空き家買取

親が施設に入ったら実家はどうする?売るか残すか選ぶ基準と最初にやること

明るいリビングで、車いすに座る高齢の男性を、息子・つえを持つ妻・介護スタッフが囲んで立つ様子(親の介護をきっかけに実家のことを家族で考えるイメージ)

「親が施設に入って実家が空き家になったけど、この家どうしたらいいの?」 「実家は売る?貸す?親が戻れるように残しておく?」

親が施設に入った後の実家について、このような疑問をお持ちではないでしょうか。親が戻る見込みがなく施設の費用にまとまったお金が要るなら売り、戻れるうちは親名義のまま管理します。売る・貸す・解体するには親の意思が要り、判断できなければ家庭裁判所が選ぶ成年後見人が手続きするんです。

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施設に入った親の家はどうなる?名義は親のままで、選択肢は5つ

名義は親のままで、名義を確かめる→親の意思を確かめる→条件で選ぶの順に5つの選択肢へ分かれる流れ図

名義人の親の意思を前提に、戻る見込み・施設の費用・家の傷みで売る・貸す・住む・置く・解体を選ぶ(出典: 総務省・e-Gov法令検索「民法」・国土交通省を基に当社作成)

親が施設に入っても実家の名義は親のままで、売る・貸す・解体するには親本人の判断と意思が要ります。選べるのは売る・貸す・家族が住む・空き家のまま置く・解体するの5つです。どれが合うかは、親が戻る見込みや施設の費用で変わります。

施設に移っても、家の持ち主は親のままです。固定資産税は、毎年1月1日に登記簿で持ち主とされている人にかかります(総務省)。

なので、施設に入ったあとも納税通知書は親あてに届くんです。名義は、法務局で取れる登記事項証明書か、この通知書の所有者の欄で見られます。

家を売る・貸す・壊すと決めるのも、名義人である親です。ここで要るのが意思能力、つまり売ることや貸すことの意味を分かって自分で決められる力(判断能力)です。民法3条の2は、意思能力がない状態で結んだ契約を「無効とする」と定めています。

⇒ 子が親に代わって勝手に決めることはできません。親が判断できないときは、成年後見人(家庭裁判所が選ぶ、親に代わってお金や家の手続きをする人)が動きます。

親名義の実家で選べる手は、次の5つです。

  • 売る:親が売主になって家を手放し、代金を施設の費用などに充てる
  • 貸す:親が貸主になって他人に貸し、家賃を親の収入にする
  • 家族が住む:子や兄弟が親の同意を得て住み、空き家にしない
  • 空き家のまま置く:名義も家もそのままにして、家族が見回って管理する
  • 解体する:傷んだ建物を取り壊し、土地として持つか売る

この5つは、親が戻る見込み・施設の費用・家の傷みを順に当てはめると絞り込めます。

全国の空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%です。どちらも、これまでで一番多くなりました(総務省統計局)。

国の調査では、相続で受け継いだ空き家の11.3%が「老人ホームなどの施設へ入居」をきっかけに空き家になっていました(国土交通省)。親の施設入居も、実家が空き家になるきっかけの1つとして数字に表れているんですね。

名義が親のままで、親が判断できるいまは、親本人と一緒に実家のこれからを話せる時期でもあります。

親が施設に入ったら、実家で最初にやることは?名義の確認から見回りの段取りまで

親が施設に入ったら、まず登記で名義を確かめ、郵便物・公共料金・火災保険を空き家の状態に合わせて見直します。そのうえで貴重品と大事な書類を預かり、見回りの担当と回数を決めます。こうしておけば、売るか残すかを決めるまでの間も家が傷みにくくなります。

国が示す空き家の管理の指針には、ふだんの管理として次の一文があります。「定期的な郵便物等の確認・整理、冬期における給水管の元栓の閉栓等」。求められているのは特別な作業ではなく、ふだんの見回りなんです。

