「手放すとは決めたのに、結局なにも進んでいない」 「そもそも、何から手をつければいいのか分からない」
空き家を手放すときは、維持費の試算・名義の確認・片付けの要否・売却先の決定の順に進めると止まりません。最初に出すのは、持ち続けた1年分の維持費です。いらない空き家を抱えたまま動けないときも、この4段階のどこで止まっているかが分かれば次の1手が決まります。着手の順番と期限の決め方を、買取くん(株式会社リアテクス)がお伝えします。処分方法の比べ方は別の記事にまとめてあります。
\ 維持費を書き出す間に、今の値段も聞いておく /
売れずに困っている空き家でも、当社の買取くんなら査定は最短6時間で終わります。
受付時間 10:00〜19:00(水・日曜定休)
持ち続けると1年でいくらかかる?まず出す費目
空き家を持ち続ける1年分の費用は、固定資産税・管理・保険・往復の交通費の4つを足せば出ます。このうち固定資産税は、市町村が課税標準額に標準税率1.4%をかけて計算します(総務省「固定資産税の概要」)。賦課期日は1月1日で、その日に持っていた人に、その年の1年分がかかります。
つまり年の途中で手放しても、その年の分の請求は来ます。だからこそ「あと何年払うか」を先に決めたいわけなんです。
4つの費目の年額は、どの書類を見れば分かるか
相場を調べる必要はありません。皆様の手元にある書類に、もう数字が書いてあるからです。
——固定資産税(+都市計画税):毎年届く納税通知書の、課税標準額と税額の欄に書いてあります。都市計画税がある市町村では、同じ通知書に併記されています。 ——管理(委託料):管理を委託しているなら、委託先の見積書や請求書に書かれた年額です。 ——火災保険・地震保険:保険証券に書かれた年間保険料です。 ——往復の交通費:1回分の実費に、1年に何回通ったかをかけた額です。
書き写すだけなので、通知書と保険証券が手元にあればその場で済みます。空き家の固定資産税がそもそもいくらぐらいになるのか、軽減の仕組みでどこまで下がるのかといった相場感は空き家の固定資産税の仕組みと軽減制度にまとめてあります。書き写した数字が高いのか安いのか気になったら、後から見比べれば足ります。ここでは、自分の通知書のどの欄を書き写すかが決まれば十分です。
管理費をゼロのままにしておくと、庭木が隣地へ伸びたり郵便物があふれたりして、近所からの連絡のほうが先に来ます。管理が行き届かない空き家は管理不全空家等、傷みが進んで危険な状態の空き家は特定空家等と呼ばれ、市町村の指導や勧告の対象になります。その判断の基準は国土交通省のガイドラインで示されていますので、放置したときに何が起きるかも合わせて見たうえで、管理費を削るかどうかを決めてみてください。
4つを1枚に書き出すと、持ち続ける1年分が1つの数字になる
書き写す先は、次の表で十分です。
| 費目 | どこを見るか | 年額の出し方 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|---|
| 固定資産税(+都市計画税) | 納税通知書の税額欄 | 年税額をそのまま書き写す | 1月1日時点の所有者に1年分 |
| 管理(委託料) | 委託先の見積書・請求書 | 月額なら12倍する | 電気・水道の基本料金 |
| 火災保険・地震保険 | 保険証券の年間保険料 | 複数年契約は年数で割る | 総額のまま書き写しやすい |
| 往復の交通費 | 交通費の実費 | 1回分×1年の往復回数 | 高速代・ガソリン代 |
空き家の年間コスト試算シート(データ出典: 総務省「固定資産税の概要」と、手元の納税通知書・保険証券・委託の見積を当社が費目ごとに割り当てて作成)
計算の中身を確かめたいときは、課税標準額に1.4%を掛けます。課税標準額が500万円なら、500万円×1.4%で7万円です。1.4%は標準の税率なので、表には通知書の税額欄の数字を書き写してください。毎年4〜5月に封筒が届いたら、その場で書き写しておくと翌年に探し直さずに済みます。
もう1つ見落としやすいのが住宅用地特例です。住宅が建っている土地は、固定資産税の課税標準額が低く抑えられています。住宅用地特例とは、この住宅の敷地に対する軽減のことです。空き家は行政から勧告を受けるとこの扱いが変わる場合があるため、勧告を受けた後に固定資産税がどう変わるかを先に押さえておくと安心です。
