親が亡くなって実家が空き家になると、片付け、名義変更、兄弟との話し合いが一度に目の前に並びます。親から相続した空き家は、相続を知ってから3か月以内に相続するか放棄するかを決め、相続するなら兄弟で分け方を決めて3年以内に相続登記で名義を変える順番です。片付けを先に進めてよいか、兄弟での分け方、相続した後の手放し方まで、期限の順に確かめていきましょう。
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空き家を相続したら最初に何を決める?単純承認・限定承認・放棄と期限

期限は手続きごとに数え始める日が違い、最初に来るのが3か月の相続か放棄かの判断(出典: 民法915条・921条、裁判所、国税庁、法務省を基に当社作成)
空き家を相続したら、最初に単純承認・限定承認・相続放棄のどれにするかを決めます。単純承認は家も借金もすべて引き継ぐ方法、限定承認は受け取った財産の範囲で借金を返す方法、相続放棄は何も引き継がない方法です。限定承認と放棄は、相続人になったと知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申し出ます(裁判所「相続の放棄の申述」)。
相続のあとに続く期限は、数え始める日がそれぞれ違います。
| 手続き | 期限(数え始める日) | 窓口・費用 |
|---|---|---|
| 相続放棄・限定承認 | 相続人になったと知った時から3か月 | 亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所(放棄は1人につき収入印紙800円+郵便切手) |
| 相続税の申告(遺産が基礎控除を超える場合のみ) | 死亡を知った日の翌日から10か月(1月6日死亡なら11月6日) | 亡くなった人の住所地の税務署 |
| 相続登記(名義変更) | 相続と家の取得を知った日から3年 | 法務局(登録免許税は評価額の1000分の4) |
| 相続空き家の特例を使って売る | 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日(特例は令和9年12月31日までの売却が対象) | 税務署 |
出典: 民法915条・裁判所・国税庁 No.4205・法務省・国税庁 No.7191・国税庁 No.3306
最初の3か月で、相続するか放棄するかを決める
3か月は、自分のために相続が始まったと知った時から数えます(民法915条1項)。期間内なら決める前に財産を調べられ、調べる時間が足りなければ、相続人などの利害関係人が家庭裁判所に請求して期間を延ばせます(同条1項ただし書・2項)。
何もしないまま3か月が過ぎると、単純承認をしたものとみなされ、借金も含めて引き継ぎます(民法921条2号)。親の借入金や保証がはっきりしないうちは、通帳や郵便物で借金を先に調べます。
片付けや売却を先に進めると放棄できなくなるのはなぜ?
相続財産を処分すると、単純承認をしたものとみなされるためです(民法921条1号。家を傷ませないための保存行為は除かれます)。家財を売る・捨てる、家の売買契約を結ぶといった作業は、この「処分」に当たるおそれがあります。放棄を考えているうちは、家財の処分や売買契約を判断の後に回してください。迷う作業は、司法書士や弁護士への確認が先です。
当社では、3か月の判断を、家財の片付けより先に済ませる順番をおすすめしています。売ると決める前の査定・相談だけでもお受けしているので、価格を判断材料にし、売買契約は判断の後に結べます。
相続放棄を選ぶのはどんなとき?全財産を手放す判断の目安
相続放棄が向くのは、借金などの負債が、家や預貯金を合わせた財産より多いときです。放棄をした人は初めから相続人でなかったものとみなされるため(民法939条)、空き家だけを選んで手放すことはできず、預貯金も受け取れなくなります。
申し出る家庭裁判所と費用は、上の期限一覧表のとおりです。
家だけ要らないなら、相続したうえで手放し方を選ぶ
親に借入金があり、家と預金を合わせても返しきれない場合は、放棄を検討する場面です。一方で、借金はなく、家は要らないが預金は受け取りたい場合に放棄を選ぶと、預金まで手放すことになります。
この場合は相続したうえで、売る・持ち続ける・解体して土地を国に引き取ってもらうのどれにするかを、後の章で比べる流れです。
