずは法務局で登記事項証明書と公図を取り、名義・地目・境界を確かめてください。そのうえで手放すと決めたら、名義の確認から依頼先選びまでの動かし方に沿って進められます。
当社の買取くんは、購入意欲の高い不動産投資家が常時300名以上いるネットワークを持ち、少額の物件も買取の対象です。遠方に住んでいて、親と話す前に土地の値段の目安だけ知っておきたい方に向いています。
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