最初の帰省で次の6つを済ませておけば、次に通う日までの段取りも決められます。

  1. 名義と共有者を確かめる:登記事項証明書か納税通知書で、名義人が親だけか、ほかに共有者がいるかを見ます。
  2. 郵便物の転送を手配する:郵便局で施設や子の家への転送を手配し、実家に届く郵便物も帰省のたびに確かめます。
  3. 電気・ガス・水道を止めるか決める:見回りで換気や通水をするなら、電気と水道は残す手があります。冬は給水管の元栓を閉めて凍結を防ぎます。
  4. 火災保険の契約先に連絡する:親が施設に入り空き家になったことを伝え、補償が続くかを確かめます。空き家だと火災保険を断られやすいケースも、連絡の前に見ておくと話が早く進みます。
  5. 貴重品と重要書類を保管する:通帳・印鑑・権利証・保険証券などを探し、家族が預かります。入居前に分けるのは施設へ持っていく物と貴重品だけで、家全体の片付けを始める時期と親の同意の取り方は、実家の扱いが決まってから考えれば間に合います。
  6. 見回りの担当と頻度を決める:国の指針は、定期的な通気・換気と点検、地震・大雨・強風の後の確認を挙げています。遠方で通えないときは、管理を事業者に頼むこともできます。

どのくらい通うかに決まりはありません。国の調査では、管理する人がいる空き家の約7割が、月1回以上は手入れされていました(国土交通省の報告書)。

この数字はノルマではなく、家族が月に何回通えるかを決めるときの目安として使ってください。

実家の手続きは誰ができる?親が判断できるうちは親本人、できなくなったら後見人

親が判断できるうちは親本人が契約し、子は委任状で代わりに動けます。判断できなくなると、成年後見人が手続きします。任意後見と家族信託は、親が判断できるうちに結んでおく契約です。任意後見は将来頼む人と内容を親が決めておく契約で、家族信託は家の管理や売却を家族に任せておく契約です。任意後見は、親の判断能力が落ちたあと、家庭裁判所が見守り役の任意後見監督人を選んだときから始まります。

親が判断できるうちは、親本人か委任状を受けた子が動く

親が判断できるうちは、施設にいても親本人が契約できます。外出しにくいときは、子が委任状を受けて動けます。委任状は、手続きを任せる内容を書いて親が署名する書面です。これで子は、代理人(親に代わって契約する人)になります。

民法99条により、代理人が任された範囲で結んだ契約は、親に直接効力が生じます。子が動いても、売主や貸主は親のままなんです。

判断できなくなったら、成年後見人が手続きする

親が判断できなくなったら、成年後見制度(判断が難しい人を、家庭裁判所が選んだ後見人が支えるしくみ)を使います。

判断できなくなってから新しく頼むなら、法定後見(家族などが申し立て、家庭裁判所が後見人を選ぶ後見)になります。

成年後見人が親の住まいを売る・貸すときは、家庭裁判所の許可が要ります(民法859条の3)。この許可を、居住用不動産の処分の許可(後見人が親の住まいを手放すときに受ける許可)といいます。

任意後見と家族信託は、親が元気なうちに結ぶ契約

任意後見は、元気なうちに、将来頼む人と頼む内容を公正証書で決めておく契約です。契約が動き出すのは、家庭裁判所が任意後見監督人を選んだときからです(法務省のQ&A)。任意後見監督人は、任意後見人の仕事を見守る人のことです。

家族信託は、元気なうちに家の管理や売却を家族に任せておく契約です。結んでいれば、家を任された家族が手続きを進めます。

親の状態別・実家の手続きができる人と相談先

親の状態手続きできる人次に相談する相手
判断できる親本人(子は委任状を受けて代理人として動ける)不動産会社・司法書士
物忘れが出始めた判断能力の確かめが先(確かめられれば親本人)主治医・司法書士
判断できない成年後見人(売る・貸すには家庭裁判所の許可)。任意後見の契約があれば、委任された範囲で任意後見人家庭裁判所・司法書士