放棄しても、家を管理している人には保存の義務が残る
放棄をした人でも、放棄の時に家を現に占有していれば、家を保存する義務が残ります。ほかの相続人か相続財産の清算人に引き渡すまで、自分の財産と同じ注意で保存しなければなりません(民法940条1項)。「現に占有」は家を実際に自分の支配下に置いている状態で、当てはまるかは事情で変わります。
放棄をしても、空き家の管理から外れるとは限りません。引き渡しまでにすることや清算人を立てる手続きは、相続放棄の後に残る管理義務の解説で順を追って説明しています。
兄弟で相続したらどう分ける?共有名義を避ける分け方

住み続けたい兄弟がいれば代償分割、誰も住まなければ換価分割が分かれ目の目安(出典: 民法898条・251条・907条、国税庁 No.4173、裁判所を基に当社作成)
兄弟で相続した空き家は、1人が引き継いでお金で調整するか、売って代金を分けると共有名義を避けられます。相続人全員で遺産の分け方を決める話し合い(遺産分割協議)がまとまるまで、家は相続人全員の共有です(民法898条)。
共有名義のままだと、家全体を売るにも全員の同意が要る
共有持分とは、共有の家に対して各相続人が持つ割合のことです。法律で決まる相続分が、そのまま共有持分になります(民法898条2項)。共有者は、ほかの共有者の同意なしに共有の家へ変更を加えられません(民法251条1項)。家全体を売ったり建て替えたりするには、共有者全員がそろう必要があります。
兄弟3人の共有で1人が反対すると、残る2人では家全体を売れません。すでに共有名義なら、共有持分だけを売る方法もあり、自分の持分だけならほかの共有者の同意は要りません。当社は、売る可能性がある家ほど、協議の段階で名義を1人にまとめるか売って分けるべきだと考えています。
1人が引き継ぐか、売って分けるか(分け方の比較)
| 分け方 | 家の名義 | お金のやり取り | 向く場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 共有のまま | 兄弟全員 | なし | 分け方を決められないとき | 家全体の売却や建て替えに全員の同意が要る |
| 1人が家、ほかの兄弟は預金など(現物分割) | 1人 | なし | 家以外に見合う財産があるとき | 家とほかの財産の釣り合いを合意する |
| 1人が家を引き継ぎ代償金を払う(代償分割) | 1人 | 家を取る人がほかの兄弟へ払う | 家に住み続けたい兄弟がいるとき | 代償金を払う資金が要る |
| 家を売って代金を分ける(換価分割) | 売る前に相続登記をする | 売却代金を分ける | 誰も住む予定がないとき | 価格と時期を全員で合意する |
出典: 民法898条・251条(前掲)・国税庁 No.4173・法務省
代償分割は、家を取得した人がほかの相続人に支払いの義務を負う分け方です(国税庁 No.4173)。兄弟3人で実家と預金を相続した場合、1人が住み続けたいなら代償分割、誰も住まないなら換価分割が候補になります。どちらも、遺産分割協議で全員が合意して初めて成立します。
話し合いがまとまらないときは家庭裁判所の遺産分割調停へ
協議ができないときは、各相続人が家庭裁判所に分割を請求できます(民法907条2項)。遺産分割調停は、相続人の1人または何人かがほかの相続人全員を相手方として、相手方のうち1人の住所地か、当事者が合意で決めた家庭裁判所に申し立てます。
費用は亡くなった人1人につき収入印紙1,200円と郵便切手で、調停で話がまとまらなければ自動的に審判の手続きへ移ります(裁判所「遺産分割調停」)。
\ 名義が親のままでも相談できる /
売って分けると決めたら、名義変更(相続登記)は売却の話が具体的に進んでから並行して進められます。必要に応じて提携の司法書士とも連携してご案内します。
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相続登記はいつまでに必要?3年の期限と10万円以下の過料

分け方が決まるまでは相続人申告登記で期限を守り、売ると決めたら相続登記へ進む(出典: 法務省、国税庁 No.7191を基に当社作成)
相続した空き家の名義変更(相続登記)は、相続が始まったことと家を取得したことを知った日から3年以内に申請します。正当な理由なく申請しないと10万円以下の過料の対象になります。この相続登記の義務化(相続登記の申請を法律で義務にした仕組み)は令和6年4月1日に始まりました(法務省「相続登記の申請義務化について」)。
