「持っているだけで毎年お金が出ていく土地、もう手放したい」 「でも、負動産の処分は何から手をつければいいのか分からない」
負動産の処分を考えている方は、このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。負動産の処分は、1年分の維持費を出す、名義と共有者を確かめる、建物と家財の扱いを決める、手放し方を選ぶ、の4つの手順で進めます。後ろの手順ほど前の手順の答えを使うからなんです。物件の形による違いと、最初に選んだ手放し方を見切る時期までご案内します。
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負動産の処分は、進める順番と手をつける前の確認で決まる

4つの手順は前の答えを次が使う順に並び、いちばん手前の区切りが動く日を決める(出典: 総務省「固定資産税の概要」・法務省「相続登記の申請義務化について」・e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」を基に当社作成)
負動産の処分は、1年分の維持費を出す、名義と共有者を確かめる、建物と家財の扱いを決める、手放し方を選ぶ、の4つの手順で進めます。後ろの手順ほど前の手順の答えを使うので、順番を入れ替えると手戻りが出ます。土地だけの物件なら、手順3は家財ではなく建物が無いことの確認になります。
同じ負動産でも、建物のある家・土地だけ・区分マンションでは、足す費用も選べる手放し方も変わります。手順の並びは共通で、中身だけが入れ替わるとお考えください。
4つの手順と、それぞれの期限・区切り
手順の順番を決めているのは、皆様の都合ではなく制度側の区切りです。固定資産税がかかる日も相続登記の期限も仲介契約の長さも、こちらでは動かせません。
| 手順 | 期限・区切り | 区切りを過ぎると起きること | 手元で使う書類 |
|---|---|---|---|
| 手順1 維持費 | 毎年1月1日 | その年の1年分が自分に届く | 納税通知書・保険証券 |
| 手順2 名義と共有者 | 取得を知った日から3年 | 相続登記の義務を果たさない状態が続く | 登記事項証明書 |
| 手順3 建物と家財 | 手放し方を決めるまで | 払わずに済んだ片付け費が出る | 手放し方ごとの受け入れ条件 |
| 手順4 手放し方と見切り | 3か月ごとと年末 | 翌年度の税も自分にかかる | 査定書・媒介契約書 |
データ出典: 総務省「固定資産税の概要」・法務省「相続登記の申請義務化について」・e-Gov法令検索 宅地建物取引業法を基に当社作成
いちばん手前に来る区切りが、今日動く理由になります。相続の開始を知ってから日が浅い方は、表に載っていない期限がもう1つあります。相続放棄をするかどうかを決める3か月です。片付けにも売却にも手をつける前に、次の見出しをご覧ください。
手順に入る前に確かめる2つの分岐
手順に入る前に、2つだけ分岐があります。
1つ目は、自分の物件が負動産と言える状態なのか、どの手放し方が向きそうなのかを先に知りたい場合。この記事は手放すと決めた後から始まりますので、判定と経路の全体像は負動産の定義と処分5経路をご覧ください。
2つ目は、相続の開始を知ってから3か月以内で、相続放棄も選択肢に残している場合です。民法では、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは単純承認をしたものとみなされます(e-Gov法令検索 民法)。単純承認とは、相続を受け入れたものとして扱われることです。家財の運び出しや売却が、放棄という選択肢そのものを閉じてしまう場合があるんです。放棄を考えている間は、片付けにも売却にも手をつけない——これが順番の最上流に来ます。
放棄をしても、その時に現に占有していれば引き渡すまで保存する義務が残ります。誰にその役目が残るかの判定と放棄した家の処分は相続放棄した家の片付けと管理が扱っています。
手順1 物件の形ごとに、1年分の維持費を数字にする

税額は通知書の税額欄から書き写し、残りの費目は物件の形で入れ替わる(出典: 総務省「固定資産税の概要」・国土交通省 改正空家法の概要を基に当社作成)