表の出典: 民法と法務省のQ&Aをもとに当社作成

たとえば物忘れが出始めたら、主治医と司法書士に親の判断能力を確かめてもらいます。そのうえで、任意後見や家族信託が間に合うかを見極めます。すでに判断できないなら、家庭裁判所への後見の申立てから始まります。

認知症と診断されても、売るときに親が内容を理解して決められれば、親本人が売れます。診断名だけでは決まりません。認知症の親の家を誰がどの順番で売るかを親の状態に当てはめれば、最初に相談する先も決まります。

名義を先に子へ移したい場合も、贈与や売買の契約には親の判断能力が要ります。判断できなくなった後は、成年後見人がついても子への贈与は原則認められません。認知症になった後に名義を移せるかと相続登記の扱いを押さえたうえで、名義を親のままにして選べる手を比べましょう。

実家は売る?残す?戻る見込みがなければ売り、戻れるうちは残して管理

親が戻る見込みと施設の費用の充て方で、売る・貸す・空き家のまま管理・期間を決めて貸すに分かれる判断フロー

戻る見込みが低ければ費用の充て方で売るか貸すかを比べ、売るなら3,000万円特別控除の期限(2026年に入所なら2029年12月31日)を確かめる(出典: e-Gov法令検索「民法」・国土交通省・国税庁 No.3302を基に当社作成)

親が戻る見込みがなく、施設の費用にまとまったお金が要るなら売り、戻る時期が読めないうちは空き家のまま管理します。戻る時期の目安が立つなら、その時期までの期間を決めて貸します。家族が住むなら費用と期間を取り決めてから住み、傷みが進んで使う予定がないなら解体も比べます。

どの手を選んでも、名義人の親が決めます。親が判断できなければ、成年後見人が手続きします。

5つの選択肢が向く条件と、先に確かめること

選択肢向く条件先に確かめること詳しい記事
売る親が戻る見込みが低い・施設の費用にまとまったお金が要る親が判断できるか・売るときの税の特例の期限施設に入った親の家の売却
貸す戻る時期の目安が立つ・月々の費用を家賃で補いたい・直さずに貸せる状態貸す期間を親が戻る時期に合わせられるか・修繕と管理を誰が担うか施設に入った親の家の賃貸
家族が住む住みたい子や兄弟がいる親の同意・家賃の有無・費用の分担を書面にする施設に入った親の家に住む
空き家のまま置く戻る時期が読めない・売るか決めるまで時間がほしい見回りの担当と頻度・固定資産税を誰が払うかこの記事の次の章
解体する傷みが大きく、使う予定がない翌年度の土地の税・親が判断できなければ家庭裁判所の許可施設に入った親の家の解体

※ 表は横にスクロールできます。

表の出典: 民法・国土交通省の空家法改正の概要と各記事の内容をもとに当社作成

迷ったら、親が戻る見込みを最初に確かめましょう。戻る見込みが低いと分かってから、売るか貸すかを比べれば十分です。親が売りたくないと話しているうちは、急いで売る必要はありません。

たとえば特別養護老人ホームに入って、戻る見込みが低いとします。月々の支払いを親の預金で補っているなら、「売る」と「貸す」を比べます。リハビリのための入所で戻る時期の目安がまだ立たないなら、まずは空き家のまま管理しておく形ですね。

売るなら?親が売主になり、特例の期限までに売る

施設に入った親の家は、判断できる親が売主になれば売れます。子は委任状を受けて、査定や打ち合わせを代わりに進められます。

税の面では、3,000万円特別控除の期限を押さえておきましょう。3,000万円特別控除は、住んでいた家を売ったもうけから最高3,000万円を差し引ける税の特例のこと。親が住まなくなった家で使うには、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが条件の1つです(国税庁 No.3302)。

2026年に施設へ入って実家で暮らさなくなったなら、期限は2029年12月31日です。住民票を施設に移しても、この期限は動きません。

委任状に書く範囲や、仲介と買取の違いまで含めた施設に入った親の家を売る進め方を見ておきましょう。期限から逆算して売り方を選べます。売った代金は親のお金なので、親名義の口座で受け取り、施設の費用に充てられます。