ここで出した数字は、あくまで持ち続ける側の年額です。手放す側で出ていくお金が解体や登記まで含めていくらになるかは、空き家の処分費用の内訳に経路別の負担者まで整理してあります。持ち続ける年額と手放す費用が並ぶと、判断が一気に楽になります。
いつまでに手放す?相続から3年が最初の区切り
年額が出たら、次は「あと何年払うか」です。相続した空き家なら、自分で決める前に制度側の区切りが2つあります。
1つは相続登記です。相続登記の義務化とは、相続した不動産の名義を期限内に書き換えることが義務になった決まりです。申請の期限は、不動産を相続で取得したと知った日から3年以内です(法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」)。起点は亡くなった日ではなく、自分が取得を知った日になります。
もう1つは、相続空き家の3,000万円特別控除を使って売るときの期限です。相続空き家の3,000万円特別控除とは、相続した家やその敷地を売ったときに、売却で出た利益にかかる税金を軽くできる特例のことです。この特例を使うには、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要があります(国税庁 No.3306)。ただし、この特例そのものにも使える期間が法律で決まっていて、相続した時期によっては3年後の12月31日を待たずに締め切られます。使える期間と、建物の建築時期などの条件は相続空き家の3,000万円特別控除の条件で確かめてみてください。判断に迷うときは税理士にご相談ください。
相続を知ったのが5月なら、相続登記は3年後の5月まで、特例を使う売却は遅くとも3年後の12月31日までになります。この2つの日付を比べると、先に来るのは登記のほうです。特例が使える期間のほうが先に終わることもありますので、そこも合わせて手帳に書き込むと、「いつか」だった予定が日付に変わります。
⇒ 1年分の年額と、2つの3年。この3つが出た時点で、あと何年払うかを自分で決められます。
名義が親のままでも査定は頼める——契約までに相続登記を終える

査定は名義が親のままで先に進め、登記は契約までに終える段取りを整理(相続登記の義務化=法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」。段取りの整理は当社作成)
名義が親のままでも査定は頼めますが、買主へ名義を移すには先に相続登記を終えておく必要があります。相続した人が売主になるため、登記が終わるまでは所有権の移転登記へ進めないからです。実務では売買契約までに登記を済ませておくと、引き渡しの日程まで組みやすくなります。
査定の依頼は、名義が親のままでもできる
査定は、物件の所在・面積・建物の状態・周辺の取引といった情報で行います。誰の名義かは金額そのものに影響しませんので、登記の完了を待たずに依頼できます。
先に金額が分かっていると、兄弟で話すときの材料になります。値段が付かないだろうという前提のまま話し合っても結論は出ませんが、査定額が1つあれば、分ける・分けないの話を数字の上でできるようになります。
なお、そもそも相続するかどうかで迷っている段階なら順番が変わります。放棄を選べる期間には限りがありますので、可否と期限は空き家の相続放棄を先に見てから決めてください。この記事は、すでに相続した後の進め方としてお伝えしています。
相続人が複数なら、先に決めるのは「誰が売主になるか」
誰が売主になるかを先に決めます。共有持分とは、1つの不動産を複数人で持ち合うときの各自の取り分のことで、共有のまま売ろうとすると全員の署名と押印が必要になります。
たとえば相続人が3人いて、そのうち1人が遠方に住んでいる場合。書類を1通ずつ郵送して回すだけでも日数がかかりますし、1人でも連絡がつかなくなると手続きはそこで止まります。共有のまま進めると、止まるきっかけが人数分だけ増えます。
遺産分割の話し合いで1人が取得すると決めておけば、その後の手続きは1人分で済みます。売却代金の分け方も、この話し合いのときに一緒に決めておくと後で揉めません。分け方によって税の扱いが変わることもありますので、税理士か司法書士に確かめてみてください。経路を比べるより先に、ここを決めてしまうほうが早く終わります。
登記はいつ始める?査定と並行して進めても間に合う
査定を依頼した日に、登記の準備も始めてしまうのが実務的です。戸籍謄本や住民票の除票を集める時間は読みにくく、本籍地が遠方だと郵送での取り寄せになり、その分だけ日数がかかるためです。