手放すと決めたら、まず手元の書類から1年分の維持費を足し上げて、毎年いくら出ていくかを数字にします。足す費目は物件の形で変わり、土地だけなら草刈りと通う費用が中心に、区分マンションなら管理費と修繕積立金が加わります。
この数字が、後で査定額を聞いたときに「持ち続けるか手放すか」を比べる基準になります。
納税通知書のどこを見れば、年額が出るか
毎年4〜6月ごろに届く固定資産税の納税通知書には、課税明細書が同封されています。そこに土地・家屋それぞれの課税標準額と税額が載っていますので、相場を調べる必要はありません。課税標準額とは、税額を計算するもとになる金額のことで、評価額そのものとは別です。
固定資産税は、課税標準額に税率を掛けて出します。標準の税率は1.4%ですが、市町村によってちがう場合があります(総務省「固定資産税の概要」)。計算しなおさなくても、通知書の税額欄に年税額が印字されていますので、その数字を書き写せば済みます。市街化区域なら都市計画税も同じ通知書に並んでいます。
この税が1月1日時点の所有者にかかる点は、手順4の見切りどきに効いてきますので頭の隅に置いておいてください。
物件の形で、足す費目が変わる
税額を書き写したら、残りの費目を足します。ここが物件の形で入れ替わる部分です。
——建物のある家:火災保険料(保険証券)/管理委託料や草刈りの実費/現地までの往復交通費 ——土地だけ:草刈り・除草の実費/境界の草木が隣地へ伸びたときの対応費/往復交通費 ——区分マンション:管理費と修繕積立金(管理組合からの通知)/火災保険料
土地だけなら建物がないぶん安く済むかというと、そうとも限りません。住宅が建っていない土地は固定資産税の軽減が入らず、税額そのものが重く出ることがあります。区分マンションでは、税額より管理費と修繕積立金の合計のほうが大きくなることもあります。
建物のある家で管理費を削ると、別の形で跳ね返ります。管理が行き届かない空き家は、市区町村から指導や勧告を受けることがあります。勧告を受けた敷地は、住宅用地特例が外れます(国土交通省 改正空家法の概要)。住宅用地特例とは、住宅が建つ土地の固定資産税を軽くする仕組みのことです。外れると翌年度から負担が上がりますので、勧告を受けた後に固定資産税がどこまで上がるかも見てから判断してみてください。
数字を持たないまま査定だけ頼むと、その金額が高いのか安いのかを比べる相手がいません。
⇒ 物件の形に合わせて費目を足し、1年分が1つの数字になれば手順1は終わりです。
手順2 名義と共有者を確かめる
名義が亡くなった親のままでも、査定や買取の相談はその状態のまま始められます。売って名義を買主へ移す前に相続登記を済ませ、共有者がいるなら全員がそろって売主になります。
名義が親のままでも、査定と相談は先に始められる
相続登記の義務化とは、相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に、名義を変える登記の申請が求められるルールです(法務省「相続登記の申請義務化について」)。ただ、査定そのものは登記の完了を待たずに頼めます。売買契約までに間に合えば手順としては十分です。遺産分割がまとまらない段階では、相続人であることを申し出る相続人申告登記で、ひとまず義務を果たす方法もあります(売るにはあらためて相続登記が要ります)。
当社では売買による所有権移転登記を提携する司法書士が担当しますので、査定と登記を並行して進められます。手続きと費用そのものの流れは相続登記・名義変更の進め方にまとまっています。
共有者がいるなら、物件全体を売るには全員がそろう
名義は売買契約までに整えられますが、共有は全員の足並みがそろわないと先へ進めません。共有持分とは、1つの不動産を複数人で持つときの各人の取り分のことで、物件全体に変更を加えるには他の共有者の同意が要ります(e-Gov法令検索 民法 第251条)。全体を売るなら全員が売主としてそろう、と考えてください。自分の持分だけを売る方法もありますが、買い手は限られます。
共有者の1人と連絡が取れない場合も、道が閉じたわけではありません。裁判所に所在等不明共有者の持分の譲渡について裁判を求め、ほかの共有者と一緒に物件全体を売る方法が民法に用意されています。ただし、相続した不動産を遺産分割の前のまま共有している場合は、相続開始から10年を過ぎるまでこの方法は使えません。個別の事情で進め方が変わりますので、提携する司法書士や弁護士へ相談したうえで動いてください。