貸すなら?親が戻る見込みに合わせて期間を決める

貸主は名義人の親で、家賃は親の収入(不動産所得)になり、申告するのも親です。親が戻る見込みがあるなら、定期借家契約(期間が来ると更新せずに終わる貸し方)が合います。

定期借家は、期間が終わるまで借り手が住む貸し方です。そのため、期間は親が戻る時期に合わせて決めます。

もう一つ気をつけたいのが、貸している間も、売るときの3,000万円特別控除の期限は進むことです。貸したあとに売る可能性があるなら、期限の日付と貸す期間を並べておきましょう。親が亡くなったあとに使える特例も、貸すと要件から外れることがあります。

貸すと使えなくなる特例と家賃収入の税金は、修繕と管理を誰が担うかとあわせて先に押さえておきます。そうすると、貸すかどうかを決めやすくなりますよ。

家族が住むなら?家賃の有無と費用の分担を先に決める

子や兄弟が住むには、名義人である親の同意が要ります。家賃を払うか払わないかで、契約の形が分かれます。

住む前に、固定資産税・修繕費・光熱費を誰が払うかを決めておきます。親が戻るときと、親が亡くなったあとにどうするかも、あわせて決めておきたいところです。兄弟がいるなら書面に残しておくと、あとで言い分が食い違いにくくなります。

家賃の有無で税の扱いが変わるため、親の家に子が住むときの取り決めと税の扱いで、住み始める前に確かめておきましょう。

施設の費用に実家を充てるなら、売るか貸すか?

入居一時金などまとまった額を早く用意したいなら売って一度に充て、月々の不足を補いたいなら貸して家賃で充てます。

売る場合は、代金を親名義の口座で受け取り、親の施設の費用に使います。貸す場合は、家賃が入り始めるまでに修繕費や入居者を探す期間がかかりますよね。家賃は親の不動産所得として申告が要るため、手取りは家賃の額より少なくなる点も見込んでおきましょう。

施設の費用は施設ごとに違うため、月々にいくら足りないかは、ケアマネジャーや施設の窓口で確かめた額を使います。そのうえで家賃の手取りと売った手取りの並べ方に当てはめると、どちらが親の暮らしに合うかが見えてきます。

空き家のまま置くと何がかかる?固定資産税と見回りの手間が続き、勧告で土地の税が上がる

空き家のまま置くと、親に課税される固定資産税・火災保険料・光熱費の基本料金と、見回りに通う手間がかかり続けます。管理が行き届かず市区町村から管理不全空家として勧告を受けると、土地の固定資産税を軽くしている住宅用地の特例が外れます。

住宅用地の特例は、住宅が建つ土地の固定資産税を1/6等に減らす仕組みです。管理不全空家等は、放っておくと特定空家等になるおそれがある空き家のことです。特定空家等は、倒れるなどのおそれがあり、市区町村が手を打つ空き家を指します。

国土交通省の資料にも、次のように書かれています。「勧告を受けた管理不全空家は、固定資産税の住宅用地特例(1/6等に減額)を解除」。空き家のまま置くこと自体は選べますが、見回りを続けることが前提なんです。

「置く」を選ぶなら、前の章の見回りの担当と頻度を先に決めておきましょう。維持費の項目ごとの金額の目安は、空き家を持ち続けるとかかる費用の内訳で家計に当てはめられます。

空き家を持つ世帯がこの先どうするつもりかも、調査に表れています。国土交通省の令和6年空き家所有者実態調査では、使う予定のない空き家を持つ世帯の約4割が、このまま空き家で持ち続けるつもりでした。

同じ調査の報告書では、管理の頻度が高い世帯ほど、調査の時点で空き家でなくなっていた割合が高くなっています。「ほぼ毎日」の世帯で約26%、「数年に1回」で約11%です。

これは調査で見られた傾向で、通えば空き家が片づくという因果までは示していません。それでも、置くと決めたなら通う回数を決めて関わり続けることが、次に売るか貸すかを考える材料になります。