法務省は、所有者不明土地の発生原因の約3分の2が相続登記の未了だとしています(同ページ)。名義を親のまま残すと次の世代が所有者を探す手間まで引き継ぐおそれがあるため、当社は売る予定がない家でも、期限内に名義を変えておくことをおすすめしています。
令和6年4月より前に相続した家の期限は令和9年3月31日
義務が始まる前に開始した相続でも、相続登記をしていなければ対象です。期限は令和9年3月31日までで、相続で家を取得したと知った日が令和6年4月以降なら、その日から3年以内です(前掲・法務省)。
何年も前に父が亡くなり、実家の名義が父のままになっている場合は、令和9年3月31日が期限になります。
分け方が決まらないときは相続人申告登記で義務を果たせる
相続人申告登記は、3年以内に相続登記を申請するのが難しいときに、簡単な手続きで申請義務を果たせる仕組みです。相続人の1人が単独で、戸籍の証明書などを付けて法務局に申し出られます(法務省)。
| 比べる点 | 相続登記 | 相続人申告登記 |
|---|---|---|
| 3年以内の申請義務 | 果たせる | 果たせる |
| 登録免許税 | 評価額の1000分の4 | かからない |
| 家を売れるか | 売れる | この登記だけでは売れない |
| 遺産分割が成立した後の登記義務 | 果たせる | 果たせない |
家を売るときは、申告登記とは別に相続登記が要ります。話し合いが長引く間は申告登記で期限を守り、売ると決めた時点で相続登記へ進む段取りが合います。
相続登記の登録免許税は固定資産税の評価額の0.4%
相続登記にかかる国の税金(登録免許税)は、固定資産課税台帳に登録された価格を原則とする不動産の価額の1000分の4です(国税庁 No.7191)。
評価額が1,000万円の家と土地なら4万円で、評価額は毎年届く固定資産税の納税通知書で確かめられます。価額が100万円以下の土地の相続登記は、令和9年3月31日まで登録免許税がかかりません(前掲・法務省)。
相続した空き家はその後どうする?売る・持ち続ける・解体して土地を国に引き取ってもらう
相続した空き家の行き先は、売る、持ち続ける、建物を解体して土地を国に引き取ってもらうの3つです。誰も住む予定がなく建物を残したまま手放したいなら、売る方法から確かめます。
売るなら、相続空き家の特例が使える売却期限を先に確かめる
売却益(譲渡所得)にかかる税金を軽くする相続空き家の3,000万円特別控除には、売る時期の条件があります。国税庁の案内では、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが条件の1つで、特例の対象は平成28年4月1日から令和9年12月31日までの売却です(国税庁 No.3306)。適用期限は税制改正で変わることがあるため、売る時期を決める前に国税庁の最新の案内を確かめるか、税務署や税理士に相談してください。
ほかの条件は3,000万円特別控除の条件と手続きにあり、売ると決めた後は相続した不動産を売却する手順に沿って進めます。家財や仏壇の扱い、親族の合意で手が止まっているなら、相続した実家を処分する方法が手がかりになります。
持ち続けるなら、固定資産税と維持費が毎年かかる
持ち続ける間は、固定資産税と、管理・修繕・保険などの維持費が毎年の負担です。住宅が建つ土地には、住宅用地特例(固定資産税を軽くする仕組み)があります。ただし、放置すると倒壊などのおそれがある空き家(特定空家)などとして市区町村から勧告を受けると、この特例が外れて税額が上がります。
勧告から課税が変わるまでの流れは固定資産税が上がる条件にまとめており、毎年の費用の内訳は相続した空き家にかかり続ける費用で試算できます。
国に引き取ってもらえるのは建物を解体した後の土地
相続土地国庫帰属制度は、相続した土地を一定の要件のもとで国に引き取ってもらう制度で、令和5年4月27日に始まりました(法務省)。ただし、建物がある土地は申請できません(法務省「制度の概要」)。
審査の手数料や負担金を含む条件は、相続した土地を国に引き取ってもらう条件で整理しています。解体には費用がかかるため、建物を残したまま売れる価格を先に知っておくと、解体するかどうかを比べられます。