共有だからどうにもならないと決め込んで査定まで止めてしまうと、売れたかもしれない物件が毎年の税金だけを生み続けます。
⇒ 誰が売主になるかが決まれば、名義の書き換えは契約までに間に合わせれば大丈夫です。
手順3 建物と家財を残したまま出せるかは、選ぶ手放し方で決まる

家財と建物を残したまま進める方法ほど右上に寄り、お金の向きも手放し方で変わる(出典: 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」・新潟市「土地の寄附について」・当社の買取条件を基に当社作成)
片付けや解体を先にやるかどうかは、物件の形ではなく、選ぶ手放し方の受け入れ条件で決まります。土地だけなら国に引き取ってもらう制度や自治体への寄付も候補に入りますし、建物のある家なら買取で家財ごと出せる場合があります。
手放し方ごとに違う、建物と家財の扱い
先に用語を3つ。残置物とは、売り主が建物に残していく家具や生活用品のことです。現況買取とは、片付けや修繕をせず今の状態で買い取ることです。相続土地国庫帰属制度とは、相続などで取得した土地を、要件を満たせば国に引き取ってもらえる制度です。
| 手放し方 | 家財を残したまま出せるか | 建物があるまま進められるか | 売主のお金の向き |
|---|---|---|---|
| 仲介で売る | 契約で決めた条件による | 可(買主が見つかれば) | 受け取る |
| 買取に出す | 残したまま出せる場合がある | 可 | 受け取る |
| 自治体へ寄付を申し出る | 建物ごと受け付けない例あり | 受けない自治体がある | 受け取らない |
| 国に引き取ってもらう | 建物ごと不可 | 不可(申請できない) | 手数料と負担金を払う |
| 有料引き取りサービス | 業者の条件による | 業者の条件による | 払う |
データ出典: 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」・新潟市「土地の寄附について」・当社の買取条件を基に当社作成
自治体への寄付では、たとえば新潟市が受け付けられないものに「建物等が付属する土地」を挙げています。建物が残っていれば、管理と解体の負担が市へ移るからです。国に引き取ってもらう制度も却下事由の筆頭が「建物がある土地」ですので、古家が残っているうちは、寄付も国庫帰属も候補から外れます。
買取なら前提が変わり、当社にも生活用品を残したまま現況で買い取った実績があります(査定額は状態で変わります)。有料引き取りサービスは売主が費用を払って手放す方法で、代金を受け取る買取とはお金の向きが逆になります。
先に片付けないほうがよい2つの場面
家財の片付けは、着手のタイミングを間違えると丸ごと無駄になります。
1つ目は、相続放棄を考えている期間です。家財の運び出しも相続財産の処分に当たりうるため、放棄するかどうかを決める前には動かさないほうが安全です。
2つ目は、手放し方が決まっていない段階。買取に出すなら不要だった片付け費を、先に自腹で払うことになります。残置物の処分費用の目安と、残したまま出したときの査定額を並べて比べてみてください。
片付けが終わってから査定を頼もう、と考えているうちに何か月も過ぎてしまう——手順3で気をつけたいのはここです。
⇒ 片付けるかどうかは、手放し方を1つ決めてから判断すれば間に合います。
受付時間 10:00〜19:00(水・日曜定休)
手順4 手放し方を選んだら、動く順番と見切りどきを決める

媒介契約の区切りと年末を起点に、見直しの日と切り替え先を並べた(出典: e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」第34条の2・総務省「固定資産税の概要」を基に当社作成)
手放し方は、仲介と買取の査定を並べて手順1の維持費と見比べてから、1つ目を選びます。仲介なら3か月ごとに売れ行きを見て続けるかを決め、年末が近いときは1月1日の所有者に翌年度の納税通知が届くことも合わせて考えます。
査定を並べてから、最初に試す方法を選ぶ
仲介の査定は「売れそうな価格」、買取の査定は「今すぐ受け取れる価格」で、性格がまったく違います。同時に取って、手順1で出した年額の隣に並べてみてください。