解体するなら、何を先に確かめる?翌年度の固定資産税と登記

解体を決めるのも、名義人の親です。子が業者と契約するなら、親の同意と委任状が要ります。親が判断できないときは、成年後見人が家庭裁判所の許可を得てから解体します。

解体して次の1月1日に建物がなければ、翌年度から住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が上がります。建物を取り壊したら、1か月以内に滅失登記(建物がなくなったことを登記する手続き)も必要です(不動産登記法57条)。

解体費を払う前に、親が施設にいるときの解体の決め方と税の変わり方を見ておきましょう。建物があるまま売る場合とも、同じ条件で比べられます。家の傷みが大きくても、壊すかどうかは翌年度の税まで含めて決めましょう。

家族で実家をどう決める?親の気持ちを先に聞いてから兄弟で話す順番

相続前に手を打った世帯23.0%のうち親との話し合いが16.7%で最多と示す棒グラフと、話し合う4つの順番

相続前の備えは親との話し合いが16.7%で最も多く、何もしなかった空き家はそのまま持ち続けられる割合が約1.5倍(出典: 国土交通省 令和6年空き家所有者実態調査)

親が判断できるうちに、戻りたいか・家をどうしたいかを先に親に聞きます。そのあと兄弟で、費用の分担と手続きの窓口役を決めます。決めるのは名義人の親で、兄弟の同意は法律上の要件ではありません。それでも費用の負担と窓口を書き残すと、売る・貸すの手続きが止まりにくくなります。

  1. 親の意向を聞く:戻りたいか、家をどうしたいか、家に残したい物は何かを聞きます。
  2. 親の判断能力を確かめる:物忘れが出始めているなら、主治医と司法書士に相談します。
  3. 条件に当てはめて選択肢を絞る:戻る見込み・施設の費用・家の傷みで5つの選択肢を比べ、相談する相手を1つ決めます。手放すと決めたら、片付けから引き渡しまでの実家じまいの段取りに沿って進めます。
  4. 兄弟で分担と窓口を決めて書き残す:固定資産税と見回りの費用を誰が持つか、不動産会社や司法書士とのやり取りを誰が担うかを決め、メールなどで共有します。

親と話しておくことは、相続前の準備として最も多くとられた方法です。国土交通省の令和6年空き家所有者実態調査では、相続前に手を打っていた世帯は23.0%でした。いちばん多かったのは亡くなった親(被相続人)との話し合いで16.7%、後見制度や家族信託を使った世帯は1.3%です。

一方で、相続前に何もしなかった空き家は、手を打った空き家の約1.5倍の割合で、そのまま空き家として持ち続けられていました。ここでいう「そのまま」は、売る・貸す・住む・解体するつもりがない状態です。因果まで示す数字ではないものの、相続前に手を打っておいた家は空き家のまま残りにくい傾向が見られます。

⇒ 親が判断できるうちに、1回目の話し合いを持っておきましょう。

当社の見解:確かめる順番は「戻る見込み → 判断できるうちか → 費用と傷み」

当社がおすすめしている順番は、親が戻る見込み、親が判断できるうちかどうか、施設の費用と家の傷み、の順です。この順で確かめると、売るか残すかを家族の都合だけで急がずに決められるからです。判断できなくなると成年後見人と家庭裁判所の許可が要るので、2番目は早めに確かめておきたいんです。

実家を手放す話は、親にとっても子にとっても気持ちの整理が要るものです。親が帰りたいと話しているうちは、空き家のまま管理するか、期間を決めて貸す手を残しておきましょう。売るかどうかは、親の気持ちが固まってから決めても間に合います。

遠方から実家に通う回数を減らして売りたい家族に、買取くんは合う?