当社には売買による所有権移転登記の段取りを担当する専任チームがあり、申請そのものは提携する司法書士と一緒に進められます。査定と登記を別々の会社に頼むと、どちらの進み具合も自分で管理することになりますが、同じ窓口でまとめると「登記が終わったら契約」という段取りを組みやすくなります。
必要書類の一覧や申請の流れそのものは相続登記の進め方が扱っていますので、自分で申請するつもりなら先にそちらで全体量を見ておいてください。
家財が残っていても手放せる?片付けが要る場合と要らない場合

片付けの要否は渡す相手で決まり、現況買取なら持ち出す物を決めるだけで進められる(仲介と現況買取の比較は当社作成、事例は当社の買取実績に基づく)
家財が残っていても手放せますが、片付けの要否は渡す相手が個人の買主か買取会社かで変わります。残置物とは、家に残された家具や生活用品のことです。現況買取とは、それを片付けないまま買い取ることをいいます。どちらの相手に渡すかで、片付けに使う時間とお金が大きく変わります。
渡す相手で変わる、片付けの前提
仲介で個人の買主へ引き渡す場合は、原則として家の中を空にした状態が求められます。買主はそのまま住むか貸すかを考えていますので、前の持ち主の生活用品が残っていれば、引き渡し後に自分で処分することになるためです。
一方、買取会社が現況のまま買い取る場合は、残したまま渡せることがあります。買い取る側がリフォームや解体を前提にしていれば、家財の撤去も含めて買主側で段取りするからです。
同じ家でも、渡す相手が変われば「まず片付ける」が前提ではなくなります。片付けの見積を取る前に、どちらの相手に渡すつもりなのかを決めてみてください。
持ち出すものだけ決めれば、片付けで止まらない
全部を仕分けようとするから止まります。持ち出すものだけを決めれば、残りは渡す相手の判断に委ねられます。
当社の買取実績にも、大阪府堺市で相続した実家を、生活用品が残ったまま1,200万円で買い取った例があります。この方は思い入れのある家具だけを回収し、残りの生活用品はそのままにして引き渡されました。片付けを全部終えてから売る、という順番を取らずに済んだ例です。
外注して全部を撤去する道もありますが、その場合は費用が先に出ていきます。残したまま渡す場合も、撤去にかかる費用は買取価格に反映されます。撤去費用の目安は残置物の処分費用にまとまっていますので、自腹で片付けてから売るのか、そのまま渡すのかを金額で比べてから決めるのが安全です。
\ 片付けの前に、残したままで確かめる /
他社で断られた物件でも、投資家を常時300名以上抱える当社なら現金化できる可能性があります。
受付時間 10:00〜19:00(水・日曜定休)
売却先を比べるのは、維持費・名義・家財が埋まってから

いちばん手前の「まだ」が、今日連絡する相手を決める(当社の公式サイト掲載のご相談内容を当社の基準で4段階に整理して作成)
売却先を比べるのは、維持費の年額・名義・家財の扱いの3つが決まってからで間に合います。この3つが空いたままだと、どの相手に聞いても物件の状況次第という答えしか返ってこず、条件がそろわないまま比較だけが続いてしまうためです。
止まっている段階は、埋まっていない書類でわかる
いま自分がどこで止まっているかは、手元にどの書類が無いかで見分けられます。
| 段階 | 止まる理由 | 確かめる相手・書類 | 外れたと言える状態 |
|---|---|---|---|
| 1 維持費の試算 | 年額を見たことがない | 納税通知書・保険証券 | 1年分が1つの数字になる |
| 2 名義の確認 | 親名義で何ができるか不明 | 登記事項証明書・司法書士 | 売主が1人に決まる |
| 3 片付けの要否 | 全部出さないと売れないと思う | 渡す相手(買主か買取会社か) | 持ち出す物だけ決まる |
| 4 売却先の決定 | 経路が多くて比べられない | 査定した会社・自治体の窓口 | 今の金額が1つ手元にある |
手放す決断が止まる4段階と外し方(データ出所: 当社の公式サイトに掲載しているご相談内容。当社の基準で4段階へ整理して作成)
当社の公式サイトに掲載しているご相談には、こんな内容が並んでいます。物件が遠く自分では住めない、駅から遠い、市街化調整区域で何年も買い手がつかない。こうした内容は段階4に当てはまります。衣類や生活用品が残っていて一人では片付けられないという内容は段階3、木の枝が隣地へ伸びてどうしたらよいかという内容は段階1です。段階4に見えるご相談でも、名義や片付けが決まっていなければ、1つ手前に戻って空欄を埋めるほうが早く進みます。