時間をかけてでも高く売りたい、買い手が付きそうな立地なら仲介から。早く終わらせたい、状態や立地で買い手が付きにくいなら買取から当たるのが現実的です。
見切りどきは、媒介契約の区切りと年末
仲介を1社に任せる契約を専任媒介契約といい、その有効期間は3か月を超えられません。更新するときも3か月ごとです(e-Gov法令検索 宅地建物取引業法 第34条の2)。この3か月を、このまま続けるか別の方法へ移るかを決める区切りに使えます。
もう1つの区切りが年末です。固定資産税は1月1日時点の所有者にかかりますので、年内に引き渡しと名義の移転登記を終えれば、翌年度の分は新しい所有者の負担になります。賦課期日とは、その年度の税を誰に課すかを決めるこの基準日のことです。
たとえば4月に専任媒介で売り出したなら、7月が1回目の見直し、10月が2回目、12月末までに引き渡しと名義の移転を終えるのが最後の目安になります。10月に売り出した場合は1回目の見直しが年明けになりますので、年内の引き渡しを狙うなら契約の区切りを待たずに買取の査定も並行して取っておく、という判断もあります。
最初の方法で決まらなかったときの切り替え先
反応が無いまま区切りが来たら、次に当たる順番はおおむね決まっています。仲介で決まらなければ買取へ、建物のない土地なら国に引き取ってもらう制度の要件と費用へ。建物が残っていると申請できませんので、古家付きなら解体の判断とセットになります。
費用を払ってでも早く手放したいなら、有料引き取りサービスの費用と依頼先の比べ方が選択肢に入ります。ただしお金の向きが逆になりますので、買取で値が付くかを先に確かめてからでも遅くありません。
⇒ 3か月ごとの区切りと年末の2つを手帳に入れれば、「そのうち」が日付に変わります。
負動産の処分でよくある質問
負動産の処分にはどれくらい期間がかかりますか?
選ぶ方法によって大きく変わります。仲介は専任媒介の3か月を1区切りとして売れ行きを見ることになり、買い手が現れる時期は読みにくくなります。買取は条件がそろえば早く、当社では最短3日での買取に対応しています。名義が亡くなった親のままなら、売買契約までに相続登記を終える時間も見込んでおいてください。
相続した負動産は、相続放棄で手放せますか?
相続の開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所へ申述すれば、放棄できます。ただし、その不動産だけを選んで手放すことはできず、預貯金などを含めた相続財産すべてが対象になります。可否の判断と手続きの流れは空き家の相続放棄で確かめてください。
農地や山林の負動産でも、同じ手順で進められますか?
維持費を出す、名義と共有者を確かめる、建物と家財の扱いを決める、手放し方を選ぶ、という順番は同じです。変わるのは使える方法のほうで、農地は売買そのものに農業委員会の許可が要りますので、農地を処分するときの手続きを先にご覧ください。土地・戸建て・マンションをまたいで選択肢を見比べたい場合は、不動産全般の処分方法に整理があります。
買取くんでは、家財が残ったままの負動産でも査定を依頼できますか?
依頼できます。当社は生活用品を残したままの現況買取に対応しており、他社で断られた物件や少額の物件、地方の物件も全国で買い取っています。無料査定は最短6時間以内にお返ししていますので、片付けや解体にお金をかける前に物件の状態をそのままお聞かせください。
まとめ
負動産の処分は、1年分の維持費を数字にするところから始めると止まりにくくなります。名義が親のままでも査定は取れ、家財が残っていても手放し方によっては残したまま出せます。ただし相続放棄を考えている間は、片付けも売却も先にしないでください。まずは今年の納税通知書を出して、物件の形に合った費目を書き出すところからです。残る方法を手取りや費用で比べるなら、負動産の定義と処分5経路が続きになります。
当社の買取くんの買取実績には、入居者の退去後に約8年空き家だった富山県富山市の物件を450万円で買い取った例があります。維持費だけがかかり続けている物件の金額を、片付けの前に知っておきたい方に向いています。
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