遠方から通う回数を減らして売りたい家族には、買取くんが合います。広告を出さず、内覧の立ち会いも基本的に要らないためです。売ると決めたら、価格に加えて家族が実家に通う回数で売り方を比べましょう。片付け・内覧の立ち会い・近所への説明は、遠方に住む家族が実家へ通って担うことになるからです。

仲介は、広告やポータルサイトで買い手を探す売り方です。内覧のたびに実家を開けて立ち会い、引き渡しの前に家財の撤去と清掃をすることが多くなります。そのぶん、時間をかければ相場に近い価格を狙えます。不動産会社が直接買い取る仕組みと価格の決まり方を知っておくと、仲介と並べて比べやすくなります。

買取くんは当社が家を直接買い取るため、広告やポータルサイトに物件を載せません。物件情報が出回らないので近所や知人に知られにくく、内覧の立ち会いも基本的に要りません。

家具・生活用品・遺品が残った今のままで引き渡せ、大切な物だけ先に運び出すこともできます。遠方に住み、現地に行けないまま売却成立まで進めたお客様もいます。

ただし、買取価格は仲介で時間をかけて売る場合の相場より低くなることがあります。売主は名義人の親で、親が判断できないときは成年後見人が家庭裁判所の許可を得て売ります。契約と決済、本人確認は買取でも省けません。

買取くんが向いているのは、たとえば次のような家族です。

  • 実家から遠くに住み、片付けや内覧のために何度も通うのが難しい
  • 家財が残ったままの実家を、そのまま売りたい
  • 近所に知られにくい形で売りたい

反対に、時間に余裕があり、状態の良い人気エリアの家を少しでも高く売りたいなら、仲介で売るほうが希望に近づきます。

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親が施設に入ったら実家についてよくある質問

親が施設に入ったら、実家の名義はどうなる?

名義は親のままで、子へ移すには親の判断と意思が要ります。親が亡くなったあとは、相続で家を受け継いだと知った日から3年以内に、相続登記を申請する義務があります(法務省)。

施設に入った親の家は、しばらく空き家のままにしておいてもいい?

置いておけますが、固定資産税は1月1日時点の所有者である親に課税され続け、見回りも要ります。管理が行き届かず管理不全空家として勧告を受けると、土地の住宅用地の特例が外れます。

施設の費用に実家を充てられる?

充てられます。実家は親の財産なので、売った代金や家賃は親のお金として施設の費用に使えます。代金や家賃は親名義の口座で受け取り、子のお金と分けて管理しましょう。

実家のことで兄弟の意見が分かれたらどうする?

決めるのは名義人の親なので、まず親の意向を聞きます。そのうえで費用の分担と手続きの窓口役を兄弟で決め、メールなどで書き残します。

近所に知られずに実家を売ることはできる?

買取くんは広告やポータルサイトに物件を載せないため、近所や知人に知られにくい売り方です。相談のときに希望をお伝えいただければ、当社で配慮します。

まとめ

親が施設に入ったら、戻る見込みがなく施設の費用にまとまったお金が要るなら実家を売り、戻る時期が読めないうちは空き家のまま管理します。戻る時期の目安が立つなら、期間を決めて貸しましょう。実家の名義は親のままなので、売る・貸す・解体するには親本人の意思が要り、判断できなければ成年後見人と家庭裁判所の許可が要ります。空き家のまま置くなら、見回りを続けることが条件です。

次の帰省では、名義と郵便物・火災保険を確かめます。親が判断できるうちに親の気持ちを聞いてから、兄弟で分担と窓口を決めましょう。

買取くんは、地方の物件も含めて全国から相談を受け付けています。実家が遠方にあり、売るか決める前に今の状況を相談したい家族に向いています。

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監修

株式会社リアテクス 執行役員 鶴野博之

鶴野 博之

株式会社リアテクス 執行役員

宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸経営管理士/FP2級

一棟投資物件専門の仲介会社で不動産業界に参入後、前職では「訳あり・瑕疵物件」に特化したコンサルティングプログラム責任者として600名以上の投資家の購入から売却までに携わる。自身も再建築不可物件を中心に訳あり物件へ投資し、転売売買から保有物件まで数々の実績を持つ。