経路を比べる前に、今の金額を1つ持っておく
経路ごとの手取りは、物件の値段が分からないと比べようがありません。仲介なら高く売れる可能性がある一方で買い手を待つ時間が要りますし、買取なら早く終わる代わりに市場価格より低くなることもあります。この違いは、金額という同じ基準があって初めて比べられます。
無料査定を1つ取っておくと、比較表の1マスが埋まります。金額が分かれば、仲介で時間をかけて買い手を待つか、今すぐ終わらせるかを自分で決められるようになります。
ここまでの3つが埋まって、いよいよ経路そのものを選ぶ段階に来たら、空き家を処分する6つの方法をご覧ください。受け取れる金額・かかる費用・期間・自分で動く作業の4つで横並びに比べた表があります。
最初に連絡するのは、自治体の窓口・司法書士・買取会社のどれか
相談先は、いま止まっている段階で決まります。名義で止まっているなら司法書士、税の特例を使えるかどうかなら税理士、値段が分からないなら買取会社、補助制度や空き家バンクの有無なら自治体の空き家担当課です。
迷ったら、いちばん手前で止まっている段階の相手に連絡します。名義が決まっていないのに査定だけ増やしても、契約に進めないまま時間が過ぎてしまうためです。
すでに仲介へ出していて反応が無いという場合は、相談先より先に原因の切り分けが要ります。価格・立地・状態のどれで止まっているのかは、空き家が売れない原因の見分け方で確かめてみてください。
⇒ 4段階のうち、いちばん手前の空欄を埋める相手が、今日連絡する先になります。
よくある質問
空き家を手放したいのに買い手がつかないときは、何から見直せばよいですか?
値段を下げる前に、渡す相手を見直します。個人の買主を待つ仲介だけを続けていると、内見が入らないまま時間だけが過ぎることがあります。現況のまま買い取る会社にも並行して当たると、同じ物件でも話が動く場合があります。原因そのものの切り分け方は買い手がつかない理由の切り分けで解説していますので、価格・立地・状態のどれで止まっているのかを先に絞り込んでください。
遠方に住んでいても空き家を手放せますか?
手放せます。査定は物件の所在・面積・状態といった情報で進みますので、最初の段階で現地へ行く必要はありません。書類のやり取りも郵送やオンラインで済む部分が多くあります。当社は地方の物件を含めて全国に対応していますので、年に1回しか帰省できない場所でもご相談いただけます。現地での立会いが必要になる場面と回数は、物件と契約の形によって変わります。
相続した空き家を手放すのに、兄弟全員の同意は必要ですか?
共有のままなら必要です。相続人全員の共有になっている状態では、売買契約に全員の署名と押印が要ります。遺産分割で1人が取得して名義を単独にすれば、その人だけで売主になれますので、全員の同意は不要になります。同意が要るかどうかは、名義を分けたままにするか1人にまとめるかで決まる、と考えてください。
空き家を手放すまでにどのくらいの期間がかかりますか?
渡す相手によって変わります。現況のまま買い取る相手なら短く、個人の買主を待つ経路は買い手が現れる時期を読みにくくなります。経路ごとの期間の目安は、6つの経路を期間まで並べた比較で確かめられます。当社の場合は、物件の情報をいただいてから査定完了まで最短6時間以内です。
買取くんでは、家財が残ったままの空き家でも買取を依頼できますか?
依頼できます。家具や生活用品を残したままの現況買取に対応しており、他社で断られた物件や少額の物件も買い取っています。地方の物件を含めて全国に対応していますので、片付けや解体にお金をかける前に、物件の状態をそのままお伝えください。
まとめ
空き家は、維持費の試算・名義の確認・片付けの要否・売却先の決定の順に進めると、途中で止まらずに手放しきれます。この記事で決められるのは着手の順番と期限までです。経路ごとに受け取れる金額や費用、かかる期間を並べて比べる段階は、経路ごとに受け取れる金額と費用を比べるが受け持ちます。今週やることを1つに絞るなら、納税通知書を開いて4つの費目を書き写すところからです。
当社の買取くんには、年間500件以上のご相談が寄せられています。遠方で管理に通えない、家財が残ったままという条件のままでご相談いただけますので、順番の3つ目や4つ目で止まっている方に向いています。
受付時間 10:00〜19:00(水・日曜定休)