家財が残ったままの相続した空き家は買取くんで売れる?名義変更の前から相談できる
家財が残ったままの相続した空き家は、当社の買取くんなら片付けをせず現況のまま売れます。名義変更(相続登記)は売却までに必要ですが、済んでいない段階から相談を受け、売却の話が具体化してから並行して進められます。
相続した空き家の売り先を選ぶときは、片付けを終える前の状態のまま売れるか、名義変更の前から相談できるかを確かめます。遠方の相続人ほど、片付けを終えてから売るかどうかで実家へ通う回数が変わり、名義変更の前から相談できれば兄弟の話し合いと並行して価格を確かめられます。
仲介で買い手を探す方法は、広告や内覧を経て買主が決まり、引渡しの前に家に残った家具や生活用品(残置物)を撤去・清掃する流れが一般的です。遠方の相続人には、片付けに通う負担が残ります。
買取くん(株式会社リアテクス)の買取は現況買取(家を今の状態のまま買い取る方法)で、残置物の撤去・リフォーム・クリーニングをせずにそのまま引き渡せます。大阪府堺市では、関東に住んでいて管理ができない相続した実家を、生活用品が残ったまま1,200万円で買い取りました(金額とご相談内容は実際の取引に基づきます)。名義変更が済んでいない段階のご相談にも、必要に応じて提携する30社以上の弁護士・司法書士・土地家屋調査士と連携してご案内する体制です。
ただし、放棄を考えているうちは売買契約を結ばず(民法921条1号)、兄弟で相続した家は遺産分割協議で売ると決めてから契約へ進みます。
買取の価格は、仲介で時間をかけて売る場合の相場より低くなることがあります。時間に余裕があり状態の良い人気エリアの家なら、仲介も選択肢です。全国の空き家に対応しているので、遠方に住んで実家の片付けに通えない相続人や、兄弟で売ると決めたものの家財が残っている人に向いています。
よくある質問
相続した空き家の相続登記は自分でできる?
できます。法務局は、法定相続や遺産分割による相続登記の申請書の様式を公開しており(法務局の申請書様式)、自分で申請できます。書き方に迷うときは、法務局の登記手続案内(予約制)や、司法書士・司法書士会に相談できます(法務省 FAQ)。
相続人が多く、空き家の相続の話がまとまらないときは?
相続人が極めて多く、戸籍の収集やほかの相続人の把握に多くの時間がかかる場合は、申請が遅れても過料の対象にならない「正当な理由」の例に挙げられています(前掲・法務省「相続登記の申請義務化について」)。それでも、相続人申告登記なら1人で申し出て期限を守れます。分け方の話し合い自体がまとまらないときは、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てられます。
相続した空き家にかかる税金は?
相続税の対象は、遺産の総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合だけです(国税庁 No.4152)。子2人が相続人なら、基礎控除は4,200万円です。持ち続ける間は固定資産税、売って利益が出れば譲渡所得に税金がかかり、売るときの税額は相続した不動産の売却でかかる税金で見当をつけられます。
親の名義のままでも買取くんに査定を頼める?
頼めます。当社の買取くんは、名義が亡くなった方のままでも、相続人の話がまとまっていなくても、共有名義でも相談をお受けしています。売却に必要な相続登記は、売却の話が具体的に進んでから並行して進めることも可能です。放棄を考えている場合は、放棄するかを決めてから売買契約へ進んでください。
まとめ
空き家を相続したら、3か月以内に相続するか放棄するかを決め、相続するなら兄弟で分け方を決めて3年以内に相続登記で名義を変えるのが基本の順番です。放棄は預貯金を含む全財産が対象で、家を現に占有していれば引き渡すまで保存の義務が残ります。無償で譲る方法も含めて手放し方の全体を比べるなら、空き家の定義と手放し方の全体像で費用・期限・物件の条件を比べてください。
当社の買取くんは家財を残した現況のまま空き家を買い取っており、大阪府堺市では生活用品が残った相続実家を1,200万円で買い取りました。離れて暮らし、片付けに通えない相続人に向いています。
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